火野レイ『人間便器』

「どうして、こんな目に……」
 そう声に出して言いたかったが、それはできなかった。
 口がふさがれているからだ。ロープや、ハンカチではない。
 ウンコだ。とてつもなく臭く、にがいウンコで口をふさがれているのだ。
 レイには理由が分からない。自分が何故こんな目に合わなければならないのか。
 分かるはずもない。男を見下し、汚らわしいとさえ言うレイには、 それが同年代の男から見れば、ひどく不遜でお高くとまって見えることなど。
 その男たちの怒りと欲望が爆発したことなど。
 そして今日、レイは男たちに男子トイレに連れ込まれ、犯されるのではなく、 文字どおり汚されたのだ。男たちのションベンとウンコによって。
 裸に剥かれ、仰向けに縛られたうえでションベンとウンコをかけられただけでも屈辱的なのに「」だの「変態」だの騒いだために、とうとう口の中にウンコをされてしまった。
 臭くて苦くて、吐き気がする。
 いまや、用意されていたレイを侮辱する言葉の書いてある紙を見せられたことすら覚えていなかった。
「私は普通の女の子ではありません。
 実はオシッコを飲んだり、ウンチを食べたりできる超おバカな能力があります。
 だからみんなで、『変態レイちゃん』って呼んで、人間便器として使って下さい。」

 そう書いてあり、それを見せられた時には顔を真っ赤にして怒り、男子たちを睨みつけたというのに。
 裸にされて、白い体には赤いペイントで大きくとまで書かれ、それからエスカレートして糞尿まみれにされるに従って意識が弛緩してきてしまった。
 そうこうする内に、お尻の穴に柄がついたタワシを突っ込まれた。
「ん!? んん~!!!」と声にならない声を出す。
 すると、男の一人が言った。
「縄を切ってやるから、その自分のケツの穴に入ったタワシを使って、奇麗に掃除しろよ」
 男たちの嘲笑がトイレ中に響いたが、もうレイの耳には届いていなかった………。

LINEで送る
Pocket