『宴のビーナス』(第6夜)

 優子の糞尿にまみれた綾は、部屋から連れ出された。
 綾を心配する気力も無く、優子はその場に座り込んだまま泣き続けていた。
 その優子の柔らかく白い、しかし糞まみれの又丘に男の手が触れた。
「いやっ!」と反射的に拒否する。
 すると社長が、
「何を言ってるんだね。君の汚れたお尻の穴を綺麗にしてやるんじゃないか」と言った。
 その言葉通り、男の手で乱暴にトイレットペーパーでお尻の穴の汚れを拭われた。
「くうっ」と痛さに耐えた。いや、痛さだけではなかったかもしれない。
「さて、苦痛に耐えられた君も、これはどうかな?」と、社長が指を鳴らすと、控えていた男が注射器を手にして現れた。
 咄嗟に逃げようとしたが、どの道無駄なことだ。
 すぐに押さえつけられた。
「これが何か分かるかね?」
「麻薬……?」
「その通りだ。それも純度の極めて高いね」
「い、いやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 優子は髪を振り乱して抵抗した。
 高校生の頃に、ある事件に撒き込まれた時にやはり麻薬漬けにされたことがある。
 快楽に溺れ、性の玩具にまで堕とされた優子は中学生の頃から付き合っていた恋人のおかげで、やっと回復したのだ。
 その時の悪夢の記憶が優子の脳裏に甦った。
「それほど喜んでもらえると私も嬉しいよ」
 顎をしゃくって注射器を持っている男に打つように命じた。
「いや!いやあぁぁぁ!」と尚も優子は暴れた。
「あまり暴れると針が折れてしまうぞ」
 クックックッと笑いながら社長がそう言うと、ビクッと優子は体を強張らせた。
 針の先が後ろ手に手錠をかけられた優子の腕に刺さった。
「痛(つ)っ……」
 優子は針が引き抜かれた後も、体を固くして蹲った。
 これから襲ってくるであろう“感覚”に抵抗しようというのだろう。
 しかし、昔の記憶を思い出すことで、逆に優子は自己暗示にかかるかのように無意識に体の感覚が高まっていった。
「さあ、たっぷりと可愛がってもらいなさい。きっと楽しませてくれると期待しているよ」
 社長がそう言うと、すでに衣服を脱いだ数人の男達が優子を取り囲んだ。
 その中心で、優子は荒くなってくる息を懸命に押さえようとする。
「ふっ…、ふっ、ふっ、うう…」
 優子は必死に耐えながら、さっき自分を刺した注射器を探した。
 注射をした男も、空になった注射器を近くのテーブルに置いて優子の陵辱に加わろうとしていた。
 すると、注射器がスウッと持ち上がった。誰も気がつかない。
 優子は気力を振り絞って意識を集中した。
 そこへ、男の手が優子の乳房に触れた。
「ふあっ!」と感度が高まっていた優子は思わず声を上げ、同時に“力”を解放してしまった。
 シュッと注射器が社長に向かって空を走る。
 だが優子のコントロールが定まっていなかった注射器は社長の顔をかすめて外れてしまった。
 壁に当たって、カシャーンと割れ落ちる。
 それでも、さすがに社長は冷汗を流して目を白黒させた。
「な、なんだ!?」
 優子は最後のチャンスを逃してしまったことに落胆した。
 その優子の顔を男の一人が乱暴に持ち上げた。
「貴様! 何をした!?」
 優子は目をそらすことしかできなかった。
 社長は内心肝を冷やしたことを悟られないように、それまで以上に低く芝居がかった声で訊いた。
「今のは、君がやったのかね?」
 優子は固く口を閉じる。
 そんな優子の乳首を顔を持ち上げてる男がひねった。
「うあっ! ああっ…」と痛みと快感で声を上げてしまう。
「おもしろい“力”を持っているようだね……。初めてお目にかかったよ」
 余裕を見せてはいるが、服を着ている男達に社長は自分の周囲を囲ませた。
「もう、やらないのかね? 今やっておかないと、もうチャンスは無いと思うがね」
 言われて優子は、キッと社長を睨むと、床に飛び散った注射器の破片をザァッと一塊に持ち上げて社長に向かって放った。
 社長を囲んでいた男達が身を盾にして破片を薙ぎ払い、優子を囲んでいた男達が優子の体に手を伸ばした。
「あっ、ああ!」
 体に男達の手が触れただけで、優子は悶えてしまった。
「ふふっ、残念だったね。」
 社長は優子の今の行動で優子の“力”の強さを見極めて安堵した。
 どうやら、あまり重い物は動かせないようだと。
 油断はできないが、脅威ではない。
 そして、同時に面白いことを思いついた。
「どうやらクスリが効いてきた様だ。楽しませてやりなさい」
 社長の言葉に、男達は優子に群がった。
 乳房を愛撫し、首筋にキスを繰り返して、優子の秘所をまさぐる。
 優子は、その一つ一つに反応して濡れた声を上げた。
 時々唇を噛み締めて耐えようとするが、その後にはすぐ吐息が漏れた。
 股間に熱いものを感じ、濡れてきてるのが自分でも分かる。
 一方で頭がボウッとしてくる。
 はた目にも優子の表情は力が抜けてきて快楽に傾いているのが分かる。
 そこで社長は、男達にうつ伏せの優子の体を起こしてから離れることを命じた。
 男達はサッと引き、優子の傍らに整列した。
 優子は、無意識にその男達を目で追ってしまう。
「あっ、あああん……」と声を漏らして太ももを切なさそうに擦り合わせた。
「どうしたね、もっとして欲しかったのかな?」
 社長はニタニタと笑いながら優子を見下ろした。
 優子は「はい」と答えそうになりながらも、なんとか踏みとどまった。
 しかし、体の疼きは止まらない。
 手が自由だったら、すぐにでも自分で慰めていただろう。
 それができないのは残念だったが、ここで耐えればこれ以上は快楽に溺れなくても済む。
 優子は、そう考えてなんとか堪えていた。
 だが、社長が意外な“助言”をした。
「なんだったら、君の“力”で自分を愛撫してみたらどうだね? 胸を揉んだり、アソコを動かしたりすれば手が使えなくてもオナニーできるだろう」
 そんなことは思ってもみなかった優子は、無意識に“力”で胸を揺すってしまった。
「あっ……」と、感じてしまい戸惑った。
 すかさず社長が続けて言う。
「気持ちいいかね? だったら、もっとやってみなさい」
 思いとどまろうとしても、想像しないようにとすればするほど逆に意識が集中してしまう。
 誰も手を触れないのに、優子のたっぷりとした乳房が歪んだ。
 へこんだかと思うと持ち上がり、そしてプルンと落ちる。
 その動きと同じリズムで優子の悶え声が上がる。
「くはぁあ……、くうぅ……」
 いつのまにか腰まで揺すり始めている。
 社長が、
「足を開きなさい」と言うと、優子は言われるままに足を開いた。
 すると、股間も乳房と同じように蠢いていた。
 とうとう疼く体を抑えきれずに、優子は自分の“力”で自分を愛撫することをやめられなくなってしまったのだ。
「あっ、あっ、ああんっ!」
 次々と押し寄せる快感の波に、優子は全身を震わせて悶えた。
 いつしか快感は最高潮へと高まっていく。
「うあっ、ああ、あああぁぁぁぁぁ!!!」
 優子の体が一瞬硬直し、次の瞬間にピクピクと痙攣しながら倒れ込んだ。
 絶頂を迎えたのだ。
 まったく手を使わずに女性が絶頂を迎える光景に、社長は楽しそうに拍手を送った。
「はっはっはっはっ…。実に楽しかったよ。君の名前は、なんと言ったかな?」
 優子は、すぐに答えた。
「古谷…優子です」
「優子くん、気持ち良かったかね?」
「はい……」
「もっと気持ち良くなりたいんじゃないかね?」
「はい……」
 社長は男の一人に命じて、優子の手錠をはずさせた。
「さあ、優子くん。これで君は自由だ。今度はその手を使ってオナニーすることもできるし、その手を床について彼らにお願いすればセックスをしてもらえるぞ。どうするかね?」
 優子の頭は、すでにクスリに犯されている。
「…セックスをして下さい………」
 そう言って優子は床に手をついた。

LINEで送る
Pocket