『白亜の館』

 21世紀を迎えた7月の下旬、この年の梅雨はいつになく早めに終わり連日の猛暑が続いていた、しかし、ここ伊豆修善寺では、都会のうだるような暑さとは無関係のような涼しげな風が高原を吹き抜けていった。  この日、伊豆高原駅にハルは一人で降り立った。  服装は、強い日差しを避けるように、白い大きな帽子と、袖と胸元にバラの刺繍が施された純白のワンピース、荷物も小さなバッグだけであった。  抜けるように広がる … 続きを読む 『白亜の館』