『ブレーク・パーティー』…第4話〈 心強い?仲間達が大集合の巻・前編 〉

〈 心強い?仲間達が大集合の巻・前編 〉
 バサッ!。
 檻を覆っているシートが捲り上げられ、檻の外側に1人の男の顔が現れた。
 手には食べ物の入った食器が握られていた。
「ほらよ、今日の分の餌だぞ」
 ガチャ。男はそう言いながら、ライラックの入れられている檻の扉を開けると、手に持っている食器をライラックの前に置いた。
 檻の中のライラックは、一糸まとわぬ全裸の姿にさせられ、両手は後ろ手に枷によって拘束されていた。
 また、両足首にも鎖でつながった足枷を填められていた。
 入れられている檻は縦横1メートル四方の大きさしかないので、中のライラックは一日中そして寝る時も、身体と足を折り曲げた息苦しい姿勢でいなければならなかった。
 この苦痛を心身に与える姿勢は、檻の中にいる者の反抗心を、完全に奪い取っていくのである。
 しかし、ライラックはこのような檻の中に入れられて、すでに半月位たっているが、ライラックの心の中には、屈服すると言う気持ちは一切無かった。
「相も変わらず、くさい臭いの小便と糞だな」
 男は檻の隅にある、ライラックの排泄した大小便が入っている容器を、檻の外に取り出した。
 この容器は、昨日の朝に食べた餌を入れていた容器である。
 ライラック達に与えられる餌を入れた容器は、食べ終わったらそのままライラック達が排泄をする、大小便を入れる便器になるのである。
 最初このような扱いを受ける事に、怒りを覚えていたが、とにかく今は生き延びていく為に、屈辱的な扱いにも堪えていこうと思っていた。
 だから犬のように容器の中に顔を入れて、餌を食べる事もしている。
 また、空の容器の中に大小便をこぼさずにする事も、出来るようになった。
 だが初めのうちは、1メートル四方の檻の中で、後ろ手に拘束され、足首には肩幅程度の長さの鎖の付いた足枷を填められた姿では、容器の上に上手く身体をしゃがませられなくて、容器の中に大小便を排泄する事がなかなか出来なかった。
 よく回りにこぼしてしまい、そのつど男に屈辱的な事を、言われ続けたのであった。
 それにこの容器は、あまり綺麗に洗っていないようで、餌を食べる時に顔を近づけると、プーンと大小便の臭いがしてくるのである。
 もちろんこの臭いがライラック自身の排泄した物とは限らないのだ。
 それよりも別の檻に入れられている、女奴隷達の出した臭いの可能性の方が高かった。
「大きな1本糞と・・・色のない小便水か。・・・よしよし、病気はしていないようだな」男は鼻をつまみながら、容器の中を観察するように眺め、ライラックに聞こえるように言った。
「それに最近は、小便や糞を容器からまき散らさずに出来るようになってきたようだな。檻の床が濡れていないから」
 ライラックは男の話す言葉を、顔を赤らめながら聞いていた。
 この狭い檻の中では、何処にも逃げていく場所はない。
 両手は後ろ手に拘束されているので、声を聞かないように耳を塞ぎたくても、それも出来ない。
 男に反論したくても、口枷が噛まされているので、声を立てる事もできない。
 ライラックは、男の卑猥なそしてライラックを屈辱する言葉を、怒りでブルブルと震えながら聞いていることしかできなかった。
 睨み付けているライラックの目には、涙がこみ上げてきていた。
 しかし男はそんな事は気にもしないで、更なる屈辱の姿になることを、ライラックに命令をした。
「おいライラック。尻とオマンコを、俺の方に見えるように向けるんだ。・・・いつものように、手が使えないお前に代わって、俺が代わりに大小便をして汚れている尻とオマンコを拭いてやるから。へへへへ・・・」
 男のゴツゴツとした手が、薄汚れた布を取り出し、向けられたライラックの排泄器官の出口を、ネチネチとした動きで拭きだした。
 ヌチャ、ヌチャ、ヌチャ。
「うぐっ」。ライラックは、恥ずかしさで目をつぶり、噛まされているボールギャグを強く噛んだ。
 ライラックは、他人には見せたくない自分の排泄器官の場所を、誰とも知らない男の手によって、綺麗に拭かれているとはいっても、それは屈辱の何者でもなかった。
 ニュチュ、ニュチュ、ニュチュ・・・。
 布を持つ男の指が、ライラックの尿道口や肛門の周辺を、イヤらしく撫で回す。
「ひぐっ」。ライラックは低く声を飲み込むと、身体をヒクヒクと震わせた。
 ネチュ、ネチュ、ネチュ、ネチュ、ネチュ。
「おいライラック。オマンコに付いていた小便の残りカスを拭いてやっているのに、オマンコの中から、トロトロとした液が流れ出て来ているが、これは何だ?。・・・ははは。お前の小便は、ネトーとしていて糸を引いているのか。・・・ははは・・・」
 男が笑いながら言った言葉を聞いたライラックは、恥ずかしさで開いていた両脚を閉じようとした。
 パシーン!。「ひぐっ!」。
 突然、男の平手がライラックの尻を強くひっぱたき、ライラックは口枷の奥から低い悲鳴を上げた。
「こらっ!。誰が脚を閉じろと言った。命令されていない事をするな!」
 ビシッ!。男の平手が、ライラックのヴァギナを強く叩いた。
「ふぎっ!」。ライラックは小さな悲鳴を上げると、恥ずかしさと痛さで目に涙を溜めて、身体をフルフルと小刻みに震わせた。そして脚を開き続けた。
 男はニヤッとすると、自分の3本の指を、ライラックのヴァギナの中に入れてきた。
「うぐっ!」。ライラックの口から苦痛の呻きが出た。
「いくらライラックでも、オマンコに3本の指を入れたら、やはりキツイか。・・・へへへ・・・、てっきり3本の指でも、お前のオマンコはもうユルユルかと思っていたよ」
 ヴァギナの口に指を3本も入れられて、もうこれ以上は裂けるんじゃないかと思われるくらい広げられた痛さで、顔を歪めているライラックを男は笑いながら眺めていた。
「うぐぐぐぐぅぅぅ」。ライラックは、口に填められているボールギャグを強く噛んだ。
「ライラック、随分と辛そうだな。・・・それじゃ、楽にさせてやるか。くくく・・・」
 男はそう言うと、ヴァギナの中に挿入している3本の指を、動かし始めた。
 ズニュ!。「ぐあぅっ!」。ヴァギナからの痛さが、ライラックの身体中の神経を切り刻む。
「ぐふふふふ・・・。痛いのは最初のうちだけさ。次期良くなるぜ」
 男は笑いながらそう言うと、ヴァギナの中の指を、何度も何度も上下に動かした。
 ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
「ふぎゃっ。ふぎゃっ。ふぎぇぇ。あぐっ!」
 ライラックはヴァギナから受ける激痛で、涙を溜めた目を大きく見開き、塞がれた口からは、涎を垂らしながらくぐもった悲鳴を上げ続けた。
 男は、そんな苦しむライラックにお構いなく、いやそれどころか、それを楽しむように、残酷な指の上下運動を続けている。
 ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
「うぎゃ。ふぎゃ。うあっ。あうっ。ああ!」
 ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
「あぐっ。うあっ。あうっ。ひゃっ。ひぇっ」
 痛撃がライラックの身体と神経を引き裂いていき、身体全体がフルフルと小刻みに震えてくる。
 ズニュ。ズニュ。ズニュ。ギュニュ。グニュ。
 グニュ。ジュニュ。ジュニュ。ニュチャ。ニュチャ。
 ヴァギナを上下に摩擦している男の指に、生暖かいライラックの淫液が絡み付いてきた。
 ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ギュニュ。
「うぐっ。あうっ。あう、ひゃっ、う、ああ、あん・・・」
 男は、ライラックの身体の反応が、苦痛から別の方向に変化を始めた事を、見逃さなかった。
「おい、ライラック。オマンコの奥からのイヤラシイ汁が、俺の指に絡み付いてくるぞ。どうした?。苦痛だったんじゃなかったのか?。へへへへへ・・・」
 男の指は、最初ライラックの身体に痛撃を与えていたが、しだいに淫靡なオーガズムへと変えていった。
「はがっ・・・あがっ・・・あう、えぐっ。・・・えげっ」
 ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。
 ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。ニャチャ。
 ヴァギナの奥から溢れ出したライラックの白い淫液が、男の指を伝って手首へと流れていき、檻の床に滴り落ちていく。
 そしてヴァギナからの淫液が潤滑油となって、きつく辛かった指の動きが滑らかになっていった。
 ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。
 湿った音を立てて、指がヴァギナの口を上下に出入りをする。
「は、はぁ、あうう、あん、あ、ん、はぁぁん・・・」
 涎を垂れ流しているライラックの口からは、艶めかしい喘ぎ声を洩らし続けていた。
 ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。
 いつしかライラックの腰は、快感を自ら求めるかのごとく、独りでに動かし出していた。
 男の指をライラックのヴァギナは、ぎゅっぎゅっと、強く締め付けてくる。
 グチュ。グチュ。ヴァギナが指を締め付ける度に、溢れ垂れている淫液が、回りに飛び散った。
「ははははは。ライラック、自分から腰を動かすほど、お前の身体は淫らになってきたんだな。剣士では無くまさに牝奴隷の姿だぞ」
 男は笑いながら、指をヴァギナにくわえ込んで、ひたすら腰を上下に動かし続けるライラックに告げた。
 だがライラックの耳にはそんな言葉は、すでに聞こえていなかったようであった。
 ライラックの頭の中は、オーガズムをひたすらその身に感じ続ける事だけしか、ないようであった。
「ひゃが。ひゃが。・・・ひゃ、あう、・・・ひゃ、あ、ん」
 グチェ。グチェグチェ。グチェ。グチェ。
 ライラックの瞳が、快感を感じてトロンとしている。
 背中の陰に隠れて気が付かなかったのだが、ライラックの胸の乳首が飛び出るように尖っている。指で乳首を触ってやれば、きっと電気を流されたような痺れを、感じる事だろう。
 だが男は、ライラックのこの姿を見ていて、別の事を考えていた。
 男の目の前には、無防備になっている、ライラックの尻の穴が見えていた。
 指をくわえ込んでいるヴァギナの締めつけに気がいって、オーガズムを感じているせいなのか、アナルの締まりが驚くほど緩くなっていて、ヒクヒクとヒクついていた。
「それじゃ、そろそろフィニッシュと行くか」
 男はそう言いながら、もう片方の人差し指を、ヒクヒクとだらしなく生き物の口のような丸い穴をひくつきさせながら、開いている穴に目掛け、狙いを付けて指を差し込んだ。
 グニュッ!。「ふぎゃっ!!」
 小さな叫びを上げて、ライラックの腰の動きは、突然止まってしまった。
 人差し指がアナルの中に深々と刺されている。
「うぐ、うぐ、うぐ・・・」
 アナルの中に指を入れられて、違和感を感じたライラックは身体を小刻みに震わせている。
「くくくく・・・」
 男はヴァギナとアナルに入れている指先を、L字に折り曲げると、アナルに差し込んでいる指を、グリグリと円を描くように動かし出した。
 グニュ、グニュ、グニュ、グニュ、グニュ。
「ひぎゃ。ひぎゃ。ひぎゃ。ひぎゃぁぁぁぁ」
 ライラックは、アナルからの責めに背筋を反り返して、オーガズムを全身に感じて、身体全体を痙攣させて、イッテしまった。
「あはははは・・・。何かあっけなくイッテしまったな。・・・あははは・・・」
 ヴァギナとアナルから、ビチョビチョになった指を引き抜いた男は、強制的にイカされて気を失って、俯せに倒れているライラックを見下ろしながら、せせら笑った。
 男はボールに水を注ぐと、淫液で汚れた手を洗った。そしてその水の入ったボールを手にすると、気を失っているライラックの頭に中の水を掛けた。
 ザバァァァァー。「あうっ!」。驚いたようにライラックが目を覚ました。
「ライラックいつまで寝ているんだ。・・・俺様の指は、気を失うほど気持ちが良かったみたいだな。ライラックのよがり狂う姿はいつ見ても面白いぜ。あははははは・・・」
 男の言葉を聞いて、また無理矢理にイカされた、屈辱感を感じたライラックは、顎に力を入れてボールギャグをガチッと噛んで、男を睨み付けた。
 ライラックの顔が赤くなっているのは、イッタ事による高揚のせいなのか、それとも怒りのせいなのかは分からない。そんな事は男に取ってどうでも良い事であった。
 ぐっ!。「起きな」。男はライラックの髪の毛を掴んで、身体を引き起こした。
「ひぃぢゃ!」。痛さでライラックの顔が歪んだ。
「それじゃ、いま口枷を外してやるからな」
 男がそう言うと、ライラックのギャグの口枷が外され、やっと容器の中の餌を食べる事を許された。
「よし、ライラック餌を食べろ。但し分かっていると思うが、餌を食べる時間は5分間だけだぞ。時間が過ぎたら、食べている最中でも、お前の口にギャグの口枷を填めるからな」
 男はそう言って、砂時計を床に置いた。
 砂時計の砂がサラサラと落ち始めた。
「どうした?。・・・俺の顔を睨んでいたら、餌を食う時間が無くなるぞ。くくく・・・」
 男の顔を睨んでいたライラックは、ギュッと唇を噛んで、目の前の容器に顔を埋めた。
 容器の中の食べ物は、明らかに目の前にいる男達の、食べ残しの残飯であった。
 それでも、日に1度しか与えられない餌と呼ばれている食べ物なので、ライラックは何も考えずに懸命に食べ続けた。
 少ない量でも食べ物を食べて、体力と精神力を維持すれば、必ずここから脱出できると考えていたし、その間にどんなに屈辱を受けたとしても、最良のチャンスは必ずあると思ってもいた。
 その証拠に、砂時計や男の顔をチラチラと横目で見るライラックの瞳には、今も強い輝きを失っていなかったのである。
 ライラックは長い間、傭兵の剣士をしているので、絶望とか失望とか言う気持ちを持たないようにしているのだ。なぜなら戦場での闘いや妖魔の怪物との闘いで、この気持ちを少しでも持ったら、それはそく死へと繋がるからだ。
 はぐはぐはぐ・・・。がつがつがつ・・・。
 ライラックは動く事の出来ない檻の中にいて、何処にこんなに食べる体力があるのかと思われるほど、勢いよく容器の中の食べ物を胃袋の中へと入れていった。
 もちろん食べる時間が限られていると言う事もあるが・・・。
「それにしても、お前の意志の強さには驚くよ。何処からそんな強い気持ちが涌いて来るんだ?。・・・普通の女達ならば、半月もこの檻に入れられていたら、どんなに反抗的な心を持った女でも屈辱的な行為に屈服して、最後にはすっかり牝の奴隷になって従順な気持ちと姿になるのによ。・・・なのにお前は今も抵抗の意志を持っている・・・。いや抵抗どころか、チャンスがあれば俺様の寝首をかく事を考えている目だぞ」
 男が話をしている間中、ライラックは容器の中の餌をガツガツと勢いよく食べ続けていた。
 しかしライラックの男を睨み付けている瞳は、獣が獲物を狙うみたいに冷たく、そして威圧感を投げ掛けていた。
 がつがつがつがつがつ・・・。
 もぐもぐもぐもぐもぐ・・・。
 ライラックの目の視線が、砂時計の砂に注がれる。
 はぐはぐはぐはぐはぐ・・・。
 むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ・・・。
 砂時計の砂の残りがあと僅かとなってきた。
 ぺろぺろぺろぺろぺろ・・・。
 砂が全て落ち終わった時、ライラックは容器の中の餌を全て食べ終わり、残り物がないように容器の中を綺麗に舐め終わっていた。
「ほほー。時間内に全部食べ終わったのか」
 男はクスッと笑いながら、容器の中を覗き込んだ。
 その後男は、檻の扉を閉めて、ライラックの排泄物が入った容器を手に持つと、シートの外に出て行った。
 暫くして、シートの外から男の声がしてきた。
「ほら、お前を奴隷として買ってくれるかも知れない、お客さんの屋敷に着いたぞ」
 男はそう言うと、ライラックの檻に掛けてあるシートを勢いよく引き剥がした。
 ガバァァァァー。
 音と共に薄暗かった檻の中に、太陽の明るい光が強烈に射し込んできた。
「うっ」。ライラックは一瞬まぶしさで目をつぶった。
「おいおい。こんな所で目をつぶすなよ。お前の売値が下がっちまうからな・・・」
 男は檻に掛けていたシートをたたみながら、ライラックに話し掛けた。
「いいか言っておくが、ここの貴族様は、質の良い物や、品の良い物しか買ってはくれないんだ。だからお前も出来るだけレディーらしく振る舞えよ。きっと高値で買ってくれることは間違いないから」
『冗談じゃないわよ。レディーらしくなんて出来るわけないでしょう!。・・・そもそも何であなた達の金儲けの為に、あたしがそんな事をしなくてはならないのよ!。・・・そうだわ、もし檻から出された、思いっ切り暴れてやれば、うまくいったら逃げる事が出来るかも知れないわね。・・・今に見てなさいよ』
 ライラックはそう考えると、話をしている男に気が付かれないように、急に従順な姿を取り出した。
「はい・・・貴族様に、ライラックを高く買ってもらえるように、レディーらしく振る舞わせてもらいます」
 ライラックのしおらしい姿に、男は「やっと自分の立場が分かったようだな。・・・そうだライラック、その気持ちでいれば、辛い思いをしなくてすむんだぞ。忘れるなよ」と告げると、ライラックの口の中にまたボールギャグの口枷を押し込んで、ベルトで固定をした。
 そうこうしているうちに、ライラックの入れた檻を積んでいる馬車が、動きを止めた。
 その大貴族の館に着いたようだ。
 明るさに目が慣れてきたライラックは、檻の鉄格子の間から回りを見渡した。
 まず、大きな館の建物が目に飛び込んできた。まるで檻の中にいるライラックを、威圧するような感じの大きさだ。
『こんなでかい屋敷に住んでいる貴族なんて、きっと領民達から税金を搾り取って、そのお金で若い女性達を奴隷として買い取って、調教とか拷問とか夜伽なんかをさせて楽しんでいる、イヤラシイ、エロじじーのやつに違いないわ。そんなやつはあたしがきっと天罰を与えてやるから!』
 ライラックはそんな事を考えながら、建物を見続けていた。
『?。・・・でも・・・、この建物・・・どこかで見た事があるような・・・?。』
 傭兵家業をしているライラックとしては、今までいろんな所の貴族のもとで働いてきたから、目の前の建物を見て、直ぐに建物の主の顔を思い出す事が出来なかった。
『う~ん。思い出せない・・・あの貴族かな?、それともこの貴族だったかな?・・・』
 ライラックの頭の中では、たくさんの貴族達の顔が浮かんできていた。
 その中には、ハンサムで紳士的でライラックを能力ある剣士と認めてくれていた若い貴族がいれば、歳を取ってイヤラシイ事しか興味がなく、ライラックを剣士とは見ずに1人の女としてしか見ず、ライラックに夜伽を命じた老貴族もいたのだ。
 ライラックとしては、もしそのようなイヤラシイ貴族にでも買われたら、どうしょうかと思ってしまうのであった。
 それでもライラックは、逃げ出せる場所を探して目を回りに移した。
 大きな庭中に、多くの芝生や草木が植えられている。
 しかもそれらの芝生や草木は、綺麗に剪定作業がされている。
『う~ん。・・・この庭も・・・どこかで見た事があるような・・・?。うっ!。思い出せない・・・』
 懸命に記憶を絞り出しているライラックの目に、この館のメイドの姿が飛び込んで来た。メイドの少女は、館で飼っている子犬を散歩させているようで、手に持った手綱の先には2匹の子犬が歩いていた。
『・・・ん?』
 ライラックは見ていた2匹の子犬の姿に違和感を感じて、よく見えるように檻の鉄格子に身体を張りつけた。
『なにっ!?。・・・あれは?』
 2匹の子犬だと思っていた、四つん這いになっているあれは、裸の2人の少女達であった。
 2人の少女達の首には、犬の首輪が填められていたのだ。
『じょ、冗談じゃないわ。・・・ここの館の貴族は、奴隷の女の子を犬のようにあつかうの?。・・・いったい何者なのぉ?』
 ライラックが驚きで目を丸くして見ていると、メイドの少女が顔を上げ、ライラックが入れられている檻の方を見た。
 檻の中のライラックと、手綱を握っているメイドの少女との両方の視線が合った。
『えっ!。あのメイドの子は・・・?』
 ライラックが一瞬狼狽したように、口枷の奥から声を捻り出すように上げた。
 メイドの少女も檻の中のライラックを確認すると、一瞬、困ったような顔をしたが、直ぐにニコリと微笑むと、ぺこりと頭を下げた。
『ふぇぇぇぇー!。ここの館って?、ここの貴族って?、もしかして・・・えぇぇぇぇー!』
 ライラックのくぐもった悲鳴が、青空に響いた。
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 それから暫くして、館の謁見室から、この館の主人であり貴族の大笑いをする声が外にまで聞こえてきていた。
「わあーははははは・・・」
 今までの話を聞いていたフォレックス公爵は、大笑いをして椅子から転げ落ちるのではないかと、思われるほどであった。
「公爵!。笑い事じゃないわよっ!」
 ライラックは顔を真っ赤にして公爵に噛みついた。
 フォレックス公爵の前には、檻から出されて自由になったライラックとチャームが立っていた。2人は胸と腰を薄汚れた布で隠しただけの、半裸の姿であった。なぜなら、ライラックとチャームが奴隷商人に捕まった時、着ていた唯一の服を男達の手で、引き破られたので、いま身を包む物と言えばこれしかなかったのである。
「ひゃははは・・・こ、これは失礼した・・・くくくくく・・・」
 いつまでも笑いを止めない公爵に頭に来たライラックは、ズカズカと座っている所まで近づくと、公爵の顔の前に自分の顔を近づけて睨み付けながら質問をした。   「こうしゃくぅー!。どうしてあたし達が奴隷商人の檻に入れられなくてはならいのよ!。・・・帰りは食事付きの馬車を用意するって、あたしに言わなかったですか?」
 公爵を睨み付けるライラックの目が血走っている。
「ラ、ライラック、そんな怖い顔を近づけるな。・・・綺麗な顔が台無しだぞ」
 公爵がポツリと呟く。
「こうーしゃーくっ!」。ライラックが怒鳴る。
「わかった、わかったから・・・そんなに怒鳴るな。」
 公爵はライラックを宥めるように言った。
「しかし私は嘘は伝えていないぞ。ちゃんと食事付きの馬車に乗って、この屋敷まで帰って来ただろう」
 公爵の言葉を聞いて、ライラックは思わず「え?。」と声を上げてしまった。
「え?・・・え?・・・それじゃ・・・食事付きの馬車って・・・あ、あ、あれの事だったの?・・・」
 ライラックは、一瞬、目が点になってしまった。
 公爵はひとつ咳払いをすると、眼鏡を掛け直し、「ライラックは、王侯貴族の貴婦人や姫君が乗るような馬車に乗って、帰って来るつもりだったのか?」と、ライラックに聞いた。「うっ・・・」。ライラックは一瞬答えに詰まる。
「そうですね・・・。よく考えれば、一応毎日食べ物はもらえたし、ここまでずっと馬車に載せられて来たのですから、公爵様の言われた通りですね」
 ライラックの代わりにチャームが答えた。
「チャーム何を言っているのよ、食べ物と言ったってこいつらの残した残飯じゃないの、馬車に載っけられたって檻の中に入れられてよ!。しかも食器と便器の容器は一緒の物だし。チャーム不満じゃなかったの?」
 それを聞いたライラックは腹が立ってきて、チャームに質問をした。
「奴隷として捕まっちゃったんだから、仕方ありませんよ。それに、あたしまだ死にたくなかったでしたから・・・。それはそれであたしの運命ですもの。エルフ族は身に降り掛かった事は、運命として受け入れるんですよ」
 チャームは平然とした顔で答える。
「それにですよ・・・」
 チャームはそう言いつつライラックに近づき、耳元でそっと囁いた。
「ライラックさん・・・結構いい思いをしていたんじゃありませんか?。・・・毎日ライラックさんの喘ぎ声が聞こえていましたよ」
 ライラックの顔がサァと赤くなった。檻に入れられていたライラックは、毎日食事を与えられる時、男によって色々な屈辱的な行為をされた後に、必ず乳房やヴァギナや肛門などをなぶられて、強制的にイカされていたのであった。
「それは・・・あのあの・・・」
 顔を赤くしたライラックは、慌てたように口ごもってしまった。
 チャームはそんなライラックを見て、キャッキャッと笑いながらライラックの側を離れた。
「どうだ。納得したか?」。公爵の声に、ライラックは「うー」と唸りながらも、もといた場所に戻るのであった。
 そして横目でチャームを睨み付けた。『チャーム、あなたはいったい誰の味方よ?』と。
 取り敢えず問題は解決したと理解したフォレックス公爵は、ライラックとチャームの立っている姿を、改めて見直した。
 身体に傷の跡が無く綺麗な肌の19歳の女性剣士。
 人形のように白い肌に綺麗な顔立ち、それに整ったプロポーションの15歳のハーフエルフの少女魔道士。
 この2人が公爵の目の前で、乳房と股間を布で隠すだけの姿になって、立っているのである。しかも首には「隷属の首輪」を填めた姿で。
 事情を知らない人が見たら、絶対に、2人の女奴隷が品定めをされるために、公爵の前に立たされているのだと、思う事であろう。
 少しの間、謁見室の中は静寂に包まれていたが、突然「ゴホン」というライラックの咳払いの声が響き渡った。
 ニヤ付きながら、ライラックとチャームの身体を眺めていた公爵が、「あっ」と言うと急いで普通の顔に戻った。
 ライラックは部屋の隅にいる商人の一団の方にも、キッと目を向けた。
 彼らも公爵同様、ライラックとチャームの身体に色んな意味での視線を、投げ掛けていたのであった。
 ライラックには、その視線が痛いほど突き刺さって来るのが分かっていた。
 商人の一団は、ライラックと目線を合わせないようにと、急にあらぬ方向に視線を向けた。「こいつらは・・・」。そう小さく呟くと、ライラックは両手を腰に当て公爵に質問をした。しかしその姿格好がまた公爵達の目には、とても色っぽく見えていた。
「ところで公爵。あそこにいる奴隷商人の一団とは、どういう関係なんですか?。・・・ただの貴族と商人との関係とは見えないのですけども・・・」
「ああ・・・、彼は『ミスター・商(しょう)』と言って、遠い東方にある『大中乃国』の出身の貿易商人だ。・・・」
 公爵は一団の前にいる、小さなキャップの帽子を被り、四角い顔に細い目で細長い口髭を左右に生やし、足下までの長いチャイナ服を着た、年齢50歳代の男を指差しながら、話しだした。
 公爵は、ミスター商の隊商のオーナーであるとも言った。
 この他にも公爵は、このような隊商を数隊所有しているとの事であった。
「貿易商人?。奴隷商人とは違うの?・・・あの檻は?、町の市場に送られた別の馬車に載せられた檻の中には、数人の女の子達がいたわよ」
 ライラックはちょっと首を傾げて聞き返した。
「私はあくまでも普通の貿易商人あるネ」。と答えたのはミスター商であった。
「普通の品物を取り引きして、いろんな市場で売るのが私の仕事あるネ。その中に女奴隷が含まれているだけあるネ。あくまでも奴隷は貿易商品の一部分あるネ。・・・言うなる需要と供給との関係と言う事あるネ。お客様が求めている物を集めてきて販売するのが、私達商人の崇高なる仕事あるネ。お客さんはそれに対して、対価として金銭を払って求めていた商品を手に入れるあるネ。分かったあるカ?。何かおかしな所があるカ?」
 ミスター商の口から、矢のように飛び出してくる言葉を聞いていたライラックは、隣りに立っているチャームに話し掛けた。
「・・・だってさ。・・・チャームわかった?」
 そう聞かれて、チャームはニコニコしながら言葉を言い始めた。
「女奴隷は、貿易商品の一部分・・・、需要と供給との関係・・・、集めてきて販売するのが、商人の崇高なる仕事・・・、対価として金銭を払って求めていた商品を手に入れる・・・。どうです、ちゃんと商さんが言った言葉を覚えていますよ。・・・ライラックさんは覚えていないんですか?」
 今度は、チャームから聞かれたライラックが、どきまきしながら答えた。
「うっ。・・・そ、そんな事はないわよ。ちゃ、ちゃんと覚えているわよ・・・。お、女奴隷が・・・需要と・・・供給で・・・対価で・・・崇高を販売するんでしょう・・・。どう、間違いないでしょう?」
 ライラックはどうだと言わんばかりに、布で覆った自分の胸を張った。
「さすがはライラックさんですね。チャームと同じ才能ですね」
 チャームはニコニコしながらライラックを誉めた。
 しかし、ライラックとチャームの頭の中では、それがどういう意味なのかは、全然分からなかったのであった。
 そんな知ったかぶりを、お互いに自慢し合っている2人を、公爵の横から見ていた秘書役のメイドは、「絶対に分かっていないと思うわ・・・」と、苦笑いをしながら呟くのであった。
「では、ライラック達も納得をしたようなので、・・・ライラックとチャームは、下がって闘いと旅の疲れを癒やすがいい」
 フォレックス公爵はそう言うと、秘書役のメイドが部屋の隅にいる、1人のメイドの少女に指示を出した。
 ライラックとチャームはメイドに連れられて、この館にある浴室へと足を運んだ。
 そこは大浴場と言ってもいい程の大きさの浴室で、壁や天井や浴槽、それにお湯を排出している女性の彫像の置物は、どれもこれも大理石で出来ていた。
 しかもこのお湯は・・・温泉だ。
 ザバァァー。ライラックとチャームは身に付けている物を取ると、・・・と言っても胸と腰に巻き付けている布だけであるが、・・・並々と浴槽に溢れている温泉の中に飛び込んだ。
「ふあぁぁぁー。久しぶりに気持ちがいいわ」。浴槽の中でライラックが背伸びをする。「ええ。生き返ったような気持ちですね」。チャームも浴槽の中で手足を伸ばした。
 このような温泉に入るのは、久しぶりな感じだ。
 もし檻に入れられたまま、本当にどこかの奴隷市場で売られたりしたら、2度とこのように浴槽の中で手足を伸ばす日は来なかっただろうと、ライラックは思ってしまうのであった。
 バシャァァッ!。突然ライラックの顔に、浴槽の湯が浴びせられた。
 見ると、チャームがライラック目掛けて、湯を掛けている最中であった。
「きゃっ、きゃっ。ライラックさんどうですか?。気持ちいいでしょう?」
「こらっ。チャーム、やったわねっ!。お返しよっ!」
 バシャァァァーン。ライラックが両手でお湯をすくうと、思いっ切りチャーム目掛けて、浴びせかけた。
 今までの緊張が解けた反動なのか、ライラックとチャームの2人は浴槽の中で、子供のように相手に向かって、浴槽の湯を掛け合った。
 バシャァァ。ビシャァァ。バシャァァー。
 バシャァァ。ビシャァァ。バシャァァー。
 2人の浴槽内での湯の掛け合いは、いつ果てる事なく続いた。ライラックとチャームは子供に戻った心境で「きゃーきゃー」叫びながら遊んでいた。
 バシャァァ。ビシャァァ。バシャァァー。
 バシャァァ。ビシャァァ。バシャァァー。
 ビシャビシャになりながら、湯を掛け合う2人の耳に、メイドの声がしてきた。
「あのー・・・」。バシャァァァーン。「きゃっ」
 掛け合っていた湯がメイドの身体を直撃した。メイドは頭から湯を浴びせ掛けられてしまい、メイド服も身体中も、ずぶぬれになってしまった。
「ご、ごめんなさい」
 ライラックはメイドの少女に謝ると、浴槽の中に身体を沈めた。
 ふと横を見ると、チャームがポツネンと立っていた。
 ライラックは急いでチャームの手を引っぱって、浴槽の中に沈めた。
「な、何か用ですか?。私達別に呼んでいないですけども・・・」
 メイドの少女に、とんでもない所を見られちゃったと思い、顔を赤くしながらライラックは聞いた。
 濡れたメイド服を搾りながら、メイドの少女は、
「公爵様のご命令で、ライラック様とチャーム様の新しい服を脱衣場にご用意しました。・・・それと公爵様から、お2人を公爵様のご夕食にお連れしろと言われました」と告げた。
 メイドに言われて脱衣場に戻ると、新しい衣服に靴、下着が用意されていた。
「ライラック様の着けられる鎧と剣は、お部屋の方に置いてありますから」
 メイドの少女はそう告げると、新しい服に着替えたライラックとチャームをフォレックス公爵の部屋に案内していった。
 ガチャ。
「ライラック様とチャーム様をお連れいたしました」
 公爵の部屋に入ったライラックは、夕食が沢山並んだ大きなテーブルに、公爵以外の人物がいる事に気が付いた。
 1人は・・・特徴ある顔の、貿易商人の「ミスター商」だ。
 それにもう1人は・・・。
「いっ!。何であいつがここに居るの?」。一瞬ライラックは自分の目を疑った。
 ミスター商の横に座っていたのは、ライラックが檻に入れられていた時、散々屈辱を与え続けたあの男であった。
 この男は、ミスター商の代わりに隊商を町の市場まで連れて行って、女奴隷を含む商品を、売買してきたのであった。
 それで、さっきはこの館では姿を見なかったのであった。
 ライラックは男の顔を睨みながら、テーブルに近づいた。
 メイドが椅子を引いた。ライラックが座る。目の前にはミスター商と男が座っている。
 男は何かバツが悪そうに、視線を天井に向けていた。
 最初に公爵の話しが始まり、夕食が始まった。
 話の中で、男は、「ルド=ナボル」と言う名前で、ライラックと同じ傭兵の剣士との事だった。
 年齢は29歳。傭兵としては剣と槍を使うとの事だった。
 ライラックはルドの姿を観察するように眺めまくった。
 茶色の髪の毛に顎まであるもみあげの顔。
 キリリとした目は茶色だ。首が隠れるくらいのタートルネックの服に普通のズボンを身に着ている。
 元々は隊商護衛の傭兵だったが、今はミスター商の右腕的存在になっているのだ。
 それで、先程もミスター商の代わりに、隊商を率いて町の市場で商売を取り仕切ってきたのであった。
 ライラックは心の中で、『へー』と驚いていた。
 なぜなら、この男の印象は、檻の中のライラックに卑猥な言葉を浴びせ、ライラックを屈辱し続ける姿しか、浮かんでこなかったからだ。
 太陽が山に傾き、少し薄暗くなってきた。
 公爵は秘書役のメイドに何かを囁いた。
 秘書役のメイドが何かを合図をすると、脚に小さな車が付いたテーブル2つが、メイドの少女の手によって、押されてきた。
 テーブルには、何か大きな物が載っているようで、掛けてある白いテーブルクロスが、山のように盛り上がっている。
 2つのテーブルは、ライラック達とルド達の背後の壁際に置かれた。
「何ですか?」と、ライラックは怪訝な顔をした。
「暗くなって来たからな。燭台だよ」。公爵が答える。
 バザッとテーブルクロスが引き取られた。
「え!」。とライラックは声を上げ掛けた。
 テーブルの上には、全裸姿の幼い少女がヴァギナとアナルを天井を向くように、身体を曲げて寝かされていて、動けないように身体をベルトで拘束されていた。
 口にも特別製の口枷が填められている。先端に長い1本の棘が付いている。
 身体を縮められて、苦しそうに息をしている2人の少女達は、ここに帰って来た時に見た、メイドの少女が犬のように四つん這いで散歩をさせていた、あの幼い2人と思われた。
 ライラックの背後に置かれているテーブルの上の少女は、ロングのヘアをしている・・・ナナーだ。
 当然ルドの背後のテーブルには、同じ姿にさせられている、ニニーがいた。
 メイドの少女達は蝋燭を取り出すと、ナナーとニニーの身体に蝋燭を置きだした。
 まず、口枷に付いている棘の部分に蝋燭を刺した。
 続いて、少女のヴァギナを指で左右に開くと、太い蝋燭を埋め込んだ。少女は痛さで一瞬顔を歪めた。開いている目には大粒の涙を溜めている。
 最後にアナルには、細い蝋燭がゆっくりと埋め込まれた。
 そして3本の蝋燭に火が点けられた。
 幼い少女の身体に装着された3本の蝋燭が、明かりを発して異様な輝きを見せている。
「公爵・・・この子達は・・・」。ライラックはちょっと狼狽した気持ちになった。
「ははは・・・。奴隷の姉妹を燭台として使っているだけだ。気にする事はない。・・・さあ。食事を続けよう」
 公爵は笑いながら、次の料理を持ってこさせた。
 ふと、いつもならにぎやかなチャームが、静かだなと思って隣の席を見ると、出て来る料理、出て来る料理を、片っ端から食べまくっていた。
「チャーム、少しはレディーらしく食べなさいよ。恥ずかしいわよ。それにお腹を壊すわよ」
 ライラックがそっとチャームに注意をする。
「ライラックさん、食べれる内に食べて置かなくては、またいつ野宿の生活になるか、わからないんですよ。それにレディーよりも生きる事です。格好なんか構っていられませんよ」
 チャームは答えて、なおもパクパクと料理を食べ続けた。
 確かに仕事柄、野宿生活をする事が多い事はわかっているが、しかしこの場所では、流石にマナー通りの食事をしなくては・・・。
 ライラックは奥の手を出すことにした。
「チャーム、そんなに急いで食べると太るわよ。象やダルマのようにマルマルに太った姿のハーフエルフなんて、きっとみっともないわね」
「うっ」と言ってチャームの手が止まった。
 そして「や、やっぱり・・・お食事はレディーらしく上品にマナー通りにしないといけませんわね。・・・おほほほ・・・」と言うと、さっきとはうって変わって、上品な姿で料理を口に運び出した。
 ライラックは、チャームの突然の変わり様に、思わず吹き出しそうになった。
 その間にも、燭台にされている少女達の白い素肌には、溶けた蝋燭がポタポタと落ちて来ていた。溶けた蝋が肌に落ちて、その熱さで身体を震わせれば、蝋燭の中に溜まっている蝋が、揺らされてまた素肌に落ちて来るのである。
 顔に胸にヴァギナにアナルに・・・。
 それどころか、ヴァギナとアナルに深く埋め込まれた蝋燭は、全て燃え尽きて消えるまで、新しい蝋燭と取り替えて貰えないのである。
 それは幼い彼女達が、ヴァギナとアナルを蝋燭で焼かれる恐怖と苦痛を、長時間味わい続けるという事でもあった。
 ナナーとニニーは声を上げる事も出来ずに、辛さを表現する事として、ひたすら涙を流し続ける事しか出来なかった。
「さて、そろそろブラッド・オパールを渡してもらおうか」
 夕食が終わりになった頃、公爵はミスター商に向かって言った。
 ミスター商は頷くと、足下に置いてある小さな小物箱をテーブルの上に置いた。
「この箱の中に、その宝石が3個入っているあるネ」
「中のブラッド・オパールは、あたし達が命がけで戦って集めたんですからね」
 ライラックは、公爵にブラッド・オパール集めの功績をしっかりとアピールした。
「そうそう、その『達』の中には、チャームも入っていますからね。公爵様」
 チャームは口の中の料理の粒を飛ばしながら、ライラックの言葉の後に急いで付け加えた。
 ライラックは「行儀が悪いわよ」と、チャームをギロリと睨んだ。
 睨まれたチャームは、あっと思って急いで口を両手で塞いだ。
 公爵は笑いながら小物箱を取り上げると蓋を開けた。中にはブラッド・オパールを入れている皮の袋が入っていた。
「ふむふむ・・・。この袋の中に、ブラッド・オパールが入っているんだな」
 公爵は皮の袋を取り出すと、口を開いて袋を逆しにした。
 コロコロコロ・・・。中から2つのブラッド・オパールが転がり出てきた。
「ん・・・?。2つしかないぞ」。そう言うと公爵は、一瞬キョトンとした顔になった。
 テーブルの上の2つのブラッド・オパールを見ていたライラック達も、唖然とした表情をしていた。
「1つ足りないぞ。どう言う事だ?。ライラック・・・」
 公爵はライラックの顔を見て、「何故だ?」と問いただしてきた。
 ライラックは「聞きたいのは私の方よ」と言うと、ミスター商の方に顔を向けた。
「わ、私は猫ばばはしていないあるネ」。ミスター商が公爵に向かって言った。
「それじゃ、どうして2つしかないんだ?」。公爵がライラックに聞いてくる。
「ね。どうしてなのよ?」。ライラックがミスター商を問いただす。
「私に聞かれても、困るあるネ」。ミスター商は不思議そうに答えた。
「本当に3個集めたのか?。正直に言うのならば今の内だぞ」
 公爵はライラックに言った。
「商さん、間違いなく3個を管理していたんでしょうね!」
 ライラックは、せっかくの苦労が水の泡になりそうなので、怒りだした。
「ちゃんと、朝には3個あったあるネ」。ミスター商が困った顔で公爵に答える。
「では、なぜないのだ?」。公爵はライラックに聞くと、「なぜなのよ?」と、今度はミスター商に質問の矛先が向かって行く、
 終わりそうもない、質問の堂々巡りのトライアングル状態を聞いていたルドは、笑いを堪えながら公爵に答えた。
「朝まであって今ないと言う事は、その間に誰かが盗み出したと考えられますね。・・・たぶんそいつは、この町に来た時に隊商から居なくなったヤツでしょう。・・・さっそく確認してみましょう」
 ルドはそう言うと、イスから立ち上がった。
 ライラックは、相も変わらずに静かにしているチャームが気になって、チャームの席を見ると、チャームはメイドの少女に空になった皿を渡して、「これ美味しかったですね。もう1人前おかわりします」と言っていた。
 ライラックとメイドの少女は、同時に苦笑いをした。
「親方わかりましたぜ」。そう言ってルドが戻って来た。
「それは誰なの?」。ライラック達の視線がルドに集中する。
「それは・・・」
 ルドの調べによると、この町に隊商が着いた後、『ゲテーク』と言う髭面の男が突然居なくなったのだ。ゲテークはミスター商の隊商が隣の国にいた時に、隊商に加わった謎の男であった。
 そのゲテークがオパールの1つを、盗んで逃げて行ったようだ。
 そしてその男は、ライラックとチャームをミスター商に売り飛ばした少年グリーンの身体に、執拗な執着を見せていた人物でもあった。
「そう言えば・・・あの男が我々の隊商に加わった時、その地域では幼い少年達がレイプされて、殺されると言う事件が起きていたな。・・・まさかアイツが・・・」
 ルドはそこまで言いかけて絶句した。
「よし!。直ぐにその男を捜し出すんだ。衛兵隊長に知らせろ!」
 公爵は傍らに立っている、秘書役のメイドに指示を出した。
 それから暫くして、館の廊下を秘書役のメイドが歩いて来る。
 コッコッコッ・・・。秘書役のメイドはブラッド・オパールを入れた皮の袋を持って、館の宝物庫の部屋に向かって歩いていた。
 その彼女を追うように、小さな影が音も無くついて来る。
 歩いていた秘書役のメイドは、突然足を止めた。
 それと同時に、ついて来ていた謎の影も、動きをピタリと止まった。
 秘書役のメイドは、謎の影がずっとついて来ているのを、それとなく気がついていた。
 しかし館の宝物庫まで、その影を連れて行く訳にはいかなかった。
「誰なの?。隠れていないで出てきなさい。そこに隠れているんでしょ?」
 秘書役のメイドは、謎の影が息を殺して隠れている場所に向かって、声を掛けた。
 暫くの間、静寂が秘書と謎の影を包んでいた。
「ちぇっ。・・・見つかっちゃった。・・・どうもまだ修行が足りないなぁー」
 そう言いながら物陰から、小さな人物が出てきた。
「あ、あなたは・・・?」。秘書役のメイドは、驚きの声を上げた。
 出てきたのは、グリーンであった。
「ど、どうして、ここに子供が?。・・・館の警備は厳重なはずなのに・・・」
 秘書役のメイドは不思議そうに小首を傾げた。
「クスクスクス・・・。あの程度の警備なんか、僕の目から見たら穴だらけだよ」
 グリーンは自慢げに言う。
「あなたはいったい何者?。・・・何をするつもりなの?」
 秘書役のメイドがそこまで言いかけた時、突然グリーンが体当たりをしてきた。
 ドシーン。「きゃっ!」。秘書役のメイドは、悲鳴を上げて倒れ込んだ。
 その拍子に、持っていた皮の袋を床に落としてしまった。
 グリーンはその袋を素早く拾い上げ、倒れている秘書役のメイドに向かって、「これは貰っていくよ」と言うと、館の外の方へと走り去って行った。
「たいへーん!。直ぐに公爵様に伝えなければ!」
 秘書役のメイドは真っ青な顔になった。
 それから暫くして、公爵の館から衛兵の一団が町に向かって行った。
 秘書役のメイドから報告を受けた公爵が、館に忍び込んでブラッド・オパールを奪い取って行った盗賊の少年の探索を命令したのだ。
「せっかくブラッド・オパールが3個、我が手に戻ってきたと思ったのに・・・何が何でも探し出さねばならんぞ!。・・・グズグズしていたら大変な事になる。」
 公爵は力説した後、横に控えている秘書に顔を近づけて囁いた。
「この件が解決したら、奪われた責任を取らせる為に、お前を厳しく調教しなおすからな。覚悟していろ」
『えーん。どうして私なんですか?。私は被害者なんですよー。・・・グスン』
 秘書役のメイドは、公爵から不条理な言いがかりを言われて、当惑の表情をしたが、どうした事か彼女のヴァギナの奥からタラリと汁が涌いて来て、ヴァギナを濡らしていくのがわかって、彼女はほんのり顔を赤らめるのであった。
『いやだわ・・・私ったら・・・公爵様からお仕置きの調教を受けるというのに・・・クスクス・・・』
 一方、自らもブラッド・オパールの捜索をする為に部屋に戻ったライラックは、新しい鎧を身に着けていた。
 以前着けていた鎧よりも材質がよい鎧だ。しかもそれほど重くも無く、身体にピッタリだ。
 続いて脚にすね当ての防具を着ける。鎧とすね当ての色は銀色で統一されている。これはライラックのトレードマークだ。
 両手に皮の手袋をして、同じく革の靴を履き、腰に愛用の剣を下げる。
 この姿を鏡に映して見た。以前からの自分がそこにいた。
「公爵は、あたしの注文通りの物を用意してくれたな」
 ライラックは「よしっ!」と一言いうと、部屋を飛び出して行った。
 館から馬で町に急ぐ。
 ライラックの馬にはチャームも乗り込んでいる。そしてライラックと一緒に、ルドも馬で同じように町に向かっていた。
「どうしてあなたが付いて来るのよ?」
「今度は町の人達に、俺の指であんたがよがってイク姿を、見せてやろうかと思ってよ」
「何ですって?」。ライラックがルドの顔を睨み付ける。
「あはははは・・・。冗談だよ。俺はお頭から、ブラッド・オパールの捜索を命令されたんだ」
 ルドはそんなに睨むな、と言うような顔でライラックに答えた。
「それにしても話を聞くと、館に忍び込んだ賊は、グリーンとか言う小僧らしいな」
「グリーン?。・・・私達をあなた達に売り飛ばした、あの少年ね。・・・」
 ルドの言葉を聞いて、ライラックはグリーンの事を思い出していた。
 ライラック達が町に着くと、衛兵達の探索が行われていた。
 他の町に行く道には、検問所も出来ていた。
 酒場や宿屋に捜索隊は調べに入る。
 普通のオパールの宝石だと思って、盗み出した髭面の男に盗賊の少年。早く取り返さないと、2人の人間はブラッド・オパールに取り付かれて、魔物の怪物に変身してしまうのである。
 衛兵達が探し回っている町の裏通りを、隠れるように移動している男がいる。髭面のあの男・・・ゲテークだ。
「くそ。こんなに兵隊達がウロウロされたんじゃ、この町から逃げ出す事も出来ないや。それにしても、宝石一つ頂いただけで、こんなに大騒ぎになるなんて、思ってもみなかったぞ」
 兵隊達の足音が聞こえてくる。ゲテークは物陰に隠れて息を殺す。
「どうだ、いたか?」
「いえ。まだ見つかりません」
「いいか。宝石を盗み出したのは、30歳代の痩せた髭面の顔の男と14,5歳の緑色の髪の少年だ。2人は必ず宝石を隠し持っているはずだ。探し出せ!」
 兵隊達は別の場所へと走って行った。
「とにかく、この宝石を持っていたら、見つかった時にどうにも逃げられないな。・・・どうする?・・・」
 ゲテークはふと何を考えたのか、ポケットから隠し持っているブラッド・オパールを取り出すと、それを口の中にくわえ込んだ。そして顔を上に向けると、ブラッド・オパールをゴクンと無理矢理飲み込んでしまった。
「はあ、はあ、ゲホゲホ、・・・こ、これで俺が宝石を持っていると言う証拠はなくなったぞ。後はこの町を上手く出て、どこかで宝石を高く売ってしまえばいいぜ。その前に、腹に入れた宝石を糞と一緒に出さなくちゃならないな」
 ゲテークはまた隠れるように移動をして行った。
 その頃グリーンは、町の中の裏道が繋がっている、ゴミゴミとした場所に逃げ込んでいた。
 グリーンが身を隠した場所から、公爵の衛兵達が血眼になって探し回っている光景が、よく見えていた。
「くすくすくす・・・。ここまで来れば、もう僕を見つけ出す事は出来ないよ」
 グリーンはそう言いながら、手にしている皮の袋を眺めた。
「この宝石を、ライラックとか言う剣士から奪い取ったのはこの僕なのに、あの商人のおかげで、宝石は取られて、身体は縛られて木に吊されたんだ。・・・宝石を取り返そうと隊商の隙を狙って、後を付けてここまで来ちゃったけども、・・・やっと隙だらけの領主の館の中で、宝石を手に入れる事が出来たんだ。また奪い取られてたまるものか!。
 もう少しここに隠れていて、兵隊達がいなくなったらこの町から出て行こう。・・・そして、他の町でこのオパールを高く売ってやろう。・・・どれ、袋の中のお宝をちょっと眺めて見ようとするかな」
 グリーンは皮の袋の口を開けて、中のブラッド・オパールを見ようとした時、ギュッと、誰かの手がグリーンの右腕を掴んだ。
「ひっっっ!」。グリーンは思わず大声を出しかけた。
「静かにしな!。こんな所で大声を出したら、自分の居場所を兵隊達に教える事になるぜ」そう言いながらグリーンの口に手を当てたのは、ゲテークであった。
「お前は確か、グリーンとか言っていた小僧だな。・・・ははー。宝石を盗み出した小僧はお前のことか」
 ゲテークは、さっき衛兵達が言っていた盗賊少年の特長を、思い出して言った。
 グリーンは皮の袋を背後に隠す。
「図星かい。・・・取り敢えずどこかに隠れて、夜まで待とう。夜になれば逃げ出せる魂胆が浮かぶだろう」
 夕暮れの裏町の隅を、ゲテークと彼に腕を取られたグリーンとが、暗闇へと消えて行く。
「くそ、もうじき夜になってしまう。いったい何処に消えてしまったんだ?」
 町の広場にいるライラックは、歯軋りをしながら呟いた。
「今夜は徹夜かな?」。一緒にいるルドが言った。
「とにかくこの町の外には、まだ出ていないはずだ。もう一度、町の中を探してみよう」
 ライラック達は町の中にへと走って行った。
 夜の空に月が浮かぶ頃、グリーンとゲテークはある空き家を見つけて入り込んでいた。
 小屋の隅でグリーンは、疲れの為かウトウトと薄い睡魔に襲われていた。
 グリーンの背後から、ゲテークが忍び寄って来る。
「へへへ・・・。何度見てもお前の身体は、抱き締めたいほどのいい身体だぜ」
 ゲテークは、グリーンのお尻を半ズボンの上からそっと撫で回した。
「この肉付き、たまらねぇや」
 ゲテークは、横になっているグリーンのシャツを捲り上げ、半ズボンのベルトを外して、下ろしに掛かった。白い小さなパンツが姿を現す。
「げへへへ・・・。どんな可愛い物を持っているのかな?」
 ゲテークの片手が、グリーンの穿いているパンツの中に潜り込まされた時、異変に気が付いたグリーンが目を覚ました。
「うわっ!。な、何をするんだよっ!」
 グリーンは驚いて逃げようともがいた。
 しかしグリーンの身体はゲテークにしっかりと押さえ付けられていた。
 ビリリッ。ビッ!。ゲテークの手によって、グリーンのシャツとパンツが引き破られた。
「わっ!。やだっ。恥ずかしいよ」
 グリーンはゲテークの手によって、一糸纏わぬ全裸の姿にされてしまった。
「やめろっ。やだやだっ」
 ビシッ。ビシッ。・・・声を立てているグリーンの顔に、ゲテークの平手打ちが数発入った。
「ギャーギャーうるせぇと、ぶっ殺すぞ!。もっと痛い目に遭いたいかっ?。俺はな、他の国で何人ものお前のような少年を、レイプをして殺してきているんだ。言うことを聞かないと、お前も同じ目に遭うんだぞ。わかったか?」
 脅えた表情を見せるグリーンを見て、ゲテークの手が、グリーンの股間の薄い陰毛の中に生えているペニスをまさぐりだした。
 グニュ、グニュ、グニュ・・・。
 脅えているグリーンの身体は、性的快感を覚える事がなかったので、若いグリーンのペニスが太く勃起する事はなかった。
 次にゲテークは、グリーンをうつ伏せにさせ、これまた可愛い2つのお尻の膨らみを、いやらしく撫で回しだした。
 ゲテークの口から、「はあ、はあ」と息使いが荒くなっていくのが聞こえていた。
 グリーンは唇を噛んで、屈辱的な行為に堪えていた。
「いっ!」。ゲテークの舌がグリーンのお尻をペロリと舐め、グリーンは思わず息を飲み込んだ。
「げへへへ・・・。さて、ここはどうかな?」
 ゲテークはそう言うと、2つのお尻の膨らみの間にある、アナルの周辺を撫で回し始めた。
「あ、あ、あ、・・・う、ん・・・あうっ」
 グリーンは背筋に何とも言えない悪寒を感じながら、じっと堪え続けていた。
 ゲテークの指がアナルの所を行き来すると、アナルが反応をして、キュッと口を縮めてしまう。
「それじゃ、いよいよやるとするか。・・・へへへ。痛いのは最初の時だけだからな。我慢をしろよ」
 ゲテークは自分のズボンから勃起した太い男根を出すと、フルフルと震えて口を窄めている、グリーンのアナルに擦り付けた。
 再び「ぞわっ」とした嫌悪感のある悪寒が、擦り付けられたアナルから身体全体へと駆け抜けていき、グリーンは全身をブルッと震わせた。
 涙を溜めた目を強く閉じ、唇をギュッと噛み、おぞましい物が無理矢理自分の身体の中に入って来るのを、ひたすら待ち構えていた。
 その時、背後のゲテークから苦しさで呻く声がしてきた。
「おうっ。あううううううう・・・」
 グリーンはハッとして、背後にいるゲテークの方に目をやった。
 ゲテークは頭を抱えて苦しがっている。
「な、なに?」。グリーンは急いでゲテークの側から離れて、部屋の隅に逃げ込んだ。
 ゲテークの姿が、グリーンの目の前で、段々と異形の姿になっていくのであった。
 髭面のゲテークの顔が、・・・口には牙が生えた大きなくちばしが生えてきた。頭には先の尖った耳が生え、長い2本の触角が生えてきていた。
 額には、赤いブラッド・オパールが浮かび上がっていた。
 それ以上に、ゲテークの身体は巨大になり両手両足は人間とは思えないほど長くなり、しかももう一対の同じ様な脚が腰の所から生え出してきた。
 胸から腹に掛けて皮膚が縦に割れ、その中に無数の牙が見えていた。それは口を縦にしたような感じであった。しかも肋骨が、皮膚から突き出し大きな牙のように動いていた。
 しかも長い尻尾が生えてきているのが見えた。
 6本の長い脚を持ったゲテークは、床に身体を前のめりに倒し、蜘蛛のように自分の身体を6本の脚で吊り支えていた。
「うわぁぁぁぁ。たすけてぇー!」
 魔物の姿へと身体を変化させていくゲテークを見て、グリーンは悲鳴を上げた。

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