初夏といっても山間いの里では、朝晩は涼しい。 真由たちの暮らす里では、近くにせせらぎが走っているせいか,冷気が差し込むくらいである。 そんな中ここ数日、真由は落ち着かない気持ちで過ごしてきていた。 秋口を思わせる冷気の寂びゅう感が、真由を感傷的にしていた訳ではない。 それも少しはあるだろう。 それよりも、使命を帯びて城勤めに入るための、出発の日が明日に迫ってきていたからである。 真由 … 続きを読む 『くノ一物語』第二章 忍び働きの巻 一、不安な日々
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