『くノ一物語』第二章 忍び働きの巻 九、磔刑

 お恵の方が広っぱに運び込まれてから、四半刻(30分)が過ぎていた。  処刑の準備が始められていく。休息というには、あまりにも短い時間であった。  元よりお恵の方には、休息などない。引き廻しに同行している役人たちが、一息入れるための休憩である。  磔柱を立てる石台は、奥の方に造られてある。  地肌が剥き出しの崖に、今日の磔柱が斜めに立て掛けられていた。  キの字柱である。大の字に架けられるのであろ … 続きを読む 『くノ一物語』第二章 忍び働きの巻 九、磔刑