「さて、どんな体をしているのかな?」
優子たちがターゲットにしていた社長が、楽しそうに声をかけた。
一度後ろ手の手錠をはずされたものの、すぐに頭の上で掛け直された優子は、綾と同じように天井から鎖で吊るされた。
足には足枷が掛けられたままだ。
優子は恐れる気持ちもあったが、自慢の顔を踏みつけられたことに怒りを押さえきれずに、社長に向かって怒鳴った。
「どうするつもりよ! こんなことして!」
すると優子を吊るし上げた男の平手が頬に飛んだ。
「うっ」と唸ったものの、悲鳴は飲み込んだ。
この状況から脱出するのは容易ではないが、優子には微弱ながら特殊な能力(ちから)があった。
それが、わずかばかりの勇気を与えている。
その能力とは、“超常能力”だ。
愛する彼との“交渉”によって得た能力(ちから)は、一対一の精神感応(テレパシー)と軽い物を持ち上げる程度の物体移動(サイコキネシス)にすぎないが、チャンスさえつかめば、役に立つはずだと思っている。
キッと、自分を叩いた男を睨みつけてから、社長に目を向けた。
「うんうん、なかなか気が強くていい。その方が楽しめるというものだ」
そのニコニコとした社長の表情が優子をゾッとさせる。
「では、いろいろと吐いてもらおうかな」
優子は、精一杯強気を装う。
「何を吐けと言うのよ」
社長は、あくまで飄々と応える。
「分からんから訊いている。誰に頼まれた。何が目的だ。ん?」
「そんなこと、答えるわけ無いでしょう」
「うんうん、職務に忠実なのはいいことだ」
そして社長が優子の隣にいる男を顎で促すと、その男は上着の内ポケットから折りたたみナイフを取り出した。
優子の鼻先に刃先を突きつける。
「ひっ」と優子は息を呑んだ。
何よりも顔を傷つけられることが恐ろしかった。
しかし、ナイフは優子の顔から下げられると、服の胸元へと当てられた。
そして、“切る”と言うよりも一気に前を引き千切られた。
ブラウスが裂け、傷ついたブラが優子の豊満な胸を支えきれずにパチンと弾けた。
重力に引かれて、ブルンと二つの乳房が男たちの目の前で露になった。
悲鳴を上げずにギュッと目を閉じて恥ずかしさに耐えようとこらえている優子の表情は、いかにも艶っぽく、余計にこれからの惨劇を呼び起こすことになることに優子は気づかなかった。
「優子ちゃん!!」
心配した綾が、思わず声を掛ける。
「なかなか、良い体をしているではないか。その胸を鞭で叩いたら、さぞかし揺れておもしろい見世物になるだろうな」
そう社長が言うと、優子の服を裂いた男はナイフを鞭に持ち替えた。
「や、やめて………」
さすがに優子の声が弱々しくなる。
しかし、もう一度「やめて……」と言う間も無く、鞭が優子の胸を襲った。
パシイイイイイイイイン!!
「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
鞭の渇いた音と優子の悲鳴が、ほとんど同時に地下室にこだました。
そして、悲鳴が途切れるのを見計らっていたようにニ発目の鞭が飛んだ。
再び、優子の悲鳴が響き渡る。
SMで使うような束になっている鞭なら音の割に痛くはないが、一本の鞭は、全ての力が鞭先に伝わって優子の体に食い込むかのように炸裂する。
鞭打ちが止まらなければ、優子の悲鳴も止まらない。
鞭が音をたてる度に、優子は口から悲鳴を発し、瞳からは涙を溢れさせて吊るされた鎖をガシャガシャと鳴らした。
その鞭が途切れて、優子は少し息を整えることができた。
「……も、もうやめて………」
「なら、喋るかね?」
「………………………」
社長は、他の男を呼びつけると次の責めを耳打ちした。
聞き取れなかった優子は、精神感応(テレパシー)で読み取ろうとした。
そして、頭の中に流れ込んできたイメージに優子は蒼ざめた。
「いや! そんな酷いことしないで!」
「ん? 何をするか分かるのかね。しかし、職務は守ってくれないと困るよ。簡単に吐かれたんじゃおもしろくないからな」
足枷を掛けられたままの優子の足は、震えていた。
鬼畜主義人民共和国の終身大統領。
主に女性を便器として使用し、家畜として虐待するのを好む。
趣味で、イラストや漫画の作成、短編小説を書くことも。
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