-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
〈 偶には寄り道もしてみるものだの巻 〉
夜になると2つの月が浮かんでいるその空に、今は青空の中、昼間の太陽が明るい光を地上へと照らしている。
この摩訶不思議な大陸の世界でも、空に浮かんでいる太陽はひとつである。
ここは「マーランティス大陸」にある、国家のひとつの「ムーサリアス王国」である。
そしてこの場所は、ムーサリアス王国のある大貴族の治める領地である。
町には商人のかけ声と行き交う人々で生き生きとしている。
村の畑では作物が多く実り、また家畜達が草を腹一杯に食べていた。
町から少し離れた場所に、ここを治める領主にして大貴族の住まう大きな館が見える。
館の回りの大きな庭には、青々とした芝生や草木が一面に生えている。
その中で、館の主人と思われる1人の紳士が椅子に腰かけ、テーブルに置かれている紅茶を優雅に飲んでいた。
その側ではお付きのメイド達が静かに立っている。
そしてメイドの側には2匹の犬がいた。・・・いや、犬ではない。全裸姿で犬のように四つん這いになっているのは、2人の幼い少女達であった。
その2人の首には犬の首輪が填められていて、そこから伸びている手綱は2人の側に立っている2人のメイドの少女達の手に握られていた。
よく見ると犬の首輪の内側に、もう1つの本来の首輪がしっかりと填められていた。
それは他のメイド達の首に填められているのと同じ「隷属の首輪」であった。
犬のように四つん這いにさせられている2人の幼い少女達は、ナナーとニニーという名前の姉妹であった。
姉は「ナナー」と言う名前の、10歳の少女である。白い肌の色に目の色は黒だ。腰まである黒髪が綺麗な女の子である。
また、妹の名前は「ニニー」と言う、6歳の少女である。肩まで伸びた黒髪。肌と目の色は姉と同じであった。
ナナーとニニーの姉妹は、遠くの異国から奴隷商人によって連れて来られ、奴隷市場で売られていたところを、ここにいるフォレックス公爵によって買い取られたのであった。
そして2人には、さっそく奴隷としての調教が施され始めたのだった。
「う・・・うう、あう・・・あ、ん」
「ひっ、・・・いぅぅぅ、ん・・・ん」
ナナーとニニーのまだ幼いヴァギナの回りや奥に、メイドの手によって不思議なゼリー状の液体が塗り込められたのだ。
その液体は、ヴァギナの中から2人の幼い身体に強い刺激を与えだし、彼女たちの股間の間に溝のように走っている秘裂の口から、ジュクジュクとした液体を湧き出させた。
彼女たちは膝をつけずに四つん這いなっているので、尻が頭より高くなった姿になっている。
その為に、ヴァギナの奥から溢れ出した彼女達のトローとした淫液は、ヒクヒクとヒクついている秘裂の口から腹へと、ツツツーと伝って流れていった。
ナナーとニニーの2人は、自分の身体から・・・それもいつもはオシッコをするところから、このようなキラキラ光りながら流れ出てくる液体を、初めて見て驚いていた。
ヴァギナの中やその回りが焼けるように熱く感じる。熱いだけではない、我慢出来ないほどの痒みも感じる。手をそこに持って行き掻きむしりたい程であった。
普通ならば、手をヴァギナに持って行ってオナニーをしたいと思うところだが、まだ幼い2人には、そんな考えは浮かびもしなかった。そもそもこのような感覚を味わうじたいが、生まれて初めての事だった。
またゾクゾクとした感じが背筋を何度も駆け上がっていき、2人の息使いは段々と荒くなっていった。
「うぐ、う・・・はぅ、・・・う、ん」
腰や両脚が・・・ブルブルと震えてきて、力が抜けていきそうであった。
「はぅ、ひっ・・・うふっ、・・・ひへっ・・・」
2人は生まれて初めて経験するこの言い様のない刺激に、戸惑いながらも懸命に堪えていた。
なぜならば2人は、どんな事があっても四つん這いのままでいるようにと、主人の公爵から命令をされていたからだ。
だがそんな命令に関係なく、幼い2人の身体に着けられている枷が、彼女達の動きをしっかりと封じていた。
2人の口に噛まされているボール形のギャグが、うめき声と喘ぎ声を2人の幼い姉妹から奪い取ってしまっていた。しかも四つん這いになっている両手の手首には、短い鎖の付いた手枷が填められていた。
その為2人のヴァギナがどんなに刺激を受けて疼いていても、ナナーとニニーは手を自分の身体を疼かせている部分に持って行く事が出来なかった。
裸の身体中から玉のような汗が噴き出してくる。
「ふぎゅ・・・しゅてぇ・・・、ふぎゅ・・・しゅてぇ。(ゆる・・・してぇ・・・、ゆる・・・してぇ)」
「ひょへぇしゃん・・・ひゃしゅひぇふぇ!(お姉ちゃん・・・助けてぇ!)」
喘ぎ声を漏らしている口に噛まされたボールギャグからは、涎がダラダラと垂れ、それに涙と汗が加わり、幼く可愛らしい2人の顔はグチャグチャになっていた。
2人のヴァギナからは今もドクドクと淫液が無限に溢れ出してきていて、腹まで流れて来ていた淫液は、まだ膨らみが始まっていない胸のところまで伝って流れていく。
「ううう・・・ぐす、う、ぐすん・・・ううう・・・」
『もう許して欲しい・・・早く終わらせて欲しい・・・』
ナナーはそう思いながら地面に着けている掌をギュッと握って拳を作る。
突然誰かが、涙と汗と涎とそれに流れて来ていた淫液で濡れている、ナナーの顎に手をやって顔を持ち上げた。
ナナーの涙の溜めた目に、公爵の秘書役のメイドの顔が映った。
「ナナー。あなた達はまだ子供だから、オマンコに塗ってある『ワサビで作ったゼリー状の液体』は、かなり薄めてあるのよ。だからまだまだ我慢をしないとダメよ。他のメイドの子たちは、もっとキツイ液体で調教を受けているのよ。・・・それどころかお仕置きを受けたあるメイドの子は、ワサビをオマンコの中やお尻の穴の中にまで塗られて一日中放置されたのよ。動けないようにされて・・・。だからこれ位は我慢をして堪えるのよ」
秘書役のメイドはナナーにやさしく諭す。
それでもやはり2人にとっては、このような責めをいつまでも堪える事は、とても苦しく難しい事だった。
ナナーとニニーの2人は段々と気が遠くなっていくような気がして、思わず身体がフラっと崩れそうになった時、
ピシーン!。「ふぎゃっ!」
パシーン!。「ぎゃんっ!」
高く突き出している尻に乗馬用の鞭が打ち下ろされ、2人の感覚は再び覚醒させられた。
鞭を振り下ろしたのは、2人の首輪から伸びた手綱を持っているメイドの少女達であった。
膝を地面に付けずに四つん這いになっている為、幼い姉妹の尻は鞭が打ちやすいような高さになっていた。
パシーン。「うぐっ」。鞭が再び入れられる。
2人が気を失い掛ける度に、そして強制的なオーガズムを迎えそうになる度に、メイドの持つ鞭が容赦なく振り下ろさせた。
ビシーン!。ビシャーン!。パシーン!。バシーンッ!。ピシャーンッ!
ビシーン!。ビシャーン!。パシーン!。バシーンッ!。ピシャーンッ!
何度も何度も鞭の音が響き渡った。
ビシーン!。ビシャーン!。パシーン!。バシーンッ!。ピシャーンッ!
ナナーとニニーの幼い姉妹の尻には、痛々しい何条もの鞭の痕が赤く付けられ、しかも数カ所の傷口からは血が流れ出していた。
「ナナー、ニニーいいこと。ここではご主人様の許しが無ければ、どんな事があっても勝手にイクことも気を失うことも許されないのよ。ようく覚えておくのよ」
秘書役のメイドがナナーとニニーに告げた。
秘書の声を聞いたナナーは大きく肩で息をしながら、涙と涎と汗でクシャクシャになった顔をゆっくりと上げた。
涙を溜めたその瞳は許しを求めていた。
「あ、ぐ、わ、ぐ・・・あ、う・・・ん」
ナナーは懸命に何かを訴え掛けていたが、ギャグを噛まされていて、空しい呻きだけが声となって出ているだけであった。
ナナーは、ワサビで出来たゼリー状の液体が塗り付けられた自分のヴァギナから、刺激を与え続けるこの状態に、もうどうする事も出来なくなっていた。
刺激の波状攻撃が、ナナーの思考能力を毟り取るように奪っていく。
ビシーン!。パシーン!。
鞭が2人の尻を打ち据えたが、ナナーとニニーの瞳は虚ろになり反応は次第に緩慢になっていった。
「公爵様、ナナーとニニーはもう限界のようですが・・・」
姉妹の顔を覗き込んでいた秘書役のメイドが公爵に告げた
「そうか。ではこの2人の奴隷のヴァギナに塗ってある液体を、洗い落としてやるんだ」
紅茶を飲みながら、ナナーとニニーの幼い姉妹の調教を楽しんでいた公爵は、2人の首輪の手綱と鞭を持っている、2人のメイドの少女達に命令を下した。
哀れな幼い姉妹の奴隷は、やっと腰を下ろして地面に座る事を許された。
そして手綱を持つメイドに向かって、両脚を大きく開くことを命令された。
精神的にも肉体的にも疲れ切っているナナーとニニーの姉妹は、ただ言われるままに自分の両脚を大きく開いて、陰毛がまだ生えていない綺麗な恥丘とヴァギナをメイドの少女の目にさらした。
これで身体中を疼かせる刺激を出している、ゼリー状の液体を洗って拭き取ってくれると思うと、ナナーはホッとした気持ちになったのと同時に、同じようにヴァギナからの刺激の責めを受けていた妹のニニーの事が気になって彼女の方を見た。
肩で大きく息をしているニニーも、命令通りに正面にいるメイドに向かって両脚を開いていた。
でも、顔は疲れとショックの為にガックリとうなだれていた。
ナナーはそんな妹に声を掛けたかったが、ボールギャグの口枷をしているので、声を発することさえ出来なかった。
しかたなく、ナナーは心の中でニニーに向かって励ましの言葉を掛けたのだった。
『ニニー・・・がんばって。これで今日の調教は終わるからね。もう少しの辛抱よ』
奴隷として、この遠くの異国に売られてきた幼い姉妹にとっては、新しいご主人様に気に入ってもらうためにも、ひたすら堪え忍ぶことしか取るべき道はなかったのである。
『もうあたし達は・・・お家に帰ることも・・・お父さん、お母さんに会えることも・・・もう2度と出来ないのよ・・・。それにニニーも見てきたでしょう。あたし達のような奴隷が・・・市場で母娘や兄弟姉妹達が無理やり引き離されて、バラバラにされて売られていったのを・・・。でもここではあたし達は姉妹で一緒に居る事が出来るのよ・・・』
ナナーの心の言葉は、そのまま自分自身を納得させる言葉でもあった。
「よし。始めろ」。
ナナーの耳に公爵の命令の言葉が聞こえてきた。
ナナーは疲れ切った身体の力を振り絞って、顔を上げて正面に立っているメイドの少女を見た。
2人のメイドの少女は、自分の着ているメイド服のミニのスカートの前を持ち上げると、綺麗に剃毛されているヴァギナの部分を露わにした。
この館のメイドの少女達は、着ているメイド服の下には、いっさいの下着を付けていないのである。
ヴァギナを僅かに前の方に突き出す格好をして、立っているメイドを凝視していたナナーは、考えたくないある事が頭の中を光のように駆け抜けて行った。
『ま、まさか・・・いや・・・そんなこと』と心の中で叫ぶと、急いで開いていた両脚を閉じようとした時、首に填められていた隷属の首輪が鈍く光、ナナーの身体を石のように固めてしまった。
見上げているナナーの目に、無表情で見下ろしているメイドの少女の呟く口の動きが見えた。
「あたし達も、これと同じ調教を受けてきたのよ。・・・これであなたも、あたし達の仲間になるのね・・・」
シャァァァァー。バシャ、ビチャ、ビチャ、ビチャ・・・。
立っているメイドの股間から、勢い良く小便が滝のような弧を描いて飛び出し、ナナーとニニーの液体が塗られているヴァギナに降り掛かり始めた。
小便のムッとする臭いがナナーの鼻をついた。
これがさっき公爵が言っていた、「洗い落としてやるんだ」の奴隷に対しての方法であった。
『いやぁぁぁぁぁぁーっ!』
脚を閉じる事も逃げる事も出来なく、ただ先輩メイドの暖かい小便を股間に浴び続ける自分が、段々と惨めになっていく気持ちがナナーの心の中を占領していくのであった。
そしてショックの連続で、ナナーの頭の中は何も考える事が出来なくなっていくのであった。
そんなナナーの表情を見ながら、小便を掛けているメイドの少女は、「何もかも今までの事は、頭の中から洗い流してしまいなさい。これからあなたは新しいナナーになるのよ。・・・そして、公爵様の好みの奴隷になっていくのよ」と呟いていた。
小便を掛ける音を聞きながら紅茶を飲んでいた公爵に、秘書役のメイドがそっと尋ねた。
「公爵様、ナナーとニニーの事ですが・・・」
「ナナーとニニーはメイドにはしない。・・・ちょうど子供の牝犬を飼ってみたいと思っていたところだったのでね」
フォレックス公爵の一言でナナーとニニーの幼い姉妹は、牝犬奴隷としてこの館で飼育される事となったのである。
それは同時に一層厳しい調教が、2人を待っているという事でもあった。
「この2人には、いろんな躾や芸が出来るように調教してやるとしよう。・・・もちろん私の精液や大小便を喜んで食べる事が出来るようにもな。それと人前でも躊躇無く、いろんな痴態な事が出来るように仕込んでやらないとな。・・・ふふふふ・・・今から考えるとワクワクするな」
楽しそうな表情で話す公爵の足下には、いつの間にそこに来たのか、全裸姿の1人のメイドの少女がしゃがみ込んでいて、太く大きくなっている公爵の男根を口にくわえ入れ、フェラチオをしていた。
秘書役のメイドは「あらら、いつの間に?」と言った表情で、メイドの少女を見下ろした。
公爵は言葉を発する事なく、メイド達個人個人に対してテレパシーを使ってこのような命令を出すので、廻りの者が気が付かないと言う事がちょくちょくあった。
その為、秘書を含めメイド達は、常にスタンバイの出来ている状態で、毎日を過ごしているのである。
「うぐ、うぐ、うんぐ・・・むぐ、う、んぐ・・・」
チュパ。チュパ。ニュパ。チュパ。ネチャ。
フェラチオをしているメイドの口から、舌で男根の陰茎や亀頭部分を愛撫する湿った音が漏れてくる。
ニュパ。チュパ。ネチャ。チュパ。チュパ。
「むぐ、う、んぐ、うぐ、うんぐ・・・」
口から溢れた涎が、メイドの顎を濡らし下へと滴り落ちていく。
秘書役のメイドが『あぁ、いいなぁー』と言うような表情で見つめていると、メイドに語りかける公爵の声が聞こえてきた。
「しっかりとシャブリ続けるんだぞ。後で褒美として、ワサビ入りの浣腸責めを一晩中してやるからな。そのかわり、もし手を抜いたりしたら罰として、ワサビをオマンコとケツの穴にたっぷりと入れて、一晩中責めてやるからな。分かったな?」
秘書役のメイドは「どちらにしてもこの子は、地獄のような夜を過ごすのね」と思うと、ちょっと引いてしまうのであった。
ふと公爵は何かを思いだしたようにポツリと言った。
「そう言えば、山犬の魔物を倒してからもう3週間も経つけども、ブラッド・オパールを持ったライラックとチャームの2人は、いったい何処をほっつき歩いているんだ?。とっくにここに着いても良い頃だぞ」
秘書役のメイドも不思議そうな顔で呟いた。
「もしかすると・・・、ライラック殿の身に何か危険な事が起こっているのでは?。・・・まさか、どこかの森の中であのお二人はすでに・・・」
秘書がそこまで言った時、公爵は手を振ってその考えを否定した。
「そんな事は心配ないな。あの2人は殺しても死ぬような連中じゃないから。・・・不死鳥みたいな・・・いやそんないい物じゃないか・・・どちらかと言うと、ゴキブリみたいな生命力を持った連中だからな」
「ゴ、ゴキブリ?・・・何もそこまで言わなくても、公爵様・・・」
秘書役のメイドが苦笑いをする。
「それよりも、実に単純な事に引っかかって、ここに戻れなくなっているのかもしれないな。・・・あの2人の事だから・・・ははははは・・・」
公爵は笑いながら言った。
その言葉を聞いていた秘書役のメイドは、「え?・・・。単純な事で戻れなくなっているのですか?」と呟くと、不思議そうに小首を傾けるのであった。
----------------------------------------
「ハックショーン!」。チャームが大きな声でくしゃみをした。
「あーん。風邪を引いてしまったわ。どうしよう・・・、やっぱりか弱いチャームには、野宿での夜風は身体に毒なのね。」
チャームは、何も言わずに背を向けて立っているライラックに、聞こえるように声を出して独り言を言った。
だがライラックは腕組みをして、向こう側に見える山や村を見つめているだけだった。
「ライラックさーん、チャーム風邪を引いて、病気になって死んでしまうかも知れませーん。・・・佳人薄命って言うでしょう。・・・どうしましょう?」
チャームはライラックの背中に寄り添うと、猫なで声で弱々しく呟いた。
「はいはい・・・。天国でも地獄でも好きな方に行ったらいいわ」
ライラックは怒りを抑えるように、チャームに答えた。
「どうしてそんな事を言うんですか?。今まで何度もライラックさんの危機を救い、ライラックさんの勝利の手助けをしてきた、大事なパートナーが生きるか死ぬかと言う時に、そんな事を言う事はないでしょう」
チャームが怒った声を立てる。
『なーにが生きるか死ぬかよ。十分に元気じゃないの』。とライラックは思う。
「怒りたいのはあたしの方よ!」
ライラックの言葉に、チャームは「え?」と言う顔をする。
「いったいどうしたんですか?。ライラックさん」
チャームはライラックのご機嫌を取るように、笑顔を急いで作って尋ねた。
ライラックは正面に見えている山や村を指さして言った。
「向こうに見えているのはね、隣の国の山と村なのよ。変よね。そもそも公爵の館に帰る予定だったのに、どうして隣の国境まで来てしまうの?。帰る道がまるっきり逆じゃないの。大魔道士のチャームさんご説明して・・・」
ライラックは嫌みっぽく言うと、冷たい視線をチャームに投げ掛けた。
「ライラックさん、そんなの説明するも何も、道に迷って逆の場所に来てしまっただけじゃないですか。
そんな事この状態を見れば、子供でも理解出来ますよ」
今度は、チャームの批判的な視線がライラックに投げ返された。
「何を白々しく言っているのよ!。チャームのおかげでこうなったんでしょうが!」
それをライラックの怒りが打ち砕いた。
「あーん。どうしてあたしのせいにするんですか?」
チャームは目に涙を溜めて抗議をすると、
「何を言っているのよ!。・・・公爵の館に帰る途中で、何カ所もの所で道が2つに分かれていたり、3本に別れていた所で、あたしが館への道はこちらだと指を指したら、あなたはその都度訳の分からない呪文を唱えて、帰る道はあっちだとまるっきり逆の道をその都度示していたわよね。・・・それで、あたしが文句を言うと『あたしは大魔道士のチャームですよ。信用しないんですか?』と答えたわよね。信用しない訳にもいかないから、それであなたの言う通りに歩いて来たのよ。・・・その結果がこれよ。どう、言い訳ができて?。ましてや忘れたなんて言わせないわよ」
ライラックが一気に捲し立てた。
チャームはプーッと膨れた顔になると、クルリと身体を向けると道から外れ、森の中にへと入って行った。
ライラックは驚いてチャームの後を追った。
『ちょっと強く言い過ぎたかな?。・・・ハーフエルフの魔道士と言えども、まだ15歳の女の子なんだものね』
ライラックはそう思うと、背後からチャームの身体を両腕でそっと抱くと、顔をチャームの耳に近づけてそっと囁いた。
「ごめんなさいね。あたし、ちょっときつく言い過ぎたかも知れないわね。・・・別にチャームが嫌いで言った訳ではないのよ。気分を害さないでね」
歳上のライラックは、チャームの頬に軽くキスをした。
膨れていたチャームの顔がみるみる笑顔に戻っていく。
「ライラックさんが謝ってくれたんですから、チャーム許してあげますね。・・・じゃ、今夜の野宿用の焚き火の用意をしましょうね。チャームは心が広いんです」
チャームはそう言うと、ルンルン気分で焚き火用の木を探しに、森の中に入って行った。それを目で追っていたライラックは、何か煙に巻かれたような気分になっていた。
『あたし、チャームに許しを請う事なんか、何かしたかしら?・・・』
やがて太陽が沈み、2つの月が山の陰から出てきた。
夜の森は暗闇に支配されている。数メートル先が、まるで墨で塗りつぶしたように、真っ黒である。旅をして野宿をするのが慣れている者達でも、こう言う所では言い知れぬ寂しさと恐怖を感じてしまうものである。動物や鳥の鳴く声が聞こえない時には、特にそうであった。
今、目の前にはパチパチと音を立てて燃えている火がある。
小さな焚き火程度の炎であったとしても、暗闇の場所に身体と心を置いている者にとっては、心に安心感と暖かさと明るさを与える物である。
ライラックとチャームは並んで座り焚き火に当たっていた。
バサッ。ライラックが木の枝を燃えている火の中に放り込む。
ゴワァァァー。燃えている火の勢いが強くなり、辺りを一瞬明るくする。
「ふぁぁぁぁ。・・・眠くなってきちゃった。・・・むにゃむにゃ・・・早く柔らかいベッドの中で寝たいわ・・・」
チャームはコテンとライラックの身体に寄り掛かると、クーと寝てしまった。
ライラックは、そっとチャームの身体を地面に横たえて寝かせてやった。
「あたしだってそうしたいわよ。・・・誰のせいでこんな野宿をしていると思っているのよ・・・って、そんな反省の気持ちはまるっきし無いわよね、チャームには・・・」
ライラックは小言を呟くと、小さく溜め息をついた。
ガサッ。その時、暗闇の中から音がした。
「!!」。
ライラックは、とっさに横に置いてある自分の剣に手を伸ばした。
ガサ、ガサ、ガサ。音が近づいて来る。何者かがこっちに来る。
ライラックは剣の柄を握り、直ぐにでも剣を抜いて戦えるように身構えた。
ガサ、ガサ、ガサ。
「チャーム・・・起きて!」。
ライラックは足下で寝ているチャームの身体を、靴の爪先でこづいた。
「・・・何ですかぁ~・・・」。
チャームが寝ぼけ顔で起き出す。
「しっ!。気を付けて。何かが近づいて来ているわ」
ライラックの言葉に、チャームは急いで音のする方に顔を向けた。
ガサ、ガサ、・・・ガサ。
ライラックとチャームは、焚き火の側から離れ、太い木の影に身を隠した。
ガサ・・・ガサ・・・・・・ガサ・・・・・・・・・ガサ。
近づいて来る足音の間隔がゆっくりとなってくる。
『我々の事を、警戒しているのか?。・・・それとも、攻撃を掛けるタイミングを計っているのか?。・・・それとも・・・』。剣を握る手に汗が浮かんでくる。
・・・ガサ・・・。近づいて来ていた物が立ち止まった。
「・・・・・・・・・」
ライラック達と、暗闇の中の謎の訪問者との間で、息詰まる時間が流れた。
ドサッッ!。暗闇の中で、何かが倒れる音がした。
顔を見合わせたライラックとチャームは、用心しながら、倒れた音のした場所に近づいた。
ライラックのかざす松明の明かりには、何も変わらない森の中の光景が、浮かび上がっていた。
「何もいないって?・・・。そんなはずはない。私には、この近くに何かがいる気配が感じられる」
ライラックとチャームは、物音ひとつしない森の中で、息を殺して聞き耳を立てている。
「?。・・・!。・・・」。2人の耳に微かにうめき声が聞こえてきた。
「ライラックさん・・・」
「こっちね・・・」
ライラックとチャームの2人は、うめき声が聞こえてくる場所に、近づいてみる。
草の中に、腕から血を流して倒れている少年がいた。
先程の、ここに近づいて来ていた足音は、この少年が立てていたものだった。
「ライラックさん、この子こんなにも血を流していたら、死んでしまいますよ」
チャームは怖々とライラックに告げた。
「どうしてこうなったかは知らないけども、とにかく急いで手当をしましょう」
ライラックは少年の身体を抱き上げると、焚き火が燃えている場所に連れて来て、地面に敷いている毛布の上に寝かせた。
「あん。・・・あたしが寝る毛布の上に・・・」
「何を言っているのよ。この子を地面の上に、直に寝かせる訳にいかないでしょう」
チャームの文句の言葉を軽くいなし、ライラックは腰の小さな入れ物から薬を取り出した。
少年の右腕には、刃物で切られた傷口が口を開けていた。
「ライラックさん・・・よくそれだけの流血を目にしていて、お医者でもないのに平然と治療が出来ますね?」
ライラックの背後から、チャームが声を掛ける。
「あたしは剣士よ。戦いでの流血は付き物だし見慣れているわ。それに自分の命にも関わる事だから、傷の手当や初歩的な治療ぐらいは心得ているわ。・・・さあ。これで手当は終わったわ」
ライラックの手により、少年の腕の傷口はしっかりと止血処理をされ、包帯を綺麗に巻き付けた。
「うわー。さすがは手際がいいですね。・・・やっぱり傭兵ギルドの中で流れていた噂は、本当だったのかな?」
感心した様子で見ていたチャームは気になる事をポツリと呟いた。
「チャーム・・・何よ、その噂って?」
ライラックはチャームの言葉に、何か言い知れぬ不安を感じて聞き返した。
「ライラックさんが治療の手当が上手なのは、倒した敵がイイ男だった時に、死なない程度に手当をしてやって、その上その男性のチンチンに勃起をする薬を付けて、男性の精力と命を下の口で吸い尽くす為だからって言う噂が・・・。知りませんでした?」
「知るかぁぁぁぁ!。・・・そんな噂が流されたんじゃ、冗談じゃないわ。・・・どうしてあたしがそんな事をしなくちゃならないのよっ!。」
ライラックは、始めて聞くとんでもない自分の噂に、憤然とした。
「そもそも、誰がそんな噂を流しているのよ?」
ライラックは心当たりを懸命に考えるが、どうも思いつかない。
「あたしは人から恨みを買う事はしていないけども・・・。それとも誰かがあたしを陥れる為に流しているのか?・・・あたしが美人で容姿端麗で頭脳明晰の上に、剣術の力もトップだと知っている者で・・・あたしの事を妬んでいる人物ね、犯人は・・・。そうだ流している者は、きっとあたしよりも美人で容姿端麗で、頭脳が明晰の上に、持っている能力もあたしよりトップだと思っている人物じゃないかしら・・・だとしたら・・・」
ライラックはそう言ってチャームの顔をそぉーと横目で見ると、チャームは両方の指で自分の顔を指さして、ニコニコしていた。
「やっぱりチャームかい!。噂を流していた張本人は!」
ライラックは顔を真っ赤にして、怒鳴りだした。
「いやですよぉー。そんな言い方は・・・。ライラックさんの名声を高めるためですよ。遠くの国の王様や貴族にまで、記憶に残るようにね。・・・それに興味ある噂があると、ライラックさんがあちらこちらの王様や貴族から、引っ張りだこになるでしょう。よく言う恐い物見たさと言うやつで。そうするとパートナーであるあたしにも、一緒のお仕事が来る・・・と言う訳なの。もしかすると、チャームはライラックさんのマネージャーかも知れませんね」
ボコォォォォッ!。「わぎゃぁぁぁぁぁー」。チャームの頭に大きなタンコブが膨れ上がった。
「あたしは見せ物かい!。何がマネージャーじゃっ!。そないな事を考え出すチャームのドタマ(奴頭)を一寸(約3.3㎝)刻みに切り刻んだろうかっ?」
ライラックは頭から角を出して、関西弁で捲し立てた。
「あーん。ライラックさん冗談ですってばー・・・」
言い訳の言葉を言うチャームを見ながら、ライラックは『絶対チャームとは、コンビを解消してやる』と強く思うのであった。
「・・・ま、そんな事はどうでもいいわ。それよりもこの子に傷が早く治る魔法の呪文でも掛けてよ。・・・出来るでしょう?」
気分を切り替えたライラックは、チャームに問い掛けた。
チャームは魔法書を呼び出すと、該当する項目のページをめくりだした。
「う~ん。・・・これでいいかな?」。チャームはそう呟くと、呪文を唱えだした。
少年の身体が、ボワーと光に包まれる。
光はしばらくの間、少年を包んでいたが、次第に薄くなっていき霧のように消えていった。
「これで、この少年の腕の傷は、朝には元道理に治っていますよ」
「そう。・・・やはり魔道士の魔法は役に立つわね」
ライラックは感心したようにチャームに言ったとき、「う~ん・・・」と、声を漏らして少年が目を開けた。
「あら?。気が付いたわね」。ライラックが少年を見下ろして、声を掛けた。
「わっ!!」。ライラックとチャームの顔を見た少年は、驚いた声を立てると跳ね起き、逃げるように数歩後ずさりをした。
ズキン!。傷口の痛みが少年の身体を走り抜けた。
「あうっ」。少年は腕を押さえて蹲った。
「ダメよ、動いちゃ。せっかく治療をしたんだから」
ライラックが少年に注意をした。
少年は「え?」と驚いた顔で、自分の腕に巻かれている包帯を見た。
「この包帯・・・お姉さん達が、僕の傷の手当をしてくれたんですか?」
「そうよ。今動くと傷口がまた開いてしまうわ」。とライラックが言う。
「魔法も掛けましたから、朝には完治しますからね」。とチャームが話す。
「・・・・・」。少年はどうして助けられたのか、いぶかしげにライラック達を見ていた。
ライラックとチャームは顔を見合わせた。
少年が脅えているのではないかと、思ったライラックは、
「あたしの名前はライラックと言うの。彼女はチャーム。・・・あたし達は旅の途中で、今夜ここで野宿をしていたら、あなたがこの近くで倒れていたのよ。いったいどうしたの、その傷は?」
「ぼ・・・僕はグリーンと言うんだ。お姉さん達と同じに旅の途中なんだよ。それがこの村に立ち寄った時に、突然、僕を魔物の生け贄にすると言われて、やっとここまで逃げて来たんだよ。傷はその時に付けられたんだ」
懸命に話をする、グリーンと名のる少年を、ライラックは観察するようにまじまじと見つめた。
女の子のように可愛い顔立ち・・・言うなる美少年だ。ショートヘアの緑色の髪の毛の中央を前面から後部に髪を金色に染めている。目の色は茶色だ。年齢は14歳だと言った。
着ている服装は、半袖のTシャツ形の服にベルト付きの半ズボン。ズック製の靴を履いている。
肩からは、日用品が入っているのか、大きなカバンを掛けている。
ライラックは、こんな可愛い少年を魔物の生け贄にしようとする村人達が、許せなくなっていた。
『こんな可愛い子を、生け贄にするなんて・・・』
ふと、瞳を周りへと移動させた時、ライラックの表情に緊張が走った。
「なに?」。
ライラックは闇の中で多くの松明が燃えているのを目にした。
同じようにチャームも、ライラックの背後から多くの松明がこの場所を囲むように近づいて来るのが分かった。
「囲まれたわね」。
ライラックが呟いた。
剣の柄を握りしめ、いつでも剣が抜けるように身構える。
「僕を捕まえに来たんだ」。
グリーンが、ライラックの身体にしがみつく。
取り囲んでいる村人達が魔物の一味なら、容赦はしないでこちらから攻撃をするのだが、もし普通の人間達ならそれも出来ない。
いくら傭兵の剣士と言えども、理由もなく多くの人を傷つけたり殺したりする事は、許されない。
それに暗闇の中にいる村人達の数が把握できていない。
しばらくの間、ライラック達と取り囲む村人達との間に、静寂が流れていた。
焚き火のパチパチと木の枝が燃える音だけが、暗闇の森の中に響いていた。
やがて、1人の老人が明かりの中に現れた。
「儂は近くの村の長をしている者じゃ。突然の事で驚かれたと思うが、そこにいる少年を私達に渡してもらいたいのじゃ。旅のお方」
村長は物静かにライラックに告げた。
「あなた達は、この無実の少年を魔物の生け贄にするのでしょう?・・・」
ライラックは村長に向かって質問をした。
村長は静かに顔を左右に振ると、「その少年が、あなたに何と言って誤魔化したかは知らないが、その少年は大きな罪を犯している、よそ者の盗賊なのじゃ」と答えた。
「盗賊?」。
ライラックはチラッとグリーンの顔を見た。
グリーンの顔が一瞬青くなった。
「さようじゃ。その少年は村の宝である『宝神』を盗み出したのじゃ。・・・どこかの町で高く売るつもりなのじゃろうが、それは許されぬ事じゃ」
ライラックの耳に、グリーンが「ちぇっ!」と口を鳴らしたのが聞こえた。
「それで儂らは、宝神を持って逃げたその少年を追って、山狩りをしていたのじゃ。」
村長の言葉を聞きながら、ライラックはグリーンがしっかりと抱えているカバンが怪しいと睨んだ。
ガバッ。ライラックがグリーンのカバンを突然取り上げた。
「何をするんだ!。返してよ!」。
グリーンが驚いて叫んだ。
「グリーン、この中に盗まれた物が無ければ、あなたは生け贄にされなくてすむのよ」
ライラックはそう言うと、カバンの蓋を開けて、カバンの口を下に向けた。
「あっ!!」。
ドサササァァァァー。
グリーンの叫ぶ声と、カバンから中身が落ちる音が、同時に上がった。
それに続いて、村人達の声が上がった。
カバンの中からは、ロープ、合い鍵、その他泥棒の必需品に混じって、盗まれた宝神が転がり出てきた。
「あ~あ・・・。見つかっちゃった・・・」。と呟くグリーンに、みんなの怒りの視線が集中していた。
次の日、魔物が隠れ住んでいる沼の岸辺の岩に、鎖で後ろ手に縛られ、足にも同じ様な鎖の枷が填められ岩肌につながれているグリーンがいた。
「・・・よって、盗賊のグリーンを村の宝神を盗んだ罪で、生け贄の刑に処する」
村長が判決文を読み上げる。
グリーンの廻りにいた村長と男達は、岩場を逃げるように離れた。
岩場に1人ポツンと取り残されたグリーンは、目に涙を浮かべてワナワナと震えている。
やはりまだ子供であった。
遠くの場所から、村人達と一緒に眺めていたライラックの心の中では、2つの物が葛藤をしていた。
昨夜は、グリーンに騙されたことで腹を立て、村人と一緒にグリーンを捕まえる方に協力をしたが、今グリーンが魔物の生け贄にされるところを目にしていると、やっぱり後悔の念が出て来ていたのだ。
やはり・・・生け贄なんて・・・。
ライラックは決意を固めると、村長達のいる前に飛び出して行った。
もちろんライラックは、土壇場でチャームが逃げ出さないように、チャームの手をしっかりと握りしめていた。
「生け贄なんてとんでもないわ!。その魔物は、あたし達が退治をします!」
「あ、あんたはいったい?・・・」。
村長がいぶかしげに聞いた。
「あたしは、剣士のライラックです」。
ライラックは告げた。
「おおぉぉぉぉー」。と村人達の間から、どよめきの声が上がった。そしてあちらこちらでヒソヒソ話が起こる。
「ラ、ライラックって・・・どこかで聞いたような?」
「そう言えば・・・、ほら、この前ここに来た傭兵達が言っていた、噂の女剣士だ」
「あ!。・・・あの赤ん坊から老人まで見境無く、男の精気と命を吸い取ると言う・・・」
「そうそう、それに彼女のアソコからは、ヘビのような舌がニュウウウと、1メートルも伸びて出てくると言う噂だぞ」
廻りに一瞬の沈黙が流れたあと、突然「ひぇー。逃げろっ!」。「うわぁー。助けてくれぇ!」。「殺さないでくれぇぇぇー」。
ライラックの廻りにいた村人達が、大声を上げて、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行ってしまった。
残されたライラックは、「赤ん坊から年寄りまで見境無く精気と命を吸い取る?・・・。あたしのアソコからヘビのような舌が1メートルも出てくる?・・・。チャーム・・・」
ライラックは低い声でそう呟きながら、チャームの顔をジロリと睨んだ。
確かに、あまりと言えばあまりの噂である。
「うわっ。殺気を感じるんですけども・・・。ラ、ライラックさん・・・、あたしはそこまでは酷い噂を流して
はいませんよ!。噂には良く尾ひれが付くでしょう・・・あれですよ。あれっ!。あは、あははははは・・・」
チャームはひきつった笑い顔を無理やり作った。
『尾ひれどころじゃないわ。腹ビレや背ビレまで付いているじゃないの!』
チャームが流した小さな噂は、知らない内に化け物みたいな噂に、育ってしまったようであった。
「ライラックさん、そんな事よりも早くグリーンさんを助けに行きましょう」
チャームは、まるでその話題から目を逸らすようにライラックに言うと、元気良くグリーンがつながれている岩場に駆けて行った。
「な、なによ他人事(ひとごと)みたいに・・・」
ライラックは腹が立ってしょうがなかったが、チャームにとっては完全に他人事であった。
「ライラックさーん。早く来て下さいよぉ」。チャームが手招きをしている。
「はいはい、分かったわよ・・・」
ライラックは重い足取りで岩場へと歩き始めた時、
ザバァァァァァーッ!。と音を立てて、沼の水面が盛り上がった。
「なにっ?」。
ライラック達の目の前に、沼の底から巨大な怪物が姿を現した。
「ブシュゥゥゥゥー」
怪物は巨大なミミズの姿をしている。全身には真っ黒な体毛が覆っていた。
身体の先端には、口と思われる穴がヒクヒクと閉じたり開いたりしていた。
巨大ミミズは沼の水面から出ているだけでも、言うに10メートルはあろうか?
だとしたら、水面の下に沈んでいる部分はいったいどの位の長さと大きさになるのか、見当がつかない。
「こいつが、村人達から恐れられている魔物か?」
ライラックは怪物を見上げながら呟いた、その時、怪物の先端でキラリと光る物があった。
「あれは?。・・・こいつもブラッド・オパールを体内に入れているのか?」
ライラックは言うのが早いか、サァーッと剣を鞘から抜きさった。
「ブシュゥゥゥゥー」
怪物は獲物となる生け贄のグリーンを見つけると、近づいて行った。
「はっ!。チャーム!。グリーン!」。ライラックは叫ぶと駆け出した。
「うわぁー!。怪物がこっちに来るぅ!。まだ死にたくないよぉ!」
岩場につながれているグリーンが、逃げる事も出来ずに、足をバタつかせて叫んでいる。
「あーん!。グリーンさんのつないでいる鎖が解けないよぉ!」
グリーンの側にいるチャームも、同じように一緒になって叫び声を上げている。
ドンドンと近づいて来る巨大ミミズの魔物を目にしていたチャームは、もうこれまでと言う気持ちになると、呪文を唱えだし魔法書を光の中から取り出した。
魔法書を開くと、グリーンに向かって、
「グリーンさん。実に切迫した状態になっていますけども、あたしはそろそろここから脱出しますからね。なにも無理をして、2人もあの怪物に食べられる事はないんですから。そもそもグリーンさんが、今日の生け贄だったんですから。・・・と言うわけで、グリーンさんの今後のご無事を祈っていますからね」と告げると、テレポートをする為の呪文を唱えだした。
それを見たグリーンは、「わぁぁぁ!。そんなぁぁぁ。助けてよぉぉぉ。まだ死にたくないよう。僕なんか食べても美味しくないよう!。チャームの人で無しぃぃぃ!」と、あらん限りの叫び声を上げた。
チャームはグリーンの顔を覗き込むと、残念でしたねと言った表情で告げた。
「あいにくでしたが、あたしはハーフエルフなの。人間じゃないのよ」
唖然とするグリーンの顔を横目に、チャームは呪文の残りを唱え始めた時、2人の居る岩場にライラックが飛び込んできた。
「チャーム何をしているの?。早くグリーンを連れて逃げなさい!」
ライラックがチャームに早口で命令をした。
「グリーンさんのつないでいる鎖が取れないのですよ。そこで、ライラックさんが来るまで、魔法を使ってグリーンさんを守ろうとしたんです!」
「ええ?」。
まるっきり逆のチャームの言葉を聞いて、グリーンが一瞬目を丸くする。
ライラックは、つないでいる鎖を見て、剣で切り離す事にした。
ピンと鎖を伸ばさせ、振り上げた剣を気合いと共に振り下ろした。
「やぁぁぁぁぁっ!」。
ガシャァァァーン。
鎖のリングが砕けて飛び散った。
「チャーム!。あたし達をここから別の場所へテレポートをしてっ!」
近づいて来た巨大ミミズをチラッと見て、ライラックがチャームに大声で叫んだ。
チャームは素早く呪文を唱えると、3人の身体を風が取り囲むように強く吹きだし、渦巻きのようになっていった。そして3人の身体はフッと岩場の場所から消えた。
その瞬間、巨大ミミズの巨体が、3人の居た場所にのしかかってきた。
ズシャァァァァーンッ!。
細かく砕けた岩を跳ね飛ばして、衝撃で岩場が崩れた。
その頃、岩場から数十メートル離れた場所の風が渦を巻くように舞ったかと思うと、3人が空間から浮かび上がるように姿を現した。
「ふううう。危機一髪と言う所だったわね」。とライラックが呟く。
「ライラックさん、スリルがありましたね」。楽しそうにチャームが喋る。
『冗談じゃないよ。恐ろしくて・・・思わず・・・オシッコがちびっちゃったなんて、・・・ううう、このお姉さん達には知られたくないよぉ』
その横でグリーンが青い表情になっている。
「ウギャオォォォォォ」
そんな3人の耳に、巨大ミミズの叫び声が響いてくる。
3人はほぼ同時に声のしてきた、沼の方に目を向けた。
ズシュー。ズシュー。ズシュー。
巨大ミミズが長い巨体をくねらせて、陸地に上がって来るところだった。
「あーん。毛むくじゃらのお化けミミズなんか、大嫌いですぅぅぅ」と、声を上げるチャームにライラックが、「只のお化けミミズの怪物じゃないわ。・・・ヤツの先端を見て。赤く光っているのは、ブラッド・オパールよ」と告げた。
チャームの目はライラックの指の指す方向を見た。
「あらら・・・。こんな所にも居たんですか?。・・・それでどうします?」
チャームが聞く。
「何を決まり切った事を聞いているのよ。あのミミズの化け物を倒して、ブラッド・オパールを手に入れるのよ!」
ライラックはそう言いながら、グリーンの身体を縛ってある鎖を外してやった。
「これでいいわ。グリーン安全な場所に逃げて!。チャーム魔法の援護を頼むわよ!」
ライラックは剣を手に巨大ミミズの方に振り向く。
「大きなミミズさんって・・・気持ち悪いなぁ・・・」と呟きながら、ライラックの背中越しに魔法書を開く
チャーム。
「あたし達の戦う相手に、可愛い物なんかいないわよ。・・・それとも可愛く見えるか、あのミミズの頭にリボンのひとつでも付けてみる?」
「あんまり想像したくないから・・・いいです」
ライラックの提案に、チャームは顔を左右に振って拒否をした。
「それじゃ会議は終わりね。行くわよ!」と、ライラックは言った。
チラッと回りを見渡す。グリーンの姿は見えない。どこかに無事隠れたようだ。
「ブシュュュュュュー」。巨大ミミズがいよいよ迫って来る。
「あいつは、ミミズと言っても巨大な身体だから、それほど敏感には動けないと思うわ。身体の側に付いてしまえば、死角だらけだと思うから、あたし達の方に勝機があるわ。・・・チャーム、あたしがヤツに取り付けるように、注意を引きつけておいてよ。いいわね!」
ライラックとチャームは急いで左右に離れた。
進んで来た巨大ミミズは動きを一瞬止めた。明らかに、どちらの獲物に目標を決めようかと、迷っているようだった。
ライラックが目で合図をする。
チャームは魔法書のページを破り取り、巨大ミミズの方に投げつける。
「氷刃っ!」。チャームが叫ぶ。
シュューッ。ズシャッ、ズシャッ、ズシャッ、ズシャッ、ズシャッ。
十数個の氷の刃物が巨大ミミズの身体に突き刺さる。
「ギュオォォォォー」
巨大ミミズの頭部がチャームの方に向いた。
「今だっ!」。
ライラックは一気に巨大ミミズの身体の近くに走り込んだ。
近くで見ると、巨大ミミズの身体は黒く長い毛で覆われていて、皮膚はぶよぶよと動いていた。
剣でひと刺しすれば、アッという間に体内の物が出てしまい、この怪物ミミズは直ぐに死んでしまうとライラックには思えた。
ライラックは剣の柄を両手で握りしめて、大きく振り上げた。
「やぁぁぁぁっ!」。ズバァァァァ!。
ライラックの剣が巨大ミミズの身体を突き刺した。
「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
ズババババババババババァァァァァー!。
突き刺した剣を一気に移動させていき、巨大ミミズの身体を切り裂いていく。
切り裂かれた傷口から、黄色みかかった液体がドロローと流れ出してくる。
しかしそれだけだ。・・・それ以上の物は出てこない。
「なに?」。ライラックは思わず声を上げた。
「ブシュュュュュー」
ズニュュュュー。巨大ミミズの頭部が持ち上がりライラックを見下ろす。
口の部分が大きく開き、ヒクヒクと動いている。
その口でライラックを飲み込もうとして、ライラック目掛けて迫ってくる。
「はぁっ!」。ライラックはその場所をジャンプをして離れる。
グワッシャーン。突然目標を失った巨大ミミズの先端が地面に激突して、地面の土を弾き飛ばした。
「ギュュュュュー」。直ぐに頭部を満ち上げて、目標のライラックを探す。
十数メートル先に立っている。
ズギュウウウウウ。巨体をうねらせてライラックに迫って行く。
巨大ミミズの先端には、赤く輝くブラッド・オパールが浮き出ている。
ライラックは迫って来る巨大ミミズの動きから身をかわし、手にしている剣を巨大ミミズの身体に再び突き刺した。
「これでどうだっ!」。グサッッッッッ!。
巨大ミミズは、身体を急には止める事が出来なかったので、突き刺されただけの剣で身を大きく切り裂く事になった。
ブシュッ、ブシュッ、ブシュッ、ブシュッ、ブシュー。
数メートルにわたって一直線に切り裂かれた身体の部分から、決壊した洪水のように体液がドッと流れ出してきた。
『これで、こいつの動きも少しは鈍くなるだろう』
ライラックはそう思って、巨大ミミズの先端を見た。
しかし巨大ミミズには、それだけではダメージを与える事にはならなかったのか、それとも痛みを感じる事がないのか、一向に動きが鈍くなる様子はなかった。
その証拠に巨大ミミズは、身体をグッと縮めると、信じられない事に地面を縮めた身体の後部で、地面を蹴って百メートル先まで飛んでいった。
ギュウウウーン。・・・ズガシャァァァァーン!。
地響きを立てて、巨大ミミズが着地する。
「う、う・・・うそ?」
ライラックは、信じられない物を見たというような顔で、目を丸くしていた。
「グニュウウウウウー」
ズザザザザザザァァァァァー。
巨大ミミズがライラックの方へ向かって、一直線に向かって進んで来る。
「ば、ばかなっ!」。ライラックは自分の目を疑った。
巨大ミミズの動きはヘビのような速さで迫って来た。
予想もしない相手の動きを見て、ライラックの反射神経は一瞬、動くのが遅れた。
「し、しまった!」
「シュグワァァァァァァ」。ズザザザザザザザザー!。
巨大ミミズの開いた口と巨体が、ライラックの正面に迫って来た。
「う、うわぁぁっ!」
巨大ミミズがライラックの身体に触れそうになった瞬間、すんでの所でライラックの両足が地面を強く蹴り、身体を横の方に飛ばす事が出来た。
身体が地面の上を転がった。
ライラックは完全に体勢を崩してしまっていた。しかも持っていた剣が手からこぼれ落ちてしまった。
「くそっ!」
倒れているライラックの身体を通り過ぎた巨大ミミズは、土煙を上げて俊敏に身体の動きを止めると、上半身を持ち上げるように上空に上げた。
「グワァゥー!」。
巨大ミミズは巨大な身体をくねらせて、ライラックの頭上から襲いかかって来た。
俯せに倒れているライラックには、逃げ出せる時間的余裕がなかった。
「うわぁっ!」。
ライラックのひきつった顔が頭上を見上げる。
ライラックの面前に、巨大ミミズの身体がすごい速さで近づいて来た。
『だめだ!。もう逃げられないっ!』。ライラックは叫んだ。
「ライラックさん、危なぁい!。雷破(らいは)!」
チャームは魔法書のページを1枚取ると、空中に投げ上げ叫んだ。
すると、投げ上げられたページは瞬時に空中でフッと消えて無くなり、その瞬間、目も眩む雷光が、一筋上空から巨大ミミズの身体に向かって、大音響と共に流れ落ちた。
ピカッ!。ドワッシャーン!。
「グギャァァァ!」。雷が巨大ミミズの身体を直撃をした。
巨大ミミズは雷の雷撃に弾かれるように吹き飛ばされ、ライラックの居る場所を逸れて地面に叩き付けられた。
ドドドォォォォーン!。
巨大ミミズは全身を雷の電気で焼かれ、黒こげの身体のあちこちからは、煙や炎が見えていた。
青い空の何処から雷が落ちて来たのか、ライラックには見当がつかなかった。
「ウギャーオォォォーン!」
巨大ミミズは尚もライラックを襲おうと身体を動かした時、再度チャームが叫んだ。
「雷破っ!」。ピカッ!。ドシャァァァーン!。
青空の一角から突然大音響と共に、稲妻が巨大ミミズめがけて落ちて来たのを、今度はライラックの目がはっきりと見ていた。
「グギェェェェェェーッ!」
高電圧の雷が巨大ミミズの身体を再度直撃した。
バリバリバリ!・・・。
雷の電気に打たれて、硬直したように身体を伸ばした巨大ミミズは、ドドドドドー・・・と、音を立てて倒れた。
そして、ズシャァァァァーーーン!。
再び雷に打たれた巨大ミミズは、全身黒こげになって地面に転がった。
ピクピクと痙攣をしていた巨大ミミズは、次第に動きを止めていった。そして身体全体が砂へと変化していった。
巨大ミミズの形をした砂の塊は、やがてザザザァァァーと崩れていった。
コロコロコロ・・・。砂の中からブラッド・オパールが転がり出てきた。
「これで、前回の山犬の夫婦のと合わせて・・・3つになったわね」
ライラックはブラッド・オパールを掴むと、皮の袋に詰め込んだ。
「ライラックさん、あたしが間違えた道を教えたから、ブラッド・オパールを手に入れる事が出来たんですからね」
チャームがウインクをしながら、ライラックの耳元でそっと囁いた。
「はいはい。・・・感謝しています」。ライラックは溜め息の混じった言葉で答えた。
「すごいなぁ」。そんな2人を、グリーンが岩陰からじっと見つめていた。
その夜ライラックとチャームは、いつもの通り野宿をする為に森の中にいた。
・・・あの後2人は村へ行き、村人達が恐れていた巨大ミミズの怪物を倒したからと言っても、誰も家の中から出て来てはくれなかったのだ。やはりライラックのあの噂が災いしていたようだ。
2人の淡い期待は脆くも崩れてしまった。・・・今夜は村を救った勇者として、温かい食事や、ベッドの中での睡眠が・・・。
普通ならば、文句の言葉のひとつも出てくるチャームであったが、噂の原因のもとが自分であるので、今回はチャームは何も言わなかった。
ただ、「ライラックさん、人の噂も75日と言いますから、その内にそんな噂も消えてしまいますよ」と、慰めにもならない言葉を言っただけであった。
ましてや2人は、一文無しにはかわりはないのであった。
ライラックとチャームの2人は、焚き火をはさんで座っていた。
そこにグリーンが近づいて来た。
「グリーンじゃないの?。こんな夜更けにどうしたの?」
ライラックの問い掛けに、グリーンは「僕は・・・何処にも行く当てがないんです。・・・もし良かったら、ライラックさん達と一緒に行ってもいいですか?」と寂しそうな声で答えた。
グリーンの寂しそうな顔を見て、ライラックは「かまわないわよ。あたし達は、ある公爵の館に帰るところなのよ。行く当てが無いのなら、ついて来るといいわよ」と軽く承諾した。
「ありがとうございます。・・・これ・・・僕を魔物の生け贄から助けてくれたお礼です。食べて下さい」
グリーンは満面の笑みを浮かべて、カバンの中から取り出したパンと塩付け肉とワインの小瓶を、ライラックとチャームに渡した。
「これどうしたの?。あなたまさか・・・」。ライラックが聞き返した。
「違います!。違います!。これは僕のお金で買ってきた物ですから・・・。遠慮しないで食べて下さい」
グリーンのその答えに嘘が見えなかったので、ライラックは、「それでは、ありがたくいただくわ」と嬉しそうに答えた。
ライラックとチャームとグリーンは焚き火を囲んで、ささやかな夕食の宴を取った。
「ふぁぁぁぁぁ。眠くなってきちゃった・・・」
チャームが大きなあくびをすると、ウトウトとしだした。
「昼間、あのミミズの怪物と戦ったから、その疲れが出てきたのかも知れませんね」
グリーンはチャームに語りかけると、ライラックの方に目を向けた。
ライラックも、すでに夢の中へと入り始めていた。
「毛布を着ないと、風邪を引きますよ」。グリーンが声を掛ける。
ドサッ。ライラックとチャームは倒れるように横になると、寝息を立てて寝込んでしまった。
2人が寝込んだのを確認したグリーンは、「ワインに入れてあった、眠り薬が効果を現したな。・・・さてと、あの親方に早いところ知らせてくるか」と含み笑いをしながら立ち上がった。
「・・・・・・・・・・・・」
ぐっすりと寝込んでいるライラックの顔は、それは幸せそうであった。
何も心配事が無いような表情である。
「むにゃむにゃ・・・。う~ん、ドンドンともっと来てよ。・・・こんなもんじゃ・・・まだ足りないんだから。・・・むにゃむにゃ・・・。う~ん・・・、もっと精力の強い・・・男はいないの?。・・・むにゃむにゃ・・・」
〔ライラックがどのような夢を見ているのかは、これを読んでいる読者の想像に任せる事としよう(笑)。〕
しばらくして、『ライラック。聞こえるか?。ライラック・・・?』と呼び掛けてくる声がしてくる。
『う~ん・・・。誰よ、あたしの楽しみの邪魔をするのは・・・?』
夢の中でライラックは、謎の声に向かって抗議の声を上げた。
『邪魔をして悪かったな。・・・私はフォレックス公爵という者でね』
公爵は皮肉めいた挨拶を告げた。
『フォレックス・・・公爵・・・?。・・・フォレッ・・・クス・・・。きゃっ!。フォレックス公爵なの?。』
ライラックは夢の中で飛び起きてしまった。・・・だがこれはまだ夢の中だ。
寝ているライラックの頭の中に、久しぶりにフォレックス公爵の声が、聞こえてきたのだ。
『公爵?。・・・本当に公爵なの?』
『ああ、私だ。お前達が填めている隷属の首輪によって、お前達に私の言葉を伝える事が出来るのだ』
やっぱり公爵からのテレパシーだ。・・・ここまで届くようだ。
それにしても、こういうところで聞くと、何かしら心が安心する気持ちになる。
『・・・長いこと戻ってこないと思っていたら、随分と場違いな所に居るんだな。』
公爵の声が笑いを堪えているのがよく分かる。
『公爵。変な我慢をしていないで、笑いたかったら笑いなさいよ。・・・どうせ、どういう道筋をたどったら、館からまるっきし逆の国境まで行くんだ・・・と思っているんでしょう?。・・・あたしだって好き好んでここまで来た訳じゃないんだから!』
ライラックは、今までの溜まった不満を一遍に吐き出すように、捲し立てた。
『ははは・・・。その言葉からすると、かなり訳ありの状態を体験したんだな。ははは・・・』
『もういいわよ。好きなだけ笑いなさいよ。公爵!』
ライラックは半分自棄気味に、公爵の言葉に対応した。
『ふふふ・・・。これは失礼・・・。それでこれからどうやって戻って来るんだ?』
公爵が聞いてくる。
『どうもこうもないわよ。来た道を戻るしかないでしょう。・・・チャームと一緒だから、問題なく戻れるかどうかは、分からないけども・・・』
『ははは。・・・そうか不安か。・・・それでお前達は歩いて帰って来るのか?。それとも食事付きの馬車に乗って帰って来るか?。どっちにするライラック?』
『え?。・・・食事付きの馬車?。・・・公爵!、それがあるのなら、もっと早く用意してよっ!。これ以上無一文の状態で、ダラダラと歩いて帰るわけには行かないわよ。』
ライラックは公爵の提案に喜んで飛びついた。
公爵の笑い声がライラックの頭の中から消えていくと、ライラックは「はっ!」として目をさました。
「・・・ゆめ?・・・」
ライラックの記憶の中には、夢とも真実とも付かない公爵の声が残っていた。
「あれは・・・、公爵からのテレパシーだったんだろうか?。・・・確か、公爵は・・・帰りの馬車を用意してくれるような事を、言っていたような・・・。それとも、夢だったのかな?」
ライラックは2度3度と顔を左右に振って、頭の中を整理しようとした。
ライラックの目の前には、安らかな顔で寝ているチャームがいた。
「心配のない顔で寝ているわね。・・・くすくすくす・・・」と微笑んだライラックは、一緒にいたグリーンの姿が見えなくなっているのに気が付いた。
「グリーン?。・・・グリーン、何処に行ったの?」
ライラックはそう言った後、急いで剣を取ろうとした時、自分の横に置いてあったはずの剣が、無くなっている事に気が付いた。
大事な剣がないっ!!。
「まさかグリーンが、あたしの剣を?・・・チャーム・・・はっ!」
ライラックは寝ているチャームに声を掛けて起こそうとした時、ガシャッという音と共に、数本の剣先がライラックの首筋に突き付けられた。
「ふぁぁぁー。・・・らいらっくさんどうしたんですか?・・・え?」
異変を感じて目を覚ましたチャームの身体にも、数本の剣が突き付けられた。
「ほぇぇぇぇー。ライラックさーん、この人達は何ですかー?」
チャームは情け無い声で聞いた。
「奴隷狩りをしている連中のようね。・・・どこかの奴隷商人の手下じゃないの?。・・・くそっ!」
ライラックは吐き捨てるように呟いた。
ガチャン。ガチャン。
男達は、ライラックとチャームの両手を後ろで手枷でつないだ。
両方の足首にも、短い鎖の付いた足枷が填められた。
ライラックとチャームは、男達に引きずられるようにして、奴隷商人の所に連れて行かれた。
奴隷商人の隊商は、森を出てしばらく歩いた原っぱの場所に、数台の馬車を止めて夜営をしていた。
馬車の荷台には、あちこちの町々の市場で売る為の荷物や商品が、シートを掛けられて積み込まれていた。
そして多分それは、ライラックのように息をしている、『奴隷』という名前の商品だろうと思われた。
奴隷商人は、馬車の側に立ててある大きなテントの中にいた。
ライラックとチャームを見つめている奴隷商人は、エラの張った四角い顔をしていた。太い眉毛に細い目、細長い口髭が左右に生えている。薄い髪の毛の生えた頭には、小さなキャップのような帽子を被っていた。着ているチャイナ服は足下まである長い服だ。
奴隷商人は、ライラックとチャームの横にいる手下達に、2人の着ている服を剥げと指で合図を送った。
ビリビリビリッ!。奴隷商人の目の前でライラックとチャームの着ている服が、男達の手で容赦なく引きちぎられていく。
「や、やめろっ!」。ライラックが叫ぶと、首筋に剣先が突き付けられる。
「静かにしなっ。奴隷は裸でいるのがお決まりなんだよ。へへへ・・・」
ライラックとチャームの裸体は、奴隷商人に嫌と言うほど、身体中をジロジロと眺められた。
ぐにゅう、ぐにゅう、ぐにゅ。
「この女の胸は、揉み心地がいいですぜ」
男の手がライラックの乳房を乱暴に揉んで、揉みごごちを商人に嫌らしく告げた。
ずにゅ、ずにゅ、ぐにゅ。
「見て下さい。こいつは処女ではないですが、まだそれほど使い込んでは、いないようですね」
無理やりヴァギナに指を入れられ、左右に押し広げられて、中を見られてしまう。
ぐっ、ぐっ、ぐにゅぅぅぅ。
「ケツの穴の方も、まだ締まりがいいですぜ。へへへ」
腰を屈めさせられ、細長い棒を無理やり入れられて、アナルの締まり具合も調べられてしまった。
「へへへ・・・。親方、こいつらを色々と仕込んだら、いい商品になりますぜ。」
男の指がライラックのヴァギナの中で、いやらしく動かされている。
ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。ニュチュ。
ライラックの意志に関わらず、ヴァギナの奥からは淫液がトロローと溢れ出し、指に絡まって濡れた音を立てていた。
「くっ!」。
ライラックはこの屈辱的な検査を、顔を恥ずかしさで赤くしながらも横に向け、歯を食いしばって堪えていた。
「ぐへへへへ・・・」。
ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
男はそんなライラックの姿を楽しむように、しばらくの間、指を動かし続けていた。
「ぐっ・・・。うっ、・・・はぁ、ん・・・あん、あう・・あう・・・あ、う・・・」
指の動きは、ライラックの身体と感性を段々と高揚させ始めた。
ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。
「はぅ、はぅ、はは、ぁぁ。あん、あ、ん。・・・うん。い、いい、いいい・・・」
ライラックの口の隅から涎が滴り落ち、ヴァギナの口から溢れ出た淫液が、陰毛と太股を濡らしてキラキラと光っていた。
ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。ニュチャ。
「はが、はが、はう、はう、・・・はぐ、は、ぐ・・・」
いやらしい音を立てて、淫液の中で指が動き続ける。
ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
ライラックの歯が小刻みに振るえ、ガチガチと音を鳴らした。
ヌチャ。ヌチャ。ヌチャ。ヌチャ。ヌチャァァァァァ!。
「ひゃ、ひゃ、あう。ひゃ、ひゃぁぁ。・・・」
「そろそろ、ゴールインさせてやるか。へへへ・・・」
男はそう言うと、ライラックの大きくなっているクリトリスの頭を指で軽くつね回した。
グニュッ!。グニュッ!。「ひゃぁぁぁぁぁ!」。背筋に電気が流れたような感じがした。
男の舌が硬く立っている乳首を舐め回す。
ネチャ!。ネチャ!。ネチャ!。ネチャ!。
「だ、だ、だぁ、だっめぇぇぇぇぇっ!」
ライラックは絶頂のオーガズムを迎えた叫び声を上げると、身体全体をガクガクと痙攣したように大きく振るわせ、ガックリと首をうなだれた。
ライラックは男の指で、屈辱的にイカされてしまったのであった。
ガシャーン!。
馬車の荷台にある2つの檻の中に、裸のライラックとチャームは手枷と足枷を填められたまま、それぞれ入れられた。
男の指で弄ばれイカされたライラックのヴァギナは、淫液でベトベトに濡れ頭の中はボーとしていた。
身体も火照って熱くなっていた。
檻の中でライラックの情け無くグッタリとした姿を、ニヤニヤした顔で見ていた奴隷商人は、馬車の影から現れた人影の方に顔を向けた。
「どうだい、良い獲物だったろ?」。
人影はそう言いながら、松明の近くに近づいた。
明かりに照らし出されたその顔は、「グリーン」だった。
グリーンは、檻の中のライラックとチャームを覗き見て、ニヤリと笑い、手を開いて奴隷商人に突き出した。
「奴隷狩りに協力したんだ。さあ。約束の金をもらおうか。奴隷2人分だよ」
「金を払う前に約束の確認をするあるネ。・・・たしか、捕らえた奴隷はその身体を含め、その持ち物も全て、私の所有物となるあるネ。奴隷狩りに協力したあなたには、奴隷の人数分の礼金を支払う。・・・そうだったあるネ?」
奴隷商人がグリーンに確認の言葉を言った。
「そうだよ。さあ。さっさと渡してよ」。
グリーンが答える。
「あなたが約束を忘れていないならば、この女から奪い取った、剣とオパールの宝石を入れている皮の袋を、私に渡すあるネ。猫ババはイケナイあるネ」
奴隷商人はグリーンの背中に背負っている剣と、肩から下げているグリーンのカバンを指さして告げた。
「な、何を言っているんだよ。こ、これは元々僕が隠し持っていた剣なんだ。それにカバンの中になんか、そ、そんな宝石は入っていないよ」
グリーンはしどろもどろになりながら反論をした。
「坊や。私の目は誤魔化せないあるネ」。
奴隷商人がズバリと言った。
グリーンはこれはマズイと思ったのか、急に夜の森の中へ逃げようとした時、背後に商人の手下の男が棒を持って立ったかと思うと、「ガァーン」と後頭部に強い衝撃が走って、グリーンは気を失ってどっと倒れた。
奴隷商人は吐き捨てるように呟いた。
「子供が嘘をつくイケナイあるネ。嘘は泥棒の始まりと言うあるネ」
「親方、この小僧は元々盗賊ですぜ」。
「確かにそうだったあるネ。わっははははは・・・」
手下の言葉を聞いて、奴隷商人が大声で笑った。
「それでこの小僧をどうします?。首を縄で縛ってテルテル坊主のように木に吊しますか?。それとも
身体中を縄でグルグルに縛って、蓑虫のようにして木に吊しますか?」
縄を持った手下が聞いてくる。
「そうあるネ。・・・この世界(業界)でルールを守らないとどうなるか、その身体に教えてやらないといけないあるネ・・・」
奴隷商人は2つの月を見上げながら、グリーンの処置を考えていた。
一方、気を失って倒れているグリーンの少女のような可愛い顔に、女の子のような華奢な身体を見て、奴隷商人の手下の1人が髭面の顔をニヤつかせながら、『ぐへへへ・・・。可愛い尻だぜ。・・・まったく俺好みの尻でたまらないな・・・』と半ズボンの上からグリーンのお尻をいやらしく撫で回していた。
----------------------------------------
その頃、同じ月の下、北方のある国の王宮の中では、強力な魔法を使う謎の魔女によって、せい惨な状態に陥っていた。
「オーホホホホ・・・。もう何処にも逃げられないわよ」
豪華な家具やシルクのカーテンで覆われた部屋の一角に、この国の若い王妃と幼い王子と王女が、追い詰められていた。
「もうこの城の中には、私に手向かう者は誰ひとりいないわ。オーホホホホホ・・・」
王子と王女を背中に隠した王妃が、魔女を睨み付けた。
「王室占い師として入り込んだ、あなたの正体にもっと早く気が付いて、国王に伝えるべきでした!。・・・」
「残念だけども、伝えるべき国王はこうなったわよ」
魔女が呪文を唱えると、突然天井から頭や手足をバラバラにされ、身体中を引き裂かれた国王が、血だらけになって床に落ちてきた。
グシャッ!。飛び跳ねた鮮血が、王妃の着ている白いドレスを赤く染めた。
「見ちゃだめっ!」。
国王の無惨な姿を幼い子供達に見せまいと、王妃は子供達の身体を強く抱きしめて蹲った。
「もう、お前達には何も出来ないのさ。オーホホホホホ・・・」
魔女の恐ろしく冷たい笑い声が、殺戮がおこなわれた王宮に、いつまでも響き渡っていた。
《 あとがき 》
こんにちは。九尾きつねです。
ブレーク・パーティーの第3話目を、読者の皆様にお届けいたします。
今回はサブタイトルにもある通り、公爵の館へ帰る道筋での、ちょっとした寄り道編です。(笑)
ライラックに言わせれば、「好き好んでここに来た訳じゃない!」との事ではありますが・・・。(笑)
ここで新たに出てきた人物達が、ライラック達と物語の中で、今後どのような関わりを持っていくのか?。・・・盗賊少年のグリーンは敵か味方か?。ライラックとチャームを買い取った奴隷商人は何者か?。小説の最後に出てきた謎の魔女とは?。・・・そして、奴隷商人に捕らえられたライラックとチャームの運命は?。・・・そうそう、フォレックス公爵の牝奴隷として飼われる事となった、ナナーとニニーの幼い姉妹に待ち受ける調教の責め苦とは?。そして最後に、グリーンのお尻に迫る危険は回避できるのか?。(笑)
何やらこう書いていくと、今後の展開が気になって、作者本人が妙にワクワクしてしまう、気持ちになってしまいます。(笑)
そのくせ、これからの展開は、何も考えていないんですから。(笑)
(本当に大丈夫なのか?。作者よ。)
それでもこれだけは言えます。ライラックとチャームの活躍を、次回以降もどうぞお楽しみ下さい。・・・と。
・・・と言う訳で、次回は今回よりも面白くなるような小説を書いていきたいと思いますので、どうか今後も応援をお願いいたします。
それではまた、次回の作品でお会いいたしましょう。 -
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
〈 森に住むお犬様は良く吠えるの巻 〉
「冗談ではないわっ!」
ライラックは叫ぶと、腰の剣を抜き、フォレックス公爵に剣先を向けた。
「なぜあたしが、あなたから奴隷調教を受けなくてはならないのよ!」
公爵を見るライラックの目が、怒りに震えている。
「あたしは剣士よ!。奴隷ではないわ!」
館の広い謁見の間に、ライラックとフォレックス公爵がいる。
豪華なイスに座っている公爵は、ライラックの怒りの叫びを黙って聞いていた。
「そうかな・・・。蝙蝠人が襲ってきた夜に、館のベランダで『ご主人様!』と叫んで、オナッていたのはどこの誰だったのかな?」
公爵は、ライラックに向かって、ニヤ付きながら問いただした。
『うっ・・・(見られていたんだ!)』
ライラックの表情に一瞬動揺が走るが、それを隠すように大声で叫んだ。
「あたしには剣士としてのプライドがあるのよ!」
怒りのため剣を持つ手がブルブルと震えている。
ライラックと公爵の間に緊張の時が流れた。
しばらくして、氷のような視線をライラックに投げ掛けていた公爵の口が開いた。
「お前が何と言おうと、お前は私の牝奴隷になるのだよ。その為にお前はここに居るのだから」
「ちがうっ!。あたしは魔物と戦う為にここに来ているんだ!。ブラッド・オパールを探す為に公爵の所に居るんだ!」
ライラックは懸命に反論する。
「いや。お前は私の牝奴隷になる為に、ここに居るんだよ。・・・お前は四つん這いになって、私の靴にキスをして、そして靴を舐めながら濡れている自分のアソコを私にさらすんだよ」
公爵の冷静な言葉が続く。
「ちがう!、ちがうっ!」。
ライラックは、叫びながら顔を激しく左右に振ると、再度剣を公爵に向けてかまえた。
ガシャッ。
「それ以上剣士であるあたしを侮辱すると、・・・たとえ公爵である、あなたであっても容赦はしないっ!」
ライラックの怒りの言葉を聞いても、公爵はまるっきり意に介さず、意味ありげな含み笑いをしている。
「ふふふ・・・。牙を剥くほどの牝犬を従順にするのは、さぞや調教のやりがいがあるだろうな。・・・私はお前の剣士としてのプライドをズダズダにして、私の前では只の牝犬の奴隷にしてやるからな」
ライラックの顔が怒りのためワナワナと震え、歯がガチガチとなっている。
「ゆるさない!。・・・死ねっ!!!」
ライラックは叫び声と共に、公爵に向かって飛び掛かっていった。
その瞬間、ライラックの首に填められている「隷属の首輪」が一瞬鈍く光った。
「うがっ!」。
ライラックは短い悲鳴とも叫びとも付かない声を上げると、彼女の身体は動きを突然止めてしまった。
身体全体が、電気にでも打たれたような、強烈な痺れが、背骨を駆け上ってきて、脳細胞の中を激しく打ち据えた。
カラララーン。手に持っていた剣が足元に落ちた。
ライラックは身動き一つ出来ず、立ったままの状態になっていた。
「あ・・・あう・・・あ、あう・・・」。
声さえ出す事が出来ない。・・・いや、口さえ動かす事が出来ず、開いたままの口の端からは、涎が溢れてきて身体の方に滴り落ちていく。
イスに座っている公爵は、人形のように身動きの出来ないライラックに向かって、話を始めた。
「以前にも話したとおり、『隷属の首輪』を首に填めた者は、私によって力を制御される魔法が掛けられているのだよ。そして今は、お前の戦う力が封印されたんだよ」
ライラックの身体は、人形のように動かなくなっているが、彼女の精神は普通のままである。だから公爵の話す言葉は耳に入ってきていた。それも耳を塞いでいたいような言葉が川の流れのように、滔々とライラックの耳の中へと流れ込んでいた。
「お前の剣士としてのプライドを、1枚づつ剥ぎ取っていってやるよ。そうすれば、最後には自分から何の迷いもなく、牝犬の姿になる事が出来るだろうよ」
公爵は人差し指を軽く動かすと、ライラックの身に着けている鎧や衣服や靴がまるでガラスが砕け散るように、一瞬の内にバラバラになって床に散らばってしまった。
ライラックは生まれたままの姿で立っていた。
『やっ!』。ライラックは心の中で叫び声を上げて、両手で胸や股間を隠したかったが、動かない身体は、公爵の目に全てをさらし続けていた。
公爵の視線が、ライラックの乳房や陰毛が濃く生えている股間に集中しているのが、痛いほど分かる。
顔をそむけたい・・・だがライラックの顔は公爵を睨んでいる姿で動かなくなっているので、イヤでも公爵と視線が合ってしまう。
『いや・・・。お願いもう許してよぅ・・・』
顔の表面が恥ずかしさでうっすらと赤くなってくる。
「その首輪はお前の能力を制御するだけではない。お前が私を襲って害を加えようとしたり、自ら自分の命を縮めるような自殺をしようとした時には・・・」
公爵はそこまで言うと、喋るのを止めてニヤリと不敵な笑いをするのであった。
ライラックにはそれがまた不安をかき立てた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・!?。・・・・・ひっ!」
突然ライラックの身体中が疼きだし、身体中がブルブルと震え出した。
『な・・・なんだ?』
身体の奥からは、押さえる事の出来ない感情の高ぶりが沸き起こってくる。
「・・・・くっ、・・・うっ、・・・あ、うっ・・・」
ライラックは懸命に身体の疼きに抵抗をしようとした。
しかし疼きの高ぶりは、段々とライラックの心と精神を浸食していく。
「は、あ・・・あ・・・は、ぁ・・・あう、あう・・・」
身体中が小刻みに振るえ、汗が噴き出してくる。・・・いやそれどころか、ヴァギナの奥からは女としての汁が溢れ出してきていた。
「は、あ、ぁぁぁ、あん、あん・・・」
溢れ出した淫液がラビアを濡らしてキラキラと光っている。
淫液の雫がポタ、ポタと床に滴り落ちていく。
ライラックは直ぐにでも、指を使ってヴァギナの中を掻きむしりたいような衝動に駆られていた。
ライラックの身体が、明らかに変化を現している事を認めた公爵は、先程の言葉の続きを話し始めた。
「・・・その首輪に掛けられている魔力によって、お前の快感神経が激しく刺激をされて、危険な行為を止めさせる事になるんだよ。ふふふふ・・・しかもそれは、私の中止命令があるまで、お前の身体を疼かせ続ける事になるんだよ。しかもその刺激の快感は、決してお前を完全にイカせる事が出来ないようになっているんだよ。お前はイク事の出来ない快感の地獄を、何時間も何日も味わい続ける事になるんだよ」
『そ、そんなのは・・・いやぁぁ』
ライラックの叫びが心の中にこだまする。
公爵の言葉を聞いた事で、ライラックのヴァギナから溢れ出してきている淫液は、より一層の勢いを持って床に滴り落ちていった。床には淫液のたまりが小さく出来ていた。
ライラックの目から涙が溢れてくる。
快感を全身に感じるんだけどもイク事は出来ない、指を使って自分自身でイク事も出来ない。
ライラックの頭の中では、もう何も考えられなくなっていた。
『ねぇ!。お願い!。イカせて!、イカせてぇぇ!』
ライラックは快感の泥沼の中でのたうち回っている。
人形のように立っている全裸のライラックの身体は小さく振るえ、ヴァギナからは止めどもなく淫液が床に滴り落ちている。
公爵はそんな姿のライラックをしばらくは見て楽しんでいたが、左の手を軽く挙げて部屋の外から2人の衛兵を呼び入れた。
衛兵達はライラックの両脇に来ると、ライラックの両手を背中に回して手枷で固定をした。
ライラックの身体は、別に石のように硬く動かなくなった訳ではなく、あくまでもライラック自身の意志が身体に通じなくなっただけなのである。
「さて、この続きは地下の調教室で続ける事にしよう。そこでお前は『剣士のプライド』を全て剥ぎ取られて、従順なただの『牝犬の奴隷』に生まれ変わるんだからな。どうだ楽しみだろう?」
そう言うと公爵は大きな声で笑い、衛兵達にライラックを連れて行くように手で合図をした。
剣士のプライドという言葉を聞いて、快感の中でのたうち回っていたライラックは、ハッとして我に帰ったが、両脇を抱えられ連れて行かれる今のライラックにとっては、どうすることもできない状況であった。
ただ、声として出す事の出来ない叫びを、心の中で叫び続ける事しか出来なかった。
『あたしは剣士だぁ!。牝犬の奴隷なんかにはなりたくないよぉ!』
ライラックの身体は引きずられて、暗闇の中へと消えていった。
悲痛な悲鳴を残して・・・。
『牝犬なんか、いやあぁぁぁぁぁぁぁ!。』
----------------------------------------
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
ライラックは大声で叫びながら飛び起きた。
「えっ?」。チャームの顔がドーンと目の前にあった。
「わっ!」。ライラックは慌てて1、2歩後ずさりすると、きょろきょろと辺りを見渡した。
ライラックの目に、森の木々が映った。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・あ・・・こ、ここ、公爵の館じゃ・・・ないのね・・・」
真っ青な顔で激しく息をするライラックとしては、やっとそれだけ言うのが精一杯であった。
そしてホッとしたライラックは、大きく深呼吸をした。
「ライラックさん・・・大丈夫ですかぁ?。・・・随分とうなされていたようですけども」
チャームが心配そうな顔で尋ねてきた。
「あたし達はブラッド・オパールを探しに、10日前に公爵様の館から旅に出て来たんじゃないですか?」
チャームは今度は不思議そうな顔で聞いてきた。
「・・・・・・・・・夢だったのね・・・・・」
ライラックはチャームの質問には答えずに、ただ肩で息をしつつ、顔の汗を手の甲で拭うのであった。
「・・・ほんとに心配をしたんですよ。・・・うわごとのように『牝犬、牝犬・・・』って言うもんですから、てっきりライラックさんは、犬のように何か毒のような悪い物でも拾い食いをしてしまって、それでこのまま死んじゃうんじゃないかって思ったんですよ」
チャームは、良かった良かったと言うように、ニコニコして話をした。
「え?、・・・そんなうわごとを・・・。で、何であたしが犬のように拾い食いをしなくちゃならないのよ。・・・チャーム、あなた本当にあたしの事を心配していたの?」
ライラックは疑いの眼でチャームを見つめた。
「当たり前じゃないですか!。・・・もしここでライラックさんに、もしもの事があったら・・・」
「うんうん、もしもの事があったら・・・」
チャームのきっぱりとした言葉に吊られて、ライラックはワクワクした気持ちで、同じ言葉を繰り返した。
『きっと、「あたし困ります」とでも言うつもりなのね。やっぱりチャームは私を頼りにしているのね』
そう思ったライラックは、チャームの口から出てくる続きの言葉を、ワクワクした気持ちで待ち構えた。
チャームの口が開かれた。
「こんな森の中で、いったい誰が死んだライラックさんを埋めるお墓の穴を掘るんですか?。あたしはそんな力仕事はいやですからね」
ズゴーーン!!。
チャームの思いもしない言葉を聞いて、ライラックは思いっ切り地面に顔をぶつけてしまった。
ライラックはずっこけてしまったのだ。
「あ、あんたねぇぇぇぇー」。ライラックは泣きそうな声を出しながら、地面の土が付いている顔を上げた。「勝手に、殺さないでよぉぉぉぉー」
ライラックは期待した自分がバカだった・・・と言う気持ちになってしまった。
「だってぇー・・・、まさか公爵様の館まで、ライラックさんの死体を担いで行く訳にはいかないでしょう・・・帰り着いた頃には、ライラックさんの遺体は腐って臭いがプンプンですよ・・・、それどころか目の玉は落ちるし髪の毛は抜けるし、ウジ虫がぞろぞろ・・・」とチャームの言葉に、「もうやめぇぇぇぇっ!。何が臭いがプンプンじゃぁぁぁー!。何がウジ虫がぞろぞろじゃぁぁぁぁー!」
ライラックは怒りだしてしまった。
「ライラックさん、最近随分と怒りっぽくなりましたね?」
そんなライラックを見て、チャームは少し小首を傾けて考えた後、「あ。もしかすると『あの日』ですか?。毎月の『赤い定期便』がこんにちはって・・・」
チャームは納得したように、にこやかな顔で言った言葉への、ライラックの答えは、森中に響いたんじゃないかと思われるほどのゲンコツの音であった。
ゴォイィィィィ~~~ン。
「いったぁぁぁぁ~い・・・。本気で叩かなくても・・・頭が割れたらどうするんですか?。・・・グスン」
両手で頭を抱えたチャームが、膨れた顔をして、ライラックに向かって文句を言った。
「そうね。一回チャームの頭を割ってみて、そんな事を考える脳味噌が、どうなっているのか見てみたいものね」
ライラックはニヤリと口元をゆがめると、鞘から剣を抜いて見せた。
剣の刃が、焚き火の炎の明かりを反射してキラリと光る。
「え?。あ、あの・・・ライラックさん・・・・、そんな剣で頭を割られると、とっても痛いなと思うんですけども・・・」
チャームの顔から血の気が引いていく。
「なに、バカなことを言っているのよ!」
ライラックは一言そう言うと、クルリと背を向けて、暗闇の森の方に剣を向けた。
それに合わせるかのごとく、暗闇の中に無数の目が現れ、ライラックとチャームに殺気のある視線を投げ掛けてきた。
「な、何ですか?」。チャームはライラックの背中に隠れた。
「グルルルル・・・」。「ウゥゥゥゥゥ・・・」。
謎の動物達は、唸り声を上げながら、森の中から現れて来た。
「ライラックさん、オオカミですか?」。チャームが震えながら質問をした。
「・・・いや・・・。イヌ・・・山犬の群だわ」
ライラックは、謎の動物を山犬の群と看破した。
「ガウゥゥゥゥゥゥゥ」。山犬の群は、ライラック達を取り囲むように迫ってきた。
「いやぁ~ん。こわ~い!」。チャームがライラックの背中に、がっしりとしがみつく。
「ちょっと!。離れなさいよっ。邪魔で動け無いじゃないの」
チャームに背中にしがみついていられては戦えない。
ジリジリと山犬達とライラックの距離が縮まっていく。
「・・・・・・・」
「ガウッッッ!」。チャームの背後から近づいて来た山犬が突然吠え立てた。
「きゃぁぁぁぁっ!」。
チャームは思いっ切り悲鳴を上げると、より一層ライラックの身体に強くしがみつき、悲鳴を上げ続けた。
「きゃぁぁぁ!。犬さんが吠えたぁぁぁぁっ。こわい!、こわい!、こわいよぉ。あ~ん」
「ちょっと!。離れなさいって言ってるでしょう!」
思わずライラックは、背中にしがみついているチャームの方に顔を向けると、怒鳴りつけた。
その瞬間、目線を外したライラックに向かって、山犬達が一斉に飛び掛かって来た。
「しまった!」。スキを見せてしまったライラックは悲鳴のような叫びを上げた。
ライラックの瞳に、牙を剥いて飛び掛かってくる山犬が映った。
大きく開けた口に、ズラリと並んだ牙が見えた。
『だめだ!。持っている剣が間に合わない!』
山犬の牙が、真っ直ぐにライラックの首に向かって来ている。
手に持っている剣を、構えるのに間に合わない。
『噛み殺されるっ!』。ライラックの脳裏に、この言葉が鮮明に浮かび上がった。
「うわっ!」。
ズグァァッ!!。
「ギャァィィィィィーン!」
思わずグッと目をつぶったライラックは、山犬の噛みついてくる痛みの代わりに、山犬の叫びと共に自分の顔にピチャッとした液がふりかかったのを感じた。
「なに?」。ライラックはとっさに目を開き状況を確認する。
飛び掛かって来た山犬は、どこからか飛んで来た矢を首筋に受け、口から血を吐きながら地面に落ちていくところであった。
ドサッ。地面に倒れ落ちた山犬は四足をピクピクと数度痙攣すると、そのまま死んでしまった。
「今だっ!」。ガシャ。ライラックは体制を立て直し、剣を山犬達に向け直した。
ビュッ。ビュッ。ビュッ。
グサッ。グサッ。グサッ。
「ギャーン」「キャッン」「ギャイーン」
矢は暗い森の中から飛んで来ていた。そして、面白いように山犬達の身体に刺さっていく。
キャン、キャン、キャン、キャン・・・。
ライラックとチャームを取り囲んでいた山犬の群は、鳴き声を残して暗い森の中へと消えて行った。
山犬達の声に支配されていた場所が、再び静寂に帰った。
ライラックはホッとする間もなく、剣を構える姿勢を解かなかった。
山犬の群に矢を射掛けた謎の人物が、ライラック達の味方とは確認がまだ出来ていなかったからだ。
ライラックとチャームは息を殺して、矢が飛んで来ていた方向を凝視し続けた。
ガサ。ガサ。ガサ。暗闇の中からその人物が近づいて来る。
「ラ、ライラックさん・・・山犬達を追っ払ったんですから・・・味方の人ですよね・・・」
チャームが恐る恐る声を出した。
「・・・ならば・・・いいんだけどもね」
ライラックは冷静に答えると、近づいて来る足音の方に注意を注いだ。
ガサ。ガサ。ガサ。ガサ・・・。
暗闇の森の中から姿を現したのは、弓を持った1人の男であった。
「あんたら怪我はなかったかい?」
男は矢が刺さって死んでいる山犬を確認しながら、ライラックに声を掛けた。
「ええ・・・、あなたの弓のおかげで助かりました。礼を言います」
ライラックが答える。
「でもよく私達が、山犬達に襲われていたのが分かりましたね?」
今度はライラックが逆に質問をした。
「山犬達の鳴き声がおかしかったんでね。・・・この森に長いこと住んでいると、山犬や狼の鳴き声で色々と変化が分かるんだよ」
男が答える言葉を聞きながら、ライラックはその男の姿、身なりを観察をした。
歳の頃は50歳くらいか?。
ごつい顔立ちに頑丈な体つきだ。黒い髪の毛。黒い口髭に顎髭が顔の下半分を埋めていた。
服の上には皮のベストを着ている。弓の矢を入れたケースを肩から下げている。腰のベルトにはナイフが下げられていた。目を下に移すと、膝から少し長いだけのズボンを穿いている。そして足には木靴を履いている。
「本当に助かりました。一時はどうなるかと思ったんですから」
チャームがニコニコしながら、男に話し掛けた。
「あたし達はライラックとチャームと言います。あなたは・・・?」
ライラックが男に聞いた。
「わしは・・・この森の中で猟師をしている者だ。・・・見たところ、あんた達は野宿をしていたようだな。また山犬や狼に襲われたら大変だ。この近くにわしの家があるが、泊まっていくといいぞ」
「きゃっ。お家の中で寝られるのね!。嬉しい、嬉しい!」
猟師の申し出を聞いて、チャームは跳び上がらんばかりに大喜びをした。
「ちょっとチャーム・・・まるで子供みたいになに喜んでいるのよ」
ライラックは困ったような表情をする。
「だって、野宿しなくてすむんですよ。ベッドで寝られるんですよ。もしかすると、食事だって出してもらえるかもしれませんよ」
チャームがワクワクしながらそこまで言ったとき、ライラックは慌ててチャームの口を両手で押さえ、猟師に向かって苦笑いをした。
「チャーム、あなたには遠慮ってものがないの?。食事までって・・・」
「だって、旅行携帯用の食べ物には、飽きちゃったんだもの・・・。やっぱり、あたしのように若くて可愛くて綺麗で気品のある女の子には、ちゃんとしたお食事とおやすみ出来るベッドが必要よね?。そう思うでしょ、ライラック姉や」
「だ、誰がねえやじゃ!。あたしはチャームのお守り役かい?」
声を荒えながら心の中では『いつか必ずチャームとはパーティーを解消してやる、・・・替わりのメンバーが見つかるまで我慢するのよ、ライラック!』と自分自身に言い聞かせるのであった。
「あははは。おもしろいお嬢さん方だ。・・・さあ。ついて来るがいい」
猟師はそう言うと、身体をクルリと回し、出て来た森の中へと歩き出した。
「ん!・・・?」。
その時、猟師が穿いているズボンの足首の隙間から、人間のモノとはどう見ても違う毛むくじゃらの足が、ライラックの視界に飛び込んできた。
『まさか?』。ライラックの脳裏に一瞬不安が沸き上がってきて、歩く足が止まった。
そして無意識に腰の剣に手を持って行った。
猟師を見る目が鋭くなる。
「ライラックさんどうしたんですか?。さあ、行きましょうよ。」
ライラックの緊張した顔の前に、脳天気なチャームの顔が現れた。
チャームの顔を見たライラックの表情から、急に緊張感が消えていってしまった。
「あ、あの・・・チャーム・・・」
ライラックは、自分が感じた不安な気持ちをチャームに言おうとした。
だが、チャームはライラックの腕を掴むと引きずるように引っぱって行き、猟師の後を何の不審も感じずについて行くのであった。
ライラックはチャームに半ば無理矢理引きずられながら、『ま・・・もう少し様子を見てみるか』と心の中で変に納得をさせて、猟師の後に従った。
夜の帳に包まれた森の中を歩く事しばらくして、猟師の住む家に着いた。
猟師は家のドアをノックすると、家の中から女性が姿を現した。
30歳前後のこの女性は猟師の妻だと言った。
ライラックとチャームは、さっそくテーブルのある部屋に通された。
しばらくして、猟師の妻はテーブルの上に、肉やスープの料理を出してきた。
「私の作った物が、若いお二人の口に合いますかどうか?」と言いながら。
皿に載せられた焼いた肉の塊からは、プーンとした食欲を誘うかのような臭いを出していた。スープの中にも、たくさんの肉の切れ端が浮いていた。
「うわぁ。おいしそう」。チャームははしたなくも、舌舐めづりをして悦びの声を出した。
『なーにが、気品のある女の子よ』。ライラックは心の中で笑った。
しかしライラックの目には、この肉が普通の動物の肉にはどうしても見えなかった。
『これは何の肉かしら?』。
ライラックはちょっと不思議に思ったが、焼いた肉から立ち上がる臭いの誘惑にはどうしても勝てなかった。
「チャーム。気品のある女性は食事を取る前には、ワインを飲むのが礼儀なのよ」
大きな口を開けて、フォークに刺した肉をまさに口に入れようとしていたチャームに、ライラックは声を掛けた。
チャームはそう言われて、手にしていた肉付きのフォークを渋々皿の上に置くと、ワインの注がれているグラスを手に取って口に持っていった。
誘惑には勝てなかったライラックではあったが、やはり長年やってきた剣士の経験から、
『この肉には手を付けてはいけない』と直感的にピンときた。
再び不安と不審という言葉が、ライラックの心の中で、ムクムクと頭を持ち上げてきた。
とにかく、このようにして時間を稼いでいる間に、この猟師の正体を調べなくてはとライラックは思った。
手に持ったワインのグラスを口に運ぶ。
パチパチと暖炉の火が、沈黙が流れる部屋の中にこだまする。
ライラックの正面の椅子に腰かけている猟師と、その後ろで立っている猟師の妻との四つの目が、ライラックとチャームを睨むような目つきで見ているのがヒシヒシと感じた。
それでもライラックは、グラスの中のワインを優雅に飲み続ける。
しかしその目は猟師の方をしっかりと見据えていた。
『この2人が人間ではない証拠を探さなくては・・・』
カラララーン。不意にグラスが床に落ちる音がした。
チャームがテーブルに突っ伏して倒れていた。
「チャーム!」。思わずライラックが声を上げた。
猟師夫妻の方に目をやると、2人は顔を見合わせて笑っている。
その時、猟師の額にキラリと光るあのブラッド・オパールが、浮き出ているのがチラリと見えた。
思わず息を飲み込んだライラックは、腰の剣を握って立ち上がった。
「お前達はっ?・・・」
グラッ!。突然ライラックの目の前が大きく揺れて、グルグルと回り始めた。
「くっ。ワインの中に・・・何か入れたな・・・?」
ライラックは、テーブルに置いた手で身体を支えて何とか立っていたが、手足の震えは段々と大きくなっていく。
猟師の姿が、部屋の中の物が、グルグルと大きく回転をしているのが目に映っている。
ライラックの目に、猟師だけではなく、猟師の妻の額にもあのブラッド・オパールが浮き出ているのが見えた。
「し、しまった・・・」
ライラックの口から、無意識に後悔の言葉がもれると、急に目の前が真っ暗になっていった。
ドサッ。ライラックはそのまま、床に倒れ込んでしまった。
「・・・これでまた、しばらくは新鮮な人間の肉が食べられるな。・・・フフフ・・・」
「ええ。この間捕まえた人間は、この料理した肉が最後でしたからね。」
猟師夫妻はそう言いながら、皿の上の焼いた人肉を手掴みにすると、うまそうにガツガツと食べ始めた。
そんな2人の額に浮き出ているブラッド・オパールが、血のような赤い光を輝かせると、猟師と妻は全身から獣のような体毛が生えだし、身体は人間とは違う姿に変わっていった。
「そう言えば、食材になったこいつと一緒に捕まえた、人間の女がまだ檻の中にいたな?」
「ええ。新しい人間が2人手に入った事だし、檻に入れている女をさっそく料理用に解体をしてしまいましょう。・・・それにしてもあたし達が山犬達を操り、この森に迷い込んだ旅人や村人達を襲わせて、そこにあなたが現れて助けてやると、人間って簡単に信じてしまってこの家に簡単に誘い込まれて来てしまうのよね。・・・あたし達の食事の材料になるとも知らずに。クスクスクス・・・」
「よく見ると、この2人の人間は実にうまそうな肉付きをしているな。フフフ・・・」
2匹の凶暴な山犬のつがいは、倒れているライラックとチャームを見下ろしながら、皿の中の人肉をむさぼるように食べ楽しそうに会話を続けた。
----------------------------------------
『う、う、う~ん』
目の前が真っ暗だ・・・。耳が・・・何も聞こえない。声が・・・声が出せない。く、くるしい・・・。
目隠しをされている。耳を塞がれている。そして口枷を噛まされている。
頭も、身体も、手足も自由に動かせない。・・・だけども立たされた状態でいることが分かる。
両手は後ろに回されて、後ろ手に手枷で固定されているようだ。
身体全体には何かゴム状のスーツを着せられているようで、しかも胸の所が穴が開いていて、乳房が絞り出されているみたいだ。・・・なぜなら、両の乳房の根元が締め付けられるように、痛く感じるからだ。
頭全体もゴム状のフードで覆われていて、どうも頭上がフックで繋がれていて、頭を自由に動かす事が出来ないようだ。
足首にも枷が填められているようで、足を動かす事が出来ない。
そして何よりも、ヴァギナとアナルの中に何かを入れられているのが、感覚的に分かった。
『・・・・・・。あうっ!』
突然小刻みな振動が、両方の乳首に感じられ始めた。
『うがっ!・・・いやっ!』
振動は乳首の先から乳房に伝わり、神経を刺激した信号は頭脳へと直接伝わってくる。
『は、は、は、・・・ひ、やぁ・・・!!』
乳首の先の振動に続いて、今度はアソコが・・・ヴァギナの中に入れられている何かが、振動を与えだした。
『ふゃっ!』
この小刻みな振動の責めから逃れたくても、身体はピクリとも動かす事が出来ない。
『は、は、は・・・あ、あ、あああ・・・』
乳首とヴァギナに加えられる振動の動きを受けて、身体中から玉のような汗が噴き出てきて、段々と感情が高ぶってくる。
『ふぎゃぁ。ふぎゃぁ。ふぎゃぁ。ふぎゃぁぁぁ。』
いやだぁ。・・・今度はお尻のアナルの中に入れられている物が、同じような振動を身体の中に与え出していく。
乳首と、ヴァギナと、アナルから与えられる刺激に抗うことが出来ない。
『ひぃ、ひゃぁぁ・・・あう、あう・・・あ、うん・・・』
口に填められている、ボールギャグの口枷の隙間から、叫び声の変わりに涎がボタボタと床に垂れていく。
『あ、う、あ、う・・・あぐ、あぐ、あ、ぐ・・・。』
身体がブルブルと小刻みに震えてくる。
ヴァギナの奥から溢れてきた淫液が、ヴァギナに埋め込まれている棒形の性具を伝って、太股へと垂れていく。
アナルの中の同じ様な性具も、容赦なく身体の中を責めてくる。
両の乳首に貼り付けられた小さな形の性具からも、刺激が続けられ勃起した乳首の先がとても痛い。
耳には聞こえてこないが、性具の刺激をうけて、きっとヴァギナのアソコからは、いやらしく濡れた音が、回りにこだましている事だろう。
目には見えないが、気配で分かる。あたしをこのようにした、あの人が近くにいるのが分かる。あたしのこの姿を見ている。
『はぐ、はぐ、は、ぐぅ・・・。い、い、い、いいいい、き、そうぉ・・・』
頭の中で何も考えられなくなっていく。
身体全体を「オーガズム」のウエーブがまさに包み込もうとした時、刺激という責めを与え続けていた性具の動きが、ピタリと止まった。
『!。・・・。ひやっ!。・・・お願い止めないでぇ。・・・このまま、イカせてぇぇっ!』
思わず叫んでしまう。口枷に邪魔をされて声にならないわめき声が、あの人の耳にきっと届いている事だろう。
火照ったあの部分・・・淫液を湛えたヴァギナを、知らず知らずの内に突き出す格好を繰り返していた。
『おかしくなっちゃうっ!。イカせて、イカせて、イカせてぇ・・・』
頭の中に、この言葉だけが渦を巻いている。
「イキたいか?。イカせて欲しいか?。・・・ライラック」
あの人の声が、頭の中に飛び込んでくる。それも鮮明に・・・。
どうして・・・?。耳を塞がれているのに・・・?。・・・そう・・・テレパシーなのね?。・・・あの人は・・・テレパシーも使えるのね。
「イキたいのか?。ライラック」。再び聞いてくる。
『お願い!。イカせてっ!。このままじゃ、おかしくなっちゃうよぉ!』
ライラックはそう叫んだが、それがどのように口から発せられたかは、分からなかった。
「それじゃライラック。お前は私の牝奴隷で、牝犬になる事を誓うんだな?。誓えばイカせてやるぞ」
『そう・・・簡単な事じゃないの。・・・誓えばいいのね。フォレックス公爵様。・・・あたしは公爵様の・・・。・・・・・・。・・・・・・。』
「どうした、ライラック?。誓えばいいだぞ」。公爵様の声が響く。
『・・・・・・。だ、だめ・・・。だめぇぇぇっ!。』
「・・・・・・・・・・・・・・」
『あたしは剣士だぁ!。・・・公爵の奴隷じゃないっ!。・・・あたしは・・・剣士だぁぁぁぁ!』
ライラックは目を開いて、ガバッと跳ねるように上半身を起こした。
身体中に汗が出ている。肩で大きく息を切っている。
「・・・・・・ゆめ?。・・・夢だったのか。・・・またあんな夢を見てしまった・・・」
ホッとした心境が心を包んでいく。
しかしその気持ちも、ブラッド・オパールを額に浮き出していた猟師の夫婦の事を思い出して、吹き飛んでしまった。
急いで回りを見渡す。
ライラックは、自分自身が動物を入れておくような檻に入れられているのに気が付いた。
しかも全裸にされた上に、ロープで両手を後ろ手にされて身体を縛られている。
「くそっ」。
ライラックは何とかしてロープを解こうと身体を動かしてみたが、緩む気配はなかった。ガッチリと、ロープが身体に巻き付いて締め付けられているのだ。
「ライラックさん・・・」。隣の檻から、半泣きのチャームの声がしてきた。
見ると、ライラックと同じ様に裸にされて縛られているチャームがいた。
「よかった。チャーム生きていたのね?」
檻の鉄格子に身体を付けて、チャームに話し掛ける。
「それが、あんまり良くないみたいなんですよ・・・」
チャームは目線で別の場所を示しながら呟いた。
ライラックはチャームが示した目線の先へと、自分の目線を移動させた。
ここはどこかの、蔵の中のようだ。
「ん!?。・・・・・・なにっ!」
蔵の中ほどに、裸の少女が両手首をロープで縛られて、天井から吊されている。
首にもロープが巻き付けられていて、同じように天井へとのびていた。
両足首もロープで縛られ、大きく左右に開かされている。
その為、無毛の恥丘と綺麗なヴァギナの割れ目が見えている。
彼女はまだ処女なのかもしれない。
少女の顔には、これから我が身に何が起きるかが分かっているようで、恐怖でひきつった表情を見せていた。
少女の側には、あの猟師の夫婦が立っていた。猟師の手には手斧が握られている。
猟師の妻の側には、焼きゴテが入れられた坩堝が置いてある。中はゴウゴウと炎が燃えている。
猟師の妻は手に持っている壺の中の液体を、無理矢理少女の口の中に流し込んだ。
少女は咳き込みながらも、液体を飲み干した。
「な、何をするつもりなの?・・・」
ライラックは口ではそう呟いたが、心の中では恐ろしい事が少女の身に確実に降り掛かるであろう
と、直感はしていた。
猟師の妻は包丁のような刃物を手にすると、少女の股間に手を伸ばした。
ブシュッ!。「うぎゃぁぁぁ!」。
鋭利な刃物の刃が、少女の小さなクリトリスを切り取っていった。
彼女はクリトリスを切り取るとトレイに入れた。
「はあ、はあ、はあ・・・。いやぁ、・・・助けてぇー」
少女は泣きそうな声で助けを求めた。
しかし彼女は少女の叫びを無視すると、今度は少女のまだ汚れていないヴァギナに、刃物の刃を突き付けた。
ズシュウウウ。「きゃぁぁぁぁぁっ!」。
少女のヴァギナが刃物によってえぐり取られていく。
「うぎゃぁぁぁぁ!。やめてぇぇぇぇ!」
少女は何とか逃れようとして身体を動かしたが、手足をロープで固定されているので、まったく動か
す事が出来なかった。
床に股間から流れ出した、血の溜まりが出来上がっていく。
「おほほほ・・・、処女のアソコとクリは、どんな味がするかしらね?。焼いてみるかしら、それとも煮て
みるかしら?」
彼女はそれもトレイに入れると、真っ赤に焼けた焼きゴテを取り出し、出血をしている少女のえぐり取られたあの部分に近づけた。
ジュウウウウウウウ。「うぎゃあああああああ」
肉が焼ける臭いが部屋中に立ちこめ、少女は獣のような悲鳴を上げた。
「ほほほ・・・。ここの出血口は焼いて塞いでやったわ。」
「それでは、次はわしが切る番だな」
そう言うと、猟師は持っている手斧を『ブンッ』と振り上げ、吊り下げている少女の左足の付け根に振り下ろした。
少女の上げた悲鳴と肉を切り裂く『ズバァァッ』という音が蔵中に同時にこだました。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ズシャッ。根元から切り落とされた左脚が床に落ちる。
ブシュウゥゥゥゥ。傷口から溢れ出した鮮血が、落ちた白い脚を真っ赤に染め上げていく。
猟師の妻が真っ赤に焼けた焼きゴテを取り出すと、切り口に焼きゴテを当てていった。
ジュウウウウウウウ。「うぎゃあああああああ」
脚を切り落とされた痛みと、その後の焼きゴテで身を焼かれる熱さで、少女は再び獣のような悲鳴を上げた。
焼きゴテが切れた血管の口を焼いて塞いだようで、勢いよく出ていた出血は止まった。
肩で大きく息をしている少女は、まだ意識があるようだ。
「あぁぁぁぁぁ、た、たすけて・・・」
ライラックとチャームは、あまりの事で声も出せずにいた。
焼きゴテを坩堝に戻した妻は、鮮血まみれの少女の脚を拾い上げた。
「う~ん。美味しそうな脚だこと・・・」
そう言うとペロリと脚を舐め、トレイの中に置いた。
ズバァァァッ!。「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
今度は少女の右脚が切り落とされた。
ボタタタタタァァァァ・・・。
床に落ちた脚の上に鮮血が降り掛かった。
妻が焼きゴテで切り口を焼いていく。
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
少女の悲鳴と、肉の焼ける嫌な臭いが、蔵の中じゅうに広がっていく。
ブシュウウウゥゥゥゥゥ。思わず少女は小便を床に洩らしてしまう。
猟師の夫婦の間で、両脚の無くなった少女がブラーンとぶら下がっている。
呆然と眺めていたライラックは我に帰ると、猟師夫婦に向かって叫んだ。
「何という残酷な事をするんだ!。やめろぉ!」
すると、猟師の妻が長い棒を手に近づいて来ると、ドスッ。とライラックの身体を激しく突いた。
「ぐあっ!」。ライラックが檻の中でうずくまる。
「静かにおしっ!。その内にお前達もあの娘のように解体されて、あたし達の料理の食材になるんだ
からね。ようく見ておくんだよ」
猟師の妻は笑いながらライラックに告げた。
「い、生きたまま身体を解体するなんて・・・」。とライラックは呻くように言う。
「あの娘だって、少しの時間でも長く生きていたいだろう。だから最初にあの娘に飲ませた液体は、薬
草から作った“強心剤”さ。ショックで直ぐに死なないようにね。それに、出血口を焼きゴテで焼いて塞いでいるから、出血死をも防ぐ事が出来るんだよ。
どうだい、あたし達だって、色々とあの娘の事を考えてやっているんだよ。心が優しいだろ?。・・・
もっともそのおかげで、自分の身体が解体されて行く状態を嫌でも見続けなくてはいけないけどもね。激痛を全身に受けながら・・・、おほほほほ・・・」
猟師の妻は高笑いをしながら、少女の解体作業の持ち場に戻った。
両手を後ろ手に縛られて檻に入れられているライラックには、ただ歯ぎしりをしながら見ている事しかできなかった。
「く、くっそぉ!」
再び少女の悲鳴が聞こえてきた。先程からしたら弱々しくなった悲鳴だ。
「ぎえぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・」
顔を上げて見ると、少女の腹が切り割かれて、内蔵の腸が引きずり出されていた。
それも糸巻き器のような道具で、グルグルと巻き取られていっている。
少女の悲鳴が聞こえなくなった分、猟師夫婦の会話がライラックの耳に聞こえてきた。
「これだけの腸があれば、たくさんのソーセージが作れるわね」
「取り立ての肉もたくさんあるしな」
口から血の混ざった泡を吹いて、身体を痙攣させている少女の足元で、楽しそうに会話をしている。
腸を巻き取っていた道具の動きが一瞬鈍くなったのを見た猟師の妻は、両手で少女の腹から引きずり出されている腸を握ると、グイッと引っぱった。
ブチッ!。鈍い音がして体内に残っていた残りの腸の部分が体外に引きずり出された。
どうも、腸と胃袋の接続部分で引き千切れたようだ。
「あが、あが、あが・・・」。少女はただ口をパクパクと動かすだけになっていた。
「見てごらん。これがお前の腸の全部だよ。結構長いものなのね」
猟師の妻は、腸の最後の先端を少女の目の前に示した。
しかし、少女はすでにその物には反応を示す事はなくなっていた。開いている目は焦点のない瞳となっていた。わずかに動いている口は、ただ機械的に筋肉が動いているだけであった。
腸を全て抜き取った猟師は、刃物を手に少女の背後に回ると、お尻を撫で回しだした。
「ぐふふふ・・・、可愛くて肉付きのいい尻だな」。猟師はポツリと呟いた。
「い、やぁぁ・・・、もう、やめ、てぇぇ・・・」
ブスッッッ!。「ぎゃはぁぁぁぁぁぁっ!」
ズシュ、ズシュ、ズシュ。・・・。「ぎゃは、ぎゃは、ぎゃっはぁぁぁぁ」
刃物が少女のお尻の肉を円を描くように、切り取っていった。
少女のお尻に、2つの大きな肉を切り取った窪みが出来上がった。
そこに焼けた焼きゴテが押し当てられ、悲鳴が轟く。
「あう、あう、あう・・・も、もうやめて・・・たすけ・・・てぇ」
少女は青白い表情で、哀願を繰り返していた。
猟師は手に大きな鋸を持つと、少女の腰に歯を当て横に切り始めた。
ズシュ、ズシュ、ズシュ、ズシュ、ズシュ、・・・。
肉を切っていく音がしてくる。
「う、うぎゃぁぁぁ・・・。あ、あぁぁぁぁぁ。う、うぎぇぇぇぇぇ・・・」
少女の苦しさで血の吐くような悲鳴がこだまする。
ズシャ。ベチャ!。血まみれの腰の部分がトレイの上に切り落とされた。
もう少女の口からは、悲鳴は聞こえてこなかった。
だがまだ少女は死んではいない。・・・残酷な事に少女はまだ生きている、しかもまだ意識があるのだ。
その証拠に、出血をしている胴体の血管部分を猟師の妻が焼きゴテで焼き塞ぐと、微かに表情がひきつった顔をしたからだ。
「次は、酒のつまみにこれも取るか」
ブシュッ!。グググググ・・・。
猟師はナイフを少女の乳房に刺すと、円を描くように根元から切り取った。
そしてもうひとつ・・・。少女の胸に血まみれの大きな穴が2つ出来た。
切り取った乳房を揉みながら、少女の耳元で猟師が囁いている。
「切り取っても、まだ弾力があるな。きっとこれはうまいだろうな。へへへ・・・」
今や頭と胸部と両手だけの姿になった少女が、天井からのロープで吊り下げられている。
「さてと、そろそろ最後の解体にいくとするか」
猟師は手にした鋸を少女の肩口に当てると、腕の根元を切り始めた。
鋸の歯が皮膚と肉を切り裂いていき、骨をもギリギリと切っていく。
ズシュッ。右腕が肩口から切り取られた。
ビシュゥゥゥゥゥ。血管の切り口から鮮血が勢い良く飛び出てくる。
「まだ、お前の血は元気良く出てくるのね」。
ジュゥゥゥゥゥゥゥ。猟師の妻が押し当てる焼きゴテが傷口を焼いていく。
少女の身体は残された左手と首に巻かれたロープで辛うじてぶら下がっていた。
「へへへ・・・、これで最後だ」
ギシュ、ギシュ、ギシュ、ギシュ、ギシュ。・・・ズシュゥゥゥー。
「ぐあ゛ぁぁぁぁっ!」。最後の左の腕も切り取られた少女は、最後の命の炎を声にしたかのごとく、部屋中に響き渡る獣のような叫び声を上げた。
少女の残った身体の全体重が、細い首に巻き付けられたロープに加わっていった。
「うげぇぇぇぇぇぇ・・・」。
少女の口から、血まみれの泡が溢れ出した。
大きく見開いた両目からは、涙が溢れてきて頬を濡らしていた。
首に掛けられたロープによって、手足と腹部を切り取られてダルマのような姿になってしまった少女の身体が寂しくぶら下がっている。
ライラックは耳を塞ぎたい心境だった。(少女の苦しむ声を聞きたくない)。
助けられなかった自分の姿が悲しかった。(あたしは剣士なのに・・・くそっ!)。
涙を溢れさせた目で、猟師夫婦を睨み付ける。(彼女の仇は絶対取ってやる)。
ライラックは檻の中から、少女の解体作業を進める猟師夫婦を、ギリギリと歯ぎしりをしながら見つめていた。
「・・・・・・・・・・・・」
やがて、ライラックの目の前で少女は全て解体されたようで、肉や臓物を入れたケースを持って猟師夫妻が蔵から出て行った。
「く、そっ!・・・」。ライラックが吐き捨てるように呟いた。
「・・・・・・・・・・・・」
いつしかライラックは檻の隅で鉄の格子を背にして蹲っていた。
自分の目の前で、少女が生きたまま解体された光景を見せられたライラックは、かなり精神的に
ショックを受けていたのだった。
『・・・あたしって・・・結局、何も出来ないのね・・・』
ライラックは焦点の合わない瞳で、少女が吊り下げられていたロープを見つめていた。
『あたしって・・・あたしって・・・あたしって・・・』
ライラックは力なく呟き続けた。
裸にされて後ろ手に縛られ檻に入れられている、何も出来ない惨めな自分の姿を思うと、
ライラックの目からは情けない気持ちで涙がこぼれてきた。
「・・・・・・・・・・・・・」
突然ライラックの頭の中に、あのフォレックス公爵の声が飛び込んで来た。
『ライラックにチャーム、何か情けない姿になってしまっているな』
ライラックは驚いて顔を上げると、辺りを見渡した。見ると隣のチャームも同じように驚いている。フォレックス公爵の声がチャームにも聞こえたんだ。・・・でもどこから聞こえて来ているのだろう?。
この近くに公爵が来ているのか?。まさか・・・。
「フォレックス公爵、どこに居るんですか?。近くにいるのなら助け出して下さい。お願いします」
ライラックは蔵の外にいるかも知れない公爵に、泣きそうな声で助けを求めた。
『随分と弱気になっているな。いつもの強気のライラックはどこへ行った?』
「あたしは、公爵やチャームのような魔法使いではないわ!。ただの・・・人間なのよ。・・・それも・・・
おんな・・・なのよ」
『ふ~ん。お前がそんなに弱い女ならば、牝奴隷へと堕として行く調教のしがいがなくなるな・・・』
「いや・・・。そんなこと・・・言わないで。この近くに居るんでしょ?。・・・意地悪しないで助けてよぉー」
チャームが2人の会話の中に入ってくる。
「ライラックさん・・・フォレックス公爵様の声は、この近くからではなくて、これはテレパシーですよ」
「え、テレパシー?。そしたら公爵はどこから・・・?」
『私は自分の館から、お前達に話し掛けているんだぞ』
「え!」。あんなに遠くから・・・テレパシーというものが届くのかと思ってチャームの顔を見た。
「さあ~・・・」と、チャームは首を傾げた。
『どんなに遠く離れていても、隷属の首輪を填めているお前達に、私の思っている事をテレパシーで伝える事も、そしてお前達の考えている事も、私は知る事が出来るんだよ』
ライラックは半ばやけくそ気味に呟いた。
「そこまで分かっているならば、これ以上あたしに何をしろって言うのよ?。何も出来なかったのよ。そ
れにここから出られないのよ。それに・・・それに・・・」
ライラックは公爵と話をしている内に、知らず知らずに涙がこぼれて頬を伝う。
『何を泣いている。・・・ここでお前がやらなくてはならない事が何かは?、分かり切っている事じゃな
いのか。・・・』
「それは・・・」。ライラックが力なく呟く。
『それは、お前達がヤツらを倒して、ブラッド・オパールを手にすることだ。さもなければ第2第3の少
女の犠牲者が、また出て来ると思わないか?。』
ライラックは「うっ」と言葉を飲み込む。
『もう1度言う。お前達は少女のように生きたまま解体されて、ヤツらの食材になる為にそこに行った
んじゃないんだ。ヤツらを倒して、ブラッド・オパールを取り戻す為なんだ。さぁ、いつものライラックに戻るんだ!』
公爵の叱咤激励の言葉を聞いたライラックは、「そう・・・こんな所でメソメソと泣いている訳にはいかないのよね。あたしは剣士なんだからっ!」と心の奥で決意をかためた。
そして隣の檻のチャームに言い放った。
「チャーム。あなたの魔力でこの檻を破壊して!。以前に町を吹き飛ばした魔力があるでしょう!。そ
してあいつらと戦うのよ!」
「・・・で、でも・・・、あの魔力は、あたしまだ制御出来ないんですよ。・・・こんな近くで使ったら、ライラックさんが死んじゃいますよ」
チャームはオロオロしながら答えた。
「さあ、早くっ!。それじゃないと、ここから出られないでしょっ!。あいつらを倒さないと、また罪も無
い人が生きたまま解体されて、殺されてしまうのよ」
ライラックはチャームを睨み付けながら言った。
「でもでも・・・、こんな狭い檻の中で、しかも後ろ手に縛られた状態で、あの魔力を使うパワーを集中なんかしたら・・・あたし絶対に制御する自身がありませんよ」
チャームは顔を激しく左右に振って自信の無い事を告げた。
「何を言っているのよ!。さっさと使ってっ!。あたしが死ぬかどうかは、やってみないと分からないでしょっ!」
ライラックに詰め寄られたチャームは、それでも使う事に躊躇をした表情であった。
そこに公爵の声が、再びライラックとチャームの頭の中に響いてくる。
『心配するなチャーム。お前達2人の身体は、私の魔力で絶対に守るから、心配せずに魔力のパワーの集中を始めるんだ。よいな!』
「はい。わかりました」
公爵の声にチャームは軽く頷いたが、今度はライラックが狼狽した声を上げた。
「ちょ、ちょっと待って、・・・そんなに遠くからの魔力で、あたし達の身体を守れるの?。どうやって?。
大丈夫なの?。・・・公爵ぅぅぅ!」
『私の魔力の力を信じろ、ライラック。・・・チャーム始めろ!』
公爵からの命令を聞いてチャームは呪文を唱え始めた。
「地の中にいる者よ。風の中にいる者よ。光の中にいる者よ。そして水の中にいる者よ。・・・」。チャームはパワーを集中し始める。
「魔力の力を信じろって、・・・」
ライラックの泡を食った質問の声の向こう側で、チャームの呪文が続けられる。
「我に力を与えよ。・・・」。チャームの身体を光の輝きが包んでいく。
「まってぇぇー!。公爵のその魔力は、ちゃんと効くんでしょうねぇぇぇー!」
ライラックの慌てふためく叫び声が蔵の中に響き渡る。
「我は魔道士・・・チャームなり」
パワーを注ぎ込まれていく光の塊が、より一層輝きを強くした。
さすがに、こんな近くでチャームの光のパワーが強くなっていくのを目にしたライラックは、うろたえた叫び声を上げた。
最初の頃の「魔力を使え」と、チャームに求めていた時の威勢のいいライラックは、そこにはいなかった。
「あ~ん!。まだぁ死にたくないよぉぉぉぉ」
『ライラック、チャーム。私と心をひとつにしろ!。私の魔力をお前達2人の所に送るぞ!』
「きゃぁぁぁ!。公爵早くぅぅぅ!」。ライラックが切羽詰まった叫び声を上げた。
ズグワアァァァァァァァァァァァーーーーン!!。
大音響と共に巨大な光が、ライラックとチャームが閉じこめられていた蔵を木っ端微塵に吹き飛ば
し、蔵と隣り合わせに立っている猟師の家をも粉々に破壊して吹き飛ばした。
パラパラ・・・と吹き上がった塵が地上に落ちてきた。
辺りに立ちこめていた埃が少しずつ晴れてきて、2つの建物のあった場所には瓦礫と化した姿が現れてきた。
しばらくして、蔵の建っていた所の瓦礫がモコモコと小さく上下に動くと、ガボッと瓦礫を跳ね飛ばしてライラックとチャームの埃まみれの顔が現れた。
光のパワーはライラックとチャームを閉じこめていた檻を破壊し、2人を縛っていたロープをも塵のように吹き飛ばしていた。
「けほ、けほ、けほ・・・。何とか生きているみたいね・・・」
「ひえぇぇぇ。あたし達よく死ななかったですねぇぇ・・・」
チャームは回りを見渡して、驚きの声を出した。
チャームが光のパワーを放出させる瞬間に、公爵の魔力でライラックとチャームの身体がバリアーの結界に包まれ、巨大な破壊力から2人が守られたのであった。
『どうだ。ちゃんと守っただろう』。2人の頭の中に公爵の笑う声がしてくる。
「それに関しては、お礼を言うけれども・・・、これからどうするのよ。剣もないし、裸だし・・・」
ライラックが昼間の空に向かって訴えた。
『心配するな。ライラックの剣は猟師夫婦が住んでいた家の瓦礫の下を探すんだ。直ぐにでも使う事
になるぞ!。服を探すのは後だ!。いいなっ!』
公爵からのテレパシーが強く命令をしてきたのを聞いたライラックは、瞬時に隣の家のあった場所へと走り出した。
「あ。待ってライラックさん」。チャームも後を追って走り出す。
剣士を長年やってきたライラックは、公爵からの言葉でピンと何かを感じたようで、自分の剣をとにかくも真っ先に探さないといけないと思った。
ガサゴソ。ガサゴソ。と全裸姿の2人の女性が、瓦礫の中を這い蹲って何かを探す光景は、もし誰かが側から見ていたら、さぞや奇異な光景に映っている事であったろう。
だけども、ライラックの剣を探す2人には、そんな事はどうでも良い事であった。
「あった?。チャーム・・・」
「いいえ。こっちには無いみたいですよ」
剣を探す2人の身体からは、うっすらと玉のような汗が噴き出していた。
「そうだわ。チャーム、風を起こして!。強風でここの瓦礫を吹き飛ばすのよ。やって!」
チャームは「はい」というと、呪文を唱えだした。
左の掌に光が現れ、その中からチャームの魔法書が現れた。
チャームは魔法書を開いてページを1枚破り取ると、空に投げ上げ「風波(ふうは)!」と叫んだ。
途端に、家の上だけに暗黒の雲が出来上がって、ゴォォォォォー。と強風を瓦礫の上に吹き付けだした。
少し離れて見ているライラックの所は、風ひとつ吹いていないのに目の前では嵐のような強風が、瓦礫に向かって吹き荒れているのだ。ライラックは見ていて何とも言えない不思議さを感じていた。
バリバリバリバリー・・・。
瓦礫の山が数メートル先に次々と吹き飛ばされていく。
「・・・!。あった!」。
ライラックが瓦礫の下から現れた自分の剣を目にして、大声で叫んだ。
チャームは風波の魔法を打ち切ると、強風はピタリと止んだ。
ライラックは直ぐに飛び込んで、自分の剣を手に握りしめた。
ホッとした気持ちになったら、自分の姿が裸でいる事が気になってくるのであった。
回りに他の人がいないのが救いだけども、真っ昼間に全裸の姿でたたずんでいるのは、やっぱり恥ずかしくなってしまう。
「あたしの服と鎧は、無いかしら?」
ライラックは慌てて辺りを見渡したが、風波の魔力で吹き飛ばされた瓦礫の中から探すのは、気の
遠くなるような感じがした。
「着る物が見つかるまでは、裸でいなくちゃならないの?」
もし知らない人が、全裸の姿で隷属の首輪をしたあたし達を見たら、きっと『どこかの奴隷商人の所からか、あるいは奴隷市場からか逃げてきた女奴隷』だと思われてしまうだろうなと考えた。
ライラックの口から「はぁぁぁぁ」と溜め息が出た。
ガタ、ガタ・・・ガタン。
「何の音?」。
ライラックは音のした方に顔を向けた。
「!?」。
ライラックの顔の表情が一瞬凍りついた。
ライラックの視線の先には、猟師の妻が瓦礫の中から這い出してきた光景が映っていた。
どうも風波の魔力は、瓦礫を吹き飛ばして、ライラックの剣を見つけ出すのには役だったが、同時に瓦礫の中に押し潰されていた猟師夫婦さえも、自由の身にさせてしまうと言う結果になってしまった。
顔中を血だらけにした、恐ろしい形相の猟師の妻と目があった。
「お、ま、え、た、ち・・・、噛み殺してやる・・・」
額に浮き出ているブラッド・オパールが、血のように赤い色を光らせた。
すると、猟師の妻の顔と身体が人間の形から、段々と山犬の姿へと変化をしていく。
口は顔から迫り出し牙が生え始める。耳も大きくとがった形になっていく。身体や手や脚からは濃い毛が生えだしてきた。
「グオゥッッッ!」。変身した山犬が吠え声を上げたその瞬間、
ズバァァァァァァァァッ!!!。ライラックはその一瞬を見逃さずに、手にしている剣を鞘から抜き去ると、目にも止まらない速さで光り輝く剣先を、変身した山犬の眉間に突き刺した。
「があぁぁぁぁ、ぅぅぅぅぅぅ・・・」
ライラックの剣は、眉間から後頭部へと突き抜けていた。
ゲホォッ!。山犬の口から汚らしく血反吐が吹き出し、剣を握っているライラックの胸の乳房に、ビ
チャ、ビチャとかかった。
山犬の額のブラッド・オパールは輝きを止め、口からは血の混ざった涎がダラダラと垂れていた。目は開いていたが、瞳は生きている輝きを失っていた。
ズシュゥッ!。
剣が額から引き抜かれると、山犬はドサッと音を立てて瓦礫の上に倒れた。
「あたしこそ、お前達を許さない。・・・何の罪もない彼女を、あの様な残忍なやり方で苦しませて殺し
たお前達を、許さない!」
ライラックは足元に倒れている山犬に向かって呟いた。
しばらくは、怒りに燃えた瞳で見つめていたが、山犬の額に浮き出ているブラッド・オパールを目にした時、公爵の命令を思い出した。
「そうだわ。ブラッド・オパールを額から取り出して、集めるんだったわ」
ライラックはしゃがみ込んで、額から取り出そうとした時、背後からとてつもない殺気を感じた。
「なにっ?」。
そう思ったのと同時に、ライラックの身体は瞬間的に、その場所から飛び跳ねるように離れた。
まさにそれと入れ替わるように、何か得体の知れない物がライラックの居た場所に飛び掛かって来
た。チャームが悲鳴のような叫びを上げたのはその時だった。
体をかわして逃げたライラックが見たのは、殺したメスの山犬よりも大きな姿のオスの山犬だった。
この山犬も額のブラッド・オパールを赤く輝かせている。
これが、あの猟師の本当の正体なのか?。
手に持つ剣を改めて強く握りしめる。
「ライラックさん。大丈夫ですか?」。チャームが急いで近づいて来る。
「チャーム、ちゃんと知らせてくれないとダメじゃないの!」
ライラックはまた、あなたまた手を抜いたでしょう?、と言いたげに不満を漏らした。
「突然、瓦礫の中からあの姿で飛び出して来たんですよ。知らせるもなにも・・・あたしもビックリしたんですから・・・」
チャームは、そんな事はありません、と言うような仕種で反論した。
突然オスの山犬は、死んでいるメスの頭をバリバリと音を立てて食べ始めた。
ライラックとチャームは呆気に取られてただ見ていた。
骨をもかみ砕いて食べている。脳味噌をも・・・。そして・・・。
そして額のブラッド・オパールも、オスの口の中へと消えていった。
「なにっ!。・・・まさか?」
ライラックは思わず身体を乗り出してしまった。
そのまさかだった。・・・メスの分のブラッド・オパールをも身体に入れたオスの山犬は、見る見るうちに倍の大きさになっていった。
「グワァァァァァー」。大きくなった山犬が立ち上がった。
「ラ、ライラックさん・・・あの山犬さん、2メートルはありますよう・・・どうしますぅ?」
チャームがライラックの背後から声を掛けてくる。
「とにかく、こんな瓦礫の中で戦うのは不利だわ。あたし達は裸の上に裸足なのよ。これでは瓦礫の
中を動くだけでも、怪我をしてしまって戦うどころではないわ」
チャームはライラックの言葉を受けて、どこか良い場所は無いかなと、辺りをきょろきょろと見渡した。
あった!。数10メートル先に草だけが生えた広い場所がある。
「よーし。そこまでダッシュで走るわよ!」。とライラックはチャームに告げる。
「え。でもあの山犬さんが、追い掛けて来なかったらどうします?」
チャームは不思議そうに頭を傾げて聞いた。
「何を言っているのよ。追いかけて来るように仕向けるのよ。あなたの魔法を使って!」
予期しないライラックの言葉を聞いて、チャームは「え?」とビックリした顔を見せた。
「とにかく魔法を使いなさいっ!」
ライラックに怒られるように言われて、チャームは胸に抱えている魔法書を開くと、ページを山犬の方に投げた。
「風波!」。チャームがそう叫ぶと、山犬の回りがにわかに暗くなり、強風と雨とが山犬の体を襲い始
めた。
ゴオォォォォォー。と言う音と共に強風を体に受けている山犬はビクともしないで立っている。
ライラックは、チャームが前回使った「氷刃」の魔法を使うものだと期待していたのだが、まるっきり当てが外れてガックリときた。
これではまるっきし、山犬にダメージを与える事が出来ないではないか。
「チャーム。あなたいったい何を考えているのよ?。山犬に水浴びをさせてどう言うつもりなのよ」
ライラックはチャームに詰め寄った。
「これ・・・、まるっきりダメですか?」
チャームが不思議そうに聞き返した。
「当たり前じゃ・・・」
ライラックがそこまで言い掛けた時、強風に巻き上げられた瓦礫の石材や築材が、音を立てて山犬
の体にぶつかりだした。
ガシャーン。バシャーン。ズシャーン。グシャーン。ビシャーン。
そんな中で、巻き上げられた折れて先の尖った柱が、偶然的にも巨大になった山犬の右目に突き刺さった。
グサァァァァァァッ!。「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁーっ!」
右目をつぶされた山犬は痛さの余り転がり回った。
チャームの「風波」の魔法は、山犬にしっかりとダメージを与えたようだ。
あまりの展開に、ライラックは呆れたような顔で見つめていた。
その横ではチャームが「きゃぁー、きゃぁー」言いながら、嬉しさで飛び跳ねていた。
「チャームすごい魔道士。チャーム天才魔道士。チャームの魔法はとっても役に立つ!。・・・ライラックさんもそう思うでしょう?」
そう聞かれて、ライラックは溜め息をつきながら「はいはい・・・」と力なく答えた。
脱力感に支配されたライラックは、どうしたらいいの?・・・と自分に問い掛けていた。
「はぁぁぁぁ」。ライラックがまた力なく溜め息をついた時、「きゃぁー、きゃぁー」と騒いでいたチャーム
の声が、突然ピタリと止んだ。
「?」。ライラックは不思議そうにチャームの顔を覗き込んだ。
チャームはひきつった笑いのままの表情で、氷のように固まっていた。
「う・・・う・・・う・・・」。チャームが呻くように呟く。
「う・・・?」。ライラックは首を傾げる。
「う・・・し・・・ろ・・・」
人差し指でライラックの背後を指さしている。
「うしろ?」。ライラックは何かあるの?・・・と思い背後に目を向けた。
ライラックの目に、いつの間にか右目に刺さった柱を抜き取り、怒りで牙と爪を出して仁王立ちになって、ライラックの方向に迫って来る巨大な山犬の姿が映った。
「ひっ!!・・・・・・。きゃぁぁぁぁぁー!」
悲鳴を上げると、ライラックは走り出した。
「あ~ん。ライラックさ~ん、まってぇぇぇぇ」
チャームもその後を追って走り出す。
「ガウゥゥゥ!。ガウゥゥゥ!」
逃げる全裸姿の2人の女性のあとを、巨大な山犬が追いかけて来る。
「ライラックさ~ん、あの山犬さんが追いかけて来るようにし向けたから、これでいいんですよね?。はあ、はあ、はあ・・・」
チャームが走りながら聞いた。
「はあ、はあ、はあ・・・。で、出来る事ならもう少し距離が離れている状態で、やってもらいたかったわよ!」
全速力で走るライラックが答える。
チャームが走りながら、チラッと後ろを見た。追いかけて来る山犬との距離が段々と縮まってくる。
「あ~ん。ライラックさ~ん、向こうは4本足で追いかけて来るんだから、絶対追いつかれちゃいます
よぉー」
「追いつかれないように、もっと速く走るのよぉー!」
ライラックはそう言いながら、最初の考えと違う展開になっている事に、泣きたい心境になってしまうのであった。
いくら山犬に追い掛けられているからって言っても、全裸姿で走っている姿は男性はもちろんのこと、他の女性にも見せられない姿だなと思った。
「ライラックさ~ん!。何のために剣を持っているんですかぁ?」
チャームが声を張り上げる。・・・『さっさと山犬と戦え』と言う言葉は、喉の奥に飲み込んだが・・・。
「チャームこそ、胸に大事そうに抱えている魔法書は何なの?」
ライラックも同じように声を張り上げる。・・・『魔法を使って戦え』と言う言葉は、喉の奥に飲み込んではいるが・・・。
2人とも走るのを止めたら、間違いなく追い掛けて来た山犬の牙に噛みつかれる事は、分かっていた。
走る2人から放たれた目線は、お互いに火花を散らしていた。
『どうして彼女の為に、我が身を危険にしなくちゃならないのよ!』
この言葉が、お互いの心の奥の奥のそのまた奥の奥の底に蠢いていた。
「・・・この2人って・・・」
館の自室から、ライラック達の居る方向を見ていたフォレックス公爵は、溜め息を付きそして苦笑いをした。
公爵の側に静かに立っている秘書役のメイドは、公爵の呟いた言葉と表情の意味が分からず、不思議そうに小首を傾げた。
ライラックとチャームは草の生えた広場に飛び込んだ。
「グワァオッ!」。山犬が背後から飛び掛かってくる。
「うっ」。ライラックは地面に飛び込むように伏せた。
山犬の爪が頭の上を飛び越して行き、数メートル先の地面の土を蹴散らして着地する。
「今だ!」。ライラックは着地したばかりで、まだ後ろを向いたままの山犬に向かって、斬りかかった。
ガキーン!。ライラックの振り下ろした剣と山犬の前足の爪とがぶつかり合って、火花が散った。
「くっ!。一歩遅かったか!」。
ライラックは再び剣を山犬に向かって振り下ろす。
「ガウッ!」。山犬がヒラリと身をかわす。
ブンッ!。今度は山犬の鋭い爪が、ライラックに向けて振られる。
ガンッ!。「あうっ!」。山犬の爪を間一髪剣で防いだライラックであったが、その身体は数メートル先に弾き飛ばされた。
「くっそー!」。ライラックは剣を支えにして立ち上がる。
この草の生えた広場を戦いの場所にして良かったとライラックは思っていた。
もしあの瓦礫の中で今のような山犬の一撃を受けて弾き飛ばされたら、身体中を瓦礫の角で傷を付けて、戦う事もおぼつかない状態になっていただろうと思った。
それでも、ライラックの方がどう見ても不利な状態になっている事には、かわりはなかった。
なぜなら、ライラックは身を守る物を身体に付けていないからだ。全裸の姿で戦っているのだ。手にしている剣・・・これが全てだ。
巨大山犬の爪や牙の攻撃から防ぐのに、少しでも目測を見誤ったり剣さばきをミスったりしたら、裸
体の肌に直ちに致命傷の傷を受ける事になるのである。
同じ事は裸のチャームにも言えた。
ライラックは剣士と言えども女の子だ。
全裸でいるのは、やっぱし恥ずかしく感じるのだが、命がかかった戦いをしているので、それに気を
回しているところではなかった。
唯一の救いは、目の前にいるのが男性ではなく、山犬の怪物である事だった。
巨大な山犬は体を低く屈めいつでも飛び掛かれるように、ライラックのスキを窺っていた。
ライラックも剣を構えながら、スキを与えないように睨み返していた。
ライラックと巨大な山犬との間の緊張感を破ったのは、隣にいるチャームであった。
「山犬さんに裸の姿をジーと見られていると、何か奴隷の品定めをされているみたいな感じになりま
せんか?」
ライラックは、何を言い出すかと思えば・・・と言う心境で答える。
「感じないわよ!」。目は山犬を睨んでいる。
「・・・でも、こうジーと見られていると、何かヘンな感じになって来ちゃいませんか?」
これには、さすがのライラックも顔をチャームの方に向けて怒鳴ってしまった。
「チャーム、何を馬鹿なことを言っているのよ!。今の状況が分かっているの?」
『しまった!』
スキを見せてしまったライラックは、急いで視線を山犬の方に向けた。
「グウォォォォォ!」
ライラックの目に、山犬が飛び掛かって来るのが見えた。
「逃げてっ!」。ライラックは反射的に、横にいるチャームを遠くへ突き飛ばした。
ライラックの目には、近づいて来る山犬の開けた赤い口の中と鋭い牙が映っていた。
『だめっ!。逃げられないっ!』
ライラックは自分の体が引き裂かれて、真っ赤な鮮血の中に横たわる事を覚悟した。
「わぁぁっ!」。
ザクゥゥゥゥゥゥ!!。
ズバァァァァァァ!!。
頭を抱えて蹲っていたライラックは、一向に痛みが感じないのに気が付いた。
目を開いてみる。ライラックの身体をバリアーが包んでいた。
「この魔法は・・・公爵がかけたの?」
巨大な山犬はバリアーに邪魔をされて、ライラックの身体に傷を付ける事が出来ないでいた。
チャームが急いで「氷刃」の魔法を使う。
山犬の体に氷の刃物が突き刺さる。
「ギャァァン!」。巨大な山犬が悲鳴を上げて、チャームの方に視線を向けた。
「今だっ!」
斬り掛かるスキを手に入れたライラックは、握っている剣を真横に素早く動かした。
ドバァァァーッ!。
強い手応えを感じた。
「ウガァァァァァーッ!」
ズシャァァァッ。
巨大山犬は右脚を切り取られ、バランスを失って頭から地面に崩れ落ちた。
目の前に巨大山犬の首筋が見えた。
ライラックは躊躇なく剣を振り上げると、一気に巨大山犬の首筋に振り下ろした。
「やあああああーっ」
ズバァァァァァァァーッ!。
巨大山犬の首から赤い鮮血が、ドバァァァァァーっと噴水の水のように、数メートル上空に吹き上がった。
「ウギャーッッッッ!」
バシャ、バシャ、バシャー・・・。
巨大山犬の断末魔の叫び声を耳にしたライラックの身体に、吹き上がった鮮血が雨のように降り掛かった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
戦い終わり、裸体の身体を付いた血で赤く染めたライラックが、立ちつくしていた。
しばらくすると、死んで倒れている巨大山犬の体が砂のように変わっていくと、サササササー・・・と形が崩れていき、砂の中から2つのブラッド・オパールが転げ落ちた。
----------------------------------------
「・・・あう・・・。ご主人様は、あの様に遠くにいるライラック殿へ、テレパシーやバリアーの魔法を送ることが出来る魔力の力を、お持ちになっていたんですね。・・・あん・・・」
秘書役のメイドは苦しそうな声で公爵に質問をした。
公爵は声のした足元に目線を落とす。
逆さに吊された秘書役のメイドの顔がそこにあった。
秘書役のメイドは、天井に向けて両脚を開いたY字形の姿で、逆さに吊されていた。
もちろん全裸の姿でだ。
「ああ。・・・そうみたいだ。実際使った私自身が、魔法があそこまで届くとは思わなかったからな。そ
れに今まで使う事もなかったから。・・・あのライラック達が使用第1号って訳だ。」
公爵は苦笑いをしながら話した。
「そ、そんなぁー。・・・それではライラック殿は、テスト用のモルモットだったんですかぁ?」
驚きの声を出す秘書役のメイドに公爵は、
「ふふふ・・・。人の事を考えるより、今は自分の事を考えるんだな」
そう言うと、手にしている蝋燭を上に上げると僅かに傾けた。
炎で溶けた蝋が、ポタポタポタと目の前の秘書役のメイドの無毛の恥丘とヴァギナ周辺に落ちてい
き、白い肌に赤い色を付けていった。
「あ、あああ・・・あ、あ、ああああ・・・ん。あん、・・・あうあう・・・ああああ、あ、う、あ、う・・・ひゃあああ
ん・・・・あああー・・・あああー・・・ああ・・・」
秘書役のメイドは熱さとそれとは別の快感とに身体をひきつかせながら、公爵の目の前で悶えた姿
をさらしていた。
その頃ライラックとチャームの2人は、公爵の館への帰路についていた。
「ハックショーン!」。ライラックが大きなくしゃみをした。
「ライラックさん、風邪を引いたんですか?。」
「風邪だって引くわよ。長いこと丸裸でいたかと思えば、やっと見つけた服はこんなありさまなんだも
の。・・・本当に泣きたくなるわよ・・・」
ライラックとチャームの着ている服は、瓦礫の中で傷ついてあちらこちらに大きな破れが出来て、もののみごとにぼろ切れのようにボロボロの状態になってしまっていた。
しかも下着さえも無く素肌に直接服を着ている今は、胸や股間を隠す肝心な部分の生地が破けてしまっているので、見られないように手で隠しながらいる状態であった。
「こんな格好で公爵の館まで帰るの?・・・。途中で男の人にでも見られたら恥ずかしいわ。」
ライラックは、恥ずかしさと情けなさの気持ちで、心が一杯になっていた。
「仕方ありませんよ。公爵様から頂いた旅費のコイン袋もどこかに吹き飛んじゃったんですから」
同じようにボロボロの服を着たチャームがそれに答える。
「お金も無いから、途中の町で服も買えないのか・・・。それにあたしの鎧もとうとう見つからなかったし・・・ううう・・・泣きたくなってくるわ」
ライラックの心はドーンと谷底に落ちて行く心境であった。
「ライラックさん、落ち込んでいても仕方ありませんよ。帰ったら公爵様に新しい服と鎧を買ってもらえ
ばいいんですよ」
チャームはライラックとは正反対に明るく言うと「では、公爵様の館にブラッド・オパールを持って凱旋でーす」と宣言した。
「凱旋って・・・、これからまだ10日間の道のりが・・・あるのよ・・・」
ライラックはそう呟くと「はぁー」と溜め息をつき、トボトボとチャームの後をついて行くのであった。《 あとがき 》
どうも、九尾きつねです。
ブレーク・パーティ第2話をお届けいたしました。
ライラックとチャームのハチャメチャな活躍を、楽しんでもらえたでしょうか?。
2人によるブラッド・オパール探しが始まりましたが、最初からこんな鬼畜な展開の物語になってしまって、これからどうなるんだ?・・・と書いている作者自身が、この2人の身を心配になってきちゃいました(笑)。
しかも「終わり」じゃなくて今回から「続く」になっちゃったし・・・。
どうなるんだろうなぁー、この2人・・・。(作者のくせに何と無責任な事を・・・笑)
ここまで書いていて、やっぱり新しい味方キャラも加えていかなくちゃダメかな?・・・と考えちゃいましたけど、はてさてどうなりますか・・・。
でもそうやって増えたメンバーでパーティーを組んでいくとなると、何だか「RPGゲーム」みたいになっていくような・・・、その内ブラッド・オパールを探しにどこかの「ダンジョン」や「ラビリンス」に入り込む物語になっていくのだろうか?。(他人事みたいな言い方だな。笑)
となると、敵キャラの総ボスも作らなくちゃならないのかな・・・ひえ~・・・、なんか長い作品になりそうだな?(笑)。大丈夫か?、作者よ(笑)。
・・・と言う事でどうか次回作もお付き合い下さいね。
それではまた、次の作品でお会いいたしましょう。 -
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
〈 登場! ライラックとチャームの巻 〉
この大陸には、人と人以外の生き物が、背中合わせに生きている。 ここは、人と人外とが共に生息する、摩訶不思議な世界なのである。
その証拠に、夜空には刃物のような形をした、二つの三日月が並んで浮かんでいる。
しかも夜の帳は、山々を暗闇で覆い隠している。
そして山の中に点在する村の家々をも、同じように包んでいた。
夜は闇の静寂に支配されていた。
微かに聞こえるのは、遠くの山で月に向かって吠えている、狼の遠吠えだけだ。
夜は静寂の中に包まれている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
いや・・・、何かが聞こえる・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
段々とこちらに近づいてくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんだろう?・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
目を月に向けてみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何かが月の光を浴びて飛んでいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
月に照らし出されたそれは人の形をしている・・・しかしそれは人間ではない。
左右に大きく開いた両腕からは、蝙蝠の翼が生えている。
それは蝙蝠人と呼ばれる人型の怪物であった。
蝙蝠人は1匹だけではない、夜空一面に数多くの蝙蝠人達が、音もなく飛び回っている。
蝙蝠人の眼下には、小さな村がある。
1匹の蝙蝠人が襲いかかる目標を見つけたようだ。
「キィィッ!」。
それは短く甲高い声で鳴くと、ある一軒の家の窓を突き破っていった。
「きゃぁぁぁ!」。「うわぁぁぁ!」。
程なくして家の中から、悲鳴がこだました。
同じように他の蝙蝠人達も、「キィィッ」、「キィーッ」と鳴きながら、まわりにある家々の窓を突き破っていく。
「わぁぁぁぁっ!」。「きゃぁぁぁぁっ!」。「助けてぇぇぇ」。
寝込みを襲われた家々の中から、命からがら逃げ出した人々が夜空を見上げた時、彼らは絶句した。
夜空一面を覆うかのごとく、数多くの蝙蝠人達が頭上を飛び回っていたのだ。
それを目にした人々は、口々にその名を叫んだ。
「わあああ・・・、コ、コウモリ人だ!」
「蝙蝠人が襲って来たぁぁ。逃げろっ!」
人々からそう呼ばれた蝙蝠人は、「キィー」と甲高く鳴くと、逃げようとする村人たちに襲いかかって行った。
サァーと、音も無くすばやく舞い降りると、逃げる村人たちの頭や、首筋、身体に鋭い牙で噛みついた。
ガブッ。「ぎゃぁぁぁ!」。バリッ。「うわぁぁぁっ!」。
逃げる村人たちは身体から鮮血を吹き出しながら、地面に倒れ絶命していく。
ズバァー。「ぐわぁぁぁ!」。ズバァァァ。「きゃぁぁぁっ!」。
しかも蝙蝠人の武器は牙ばかりではない。
以前に、殺した人間から奪った剣や槍を手にしているのだ。
「キッ」。上空を旋回していた蝙蝠人が、逃げる親子3人の姿を見つける。
母親と2人の娘だ。
母親は娘たちの手を握って必死に逃げて行く。
家族や村を守ろうとして蝙蝠人に殺された、彼女の夫の願いを無にしないためにも。
だが逃げる彼女たちの背後からは、蝙蝠人達が音も無く滑空して近づいてくる。
手にした剣を振りかざしながら。
ズバァァァァーッ!。
音と共に母親の頭が空中に飛んだ。
母親は、首から鮮血を吹き出しながら数メートル跳ぶと、そのまま地面に倒れ込んだ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
母親の最後を目にした娘たちは、恐怖の悲鳴を張り上げた。
「おねえちゃん!」。
8歳の妹は16歳の姉の身体にしがみついた。
「キッ」。「キキーッ」。「キーッ」。
残された2人の回りに、蝙蝠人達が囲むように降り立った。
2人の姉妹は、蝙蝠人の姿を見て、より一層恐怖を感じた。
蝙蝠人と言うだけあって、その顔は普通の蝙蝠と同じ顔であった。
大きな耳もピンと2つ立っている。
しかし首から下の身体はまるっきり、人間の大人の身体と同じであった。
しかも全身が黒い毛に覆われていた。
両腕には巨大な蝙蝠の翼が畳み込まれている。
「ひっ!」。姉は近づく蝙蝠人たちの股間に目を留めたとき、思わず小さな悲鳴を上げてしまった。
蝙蝠人達の太く長いオスの男根が、勃起をして上に反り返っていたのだ。
どの男根もピクピクと小刻みにひくついていた。
「い・・・いや・・・いや・・・」
姉は蝙蝠人たちが何を欲しているのか、理解する事が出来た。
それは姉妹たちに、より一層の恐怖を感じさせた。
姉は脅える妹を守るように身体の後ろに隠す。
「キィッ」。蝙蝠人のけむくじゃらの手が姉の二の腕を掴んだ。
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」。
恐怖が堰を切ったように溢れだし、悲鳴を張り上げた。
蝙蝠人たちは姉妹の腕を掴み、それぞれを引き離した。
「おねえちゃん!」。妹が助けを求めるように叫ぶ。
「ギーッ」。びりびりびり・・・。
2人の着ている服が引き裂かれていき、地面に押し倒される。
「きゃぁぁ。いやぁぁぁ。やめてぇぇっ」。
2人は逃げようと身体をばたつかせたが、蝙蝠人達の怪力で抑えつけられ、身動きひとつ出来なくなっていた。
服が引き破られ、まだ男性を知らない純白の身体が、蝙蝠人達の前に露わにされた。
グッと、両脚を無理やり開かされる。
そして、彼女たちのヴァギナに蝙蝠人の凶暴な男根があてがわれた。
「いやっ、いやっ、いやっ」
泣き叫ぶ彼女たちの声を無視して、男根が一気にヴァギナの中へと侵入していった。
「うぎゃぁぁぁぁぁっ!」
生まれて初めて体験する一生に一度のその時を、無惨にも人間以外の者の男根で引き裂かれ、強引に体内に入れられた彼女たちには、絶望的な悲鳴を声の限り張り上げることしか出来なかった。
恐怖で大きく開いた目からは、涙がこぼれ落ちた。
ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。
蝙蝠人は力任せに、自分の腰を前後に振り始める。
ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。ズニュ。
ヴァギナの中を出し入れする、血に染まった男根の摩擦の音を聞きながら、姉は自分の股間が裂けてしまったみたいな痛さを、呆然とした感覚で感じていた。
「ギイィ」。別の蝙蝠人が、姉の口を無理やりこじ開け、口の中へそそり立った男根をねじ込んだ。
「うぐぐ・・・」。姉はくぐもった声を漏らす。
グニュ。グニュ。グニュ。ジュニュ。ジュニュ。
彼女は、ヴァギナと口の両方から貫かれて犯され続ける。
「うぐ、うぐ、う・・・ぐ・・・ん」
ズニュ。ズニュ。ズニュ。ジュニュ。ズニュ。
ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。
蝙蝠人達の腰の動きが速くなっていく。
ズニュ。ズニュ。ズニュ。ジュニュ。ズニュ。
ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。ジュニャ。
「キイイイイーッ!」。「ギィィィィィィッ!」
蝙蝠人は鳴き声を上げると、男根から勢いよく精液を彼女の口の中とヴァギナの中へと、流し込んだ。
口の中から、何とも言えない気持ちの悪い味と臭いがしてきた。
だがそれを吐き出す気力も体力も、彼女にはもう無かった。
彼女の口とヴァギナに再び、別の蝙蝠人の男根が差し込まれた。
それは何度も何度も続けられた。
そして、彼女の薄れゆく瞳には、同じように蝙蝠人たちに犯されてヴァギナを血だらけにさせられ、顔や身体中を精液で汚されている妹の姿が映っていた。
妹の身体や目には、すでに精気が無く、生きているようには見えなかった。
ただ、身体を乱暴に前後に動かされるその姿は、まるで糸の切れた人形のようであった。
「・・・・チ・・・・・チャー・・・・・・・ム・・・・・・・・・」
それが彼女の最後の呟きであった。
彼女の村は炎に包まれ夜空を明るく染めていた。
そしてこの時、彼女の命の炎は消えていった。
----------------------------------------
「・・・以上が、この領地内で蝙蝠人に襲われた村の被害だ」
広い謁見室の中の2人の人物の前で、床から一段高い場所で豪華な椅子に座っている人物が、そのように説明をしていた。
ここは、この辺りの領地を治める領主の館である。
そして、豪華なイスに座り客の2人に説明をしていたのは、この館の主である『フォレックス公爵』である。
「知っているとは思うが・・・、我々が蝙蝠人と呼んで恐れている、人間の姿をした怪物が突然現れたのは、今から7年ほど前だ。最初はここより遠くの西国に現れていたのだが、最近はとうとうこの辺りにまで、姿を現すようになってきてしまったのだ。・・・もちろん王国も我々貴族も、蝙蝠人の討伐隊を送り込んではいるが、残念な事に尽くに失敗をしているのである。そこで、傭兵ギルドに資金はいくら掛かってもよいから、確実に蝙蝠人を倒せる剣士の部隊を送ってくれるように要請をしたんだが・・・」
フォレックス公爵はそこまで話をして、「はぁー」と溜め息をついた。
公爵の前には、傭兵ギルドから派遣されて来たという2人の女性が立っていた。
公爵は「困ったなぁー」と言いたげな表情で、2人の女性をまじまじと見つめていた。
1人の女性は、身体に銀色の鎧と両方の足に銀色のすね当てを付け、腰に長い剣を下げているところから彼女は剣士であろう。革製の手袋と靴を履いている。
ショートヘアの黒髪に黒色の瞳。耳には小さなピアスをしている。
年は19歳で名前を「ライラック」と名乗った。
彼女の瞳からは強い決意が伝わってくるのだが・・・。
そしてもう1人の方は、「チャーム」という名前で15歳の女の子だ。
腰まであるキラキラと輝く金髪のロングヘアを根元で束ね、ヘアバンドで止めている。
人形のような整った顔立ちの中にある瞳は青いブルーだ。
耳には細い金のクサリの付いたイヤリングをしている。
両手首には、金のブレスレッドをしている。
ミニのワンピースのような服から伸びた両脚はカモシカのように細い。
彼女は魔法を使う魔道士だという。
しかし彼女の表情からも瞳からも、これから戦うという決意が全然伝わってこない。
ただニコニコと微笑んでいるばかりなのである。
フォレックス公爵は、ずれかかった眼鏡を指で戻すと、鼻の下に蓄えているカイザー髭に指を移動させた。
髭の先端を触りながら、「さて、どうしたものか?」と考え込む。
だが本心は、銀色の髪の毛の頭を抱えたい心境なのであった。
「19歳の女性剣士に、15歳の少女魔道士か・・・。傭兵ギルドめ、高い料金を前金で支払ってやったのに、こんなのを送ってきおって・・・」
公爵はブツブツと文句を呟く。
何か気まずい沈黙が、公爵とライラック達の間に流れる。
「ね。チャーム。公爵が今何を考えているか分からない?」
ライラックがチャームにそっと尋ねる。
チャームは静かに目を閉じると、呪文を口の中で唱えた。
だがすぐに目を開いたチャームは、驚いた表情でライラックに耳打ちをした。
「だめです。公爵の掛けているあの眼鏡・・・マジックシールドグラスによって、公爵の心を見ることが出来ません。・・・でも不思議です。あの眼鏡は普通の人間が掛けただけでは効果が無いのです。極めて強力な魔力を使う者でないと、眼鏡の力を発揮させることは出来ないはずです」
「フォレックス公爵って、魔法使いなのか?」。
ライラックは改めて自分たちの前にいる公爵の顔をまじまじと見た。
しかし眼鏡の分厚いレンズが邪魔をして、その奥の公爵の瞳を読み取ることは出来なかった。
「いかがでしょう。何でしたら、このお2人にはお引き取り願いますか?、公爵様」
今まで公爵の後ろで、人形のように立っていた女性が突然話し出した。
女性は他のメイド達と同じ服を着てエプロンもしているが、この館では公爵の秘書の役目もしているようである。
「待って下さい。私たちだって傭兵ギルドから派遣されて来たプライドがあります。私たちの実力を見てから判断してください!」
話を聞いていたライラックが思わず口をはさんだ。
公爵は「それほど言うならば・・・」と小さな声で言うと、ライラック達に話を始めた。
「君たちにはもちろん蝙蝠人達を討伐してもらうが、特に重要なのはその蝙蝠人の親玉を倒してもらうことだ。雑魚ばかりを倒してもどうにもならないからな。」
公爵の言葉はつづく。
「ただ親玉を倒すだけではダメだ。親玉の額には、赤い色をしたブラッド・オパールと言う秘宝が埋め込まれている。それを剥ぎ取って、無傷で私に渡してもらいたいのだ。いいかね、無傷でだぞ。」
念を押すように話をする公爵。
「蝙蝠人の親玉ね・・・額に埋め込まれている秘宝のブラッド・オパールね・・・」
話を聞いている内に、何だか「これは難しい仕事みたいね」と不安を抱いたライラックであったが、
「蝙蝠人って言ったって、人間と同じ大きさなんでしょ、だったら親玉だって同じ同じ・・・ぱぱっと片づけて秘宝付きの親玉の頭を公爵に渡せば、お仕事は終わりですね。簡単簡単。」と言うチャームの言葉を聞いて、楽観的な気分になっていくライラックであった
一通り話を終えると、公爵はメイドの少女にライラック達を館の客用の部屋に案内するように命じた。
ライラックとチャームがメイドの少女の後に従い、謁見室を出て行くのを見つめていた公爵は『まかせて大丈夫かなぁ・・・』と言った思いで「はぁぁぁー」と溜め息をついた。
やがて館の上空にあった太陽が山の陰に沈み、代わって2つの月が山から上り、館の上空に浮かんでいた。
ライラックとチャームはベッドの中で、安らかな眠りについていた。
館の客用のベッドだけあるようで、清潔でシーツは雪のようにシミひとつ無く真っ白だ。しかもフワフワとした作りになっている。
いつもは野宿や安宿の薄汚れた硬いベッドばかりにお世話になっているので、このような高級なベッドの中で寝られるなんて、夢にも思っていなかったのである。
「見て見て。このベッドこんなにフワフワですよ!。あたしこんなベッドで寝るのは初めてです」
ベッドの上でチャームが「きゃー、きゃー」言いながら楽しそうに飛び跳ねる。
メイドの少女はそれを見ていて「明日のベッドメイキングには、時間がかかりそうだな」と思った。
ライラックは何とかチャームを寝かしつけると、自らもベッドの中に潜り込んだ。
ほんとにフワフワだ。その柔らかさは彼女をすぐに夢の世界へと誘い込んでいった。
それからどの位の時がたったのか、誰かがライラックの名前を呼び身体を揺すって、起こそうとしているのが分かった。
ライラックは瞬時に目を開けると、剣を握りガバッと飛び起きた。
目の前にはチャームがいた。外はまだ夜だ。・・・しかし敵が攻めて来たようには見えない・・・静かだ。
「どうしたの?。チャーム」。
ライラックは夜中に起こされた意味が理解できなかった。
「この館の奥の方から、女性の苦しむ声が聞こえてくるんですが・・・」
チャームは不安な顔で告げた。
チャームの話を聞いたライラックは剣を手に持ち部屋のドアを開けて廊下に出た。
暗闇が廊下の先を覆っている。耳を澄ましてみると確かに女性の苦しむ声が微かに聞こえてくる。
ランプを手にライラックとチャームは、聞こえてくる声の方へと足を進めて行った。
ランプの限られた光に照らし出される世界はどこか不気味である。
大きな館全体が、暗闇に支配されているせいかもしれない。
ある扉の前にたどり着いた。呻き声はこの部屋の中から聞こえていた。
「メイドの少女が、あの公爵の手によって、拷問でも受けているんでしょうか?」
チャームが不安そうに、ライラックに耳打ちをする。
「さあ、どうかしらね・・・」。ライラックは扉のノブに手を掛けた。
カチャ。
扉には鍵が掛かっていないらしく簡単に開いた。扉を少し開け、隙間から中を覗き込む。部屋の中ほどで、1人の裸の女性が後ろ手に枷を填められ、天井からの鎖で身体を水平に吊り下げられていた。
細い首には、首輪が填められている。
女性の顔を見ると、公爵の側にいたあの秘書の女性だ。
その彼女の側には、公爵がイスに座って見ている。
公爵は、テーブルの上で燃えている蝋燭の燭台に目を移すと、何やら呪文を唱える。
すると、燭台がフワッと空中に浮かび上がり、吊り下げられている女性の身体の上へと、滑るように移動して行く。
ライラックとチャームが息を殺して見つめていると、公爵の人差し指がわずかに動き、それに操られる燭台はゆっくりとその姿を傾け、赤い蝋燭が女性の背中とお尻とに、溶けた蝋燭を垂らし始めた。
ぽたっ。ぽたっ。ぽたっ。ぽたっ。ぽたっ・・・。
「あうっ!。・・・あ、う・・・う、あぁぁぁ・・・」
女性の口に噛まされているボール型の口枷のギャグからは、涎と共にくぐもった呻き声が途切れなく漏れてくる。
ぽた。ぽた。ぽた。ぽた。
「う、うう・・・は、は、ぁ・・・あああ、ん」
女性の背中とお尻が段々と赤い色に染まっていく。
ぽた。ぽた。ぽた。ぽたっ。
「ひゃっ、あ・・・う、ん・・・ひぃ、ぃぃぃ・・・」
公爵は、再び何かの呪文を唱えると、今度は乗馬用の長い鞭が空中に浮かび上がった。
「秘書であるお前が、傭兵ギルドにもっと詳しく説明をしなかったから、私は高い金をドブに捨てることになりそうなんだぞ。・・・当然その責任は、お前の身体で支払ってもらうからな」
公爵は怒ったような声で言うと、蝋燭で赤く染まった女性のお尻を、パシーン!、パシーン!、パシーン!、と浮かんでいる鞭が激しく叩いた。
「うぐっ。・・・あうっ。・・・ああうっ」。
女性は口枷で塞がれている口の奥から低い悲鳴を漏らすと、身体を痙攣したように反らせた。
涎で口の回りを汚らしく濡らし、涙で顔をクシャクシャにした女性の頭がガクッと下に落ちた。
公爵はイスから立ち上がり女性に近づくと、ヴァギナに指を這わせた。
ヌルッとした淫液が指を濡らす。
女性のヴァギナからは溢れ出た淫液が、ぽた、ぽた、と床に落ちている。
公爵の手が女性の髪の毛を鷲掴みにすると、グイッと上を向かせた。
「ん?。牝奴隷としての調教をしている最中に、私の許しも無くなに勝手にイッているんだ。お前にはもっと厳しい調教が必要だな!」
公爵はそう言うと、浮かんでいる燭台を掴み、淫液を滴らせているヴァギナの下に持っていく。
蝋燭の炎が剃毛されているヴァギナを、ジリジリとあぶっていく。
ヴァギナから垂れる淫液が蝋燭の炎と混ざり合い、ジュッと音を立てた。
「う、きゃはぁぁぁぁ!・・・。ほぉ、ひゅりゅひぃ・・・ひゅひゃしゃ・・・ひぃぃ・・・。ひゃちゅ、ひぃぃぃぃ!。・・・ひゅ、う、りゅうひぃ、ちぇぇぇ・・・きゅう、ひゃ・・・ぢゃぁぁ、ひぃいいい。ひょじゅうひぃん、しゃぁぁ、みゃぁぁぁぁ!」
女性は口枷で塞がれている口から懸命に声を出して、ご主人様であるフォレックス公爵に、心の奥から許しを求める哀願を繰り返した。
扉の隙間から見ていたライラックは、そっとドアを閉めて壁に背をもたれると、大きく息をはいた。謎の声の正体を探りに来て、見てはいけないものを目にしてしまった、何とも言えない恥ずかしさが心に涌いてきていた。
「どうも、あの女性の人は、拷問に掛けられているんじゃないみたいですね」
チャームはきょとんとした表情でライラックに囁いた。
「そ、そうねぇ」。ライラックは気の抜けた返事をして、自分たちの部屋へと戻った。
さっそくベッドに潜り込んで、夢の続きを見ようと目を閉じてみたが、頭に浮かぶのは、目にしたあの調教の光景ばかりだ。
そっと指を股間に持っていく。
「クチュ」。指先にヴァギナから溢れてきている淫液が絡み付いた。
ライラックは顔がポッと熱くなるのがわかった。そしてそっとベッドから抜け出した。
横のベッドでは、チャームが小さな寝息を立てて寝ている。
部屋を出てベランダに出たライラックは、下着を脱いで裸になり指をヴァギナにあてがうと、刺激を与えだした。もう片方の手で乳房も揉みほぐしだした。
指がヴァギナの秘裂にそって上下に何度も動き中のヒダを刺激する。続いて、包皮から出ているクリトリスの頭を、何度も何度も指の腹で撫でるように刺激を繰り返す。
ヴァギナの奥からは刺激に答えて淫液がドクドクと溢れ出し、グチュ、グチュ、グチュ、グチャ、グチャ、と音を立てて動かしている指先に絡み付いてくる。
乳房を揉んでいる指が乳首にさわると、興奮のため乳首が立っていて痛く感じる。
「あ、あ、あ、・・・ううん・・・は、ぁ・・・う、ん・・・」
グチュ。グチュ。グチュ。グチュ。グチュ。
「ひゃ、ぁ、ああん・・・は、ぁぁぁ・・・ん、うん」
グチュ。グチュ。グチュ。グチュ。グチュ。
「あああああ、んん・・・ひゃ、ぁぁぁ・・・う、ん」
ヴァギナとクリトリスを刺激する、指の動きが段々と速くなっていく。
ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。
「いや、ん、だ、だめっ・・・あああ、ん、あんあん・・・んんんん・・・」
ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。
ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。ジュニュ。
「・・・あん、あん、あん・・・ご、ご主人さまぁ、ど、どうかぁ、イカせて・・・く、くださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!。あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
ライラックは知らないうちに、御主人様にオナニーでイク許しを求める言葉を口にすると、激しく上り詰めていった。
もちろん、ライラックにはそんな御主人様などいないのだが、先程の調教の光景を見ていた為に、無意識のうちに口から出てきた言葉なのかもしれない。
ガクガクガクと身体が振るえ、シャァァァァァァァと、オシッコが跳び出した。
「あうあうあうあうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
床に両手両膝をついたライラックは肩で大きく息をしていた。
半開きの口からは涎が垂れ、舌は犬のように口からだらしなく出している。
こんな快感を感じたのはライラックにとって初めてのことだった。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、・・・」
ライラックは快感の興奮と息を整える為に、壁に背中をつけ膝を抱えて座った。
壁のひんやりとした冷たさが、火照った身体を冷やしていく。
しばらくの間、2つの月をぼんやりと見上げる。だが頭の中は真っ白になっている。
身体の火照りが冷めていくのと同じに、頭の中の頭脳も動きを始める。
ライラックはタオルで股間の淫液とオシッコの液を拭き取ると、よろよろと立ち上がり、下着を身に着けた。
改めて回りを見渡す・・・誰もいないようだ・・・ホッとした気持ちになる。
ベランダから部屋に入ろうとした時、夜空に何かが飛んでいるのに気がついた。
それも沢山の数だ。
「・・・?」。目を凝らして見上げる。月の光を浴びてそれは姿を現した。
人間の姿をしている・・・両腕からは大きな蝙蝠の翼をはやしている。
「蝙蝠人だっ!」。ライラックは叫んだ。
蝙蝠人達が町へと降りていくのが見えた。
ライラックは急いで部屋の中に飛び込んだ。
「ライラックさん、どうしたんですか?。こんな夜中に・・・、ふぁぁぁぁぁ」
ライラックが鎧を身に着けているところを目にして、チャームがあくびをしながら尋ねた。
「蝙蝠人達が襲ってきたのよ!。チャームもすぐに準備をしてっ!」
鎧を身に着け、剣を装備したライラックは、早口で答える。
「ふぁぁぁぁぁ~・・・、でもね・・・寝不足は、あたしのお肌に良くないのよね・・・。おやすみなさーい」
チャームはまた布団をかぶってしまう。
「寝るなぁぁぁ!。町では大変な事になっているのよ!。起きてっ!」
ライラックはチャームの布団を勢いよく剥ぎ取る。
そこへメイドの少女が飛び込んでくる。
「ライラック様。チャーム様。蝙蝠人達が町を襲っています!。馬を用意いたしましたので、直ちに出動してください!。公爵様の衛兵隊も出動しました」
「わかったわっ!」。ライラックはふくれっ面のチャームの手を引っぱって入り口に待機している馬の背中に飛び乗った。
手綱を引くと、町へと馬を走らせる。
ライラックはふと後ろに一緒に乗っているチャームの顔を見る。
ほっぺたがプウーと膨らんでいる。
「いい加減にそのふくれっ面を直しなさいよ。これから仕事なんだから」
ブツブツと文句を言っているチャームに、ライラックが注意をする。
すると、背後のチャームが猫なで声で聞いてくる。
「ねね、ライラックさん。このお仕事の報酬が入ったら、あたし銀の指輪と足輪が欲しいの、買ってもいいでしょう?」
ライラックは、ほーらきなすったな、といった気分で答える。
「仕事を完全にやりとげたらね」。
「うん。チャームがんばる!」。
チャームの言葉を聞いて、ライラックは『どうしてこんなのと、パーティーを組んじゃったのかな・・・』と言う自己嫌悪感に陥ってしまいそうな気分になる。
「きゃっ。ライラックさん、前っ!」。突然チャームが叫び声を上げた。
「なにっ?」。顔を前方に向けると、蝙蝠人が槍をかざして突っ込んでくる。
ドバァッッ!。槍が馬の首を前から後ろへと貫き、槍の先が鞍の所まで到達した。
馬は悲鳴のようないななきをあげると、首から鮮血を噴きながら、もんどりうって倒れる。
だが、槍が突き刺さる一瞬、ライラックはチャームを抱えて馬から飛び降り、事なきを得ていた。
すかさず、腰の剣を素早く抜き蝙蝠人を一刀のもとに切り裂いた。
ズバァァァーッ!。「グギャァァァーッ」。真っ二つになった蝙蝠人が地面に落ちてくる。
すぐ目の前は町の入り口だ。
町の中では数カ所から火の手が上がっている。町の人達が逃げまどっている。
「チャーム。魔法の支援を頼むわよ!」。
ライラックは振り向きもせずそう叫ぶと、町の中へと駆け込んでいった。
「はーい、わかりましたー・・・」。
チャームは目をつぶり口の中で呪文を唱えると、左の掌にポワーッと光が現れ、その中から分厚い魔法書が出現した。
黒い表紙には、金色で描かれた丸のマークの中に、同じく金色の正三角形と逆三角形の重なった図柄が描かれている。
チャームは魔法書を胸に抱きかかえて、ライラックの後を追って町の中へと駆けていった。
町の男達が、公爵の衛兵達が、剣を手に蝙蝠人達と懸命に戦っているが、どうも旗色が悪い。
ズバァァッ。ライラックは目の前に躍り出てきた蝙蝠人を、目にも止まらぬ剣さばきで切り倒す。
「キィィィィッ」。別の蝙蝠人が、剣を片手に上空から襲ってくる。
びゅっ。さっ。ライラックはとっさに身体を屈め蝙蝠人の剣を避けた。空中にライラックの切られた髪の毛が数本舞い散る。
スパーーンッ!。ライラックの剣が蝙蝠人の頭を切り落とす。
ライラックは次の敵を求めて走り出した。
建物の陰から悲鳴がおこる。3匹の蝙蝠人が、赤ん坊を抱いた女性を取り囲んでいた。
蝙蝠人の手が、女性のか細い身体に迫る。
「いやっ」女性が力ない声を上げた時、「まてっ!」と、ライラックが叫び、ズバァァァッと蝙蝠人の身体を切り裂いた。
「ギィィィィッ!」。蝙蝠人の胴体が腹部を境に上下2つになった。
続いて、ライラックの剣が振り下ろされ、蝙蝠人の身体を左右に切り裂いた。
ドバァァァァッ!。蝙蝠人は一鳴きも出来ずに、切り裂かれた身体を地面に倒した。
「ギャッ」。残りの1匹が恐れをなして空へ逃げようとした時、ライラックの剣が蝙蝠人の片腕を切り落とした。
ズバッ!。「ウギャァァー」。翼を失った蝙蝠人が地面に落ちて転げ回る。
ライラックは蝙蝠人に近づくと、剣を蝙蝠人の額に突き立てとどめを刺す。
ズドッ!。剣先が額から後頭部へと貫通する。蝙蝠人は手足をピクピクと数度痙攣させ息絶えた。
ライラックは、恐ろしさで立ちつくしている女性に「速く逃げろっ!」と大声で言った。
女性は震えながら頷くと、その場から懸命に駆けて行った。
それを目で追っていたライラックはホッと一息を入れる。
だがその時、その一瞬のスキをつかれ、背後から近づいた蝙蝠人によって、ライラックの首が絞められた。
「あぐ・・・」。蝙蝠人の両手の力が段々と強くなり、ライラックの首を締め上げていく。
「ううう・・・う、ぐ、ぐ・・・」。
ライラックの額からは、苦しさの為に、玉のような汗が噴き出してくる。
ぐい、ぐい、ぐい。息苦しさをライラックは歯を食いしばって堪える。
ぼやけだした視界の前を、シュッという音と共に、何かキラリと輝く物が飛び抜けた。
その瞬間、蝙蝠人の悲鳴が上がり、首を締めつけていた手が力なくはずれた。
ライラックは咳き込みながらも、背後に倒れている蝙蝠人を見た。
蝙蝠人の身体には、何か鋭い物が通り抜けた穴が無数に開いており、そこからは大量の血が流れていた。蝙蝠人はすでに死に絶えていた。
そこから少し離れた所に、チャームが魔法書を抱えてニコニコした顔で立っていた。
「ライラックさん、あたしの銀の指輪と足輪が掛かっているんですから、まだ死んじゃだめですよ。」
チャームは、本音ともジョークともつかない言葉を笑いながら言った。
「ギィィィ」。頭上から蝙蝠人の叫び声が響く。
チャームめがけて、蝙蝠人が急降下してくる。
蝙蝠人の口の牙がガチガチと鳴っている。
チャームは手にしている魔法書を開くと、ページを1枚ビリッと破り取り、迫って来る蝙蝠人に向かってサッと投げ上げた。
「氷刃(ひょうは)!」。チャームが叫ぶ。
ぺらぺらの紙は瞬時に十数個の氷の刃物に姿を変えて、蝙蝠人の身体を情け容赦なく突き通した。
ドサッ。氷刃によって開けられた傷口から、血を吹き出しながら、蝙蝠人は地面に落ちてきた。
チャームはライラックに向かって細い腕を突き出すと、自慢げに「Vサイン」を作って見せた。
一方、夜空を飛んでいた一匹の蝙蝠人が、館の自室から町の方を見ていた公爵の姿を見つけると、「キキィー」と鳴き、公爵めがけて窓を突き破って飛び込んできた。
グワッシャァーン!。
蝙蝠人が、フォレックス公爵の首筋に鋭い牙で噛みつこうとした時、ガシッ!、とその頭が鷲掴みにされた。
その右手は普通の時の数倍の大きさとなっていて、公爵の身体全体から見たとき、まるっきしアンバランスの光景を見せていた。
公爵は左の手で眼鏡を外す。公爵の真っ赤な色の目が現れる。
すると、公爵の身体は少しずつ人間の形から、別の物へと変身を始めた。
段々と変化をする身体は、着ている服を引き裂いていく。全身に濃い毛が覆っていく。
しかし部屋の中にいるメイド達は、別段驚く様子は見せていなかった。
いつものように静かに部屋の隅にたたずんでいるだけだ。
「わしの領地を襲ってくるとは・・・許さん!。」
犬のような形の口が動き、そう言葉を吐き捨てるように言うと、蝙蝠人の頭を鷲掴みにしていた巨大な右手に力を入れた。
グシャッ!。嫌な音を立てて蝙蝠人の頭は握りつぶされ、肉片が四方に飛び散った。
「雑魚がっ!」。ニヤッと笑った公爵の口からは鋭い牙が何本も覗いていた。
「御主人様、お身体をお拭きいたします。」
秘書のあの女性と数人のメイドの少女達は、いつの間にか全裸の姿になると、全身獣のような毛に覆われ仁王立ちになっている公爵の身体に近づき、自分たちの舌で飛び散って公爵の身体についている肉片の汚れをペロペロと舐め取り出した。
月の光に照らされ壁に写し出された公爵の影は、耳をぴんと立て大きな尻尾を3本も持つ、巨大な狐の姿であった。
公爵は赤い目をより一層光らせて、襲われている町を見つめていた。
「・・・・・・・・・!?」。
公爵はある物が近づいて来るのに気がついた。
「ヤツが・・・来たか・・・」。
公爵の鋭い瞳が夜空の一角に釘付けになった。
同じ頃、町の中で戦うライラックとチャームにも、それが近づいて来るのがわかった。
「何が来るの?」。ライラックがチャームに聞く。
チャームはわからないと言うように、顔を小さく左右に振った。
ライラックとチャームは夜空の一角を息を殺して注視する。
ザザザァァァァーーーーッと、何か巨大な物が見上げている上空を横切った。
「なにっ?」。ライラックは思わず声を上げる。
それはライラック達の頭上を2、3回旋回すると、地上に降り立った。
「ええ?、・・・な、なに・・・こいつが蝙蝠人の親玉なの?。」
ライラックは思わず後ずさりをする。
姿は他の蝙蝠人と同じ姿なのだが、大きさがでかすぎる。
ざっと見たところ・・・7、8メートルはある。
そいつの額には、公爵から聞いていた血のように赤い輝きを見せている、ブラッド・オパールが見えている。
だが、想像もしなかった状況になって、ライラックとチャームはどうしたら良いか、わからなくなってしまった。
「誰よっ!。蝙蝠人の親玉も、普通の大きさだなんて言ったのは?。」
ライラックはチャームに向かって大声で叫んだ。
「そんなこと言われても・・・」。チャームが反論する。
「ギィィィィッ!」。
口論する2人に向かって、巨大な蝙蝠人は拳を振り下ろしてきた。
グワッシャーーン。
「きゃぁぁぁ!」。すんでの所で2人は飛び退いた。
地面に大きな穴が出来る。
再び巨大蝙蝠人の拳が、2人を狙って振り下ろされる。
ズシャーーーン!。地面の土を跳ね飛ばして、クレーターが出来る。
「きゃーーん」。2人はジャンプをして、攻撃をすり抜ける。
「こんな所に居てもだめだわ。取り敢えず退却よ」
ライラックとチャームは、急いでその場から町の中へと逃げる事にした。
「グワァァァッ!」。
巨大蝙蝠人は、ドスドスと地響きを立てて、2人の後を追って来る。
逃げる2人。追いかける巨大蝙蝠人。
「はあ、はあ、はあ、・・・ライラックさーん、どうして戦わないんですかぁー?」
走りながら、チャームは不満げに聞く。
「あのねぇ、あんなでかいヤツ相手に、剣が効くと思っているのぉー」
同じく走りながら、ライラックが答える。
「それよりも、さっさと魔法を使ってよっ」
今度はライラックが不満げにチャームに叫んだ。
「だめでぇーす。・・・こんな状態じゃ・・・呪文が唱えられませーん。」
チャームが、はあ、はあ、いいながら答える。
走っているライラックの目が、狭い路地裏の通りを見つける。
「しめたっ。チャームこっちよ!」。2人は家と家との隙間へと入って行く。
「はあ、はあ、はあ、・・・狭い場所には、あの化け物も入って来ることは出来ないわ。・・・はあ、はあ、はあ・・・」
ライラックはホッとしたように喋った。
「取り敢えずは、一息つけますね」。チャームもホッとした気持ちを言った。
そんな2人の耳に、バリバリバリ・・・と建物を壊す音がしてくる。
ふたりは音のする方を見る。巨大蝙蝠人が家を破壊して、こちらへ来ようとしていた。
「きゃぁぁぁ」。2人は悲鳴を上げると、また逃げ出した。
「グオオオオオ!」。家を粉々に破壊した巨大蝙蝠人が、また2人を追いかける。
ドスドスドス・・・と地響きを立てて。
「あーん。ライラックさんが蝙蝠人をたくさん斬り殺したから、きっと怒って追いかけて来ているんですよぉ」
チャームはライラックが悪いと言いたげな言葉を叫ぶ。
「何で私だけの責任よっ。チャームだって魔法で結構やっつけたじゃないの?」
ライラックが冗談じゃないと言いたげに、大声で反論する。
2人はこんな事を言い合いながら、町の中をひたすら逃げ回る。
その後を巨大蝙蝠人が追いかけて来る。家々を破壊しながら。
「ライラックさーん。いったい何時まで逃げればいいんですかー?」
チャームが泣きそうな声を出す。
「知らないわよー。追いかけて来る蝙蝠人の親玉に聞いてよー」
ライラックは、もういい加減にしてくれっ、と言う心境で答えた。
その間にも、町の中の家々がどんどん壊されていく。
「なにをやっているんだ?。あの2人は・・・」
この光景を、公爵は呆れた気持ちで目にしていた。
ある建物を目にした時、ライラックの頭脳にあることが閃く。
「チャーム!。一か八か、ヤツの額のブラッド・オパールを剥ぎ取ってみるわよ!」
「どうやってですか?」。チャームが聞き返す。
「いいから。ヤツの足を止めてっ。頼んだわよっ!」
そう言うと、ライラックは町で一番高い建物の中に駆け込んで行った。
チャームは魔法書を開くと「氷刃」の攻撃を続けざまにおこなった。
足に氷刃が当たる。・・・全然効き目がない。
腹部に氷刃が当たる。・・・全然効き目がない。
胸部に氷刃が当たる。・・・全然効き目がない。
「えーん。どうしてー。全然効かないよぉー。」
あせったチャームは苦し紛れに、巨大蝙蝠人の顔めがけて氷刃を投げつける。
グサッ。グサッ。グサッ。・・・。
巨大蝙蝠人の両目に氷刃が突き刺さった。
「ウッギャアアアアァァァァァァ」
巨大蝙蝠人は両目を押さえた。
「きゃ。やったあ、やったあ」とチャームは大喜びをして、その場で飛び跳ねた。
そのころ、やっと建物の屋根に上ったライラックは、屋根の上から巨大蝙蝠人を見下ろした。
ちょうど真下に、巨大蝙蝠人の頭がある。
赤い色のブラッド・オパールも見える。
ライラックは剣を抜き、両手に持って狙いを付けると、「やぁぁっ」と巨大蝙蝠人の頭めがけて飛び降りた。
ズバアアアァァァァーッ。ライラックの剣が巨大蝙蝠人の額に埋め込まれている、ブラッド・オパールの側に突き刺さる。
赤い色のブラッド・オパールは近くから見ると、結構大きく、5、60㎝ぐらいはある大きさだ。
「すごく大きな宝石・・・」。ライラックが一瞬そう思ったとき、ビシュウウウ、と突き刺した額から蝙蝠人の血が勢いよく噴き出した。
「グギャァァァァァァァァァ」
巨大蝙蝠人は、苦しさのため身体を激しく振って、頭上にいるライラックを振り落とそうとした。
ライラックは突き刺した剣を懸命に握って振り落とされないようにしていた。
ライラックは何とかして額のブラッド・オパールを剥ぎ取ろうとしたが、蝙蝠人が激しく動くのでとても難しかった。
剣を握っている手が段々と痺れてくる。力が入らなくなってくる。
『このままでは振り落とされる』
ライラックの頭の中にその言葉が浮かんでくる。
「グワオオオオオ」。巨大蝙蝠人は叫び、激しく身体を震わせる。
「ああーん。このままじゃ、ライラックさんが死んじゃうー。どうしょう・・・」
この光景を見ているチャームは、ただオロオロするばかりだ。
だけど・・・何かをしなければ・・・、そう思ったチャームは、とにかく自分のありったけのパワーを集中し始めた。
「地の中にいる者よ。風邪の中にいる者よ。光の中にいる者よ。そして水の中にいる者よ。我に力を与えよ。我は魔道士チャームなり。」
チャームは呪文の言葉を呟く。
一陣の風が吹き、チャームの身体を包んだ。
続いて、チャームの身体が光に包まれていく。
チャームの身体に、パワーが集中している事を示しているように、金髪の髪の毛がフワッと逆立ってくる。
頭上に上げた両手の間に巨大な光の塊が出来上がる。
その光の塊に、パワーが注ぎ込まれていく。
閉じていたチャームの目が開かれ、ライラックを振り落とそうとしている巨大蝙蝠人を睨み付ける。
「お前なんか、消えていなくなれぇぇぇぇ!」
チャームの叫びと共に、巨大な光のパワーの塊が、蝙蝠人の親玉に向かって投げつけられた。
その瞬間、目もくらやむ程の輝きがおこった。
「なにっ!」。ライラックが、フォレックス公爵が、信じられないものを見たというような声をあげた。
ドワァァァァァァーーーンンンン!。
大音響と共に激しい爆風と衝撃波が、町を含めあたり一面を尽く吹き飛ばした。
「いけないっ!」。
公爵は手をかざし瞬時になにかの呪文を唱えた。すると館のまわりにバリアーの結界が作られ、それが衝撃波を尽く跳ね返した。しかしそれでも館全体が地震の時のようにガタガタと揺れた。
巨大なキノコ雲の中から、四方の夜空に向かって、たくさんの小さな光る物が飛んでいくのを、公爵の目は見逃さなかった。
蝙蝠人の親玉と蝙蝠人達は全て吹き飛ばされていた。そしてありとあらゆる物も吹き飛んでいた。
巨大なクレーターの中で、力を使い果たしたチャームと巻き込まれたライラックが、並んで倒れていた。
「あの小娘が・・・まさか・・・しかしこの力を使えると言う事は・・・間違いない・・・チャームはエルフの力を持っている・・・だが人間と同じ耳をしているところを見ると・・・人間とエルフとの間に生まれたハーフエルフだな・・・」
公爵は独り言のように呟いた。
----------------------------------------
「なんでぇーっ!。報酬が無いんですかぁぁ?。それに私達の首に付けられた、この首輪は何ですか?」。
ライラックが声を荒げて公爵に詰め寄る。
初めて会ったとき同様謁見室で、ライラックとチャームは、豪華なイスに座っているフォレックス公爵と相対していた。
「町や周辺の村を跡形もなく吹き飛ばしておいて、なにが報酬かな?。」
公爵の言葉を聞いて、ライラックは「うっ」と返す言葉を失い、チラッとチャームの顔をにらんだ。『チャームの責任よ・・・ううう・・・』。
「それどころか被害甚大で、逆にこちらの方から損害金を請求したんだよ。君らの所属している傭兵ギルドにね・・・」。
公爵は1枚の手紙を出して話を続ける。
「そしたら、ギルドの方からこんな回答の手紙が届いたんだ。」
手紙がライラックの足元に投げられる。ライラックはそれを拾い上げて見てみる。
それにはこう書かれていた。
『当傭兵ギルドから派遣した、ライラックとチャームの2人とはすでに契約が切れていますので、公爵が被った被害金はこの2人に請求して下さい。この2人を焼くなり煮るなりご自由にどうぞ』
「な、なんだ、これはっ?」。あまりのことに、持っていた手紙を左右に引きちぎる。
「何だと言われても困るが、そう言う訳だから、しっかりと支払ってもらうからね。」
公爵の言葉を耳にして、「うー・・・、傭兵ギルドめが・・・見捨てられたぁー・・・」とライラックが唸る。
秘書の女性が明細書をライラックに手渡した。
「ええっ!。こんなに高額・・・」。
天文学的な金額の明細書を見たライラックとチャームは、同時に絶望的な声を上げた。
1つの町と周辺の村々を吹き飛ばしたのだから、何となく頷ける金額ではあるのだが・・・。
暗い気持ちになっている2人に、公爵が尚も言葉を続ける。
「ところで頼んでおいた、蝙蝠人の親玉の額から取った、ブラッド・オパールを渡してもらおうか。」
「え?・・・」。ライラックとチャームが思わず顔を見合わせる。
「あれですね・・・、蝙蝠人を吹き飛ばした時に、一緒にバラバラにして吹き飛ばっしゃったんですぅ・・・」
チャームの言葉に、一瞬言葉を失った公爵の目が次第に鋭くなる。
「ブラッド・オパールは、災いを呼ぶ秘宝なのだ。それを身に付けた者の回りには、必ず流血の惨劇が起こる。・・・それを防ぐ為に無傷で手に入れる事を求めたのに、それを四散させただとおぉ・・・。おまえらぁぁぁ。」
公爵が怒りの声を上げる。
ライラックの背後に隠れていたチャームが、突然ライラックの背中をドンと押した。
公爵の方に投げ出されたライラックに、回りの注意が集まった時、チャームは素早く呪文を唱え魔法書を出現させると、魔法の呪文を唱えだした。
「チャーム!。また1人で逃げて行くつもりなの?」。ライラックが大声で叫ぶ。
「ライラックさん、今までお付き合いありがとうございました。あたしギルドに戻って新しいパートナーを見つけますので後はよろしくね」。
チャームはペロリと可愛い舌を出した。
呪文を唱え終えたチャームの身体の回りに、サァーッと一陣の風が吹き込んだ。
しかし、チャームの魔法の効力はそこまでであった。
「え?・・・・?」。チャームはもう1度同じ呪文を唱えた。
結果は同じだった。チャームの身体はこの場所にあり続けている。
「ど、どうして?」。チャームが泣きそうな声を上げる。
それに答えたのは、公爵の低い声であった。
「お前達の首に填めている、『隷属の首輪』の為だ。それを填めた者は、身も心も主人のものになり、従順になっていくんだよ。しかも剣の力や魔法の力も、主人が自由にコントロールが出来るんだよ。今のチャームの魔法が効かないのはその為さ。」
秘書のあの女性や、メイドの少女達が填めている首輪も、これであった。
「あーん・・・。あの・・・ライラックさん・・・」
チャームはライラックに保護を求めるかのごとく、甘えた声で近づいた。
チャームはライラックの顔を見る。ライラックの目が怒りに燃えている。
チャームの首に填められた「隷属の首輪」が、チャームの魔道士としての力を封印してしまったことを知ったライラックは、今までの物わかりのよかったお姉さん的性格が、ガラリと変わり、まるっきり別人のような逆の性格を現し出した。
「チャーム、もういい加減にしなさいよ。お前のわがままにはもうウンザリよ」
ライラックが低く呟く。
チャームは不思議そうにライラックの顔を覗き込んだ。
「どうして、そんなこと言うの?。いつもライラックさんを助けてあげているじゃないの」
チャームがそう言った時、パシーンと、ライラックの平手がチャームの頬にヒットした。
「いい加減にしなさいっ!。何をいつも助けているよ!。もうお前のお守りはウンザリよっ!」
そしてもう一発の平手打ちがチャームの頬に打ち入れられる。
パァァァーン!。
「ライラックさん、ごめんなさい!」。頬を手で押さえ、涙目のチャームが許しを請う。
パシーン!。もう片方の頬に、ライラックの平手打ちが入る。
「きゃっ!」。チャームがまた悲鳴を上げる。
「ライラックさん・・・・・?、『さん』なんて言葉は対等の者が言う言葉なのよ。分かっているの?、魔法が使えない今のお前は、只の15の小娘なのよ。・・・ま、いいわ。これから、あたしへの言葉使いと、お前が今どういう立場になっているのか、時間を掛けて、お前の身体に教え込んであげるからね。・・・覚悟しなさい」
ライラックの冷たい視線が、チャームの脅えた顔を貫く。
ビリビリビリビリーッ!。
チャームの着ている服の胸元に手を掛けると、ライラックはひと思いに引き裂いた。
「きゃぁぁっ!」。
裂けた服の中から、チャームの白い肌が姿を現した。
まだそれほど膨らんでいない両方の乳房も顔を現す。
バリ、ビリ、ビリリッ。
「も、もうゆるして・・・」
チャームは乳房を腕で隠して身体を丸めている。
服を剥ぎ取られたチャームが身に着けているのは、今や股間を包む小さなパンティだけであった。
ライラックは身に着けている、小形のナイフを取り出すと、鋭利な先端をパンティに近づける。
「動くと怪我をするわよ」。ライラックが呟く。
ビッ!。ナイフがチャームの身体に着けていた最後の布を切り取った。
破かれ切り裂かれた服の中に、生まれたままの姿にされたチャームがいた。
チャームは小声で泣いている。身体は脅えのため震えている。
ライラックは、そんなチャームに命令調の言葉を伝える。
「隠している乳房とオマンコをお見せなさい。お前の身体を見てあげるわ」
「・・・・・・」。
パシーーン。またライラックの平手がチャームの頬を打つ。
「ごめんなさい・・・もうぶたないで・・・ううう・・・」
チャームは、乳房を隠していた腕をどける。閉じていた両脚をそっと拡げる。
ライラックは、目の前のチャームの裸体を、改めてまじまじと見下ろした。
雪のように白い肌の色。乳房の上についている可愛らしいピンクの乳首。15歳の娘とは思えない引き締まったウエストと細い脚。人形のように整った顔立ち。そして金髪のロングヘアに、同じく金髪でまだ薄い陰毛。
チャームは自分の全てをさらした恥ずかしさで、顔を赤くしてフルフルと震えていた。
『チャームは本当に人間なの?。いくら魔道士が魔法を自分に掛けたとしても、ここまで整った身体になるものなの?』。
チャームがハーフエルフだとはまだ知らないライラックは、チャームの身体を見て脳裏に一瞬そんな疑問が涌いたが、チャームの白い素肌に引き寄せられるように、手でチャームの乳房を軽く揉んだ。
しかし、ライラックの口から出た言葉は、頭に浮かんだ疑問とは遙かに違うものだった。「白く綺麗な肌ね。傷ひとつ無い・・・、そうよね、お前はいつも危険の無い離れた場所から、効果が有るのか無いのかわからない魔法を使っていたんですものね。」
揉んでいた乳房にギュッと力をこめる。
「あうっ」。チャームの口から苦痛の声が漏れる。
「あら?、痛かったの?。でもね、あたしは剣を使って直に怪物や化け物たちと戦っているんだからさ、痛いだけじゃすまないのよね。・・・とくに戦いの途中で職場放棄なんかされたんじゃ、あたしとしては困るのよね。命がけで戦っているんだからさ」
チャームを見るライラックの目は、今までに溜まりに溜まった恨みを吐き出すかのような怒りの瞳を投げ掛けていた。
「な、なんのことでしょうか・・・ライラックさまぁ・・・」
涙顔のチャームが、おそるおそる聞く。
「あらぁ、忘れちゃったの?。・・・巨大食肉植物と戦った時には、お前は途中で疲れたとか言って、戦いを止めてさっさと町に帰っちゃったでしょ?、あたし危なく食われるところだったのよ。」
「そ、そんなこと・・・ありましたか?・・・きゃっ!」
ブチッ!。チャームがそう言った時、ライラックの指がチャームの恥丘に生えている金髪の陰毛を引き抜いた。
「あら、痛かった?。でもね、火を吐く虎と戦った時は、お前は精神が集中出来ないとか言って、魔法を使う事を止めちゃったわよね。あの時はあちこち身体を傷だらけにされたのよね」
ライラックはそう言うと、チャームの陰毛を数本引き抜いた。
ビチッ!。「ぎゃんっ」。チャームが小さな悲鳴を上げる。
「そうそう。化け物ムカデと戦った時には、お前はあたしの背後にムカデがいるのに気が付いていたくせに、注意の声ひとつ掛けてくれなかったわね。あの時は危なく食い殺されるところだったのよ」
「ご、ごめんなさい。・・・でもあれは、ライラック様が気が付いていると思ったんです・・・」。チャームが震えながら弁解する。
「おだまり!」。ライラックの怒りの声と同時に、また陰毛が引き抜かれる。
ブチッ!。「あぐっ!」。チャームは痛さで背中が反り返る。
「こんな事もあったわね。・・・山賊たちと戦った時に、あたしがやつらに捕まった時、お前はさっさと逃げちゃったでしょう?。・・・そのおかげでね、あたしはやつらに好きなように輪姦されまくったのよ。それどころか、精液やオシッコを飲まされ、ウンチを食べさせられた人間便器にさせられていたのよ」
ライラックの恨みの言葉を聞いていたチャームが、震えながら答えた。
「でも・・・あの後、ちゃんとお助けしましたよぉ」
「そうねぇ。一週間後にね・・・。でもチャーム、お前はその時、あたしに向かって何と言ったか覚えているかい?」
チャームはひきつった顔を、激しく左右に振った。
「あらあら。お前の頭は、都合の悪いことは何でも忘れてしまうのね。・・・、ならば聞かせてあげる、『ウンチやオシッコを、食べたり飲んだりして美味しかったですか?。でもなんか、ライラックさんには人間便器が似合っているかも知れませんね。』・・・そう言ってお前はあたしの前でケラケラと笑っていたのよ」
怒りの為、殺気さえも現れているライラックの表情に対して、もう涙で顔をくしゃくしゃにして、どうしたらいいのぉ・・・、と言った弱り切った表情のチャームの顔であった。
「その内に、お前にもあたしのウンチとオシッコをたっぷりと食べさせて、人間便器になってもらうからね。覚悟をしておくんだよ」
ライラックはチャームに向かって、冷酷な言葉を伝えた。
この2人のやりとりを眺めていたフォレックス公爵は、唇の端をゆがめてクスッと笑った。
「ライラック殿は、あんなにも恨みが積もっているのに、よく今までチャームさんとパーティーを組んでこられましたね?。不思議です」
フォレックス公爵の斜め横に立っている、秘書兼メイドの女性が呆れたように呟いた。
「怪物や魔物と剣だけで戦う剣士には、どうしても魔法を使う魔道士の協力が必要なのさ。強い魔法の力で、戦いの支援をしてもらわなくちゃならないからね。ライラックとしては、チャームのご機嫌を取りながら、何とか今までパーティーを組んできたというわけさ。・・・それにしても、あんなわがままな魔道士とパーティーを組んでいて、よく今まで生き残ってこられたものだ」
フォレックス公爵は、半分は感心し半分は呆れてクスクスと笑いながら呟いた。
「きゃっっん」。フォレックスとメイドの会話は突然上がったチャームの悲鳴で中断された。ライラックの人差し指と中指の2本の指が、チャームのヴァギナの中へと深々と埋め込まれていた。
「あら?、お前はまだ15歳だというのに、もうお前のアソコは指2本をくわえ込むことが出来るんだ。お前は魔道士としてどんな修行をしていたのかしら?」
ライラックの2本の指がヴァギナの中で、グニュグニュッと、動かされる。
「あ、あああーん。・・・だ、だめぇー。」
チャームの悲鳴にも似た叫びが上がるが、ライラックは容赦なくヴァギナの中の指を動かし続ける。
ニチャ。ニチャ。ニチャ。ニチャ。ニチャ。
「あ・・・は、あ・・・ん。ああ、ん・・・」
ニチュ。ニチュ。ニチュ。ニチュ。ニチュ。
ニチュ。ニチュ。ニチュ。ニチュ。ニチュ。
「ううう、ん・・・ひゃ、っん・・・あ、ん・・・や、ぁ、ん」
ヌチャ。ヌチャ。ヌチャ。ヌチャ。ヌチャ。
指で掻き回している、チャームのヴァギナの中から、いつしか液体を掻き混ぜているような音がしてきた。
ライラックの指に、生暖かい液体が絡み付いてくる。
ライラックはニヤリとすると指をヴァギナの中から引き抜いた。
ズニュ。と音を立てて引き抜かれた指には、淫液が糸を引きキラキラと輝いていた。
「あら。嫌がっているわりには、どうしてこんなイヤラシイ汁を漏らしているのかしらね?。淫乱魔道士さん?」
ライラックは指を無理やりチャームの口の中へと押し込んだ。
「どう?。美味しいでしょう。お前のオマンコから出た汁なんだから。・・・くすくすくす」
ドサ。そこへ1人のメイドの少女が近づくと、ライラックとチャームの側に抱えてきたカゴを置いた。
「フォレックス公爵様からです」
そう言うとメイドの少女は一礼をして部屋の隅に下がっていく。
カゴの中には、ロープ、手足に填める枷、鞭、蝋燭、洗濯ばさみ、男根をかたどった張り型・・・その他諸々の責め具が入っていた。
ライラックはチラリと公爵の方に目を向ける。
公爵は何も言わずに、ただ一度頷いただけであった。それを使えとの意味だ。
ライラックは唇の端を歪めニヤリと笑うと、カゴの中から洗濯ばさみをひとつ取り出し、チャームの目の前に持っていく。
「フォレックス様が、お前にこれらを使うことをお許しになったわ。さぁ、まだまだお前が忘れている事を思い出させて、しっかりと反省させてあげるからね。そして2度とわがままの言えない身体にしてあげるわ」
ライラックはチャームのひきつった顔を楽しみながら見つめた後、チャームの乳首のところに手にした洗濯ばさみを持っていった。
いっぱいに口を開いている洗濯ばさみがチャームの乳首に軽く触れたとき、ライラックは押さえていた指を放した。
勢いよく洗濯ばさみが乳首に噛みつく。
パチィィィーン!。「きゃぁぁぁぁぁっ!」。
チャームの愛くるしい悲鳴が、館の中から二つの月が浮かんでいる夜空へと響き渡った。
フォレックス公爵の牝奴隷となったライラックとチャームの淫乱の狂演は、この時から数日間続き、フォレックス公爵を楽しませることとなるのであった。
しかし、公爵の心の中には気がかりな事が1つあった。それは・・・
「さて・・・四散したブラッド・オパールをどうやって集めるかだなぁ・・・」であった。《 あとがき 》
あとがきです。
こんにちは。九尾きつねです。
今回は、ファンタジー(官能)小説を書いてみました。
いかがでしたでしょうか?。
共和国の小説作品の中にあっては、もしかするとちょっと異色かも知れませんね。
「一応官能シーンも入っていますから、大丈夫ですよね?。1枚のG編集長さん」(笑)
内容は読んでもらったとおり、ライラックとチャームに思いっ切り暴れて(?)もらいました。
でも暴れすぎて余計に騒ぎと被害を大きくしてしまったような・・・(笑)。
さて、ラストに「おわり」としましたが、公爵の言葉からすると、まだまだ続きがあるのかも。・・・ってシリーズ化?、どうなりますか(まだ何も考えていませんので、笑)。
この作品の感想などいただけたら、ありがたく思います。
それではまた、次の作品でお会いいたしましょう。 -
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『F氏のそれさえも平凡な日常』 その日、F氏は公園の広場で開催されている、あるイベントを見に来ていた。 公園の入り口には「牝奴隷品評会会場」と書かれたアーチが立てられている。 F氏はアーチをくぐり、会場内へと足を進めた。 F氏の手には手綱が握られていて、それは後ろから四つん這いになってついてくる、全裸姿の牝犬奴隷・裸美( […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『牝犬奴隷・つばき』「ふぁあああ・・・」 少女はベッドの中で大きなあくびをして起きあがった。 夏の太陽の光が少女の部屋の中にも差し込んで来ていた。 少女の名前は「木乃下つばき」。 高校1年生の16歳だ。 「わあっ。もうすぐお昼じゃない。ちょっと寝過ぎちゃった!」 本棚の上に動物の人形達と一緒に置いてあ […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『変態牝犬物語』…物語2巻「マンコ−と鳴く」
学者の指摘によって佐○子は,村人が大勢みてる前で,裸になって頭に染みつきのパンツをかぶりながらおまんこをぐちょぐちょとかきまわしつづけておりました。 村人たちは『佐○子』は本当に人間じゃなく変態動物だったんだ。と思いながら佐○子の痴態を眺めておりました。 すると学者が「どうですか?これで変態動 […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『変態牝犬物語』…物語1巻「マン子オナニー」
ある村に『佐○子』という女がおりました。 『佐○子」は時々下着をはかずに外に出たり、裸になって股間のあたりをさすっていました。 その光景を見た人たちは佐○子のことを『お馬鹿な女」とおもい、見て見ぬふりをしながらすごしてました………。 ある時、村に動物学者がきて『この村に大変珍しい動物がいる […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『淫乱性奴隷母 幸子』
俺の母、幸子は足のきれいな女だ。 以前からパンストフェチだった俺は、毎日母さんのパンスト姿を見て欲情していた。 高校の時は、母さんの使用済みのパンツやパンストをこっそり洗濯籠から持ち出して、オナニーをしていたが、満たされない日々が続いた。 満たされない思いは日に日に強くなって、高校卒業時に […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
『変態牝犬物語』…「初めに」
この物語は、女性国民の佐知子さんをチャット調教した時の内容に、ロアさんがインスパイアされて執筆したものです。 blogparts={“base”:”https://www.dlsite.com/”,”type”:”keyword”,”site”:”maniax”,”query”:{“keyword” […]
-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
佐恥子>うぅ。。。こんな真昼間からゴメンナサイ。。(汗)[9月4日13時33分]一枚の銀貨>こんな昼間から発情している牝豚は、どんな格好をしてるんだ?[9月4日13時34分]佐恥子>あうぅ。。。起きてから着替えていないってのもあって。。白いTシャツに黒いズボン。。あと、黄色のパンツを履いてます。。[9月4日13時35分]一枚の銀貨>やっぱり牝豚には服はいらないな。[9月4日13時37分]一枚の銀貨>シャツとズボンを脱げ。[9月[…]

-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
佐恥子>うぅ。。。こんな真昼間からゴメンナサイ。。(汗)[9月4日13時33分]一枚の銀貨>こんな昼間から発情している牝豚は、どんな格好をしてるんだ?[9月4日13時34分]佐恥子>あうぅ。。。起きてから着替えていないってのもあって。。白いTシャツに黒いズボン。。あと、黄色のパンツを履いてます。。[9月4日13時35分]一枚の銀貨>やっぱり牝豚には服はいらないな。[9月4日13時37分]一枚の銀貨>シャツとズボンを脱げ。[9月[…]

-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
「佐恥子」さんが第1公民館【オープンチャット】から移動!で入室。[9月2日23時50分]「九尾きつね」さんが入室![9月2日23時50分]九尾きつね>さてと……。[9月2日23時50分]佐恥子>こんばんわです……。[9月2日23時50分]「いどう星雲」さんが入室![9月2日23時52分]いどう星雲>コンバンワ、星雲でヤス![9月2日23時52分]「一枚の銀貨」さんが入室![9月2日23時53分]佐恥子>なんだか緊張……[9月2[…]

-
黒水晶事務局 さんが新しい記事を投稿しました。 20年, 11か月前
「佐恥子」さんが第1公民館【オープンチャット】から移動!で入室。[9月2日23時50分]
「九尾きつね」さんが入室![9月2日23時50分]
九尾きつね>さてと……。[9月2日23時50分]
佐恥子>こんばんわです……。[9月2日23時50分]
「いどう星雲」さんが入室![9月2日23時52分]
いどう星雲>コンバンワ、星雲でヤス![9月2日23時52分]
「一枚の銀貨」さんが入室![9月2[…]

-
-
犬山しんのすけ乳出せ、乳出せΨ(`∀´)Ψ[4月29日1時22分]
一枚の銀貨ほら、早く寝るために(o ̄∇ ̄)o[4月29日1時22分]
いどう星雲脱ぎカタはしっかり監修しませんと(w[4月29日1時22分]
九尾きつね佐知子さんがどんな下着(ブラ)を着けているか見てみたいね。>佐知子さん[4月29日1時23分]
佐知子あぅぅ……[4月29日1時24分]
佐知子だって……ブラ今つけてないです……(汗)<font size="1"[…] -
-
-
3限目は体育。
今日は、水泳だ。
私が通っ ている学校は、体育の授業は男女が別れてやることになっている。
2限目が終わってから、先生に使った資料を戻しておくように頼まれた。
ちなみに、2限目と3限目の間は10分。
10分以内に、資料を戻し、次の体育の用意を済ませなければいけない・・・[…] -
- さらに読み込む
黒水晶事務局
記事閲覧者数:








