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  • ハッピー・バレンタインデー

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    ハッピー・バレンタイン!!(暗黒微笑)

    takonomiから鬼畜主義人民共和国の皆様へ、とびきり濃厚なビターチョコ()をお贈りします\(^o^)/

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    異臭漂う「takonomi社のチョコレート工場」に連れてこられた奴隷娘2人は、せっかくのバレンタインデーなのだから、お手製のチョコ()を互いに贈り合い、その場で食べるよう、男たちに命令されます。チョコ()が苦手な2人は、他のことなら何でもするから許してほしいと懇願するものの、当然受け入れられず、仕方なくその場でチョコをひり出し、互いの生チョコ(激臭)を手で掴んでそのまま頬張るのでした……

    しかし、チョコが苦手な2人は即座に吐き出してしまいます。男たちは2人に罵声を浴びせつつ、チョコ色の吐瀉物を全て舌で舐め取るよう命令。奴隷娘たちは床の上に這いつくばり、男に頭を踏みつけられながら、涙で濡れた汚物を手を使わずに片付けていきます。

    男たちは、いつまで経ってもチョコが苦手な2人に特訓を施すことにしました。チョコレート工場には、前任の処分に伴い空いているブースがちょうど2つあり、男たちは2人をそこに埋め込んで、チョコが好きになるまで放置することにしたのです。

    ……他の奴隷が生み出したチョコをひたすら食べて食べて、そしてひり出し続ける肉の管…… 薬の影響で食中毒とは無縁、窒息もさせてもらえず、必要な栄養素は点滴で与えられ、ただひたすらチョコを食べてチョコをひり出すだけ。2人がここを出られるのは、チョコが大好きになった時か、壊れて処分される時。それがいつになるのか…… 明日か1週間後か1ヶ月後か1年後か、あるいは…… それは誰にもわかりません。

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    使用ソフト:コイカツ・サンシャイン (旧ILLUSION)、Photoshop (Adobe)

     

  • ハードSM小説『奴隷姉妹』 第11章(終章) – 崩壊

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    I:はじまり

     

    1週間後の8月10日、七海の奴隷1周年記念日前日の夜。少人数調教の22時からの回で、陽葵は単独で佐渡の指名を受けた。激しい折檻が続く中で、陽葵は苦悶の末に絶頂し、調教は終わった。その帰り際、佐渡は陽葵に小声で話し掛けた。

    「なかなか良かったわよ? 仁科さん」

    「ぜぇ…… ぜぇ…… あ、ありがとう、ございます…… 佐渡先生……」

    「ところで、ペロに会いたくない?」

    「…………は?」

    「ペロよ。木下光希。あなたの恋人のお姉さん」

    「な、何言って…… 光希お姉さんは亡くなって……」

    「死体、見たの?」

    「!!!?」

    陽葵は驚愕した。あまりに大きな衝撃に、1日の疲れも眠気も、鞭痕の疼痛も全て吹き飛んだ。何? 何言ってんの、この人!? 光希お姉さんは死んじゃったんだよ! 火葬されちゃったんだよ!? ち、違うの!? まさか…… まさか……!!?

    「光希お姉さん、生きてるんですか……?」

    「ふふっ…… 知りたければシャワーを浴びた後、今夜11時20分に客用トイレまで1人で来なさい。時間になったら鍵を開けるわ。ただし木下さんや他の奴隷たちには決して言わないこと。 ……いいわね?」

    それだけ言うと佐渡は退室していった。

    陽葵は呆然としていた。わけがわからなかった。確かに遺体を見たわけじゃない。火葬されてるトコも見てない。生きてる……の? 光希お姉さん、生きてるのっ!!?

    死の1ヶ月くらい前から、光希は骨と皮だけの状態で、いつ死んでもおかしくない様子だった。だが、それからも点滴だけで1ヶ月生き続けたのだ。今も生きていたとしてもおかしくはない。でも…… じゃあなんで飯森様は死んだって言ったんだろ? なんでウソついたの!? わけわかんない…… 七海に相談したいけど…… 相談しちゃダメって先生言ってたし…… ああ、どうしよう!!

    陽葵はシャワーを浴びている間も考え続け、結局七海に書き置きをしてから指定の時刻に客用トイレの前に立った。すぐに鍵が開く音がし、ドアが開いて全身黒ずくめの佐渡が現れた。先程まで着ていた真っ赤なボンデージスーツではなく、黒の全身タイツに着替えたようだ。しかも何だか見慣れないマスクをしている。

    「行くわよ」

    「待ってください。色々聞きたいことが……」

    「後でね。まずは従いてきなさい」

    「…………」

    陽葵は、わけがわからないまま佐渡の後を従いていった。客用トイレから宿泊区画の廊下に出たが、佐渡は何故か明るい方には向かわず、廊下の端にあるSTAFF ONLYと書かれた金属製のドアを開けた。中は高さ2mくらいのコンクリート製のトンネルになっていて、電気やガス、上下水道に光回線など、様々な配管が縦横無尽に走っていた。佐渡は懐中電灯を点けてその中を進んでいく。途中幾つも分かれ道があり、なんだか毛細血管のようだと陽葵は思った。

    にしても、なんでこんな変なトコ歩いてるんだろ。ここ、どこ? こんなトコにお姉さん、いるの? ホントに…… ホントに生きてるの……!? 陽葵は佐渡の後ろを歩きながら、ひたすら考えた。エアコンのかかっていないトンネルの中は、裸でいるには寒く、陽葵は何度かくしゃみをしそうになったが、大きな音を出したらマズそうな雰囲気だったので、なんとか飲み込んだ。

    階段を幾つか降りて角を幾つか曲がった所に、先程と同じ金属製のドアがあった。STAFF ONLYとも書かれておらず、あまり使っていない感じのドアだった。

    ……いったいこの向こうに何があるんだろう。ここまで虹彩認証のセンサーを1箇所も通ってきていない。それが逆に怖い。佐渡と一緒だから脱走ということにはならないだろうが、深夜にこんなところにいて大丈夫なんだろうか……?

    寒気が止まらない。JSPFの施設内は、常時裸で過ごせるように室温が年中一定に保たれている。陽葵もこの施設に来てから寒いと感じたことは一度もない(氷水を浴びせられるなどの調教プレイは除く)。なのにこの寒さ。鳥肌が止まらない。 ……違う。寒いから鳥肌が立つんじゃない。エアコンの効いていない異常な場所にいることが、陽葵をたまらなく不安にさせるのだ。この恐ろしい施設で、こんな異常なことをして、罰せられないのだろうか。でも、気になる。光希お姉さん、ホントに生きてるのっ!!?

    「いくわよ」

    低い、抑揚のない声で言うと、佐渡は鍵を開けてノブに手を掛ける。そしてノブをゆっくりと回してそっとドアを開けた。

     

    ……凄まじい糞便臭が2人を直撃した。

    「ぅううげろぁええええええええええええええええっ!!!!」

    陽葵は反射的に嘔吐した。ドアを開けただけで、臭いを嗅いだだけで、反射的にリバースしてしまった。ありえない。ありえない! 何この臭い! なにこれ!! 臭いなんてもんじゃないっ!! うげええええええええっ!!!

    「あーあ、床汚しちゃって…… 後で掃除しなさいよ?」

    どうやら佐渡の着けているマスクは、防臭効果の高い特殊なもののようだ。佐渡は、嘔吐はおろか咳ひとつせずに部屋の中へと入っていく。陽葵は口で息をしながら、躊躇いつつ後に続いた。

    8畳ほどの広さの薄暗いその部屋は、凄まじく濃厚な糞便臭で満たされていた。陽葵は、5日前の午前中の調教の際に、10人分の糞便を身体に塗りたくられたて、あまりの悪臭に発狂しかけたのだが、そんなのまるで比較にならない。床は一面糞尿まみれで足の踏み場もない有様、部屋のあちこちに糞便を集めてできた高さ50cmくらいの山のようなものが築かれていて、ありえないほど激烈な悪臭を放っていた。

    避けようという気すら起きないほどに汚物で埋め尽くされた床の上を、全身タイツに身を包んだ佐渡は平然と歩いていく。素足の陽葵は、足の裏から伝わる汚物の柔らかい感触に悪寒を覚え、半ばパニックになりながらも、どうにか佐渡の後に従いていった。

    佐渡は、とある糞山の前で止まった。信じられないことに、そこには全裸の中年男がいて、糞山の中にペニスを突っ込んでいた。何こいつ…… 何やってんの……? あまりに薄気味悪い光景に、罵声の言葉すら浮かんでこない。辺りを見回せば、他にも糞山にペニスを突っ込んでいる男が数人いるようだ。気分が悪い。猛烈に悪い。異常なんて生易しいもんじゃない。狂ってる。完全に狂ってる。この部屋はエアコンが効いているのに、寒くて堪らない。悪寒が止まらない。今すぐ帰りたい。なんなの、ここ? なんなのよぉっ!!

    「よく見て?」

    佐渡はそう言うと、糞山の一角を指差した。そこだけ少し色が違う。ウンチじゃない。ウンチ色なんだけど、ウンチそのものじゃない。所々に築かれた糞山は、全て糞便の塊というわけではないらしい。厚く積もった糞の下に「何か」ある。 ……いる。長さ80cmくらい、幅30cmくらい、高さ20cmくらいの「何か」。男のピストンに合わせて「何か」がゆっくり動いている。

    「ぅ…… ぁ……」

    その時、「何か」が声を発した。陽葵は心臓が止まりかけるほどの衝撃を受けた。この声っ!!!!

    「うそ…… そんな…… 光希……さん……?」

    「かひゅ…… ぃあ……」

    色の違う部分は、どうやら人間の顔のようだった。糞で埋まっていないとは言え、顔にも汚物が付着して、肌の色は全く見えていない。声を発しなかったら陽葵は人間の顔だと気づかなかっただろう。でもよく見れば見覚えがある。目の窪み、歯が無くなって痩けた頬、口からだらしなく伸びた長い舌、それにこれは…… 糞色に染まった…… 眼帯!!

    「光希お姉さん!!」

    陽葵は大声を上げると、汚物まみれの床に膝を付いて、光希の身体の上に積もった汚物を手でどけていく。手が、腕が、茶色に染まっていく。あまりにおぞましい感触だったが、そんなことどうでもいい! 光希お姉さんが生きてた! 生きてた!! ……でも、なんでこんなことになってんのっ!!?

    その時、陽葵の手が止まった。思考も止まった。瞬きすら止まった。限界まで目を見開いて、手をガクガクと震わせて、全身から脂汗を噴き出して。陽葵の視線の先、光希の肩。そこに腕はなかった。股関節の先に、脚もなかった。光希は既に逃亡罪によって手足を失っていたが、完全に失ったわけではなく、二の腕と腿の中程で切断されていた。だから15〜20cmくらいの短い手足が残っていたのだ。それがない。ないっ!!

    「ひ……まり……」

    自分を呼ぶ光希のか細い声を聞いて、陽葵は我に返った。そして光希の顔を見、顔や頭を覆う汚物を手でどけていく。四肢切断からまだ1週間しか経っていないからか、切断箇所には包帯が巻かれていたが、それも茶色一色に染まっていた。

    「あぁぁ……」

    汚物を払いながら涙が溢れてくる。髪が…… 髪がない。1本も。うそ…… うそでしょっ!?

    メス犬ペロ(光希)の髪は、ここ最近は抜け毛や白髪が目立ち、髪質も急速に劣化していたが、雑用係がきちんと毎朝洗って手入れをしていた。調教中に汚物を被ってドロドロのバキバキになっても、翌朝にはキレイなポニーテールに戻っていた。なのに。抜け毛が進んで、全部抜け落ちてしまったのだろうか。それとも、手足を奪った連中が髪の毛まで奪っていったのだろうか。どうせ…… どうせそっちに決まってる。 ……なんてことすんのよ。こんなウンチまみれのトコで、手足切って髪も切って。ありえない…… ありえないっ!!!!

    陽葵は座り込んだまま、首だけ佐渡の方を向いて睨みつけた。佐渡の方も、(マスクをしているので口元は見えないが)残忍な笑みを浮かべながら陽葵を見下ろし、そして語り出す。

    「ここ、8畳くらいあるんだけど、等間隔に糞山が並んでいるでしょ? この配置、この間隔、なんだか見覚えない?」

    「…………」

    「実はここ、あなたが773号室に移る前に毎朝使っていた奴隷用のボットン便所の真下なの」

    「なっ!?」

    「あなたは毎朝、仕切りも何もない床に穴が開いているだけの場所で、恥ずかしい思いをしながら糞尿を垂れ流していたわけだけど、穴の下はこんなことになってたってわけ。」

    「じょ…… 冗談でしょ? そんなの……」

    「ここは便槽。奴隷たちの終着点よ」

    「はぁっ!!?」

    「役立たずになったJSPFの奴隷やメス犬はね? 手足を完全に絶たれてここで余生を過ごすの。奴隷たちの糞尿を毎朝浴びながら、たまにやってくるスカトロマニアの客に犯されながら、毎日点滴を受けて無理やり寿命を引き伸ばされて、完全に息の根が止まるまでここで過ごすのよ。そしてその有様を全て撮影されて、世界中のキチガイどものオナネタになるの」

    「!!!!」

    「仁科さん…… いや、陽葵。お前もね!!」

    「!!!!!!!!」

    「JSPFの奴隷のうち、オークションに出品されてここから出られるのは半分もいない。私みたいに身請けされる奴隷はさらに少ない。残りは全員ここ。ここが終点。陽葵…… お前も今は10代でお肌ピチピチだけど、10年も20年もここにいてごらん? 出産を繰り返してまんこはボロボロ、ケツの穴もぶっ壊れて、胸は醜く垂れて、若白髪で糞まみれのシワクチャババァだから。そんなの価値ないでしょ? そうなったらオシマイ。お前の未来はここ。ここで糞にまみれて、糞マニアの糞野郎に犯され続けて、死んでいくの。ペロみたいに!」

    「!!!!」

    「ここ、昔炭鉱だったっていうの聞いてる? この部屋のすぐ横にものすごく深い縦坑があってね? 墓穴にピッタリでしょ? 死んだらそこにポイ。死肉は糞まみれだからあっという間に分解されて骨だけになるらしいわよ? ……それがJSPFの奴隷の末路。あなたと、あなたのお母さんと、玲香と…… この施設にいる大半の奴隷の最期よ!」

    「!!!!!!!!」

    「ああ、それから…… さっきオークションとか身請けとか言ったけどね? 私が全力で潰すから。お仕置きの頻度が高い奴隷は優秀とは見做されない。そんなヤツ、お荷物だからオークションには出されないし、身請けもされない。私がね? 毎週お前を指名してボコボコにするの。そしたら集中力が切れて次の回でミスして毎回お仕置き。それが毎週続けばJSPFの評価はガタ落ち。歯もどんどん抜かれて、お腹の子は流産して…… それを何年も何年も続けるから。お前がここに落ちるまで続けるから」

    「な…… なんで…………」

    「……この前、ペロがお前たちの前から消えた日、お前、1日じゅう奴隷たちと乳繰り合ってただろ」

    はらわたが煮えくり返った。なんでコイツだけこんないい想いをしてるんだ! なんでコイツだけ!! なんで!!! 私は!!!! 私は!!!!!

    「七海と幸せそうに抱き合うお前を見てね…… 殺してやりたいくらい腹が立った。でも、殺したらそれっきりでしょ? だから、お前に絶望の未来を教えた上で、10年でも20年でも、役立たずのカスになるまで徹底的にいたぶってやることにしたってわけ。 ……楽しそうでしょ? 覚悟しておけよ!!? 仁科陽葵っ!!!!」

    「!!!!!!!!!!!!」

    怖い! 怖い!! 怖いっ!!! 陽葵は途中から完全にパニックになっていた。心臓がありえない速度で高鳴り、血圧が150を超え200を突破する。失禁し、全身が震え、悪寒が走り、脂汗が滝のように流れる。

    怖い! 怖い!! 怖いっ!!! 地獄よりも恐ろしい部屋で、地獄の鬼ですら逃げていきそうなほど恐ろしい顔で睨まれ、あまりにおぞましい未来を宣告されて、マトモな思考力は全て消え去った。

    怖い! 怖い!! 怖いっ!!! 足元にいる光希のことも、最愛の恋人のことも、母のことも玲香のことも堀田のことも、全部頭から吹き飛んだ。

    怖い! 怖い!! 怖いっ!!! 七海とママと玲香さんが一緒なら、ここでもやっていけると思ってた。でもやっぱりここは地獄だったんだ。アタシもいつかこうなる。いつか必ず! こうなる!!

    怖い! 怖い!! 怖いっ!!! もうイヤ! この人から、鬼から逃げたい。この地獄から逃げたい! 逃げなきゃ!! 逃げなきゃっ!!! 殺されるっ!!!!

    陽葵は猛然と立ち上がると、脱兎のごとく逃げ出した。床一面の糞便に足を滑らせながらも、往きに入ってきたドアまで全速力で走った。ドアには鍵が掛かっておらず、陽葵はドアを勢いよく開けると、配管トンネルを猛然と駆け出した。寒さなんてまるで感じない。怖い! 怖い!! 怖いっ!!!

    毛細血管のように入り組んだトンネルはまるで迷路であり、陽葵はすぐに往きに通ってきた道とは違う道に入ってしまった。直後、薄暗いトンネルのあちこちで赤色灯が点き、方々でけたたましいアラート音が鳴った。すぐに警備員や調教師たちが駆け付け、陽葵はあっという間に捕縛された。

     

    8月10日23時48分、陽葵は脱走した。

     

    ……佐渡は便槽の通用口のドアの前で呆然と立ち尽くしていた。

    奴隷の体内には各種センサーが内蔵されたマイクロチップが埋め込まれており、その位置は監視システムが常時把握している。システムは、奴隷の生活動線や指名状況などを基に奴隷の可動範囲を自動で切り替えつつ、奴隷がその範囲から逸脱した場合には即座にアラートを鳴らすようにプログラミングされている。

    佐渡は、虹彩認証付きのドアを通らずに客用トイレから便槽まで行けるよう、事前に配管トンネルの経路を調べ上げ、この日の23時から明朝までの間、その経路を陽葵の可動範囲に加えるよう、予め警備員に伝えておいた。警備員には堀田の命令であると虚偽の説明をした。

    全ては陽葵に極限の絶望を与えるため。絶望の中で苦悶するJSPFの奴隷たちを差し置いて、この私を差し置いて、ひとり恋人といちゃつくこのクソガキを徹底的に潰すため。

    うまくいっていた。便槽の中にいたスカトロマニアの男たちにも、自分と陽葵が深夜に便槽を訪れたことと、会話の内容は秘密にしてくれるよう事前に大金を渡しておいた。あとは陽葵に、今夜ここで起こったことを七海たちに話したら、七海たちの手足を切ってここに捨てると脅してから、773号室に帰らせて、それで終わるはずだった。

    だが、興奮の極みにあった佐渡は、陽葵が逃げ出す可能性を完全に見落としていた。それ故に便槽の通用口の鍵を掛け忘れた。 ……遅かった。気づいた時には陽葵は既に走り出していた。「あっ!」と声を上げて佐渡は急いで追いかけたが、通用口のドアに達した時には既にアラートが鳴っていた。佐渡は真っ青な顔でそれを聞いていた。

     

    II:罪

     

    翌8月11日。1周年の日の朝6時。七海たちが起きると陽葵はいなかった。3人とも昨日の最後の調教は別々に受けており、調教が終わってシャワーを浴びた直後、3人は例によってベッドに倒れ込み、失神するように眠りに就いた。深夜3時頃に美海がぐずり出したため、今日子が起きてオムツを交換し、その際に陽葵がいないことに気づいたものの、ここ最近、陽葵は七海のベッドで一緒に寝ることが多かったため、今日子は特に気に留めることもなく、オムツ交換が終わったらすぐにベッドに戻って寝てしまった。773号室は高性能の防音シートで覆われているため、けたたましく鳴り続けるアラートも、警備員や調教師たちの足音も、3人は全く気づかなかった。

    そして朝、陽葵は忽然と消えてしまった。調教部屋やシャワー室でそのまま寝てしまったのではないかと、全ての部屋を念入りに探したが見つからなかった。そして、玲香がリビングの机の上に置いてある書き置きを見つけた。

    『光希お姉ちゃん、生きてるみたい! 調べてくるね。必ず会わせてあげるから、待ってて! 陽葵』

    3人は、光希が生きているかもしれないという情報に驚愕し、だが喜ぶどころか一気に不安になった。調べるって…… 部屋の外に出たってこと? 玄関のドアを開けるには虹彩認証をパスしないといけないし、客用トイレは鍵が掛かっているのに…… どうやって出たの? ……なんで戻ってきてないの? これって脱走したってことに……ならないよね!?

    3人の不安は、8時になっても飯森と堀田が来なかったことでさらに跳ね上がった。

    どうなってるの? こんなことこれまでに一度もなかったのに…… 昨日の夜はいつもより疲れてて、すぐに寝ちゃったから隣に陽葵がいたかわかんないよ…… 陽葵、どこにいるの? いついなくなったの? いつ帰ってくるの? 無事なんだよね? 脱走なんてしてないよね? お願い…… 早く帰ってきて…… お願い…… お願いっ!!

    陽葵…… どこにいるの? いつからいなくなったの? ああ、美海ちゃんのオムツを換えた時に七海ちゃんの部屋を見に行けば良かった…… あの時には一緒に寝てたのかしら…… それとももういなかったのかしら…… ああ、陽葵…… お願い、無事でいて……!!

    陽葵ちゃん、どこにいるの? 調べるって、外に出たの? 外はマズいよ…… 普通の奴隷ならカプセルベッドと調教室の間とかは監視システムがオフになっていて自由に行き来できるけど、私たちは七海の部屋に移ってから一度も外に出てないから、多分オフエリアはない。多分玄関の外に1歩でも出たら即アウト…… お願い、無事でいて…… お願い!!

    だが、昼を過ぎて集団調教の時間になっても、夜の少人数調教の時間になっても、誰1人来なかった。もちろん陽葵も。時間を追うごとにどんどん強まる不安。光希が生きているという情報も気になるが、陽葵が心配でそれどころではない。

    陽葵は堀田の命令で、外で何かしているのだろうか? もしかして堀田の命令で光希の生死を調べているとか? まさか。飯森は「光希は死んだ」と言ったのだ。もし生きているなら飯森は嘘をついていたことになる。堀田も。そんな人間が、光希の生死を陽葵に調べさせるとも思えない。そして、もし堀田の命令とは関係なく調べているのだとしたら、あまりに危険だ。嘘をついていた堀田が、飯森が、JSPFの人間が、真実を知った陽葵を放っておくだろうか? ……放っておくわけがない。外は敵だらけ。見つかったら終わりなのでは? 怖い。考えるのが怖い。考えれば考えるほど陽葵が恐ろしい目に遭っていそうで、怖くて怖くて堪らない。

    結局誰も来ないまま深夜0時を回ってしまった。3人はベッドにも行かず、書き置きの置いてあったリビングのソファーに座って、ひたすら陽葵の無事を祈り、帰還を待ち続けた。

     

    ……時間を巻き戻して、朝の8時、飯森と堀田は七海の許には向かわず、メス犬区画1号室にいた。

    飯森と堀田は怒り狂っていた。佐渡を天井から吊るし、普段は使わない拷問用の鞭でメッタ打ちにした。全身の皮膚がボロボロに裂け、血と肉片が飛び散り、全身真っ赤に腫れ上がっても尚、鞭を振るい続けた。気絶するたびにスタンガンで起こし、ショック死しないように気付け薬を皮下に注射し、泣き叫ぶ佐渡の口を正面から拳で殴り付けて残り少ない前歯を全てへし折る。手足の爪は20枚全て剥がされ、右手の親指と薬指は前歯とともに床に転がっていた。右目には釘が打たれ、左の乳房は裂けて中の脂肪が飛び出してしまっている。凄惨な拷問の中で佐渡は洗いざらい自白したが、自白が終わっても拷問が終わることはなかった。

    陽葵への嫉妬! たったそれだけ! そんなくだらない理由で!! 姉の死という不可避のハードルを乗り越えさせ、あとはもう好きなだけ七海を可愛がっていこうと思っていた。1年、5年、10年、30年。自分が老衰で死ぬまで、毎日七海と愛娘たちを愛(虐待)していこうと思っていたのに! 七海の処女を奪って1周年となる今日。七海が理想の奴隷となるようひたすら調教してきたこれまでと、理想の奴隷となった七海をさらに調教し続けていくこれから。その結節点である記念の日。よりによってこの日に。なんてことをしてくれたんだ、このゴミクズは! 全部…… 全部パアじゃないか!!

    堀田もまた激怒していた。堀田の名前を勝手に使って陽葵を外に連れ出し、会員客を買収してまでこのような愚挙に出るとは! 七海は堀田にとってもお気に入りの奴隷だったし、仁科母娘も七海の影響を受けてか、当初の期待以上に良質な奴隷になりつつある。七海の人気はJSPFの中でもダントツのトップで、773号室は連日の大盛況。新たな調教部屋も続々と作っている最中だ。姉の死という特大の不安要素をクリアして前途洋々。堀田も七海と仁科母娘の今後に大いに期待していたし、記念日たる今日は、JSPFを挙げての大イベントを行う予定だったのだ。それを…… 嫉妬に狂った飼い犬に台無しにされるとは!!

    脱走した奴隷は四肢切断。これはJSPFの鉄則だ。陽葵たちJSPF専属の奴隷はもちろんのこと、七海のように会員個人が持ち寄った奴隷にすら適用される。そこに酌量の余地は一切ない。

    例えば、ポチは施設から故意に逃げようとしたわけではない。連日の過酷な調教でフラフラになり、ベッドルームに帰る途中で道を間違えた。すぐにアラームが鳴った。そこで立ち止まって、駆け付けた警備員に事情を話せば、抜歯1本程度で済んだのだが、当時14歳だったポチは、パニックに陥ってそのまま逃げ出してしまった。これは紛うことなき脱走であり、酌量はなされなかった。

    当然、陽葵も脱走罪となった。四肢切断刑(麻酔なし)の執行は既に決定済みである。佐渡の自白は一切斟酌されず、幹部の堀田への忖度なども行われなかった。 ……脱走罪とは、それほどまでに絶対的な存在なのだ。

    JSPFにとってはそれで良いのだが、飯森にとっては最悪だった。なにせ陽葵は七海と相思相愛なのだ。最愛の恋人が四肢を断たれてメス犬になるなどと知ったら、七海が受ける精神的ショックは計り知れない。しかも、姉の死の際には事前に入念な準備を行ってきたが、今度は一切それがないのだ。

    しかもより悪いことに、陽葵は書き置きを残していき、七海はそれを読んでしまった。

    深夜、陽葵の脱走が発覚した直後から、飯森は堀田に頼んで七海たち3人の監視を強化させたのだが、強化したのは七海の寝室と世話係の部屋、それに陽葵が便槽に向かった経路である客用トイレなどに限られ、書き置きの置いてあったリビングは対象外だった。朝になって玲香が書き置きを発見する前に、その存在に気づくことができていれば、警備員を向かわせて密かに回収することもできたのに。

    朝の6時に七海たちが起き、リビング含め各部屋を回って陽葵を捜索している間、数十台のカメラは3人を映し続け、飯森と堀田もそれを見ていたが、小さく折り畳まれた書き置きには気づけなかった。そうこうしている間に玲香が発見し、すぐに読んだ。そして七海に渡す。七海がそれを読んでいる間、七海の後方に設置されているカメラが書き置きにズームし、飯森と堀田は七海と同時にそれを読んだ。

    『光希お姉ちゃん、生きてるみたい! 調べてくるね。必ず会わせてあげるから、待ってて! 陽葵』

    最悪の内容だった。

    光希はJSPFの奴隷であるから、その処分はJSPFの規則に則って行われる。死期が近づき、役立たずと判断された奴隷(メス犬含む)は、四肢を完全に断たれて全身の体毛を永久脱毛され、便槽に放置される。そして死の瞬間までスカトロマニアの慰み者となり、死んだら縦坑に落とされる。これもまた不可避の鉄則であるが、こちらについては七海のような個人所有の奴隷には適用されない。

    ……最愛の姉がこのような悲惨な末路を辿ると知ったら、七海は激しく動揺するだろう。発狂してしまうかもしれない。だからこそ、光希が四肢を断たれる日の朝、光希が死んだと飯森は七海に告げたのだ。光希は既にいつ死んでもおかしくないくらい衰弱していたので、4人は光希の死体を見ることなくその死を受け入れた。絶叫する七海を最も強く支えたのは陽葵だった。姉に代わる精神的支柱。それは娘の美海でも、玲香でも今日子でもなく、陽葵なのだ。恋人の陽葵がいたからこそ、七海は姉の死を乗り越えられたのだ。

    その陽葵が書き置きを残して消えた。死んだはずの人間が生きているなど、にわかには信じ難いが、陽葵が消えてしまったことで真実味が出てくる。恐らく七海は、姉は生きていると信じ込んでしまったに違いない。と同時に姉は死んだと言った飯森に強い不審を抱いているはずだ。それは現在の絶対服従の関係に大きなヒビを入れてしまうだろう。

    七海は姉に会わせろと必ず言ってくる。その時、どうするか。会わせたらまず間違いなく発狂する。会わせなかったら陽葵の件と合わせて飯森への不審がさらに膨れ上がり、服従心は霧散してかもしれない。どちらにしても、理想の七海がいなくなってしまう。1年かけて作り上げてきた理想の七海が! このゴミクズのせいで!! 愛しの七海が!!!

    飯森と堀田は、さらに暴行を続けた。死なない程度に、死ぬよりも辛い苦しみを与え続けた。しばらくして、さすがに血の臭いに飽きてきた2人は、佐渡の耳元で処分方法を伝えた。佐渡は元JSPFの奴隷だが、堀田が身請けしているため生殺与奪は堀田の一存で決められる。そのあまりに恐ろしい処分方法に、佐渡は恐怖のあまり失神した。スタンガンを食らわせてももはや起きることはなかった。

    堀田と飯森は裏沢を呼んでゴミを片付けさせると、シャワー室で血しぶきを洗い流してから、服を着て拘束中の陽葵の許へと向かった。

     

    ……再び時間を巻き戻して、8月11日深夜0時過ぎ。捕縛された陽葵はJSPF内の牢獄に入れられていた。猿轡を噛まされ後ろ手に縛られたまま、粗末な簡易ベッドに腰を下ろし、ただ呆然とコンクリートの壁を見つめていた。

    やっちゃった。逃げちゃった。逃げたら光希お姉さんやポチのようになるから絶対逃げないって、七海と一緒にここで生きてくって決めてたのに。ここは辛いことしかない地獄のような場所だけど、それでも七海と一緒なら大丈夫って思ってたのに。

    佐渡先生のあの顔が心の底から怖かった。爪先から頭のてっぺんまで全身くまなく震え上がった。先生から逃げたくて、あの恐ろしい目から逃れたくて。 ……でもそれだけじゃない。

    まさか光希お姉さんがあんな恐ろしいことになってただなんて! ……手足、いつ切られたんだろう。飯森様がお姉さんは死んだって言った時? アタシたちみんなで泣いてた時? みんなで七海を励ましてた時? セックスしまくってた時? それとももっと前? 前の日? 前の日に光希お姉さんがみんなにお別れを言って、その後体調が優れなくって医務室に行って、それっきりだったけど、医務室じゃないとこに連れてかれたの……? 怖い! 怖い!! 怖いっ!!!

    光希お姉さん…… メス犬の身体でもなんとか動けてたけど、あんなふうになっちゃったら全然動けないよね…… 上からウンチが落ちてきても避けれない…… アタシ…… 今の部屋に移る前は真上のトイレ毎朝使ってた…… 何も知らずに…… 信じらんない…… なんなの? なんなのっ!? 毎朝大量のウンチやオシッコを浴びて、避けれないし片付けらんないし、身体の上にどんどん積もって、どんどん臭くなって、なのにキショいオッサンに犯されて、抵抗も何もできなくて…… 点滴で無理やり生かされて…… そんなの……ありえないでしょ!!

    でも。アタシもいつかああなるんだ。たぶん近いうちに手足ちょん切られてメス犬にされて、光希お姉さんやポチみたいにメス犬区画のくっさい部屋に閉じ込められて…… そのうち用済みって言われて、手足全部失ってハゲにされて、トイレの下に閉じ込められて、ウンチまみれになって、死んだら穴に捨てられるんだ。もし奇跡が起きて今回はメス犬にならずに済んだとしても、先生が言ってたみたいに、10年、20年経って、アタシもオバサンになったら、お前は用済みだって言われて、やっぱりあそこなんだ、きっと。それじゃおんなじじゃん! どうなってもあそこで死ぬしかないっていうの!?

    アタシだけじゃない。七海……は飯森様の奴隷だから違うかもしんないけど、ママも玲香さんもポチも、この施設にいる大勢の奴隷も、たぶんアタシとママのお腹の中にいる子も、みんな最後はあそこなんだ……!!

    あ、そうか。先生が言ってたオークションとかミウケとか、そういうのでこの施設から出られれば、あそこで死ななくてもいいんだ……。でも無理。先生が邪魔するって言ってたし。逃げちゃったし! もう手遅れ!!

    怖い…… 怖い…… なんなのここ…… なんなのここ!! 恐ろしい場所だって…… 狂ってるって思ってたけど、まさかここまでヒドかったなんて!!!

    七海…… 会いたいよ…… 七海…… ママ…… 玲香さん…… またあの部屋で、みんなで暮らしたいよ…… でもメス犬になっちゃったらもう無理…… それに…… 会ったとしても、光希お姉さんのこと、どうやって七海に言えばいいの!? お姉さんは死んだってウソをつきながら、あんなヒドいことしてた飯森様や堀田様にも、どんな顔して会えっていうの!!?

    陽葵はベッドに腰掛けたまま、一睡もできずに朝を迎えた。途中何度かベッドに横になってみたが、ノルアドレナリンが過剰に分泌されているためか、疲労の極みにあるのに睡魔は一切襲ってこなかった。

    朝8時過ぎ、佐渡を血祭りに挙げた堀田と飯森が牢の前に現れた。陽葵は恐ろしくて堀田の顔を見ることができず、震えながら牢の床の上に土下座した。猿轡があるのでうまく喋れないが、必死に謝罪の言葉を連呼した。

    「おえんあはい(ごめんなさい)! おえんあはい! おえんあはいっ!!」

    「……愚か者め」

    「おえんあはい! おえんあはい! おえんあはいっ!!」

    「これから猿轡を外す。何があったのか正直に話せ。嘘をついたり余計なことをしたら、母親共々直ちに便槽に突き落とす」

    「ひぃっ!!」

    「いいな?」

    「…………(こくん)」

    ……そっちだってウソついてたくせに。陽葵は一瞬そう思ったが、口にする勇気はなかった。

    堀田は南京錠を開けて牢内に入り、陽葵の猿轡を外してベッドに腰掛けた。飯森も牢内に入って南京錠を再施錠した後、鉄格子にもたれ掛かって陽葵の方に目をやった。陽葵は床の上に正座し、堀田の足の辺りを見つめながら、ぽつりぽつりと深夜に起きたことを話し始めた。

    「「…………」」

    話を聞き終えた堀田は飯森の方を振り返り、目を合わせた。陽葵の話は佐渡の自白内容と合致しており、どうやら嘘はついていないようだ。いきなりあの便槽と光希の成れの果てを見せられて、お前を必ずここに落とすと言われれば、反射的に逃げてしまうのは致し方ないことにも思われる。となると、やはり非は完全に佐渡の方にある。あのゴミクズめ!!

    だいたい詰めが甘すぎる。便槽の存在、光希の惨状、自分や母親の未来、縦坑での最期、それらの秘密を全てぶち撒け、特大のトラウマを陽葵に植え付けておいて、それで毎週陽葵を指名して徐々に追い込むなど、そんなことできるわけがないではないか。1人で抱え込むにはあまり大きすぎる秘密。隠し通せば陽葵の心は壊れてしまうし、話してしまえば、七海は光希の件でパニックになり、今日子や玲香もJSPF専属奴隷の末路を聞けば絶望する。4人全員が発狂すればあの部屋での生活は崩壊し、指名どころではなくなるではないか。何故それがわからぬのだ、あのゴミクズは!!

    ……だが起きてしまったものはどうしようもない。覆水盆に帰らず。今後のことを考えねばならない。堀田はそれ以上何も言わずに再び陽葵に猿轡を噛ませると、飯森と共に牢の外に出た。取り敢えず今後の計画を練り直さねばならない。

    「おえんあはい、おえんあはい、おえんあはい……」

    次第に牢から離れていく2人の足音を聞きながら、陽葵は土下座したまま謝罪の言葉をひたすら繰り返した……。

     

    ……飯森と堀田は会員用の小会議室に入り、今後について話し合った。

    まず決まっていることとして、今夜20時に陽葵の四肢切断刑(麻酔なし)が執行される。これはJSPFの決定事項であり何人も覆すことはできない。その後2週間の療養を経て、陽葵はメス犬区画9号室、これまで光希が入っていた場所に移る。これも決定事項だ。

    よって、これまでのように七海の部屋で起居を共にすることはできない。光希のようにキャリーバッグに入れて七海の部屋に毎日通わせることはできるが、衰弱著しく指名が少なかった光希と違い、メス犬になりたての陽葵はかなりの人気が出るであろうから、七海の部屋に運べるのは午前中の合同調教だけとなるだろう。

    陽葵には身体の手入れと食事・排泄のサポートを行う雑用係がつくことになる。光希とポチを担当していた雑用係は、現在ポチのみの世話をしている状況なので、その者に陽葵の世話も行わせるか。或いは、母親を、今日子を陽葵とポチの雑用係にするという手もある。その場合、今日子は773号室の外に出ることになるから、やはりあそこで起居することはできなくなる。元のカプセルベッドに戻ることになるだろう。しかし、陽葵と今日子が2人きりとなれば、陽葵は自分たちの末路を話すだろうし、そうなれば今日子も発狂して、母娘で心中を図るかもしれない。 ……どうすべきだろうか。

    正直なところ、飯森自身は仁科母娘にはまるで興味がない。メス犬になろうが便槽で朽ち果てようがどうでもいい。だが七海にとっては違う。特に陽葵は七海にとって極めて大切な存在で、そうなるように画策したのは他ならぬ飯森なのだからタチが悪い。こんなことなら七海と陽葵を恋仲になどしなければ良かった。当初の計画どおり人質は美海1人に留めておくべきだった。とは言え、七海が光希の死を乗り越えられたのは美海以外の3人、特に陽葵のおかげであることも事実である。

    ……そう、問題はその光希だ。あの書き置きがさらに事態を厄介なものにしている。あれさえなければ、陽葵が勝手に逃げたとシラを切ることもできるし、七海だけでなく玲香と今日子も773号室に監禁して陽葵との接触を断ってしまえば、光希の惨状や奴隷の末路を3人が知ることはなくなる。いっそあの書き置きも陽葵の勘違いということにするか。光希がまだ生きていると陽葵が勝手に思い込み、勝手に外に出て勝手に捕まった。そう伝えるか…… だが、賢い七海がそれを素直に信じるとは思えない。

    ……では逆に、こちらから真実を明かしてみるのはどうだろう。まず陽葵が佐渡に唆された経緯を話し、次いで奴隷の末路についても話す。ただし後者については回避方法も教える。即ち、七海は飯森の個人所有だから便槽には送られないし、陽葵含め他の3人もオークションで落札されたり、会員に身請けされれば、ここから出られる。その上で七海を光希に会わせる。七海1人だと発狂するかもしれないから、玲香を同行させるか。これで七海はどういう反応をするだろう。やはり精神が壊れてしまうだろうか。それとも……

    話し合いは7時間経っても結論が得られず、堀田は17時少し前に会議室を出、飯森は尚も1人で考え続けていたが、20時になると会議室に設置されているモニターの電源を付けた。映像はメス犬区画特別室。陽葵の四肢切断刑の中継である。

     

    III:罰

     

    陽葵は特別室の中央、処置台の上で仰向けになり、十字に拘束されていた。陽葵の真上には大きな鏡が下向きに設置されていて、陽葵は自分の姿を鏡越しに見ながら、顔を真っ青にして泣きながら震えていた。ホントにやるんだ。ホントにちょん切っちゃうんだ……!

    やだ…… やだ……! ちゃんと奴隷やってたじゃん! ご主人様にもお客様にも精いっぱいご奉仕してきたじゃん! 痛いことも苦しいことも全部耐えて、ウンチもいっぱい食べて、逆らわずに言うこと聞いてきたじゃんっ! なんで? 逃げたっていっても、この施設から脱走しようとしたわけじゃない。先生から逃げただけ。そしたら道にちょっと迷っちゃっただけ。何度もそう言ってるのに誰も聞いてくれない……!

    助けて。誰か助けて。ママ、玲香さん…… 七海。七海に会いたい。助けて。お願い。こんなのイヤ! いやあああああああっ!! ……あ。

    「ご主人様! 堀田様! 助けて! 助けてくださいっ!!」

    物音がしたので横を向いたら、ちょうど堀田が入室してきたところだった。もう堀田しかいない。ウソをついてたことなんてどうでもいいから! お願いします! 助けてください! 何でもしますから! お願いっ!!

    だが、堀田は陽葵を完全に無視して、処置台から離れた隅の方の席に座ると、陽葵の方は向かずに隣の男と何やら話し始めた。

    「なんでよぉっ!! 無視しないでっ!! 助けてっ!! 誰か助けてっ!! 七海っ!!! ななみいいいいいいいいいっ!!!!」

    陽葵は愛する者の名を必死に叫んだが、もちろん本人に届くはずもない。

    数分後、白ヒゲの目立つ黒ずくめの初老の男が処置台の横に立った。先程まで堀田と話していた男だ。直後、背後の壁に掛かっている時計の長針と秒針が12の位置で重なった。午後8時。男は低い、だがよく通る声で言った。

    「これより仁科陽葵の四肢切断刑を執行する」

    「いやああああああああああああああああっ!!!!」

    「仁科陽葵。朝にも言ったが、どんな事情があろうとお前が逃げたことに変わりはない」

    「そんなっ! 逃げるつもりなんてなかったんです! 先生が…… 佐渡先生がヒドいことばっか言うから、怖くなっちゃっただけなんです!」

    「先刻承知だ。尚、佐渡彩音は……」

    ……パチン。男が指を鳴らすと奥のドアが開いて、裏沢ともう1人の調教師がそれぞれ台車を押して入ってきた。台車に乗っているのは……

    「佐渡先生!!!!!!!!」

    心臓が止まりそうになった。否、一瞬止まった。身体じゅうをズタズタに引き裂かれて血まみれになり、目も口も胸も股間もメチャクチャになっていた。そして腕と脚が根本から切断され、切断面は茶色く焼け焦げていた。

    2台目の台車には大きな盥(タライ)が乗っていて、何かの肉が山盛りになっていた。堀田は17時にメス犬区画1号室に戻ると、失神している佐渡を蹴りつけて起こし、無麻酔のままチェーンソーで四肢を切断していったのだが、その際、根本からバッサリ斬らずに、手首に近い方から5cm間隔でスライスしていったのである。盥の中で山盛りになっているのは、その骨付き輪切り肉だった。

    「ウソ…… ウソでしょ…… なんてことを……」

    「安心しろ、陽葵」

    いつの間にか台車の横に堀田が立っていた。

    「こいつに色々と脅迫されたらしいが、見ての通りこいつはもう何もできん」

    「…………」

    「こいつはこのまま例の便槽に落とす」

    「……!!」

    「お前たちが毎日服用している大便を無毒化する薬は、傷口から侵入する雑菌の繁殖を抑える効果もあるのだが、こいつには与えん。大量に糞を食えば食中毒になって口も胃も腸も悲惨なことになる。さらには全ての傷口から大量の大腸菌が侵入して全身が炎症を起こし、発熱して化膿して壊死する。身体の中も外も、想像を絶する激痛に苦しみ抜いた末に真っ黒に腐って死ぬだろう」

    「ひぃっ!!」

    「お前をこんな目に遭わせたゴミクズは我々の方で処分するから、お前は安心してメス犬になれ」

    「!!!!」

    「いかなる事情があろうと逃げた者は四肢を失う。これを変えることは誰にもできぬ」

    「…………」

    「安心しろ。お前の場合は傷口の焼灼は行われない。切断痕は丁寧に治療してもらえる。良かったな」

    「そんなっ! 全然よくないっ! ショーシャクとかわけわかんないしっ!!」

    「ああ、焼灼というのは止血法の一種でな。切断面に焼き鏝を当てて血を止めるのだ。こいつの肩、焦げているだろう? ……凄まじい絶叫だったぞ」

    「…………」

    「切断はレーザーによって行う。故意の脱走ではないからな……」

    「…………」

    「ペロの場合は鋸(ノコギリ)だった。故意の脱走はそれだけ罪も罰も重くなるというわけだ。時間をかけてギコギコと肉や骨を砕いて引き千切るのに比べれば、レーザーは一瞬だぞ? それも4本同時。痛いのは最小限で済む。 ……良かったな」

    「…………」

    もはや陽葵には何も言えなかった。言葉が見つからなかった。怖い。堀田が怖い。佐渡先生も怖かったけど、堀田はもっと怖い。なんでこんな残虐なことを平気でやれるんだろう。佐渡先生に対してザマァミロなんてとても思えない。堀田を怒らせたら自分もミンチにされるかもしれない。怖い。心の底から怖い。 ……でも。それでも!

    痛いのが最小限で済んで良かったなって…… 良くない! そんなん全然良くないよ!! どんな方法だろうと手足を切られたらメチャメチャ痛いだろうし、手足が失くなってしまう事実は変わらない。もう二度と七海と一緒に歩けない。手を握れない。顔を触ることも髪をなでることも。悲しみの涙を流す彼女の目にそっと手をやって、優しく拭うことも。胸や股間や身体じゅうを愛撫し、クリペニスを扱き、熱く抱き締めることも。 ……なんにもできない!!

    なんでこんなことになっちゃったの!? 誰か助けて!! 七海!! いつかみたいに!! お願いっ!!! 七海ぃっ!!!!

    陽葵の周りに調教師たちがやってきて、腕と脚の切断箇所にマジックで印をつけると、その数cm手前を紐で強く縛った。身体を拘束されているので抵抗は一切できない。縛られた場所がものすごく痛い。その先の感覚が痺れてくる。調教師たちは、さらに切断箇所の周囲にレーザー装置を設置すると、一斉に陽葵から離れた。そして黒ずくめの男が静かに言った。

    「執行」

    直後、レーザー装置が稼働し、陽葵は一瞬で四肢を失った。その瞬間、痛みはなかった。手前で縛られている箇所の方が余程痛かった。が、1秒も経たないうちに激烈な痛みが陽葵を襲う。と同時に痺れていた手足の感覚がパッと消えた。そして視界に映る赤、赤、赤。

    「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

    陽葵の絶叫が特別室に響き渡った。想像を絶する痛み。だがこの痛みは、肉体的な苦痛だけに依るのではない。四肢を失った恐怖と絶望。今後への不安。七海との生活を失う悲嘆。それら全てが精神的な痛みとなって陽葵を襲う。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいっ!!!!!!!!

    「ななみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!」

    痛みが肉体と精神の限界を超えた瞬間、陽葵はさらに高い声で愛する者の名を叫び、直後に気を失った。気を失う寸前、視界を覆う赤一色が黒一色へと変じる刹那、陽葵は恋人の顔を、幸せそうな七海の笑顔を見た。 ……見た気がした。

    横に控えていた女医と看護師が速やかに処置を施していく。彼女らは驚くほど短期間に止血し、切断面を消毒し、整形し、縫合していく。20分後、陽葵はメス犬になった。

     

    ……同刻。未だ会議室にいた飯森の顔には邪悪な笑みが浮かんでいた。陽葵が手足を失う一部始終をモニターで見ながら、ある邪悪なアイディアを思いついたのだ。否、思い出したと言うべきか。

    ここまでこじれてしまった以上、飯森が1年かけて作り上げた理想の七海を維持することはもはや不可能だ。ならば、新たな理想の七海を今一度作り直せば良い。元々いつかは、最終的にはそうするつもりでいた。やれることが極端に減るので、もう少し後にしようかと思っていたのだが、今こそそれを行う時だ!

    今日は1周年の記念日。ゴミクズのせいで散々な記念日となってしまったと落胆していたが、そうじゃない。これまでの七海の集大成の日ではなく、これから新たな七海を作り出す、その始まりの日にすれば良いのだ。1年前の今日と同じように……!

     

    IV:姉妹

     

    翌8月12日、朝8時。飯森が単独で玄関に現れた。昨夜から殆ど一睡もせずに陽葵の無事を祈り続けてきた七海・玲香・今日子の3人。彼女たちの目の下にはハッキリと隈(クマ)ができており、疲労の色が濃い。が、3人ともそれを感じさせない動きで飯森の許に駆け寄り、質問攻めにした。

    飯森は、質問には答えずにただ一言、低い声で言った。

    「陽葵が逃げた。よって、規則により昨晩手足を失い、奴はメス犬になった」

    うそ…… メス犬って…… 陽葵が…… うそ、でしょ? ……呆然と立ち尽くす七海の横で、今日子が床に崩れ落ちた。

    「いやあああああああっ!! 陽葵っ!! 陽葵ぃっ!! あああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

    床の上でうずくまって号泣し、娘の名を連呼する母親。

    予想を遥かに超える最悪の事態に動揺する2人に対し、玲香は比較的冷静だった。やはりと思った。あの書き置きを読んだ瞬間から危ないと思っていた。ポチがメス犬になった経緯を本人から聞いている玲香は、脱走罪が、奴隷が逃げるに至った経緯を全て無視する、極めて無慈悲で教条的な存在であることを知っていた。そして脱走を検知するための監視システムが施設内のあらゆる所に網の目のように張り巡らされていることも。そんな中で、光希の生死を調べることなど陽葵にできるわけがない。玲香はそう思いつつも、それを七海や、まして今日子に話すことなどとてもできなかった。それに、堀田の命令で調べている可能性もゼロではない。玲香も夜を徹して陽葵の無事を祈り続けてきたのだが、やはりこうなってしまった……。

    玲香は、怒りと悲しみに声を震わせながら、低い声で飯森に詰問した。

    「どうしてそんなことになったんですか。陽葵ちゃんは今どこにいるんですか。 ……光希は、生きてるんですか」

    「……!!」

    呆然としていた七海が、姉の名に反応する。そう。おねえちゃんは生きてるの? あの書き置きはどういう意味? なんで陽葵はあんな書き置きを残したの? どうやって外に出たの? なんで捕まっちゃったの? なんでメス犬なんかに……! なんで? なんでっ!!?

    「ああ」

    「!!!!」

    飯森は短く肯定した。肯定した! おねえちゃんが生きてる! やっぱり生きてる!!

    七海に衝撃は殆どなかった。やっぱり、という想いしかなかった。陽葵が失踪したという事実が、あの書き置きが真実であることの証だと七海は確信していた。おねえちゃんはやっぱり生きている。だが嬉しさは微塵もなかった。だって陽葵が。陽葵が!

    姉の身体で見慣れているとは言え、人間の健康な手足を斬り落としてしまうなんてとんでもないし、手足が失くなるといかに不自由を強いられるのかも、姉の苦労を側で見続けてきた七海は充分すぎるほど知っていた。そのメス犬に、愛する陽葵がなってしまった。しかももうなった後だと言う。これからなるのであれば、止めることができたかもしれないのに。もう遅い。もう手遅れ! なんで!? なんでこんなことになっちゃったの!!?

    やっぱりあの書き置きが原因なの? おねえちゃんが生きてるって知って調べてくれたの? だったらなんで私に相談してくれなかったの? 今日子さんや玲香さんにも話して、4人でご主人様を問い詰めていれば…… 少なくとも陽葵1人が犠牲になることはなかったのに……!

    そうだ、ご主人様。やっぱりウソついてたんだ。「ペロが死んだ」って、あの時言ったじゃない! ウソつき! ウソつき!! ウソつき!!!

    七海の中に主人に対する強烈な不審感が芽生えた。七海は飯森に絶対服従を誓ったが、別に飯森を愛しているわけではないし、洗脳されているわけでも、信仰しているわけでもない。嫌々従っているわけでもない。全てを諦めて淡々と主人に付き従っているだけ。飯森がどんなに酷いことをしても無批判で受け入れようと努力しているだけ。だが、この嘘だけは看過することはできない!!

    姉が死んだと言われてどれほど動揺したか。どれほど辛かったか。絶望の底に突き落とされた七海を救ってくれたのは、玲香であり今日子であり美海であり、陽葵だった。一番最初に抱きついてくれて、ずっと一緒に泣いてくれた。慰めてくれて、励ましてくれて、冗談を言ってくれて、思わず笑っちゃって…… あれでどれほど心が落ち着いただろう。悲しみを忘れるようにみんなで快楽に溺れて、どれほど慰められただろう。ずっと愛し合おう、支え合おうって言ってくれて、どれだけ嬉しかっただろう……!

    姉の死が虚偽だったということは、陽葵のあの励ましの言葉も全て無意味になってしまったということ。あの時の陽葵の努力を、優しさを、この男が無駄にした。汚した! 踏みにじった!! それだけに留まらず、陽葵に極限の苦しみを与え、陽葵の手足を奪い、自由を奪い、未来を奪った!!! ……陽葵の失踪やメス犬化にこの男が関わっているかどうかはわからないが…… 違う!こいつのせいに決まってる! 全てはこいつのせいだ!! こいつが全部悪いんだ!!!

    七海は無言のまま主人を睨みつけた。できるなら大声で詰問したい。主人の胸ぐらを掴んで、思いっきりぶん殴ってやりたい! 首を締めて殺してやりたい!! ……それをしない自分が腹立たしい! 恋人が酷い目に遭って、なんで黙ってるんだ! なんでじっとしてるんだ! じっとしれれば酷いことはされないって…… じっとしてても陽葵が酷い目に遭ったじゃないか! 反抗したってしなくたって結局酷いことされるんなら、なんで反抗しないんだ、私!! 最低っ!!!

    七海の中に怒りが渦巻いている。誕生日プレゼントに抜歯してやった時以来の深刻な怒りが。 ……飯森はそれに気づきつつ、七海の次の行動に注視していた。どうするだろう。殴りかかってだろうか。罵声を浴びせてくるだろうか。それとも…… どう出る? 七海?

    「……陽葵に会わせて。おねえちゃんに会わせて」

    ……七海は十数秒の沈黙の後、主人を睨みつけたまま低い声で言った。敬語は敢えて用いなかった。

    飯森は薄気味悪い笑顔を浮かべながら「いいだろう」と言い、3人は飯森とともに玄関から外に出た。美海が心配だったが、少し前に母乳を飲ませてオムツの交換も終え、今は眠っているから大丈夫だろう。

    飯森は、他の奴隷との接触を避けるために中央ホールや少人数調教用の調教室を迂回しながら、陽葵のいる療養室へと向かった。その間に少しずつ真相を話していく。だが便槽や縦坑の存在については言及を避けた。

    佐渡の暴走。陽葵への嫉妬。光希が生きていることを告げ、言葉巧みに陽葵を誘い出し、光希の目の前で陽葵を散々に脅迫した佐渡。恐怖のあまり逃げ出して捕縛された陽葵。逃亡罪が適用されて四肢切断刑となったものの、余罪はないので歯は無事、違法薬物も未投与。佐渡は処分済み。

    だが、光希がいる場所の詳細、佐渡が行った脅迫の内容などについては一切触れなかった。その上で、「ペロが死んだ」と嘘をついた件に関しては、光希はこの先さらに衰弱が進んで見るに堪えない姿となるため、4人への影響を考えて死んだことにしたと説明した。 ……七海は、後半は嘘だと確信した。こんなマトモな理由のはずがない。が、それを追求する前に療養室に着いた。

     

    陽葵は療養室のベッドで眠っていた。二の腕と腿の中程で四肢は切断されており、厚く包帯が巻かれていた。

    「「陽葵ぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!!!」」

    今日子が真っ先に駆け出し、僅かに遅れて七海が駆け出した。2人ともベッドの脇に立ち尽くし、小さくなってしまった陽葵の姿に絶句し、嗚咽を漏らし、そして泣き崩れた。大声で絶叫する2人。だが、麻酔が効いているのか、陽葵が目を覚ますことはなかった。

    玲香もまた療養室の入り口で立ち尽くし、大粒の涙を流していたが、すぐに異変に気づいた。七海じゃない。今日子。今日子の顔が真っ赤に歪んでいる。娘の身体をメチャクチャにされた憤怒、憎悪! この感じは…… 爆発する!! ダメっ!!!

    同時だった。激昂した今日子が飯森に向かって突進し、それを押さえようと玲香が今日子に向かって突進した。今日子の両手が飯森の首を掴む直前、すんでの所で玲香は今日子の腕を掴み、そのまま羽交い締めにした。

    「放して! 放しなさい! 殺してやる! 殺してやるっ!!」

    「冷静になって! 陽葵ちゃんをこんなふうにしたのは飯森様じゃありませんっ!」

    「うるさいっ! 同罪よ! ここにいる男全員! 全員同罪! 全員殺してやる!!」

    「そんなこと言って…… あなたまで酷い目に遭ったら、誰が陽葵ちゃんの面倒を見るんですか!!」

    「!!!!」

    今日子は雷に打たれたかのように棒立ちになった。

    「私はずっと光希の…… メス犬のペロとポチのお世話をしてきました。メス犬は自分では殆ど動けません。食事もトイレもお風呂も…… 誰かがお世話しないと自分ではもうできないんです!」

    「あぁぁ……」

    「今あなたが飯森様の首を絞めたところですぐには殺せません。そしてすぐに男の人が入ってきて取り押さえられます。監視されてるんですから。 ……きっと酷い罰を受けて、最悪あなたまでメス犬にされちゃったら、もう陽葵ちゃんのお世話もできないんですよ!?」

    「ああぁぁぁぁ……!!」

    「そんなことになったら、誰より陽葵ちゃんが悲しみます。だからどうか…… 怒りを鎮めてください。お願い。もうこれ以上、誰も、傷ついてほしくない…… お願いよ…… 今日子さんっ!!」

    「うああああああああああああああああああああああっ!!!!」

    後半、玲香は泣いていた。今日子も泣いていた。今日子はその場にへたり込むと、床に突っ伏して号泣した。朝から何度目だろう。どれだけ泣いても涙も鼻水も一向に止まらない。無限に湧いてくる。今日子は箍(タガ)が外れたのか、子供のようにひたすら泣き続け、玲香も涙を流しながらそっと今日子を抱きとめた。

    七海はその光景を見ながら絶望していた。 ……まただ。怒りに狂った陽葵を七海が押さえ、今日子を玲香が押さえた。同じだ。あの日の叛逆の失敗を教訓に、佐渡に対する怒りが暴走していた陽葵を七海は止めた。だが、それによって今度は佐渡の方が陽葵に対する嫉妬を暴走させてしまい、結局陽葵は手足を失ってしまった。あの行動は間違っていたんだろうか。正しい選択をしていれば陽葵は手足を失わずに済んだのだろうか。今の玲香の行動は正しいんだろうか。

    七海にはわからなくなっていた。叛逆したら手酷いしっぺ返しがやって来る。でも黙って従っていたって酷いことはやっぱり起こるんだ。じゃあもう、いったいどうしたらいいの? 反抗しても服従しても一緒なら、私はいったいどうしたらいいの……?

    ……今日子が泣き止む気配はない。陽葵が目を覚ます気配もない。七海はもう自分がどうして良いかわからなかった。どうしたら…… そうだ。おねえちゃん。おねえちゃんに会いたい……

    「……おねえちゃんに会わせて」

    先程と同じ言葉。だが明らかに覇気がない。怒気もない。

    「……いいだろう。ただし七海、お前だけだ」

    「…………」

    「……行ってきなよ。ひっく…… ここは任せて?」

    玲香は泣きながらそう言った。玲香も光希が気になるが、今の今日子を、陽葵と2人だけにしておくのは危険なような気がした。 ……七海は、飯森の後を静かに従いていき、療養室を出た。直後、飯森が語り出した。

    「お前にだけは真実を教える」

    「…………」

    「ペロは死んだと嘘をついた理由、納得していないんだろう?」

    「……はい」

    「ふふっ…… 素直だな」

    「…………」

    「ペロはJSPFの専属奴隷だからな。奴隷にせよメス犬にせよ、専属奴隷があそこまで衰弱してしまった場合、あとはもう決まっているんだ」

    「…………」

    「玲香も今日子も陽葵もペロと同じ専属奴隷。陽葵は眠っているが、奴らの前でその運命を教えるわけにはいかない」

    「……なんで」

    「自殺防止だ」

    「は?」

    「ここ、覚えてるか?」

    いつの間にか奴隷用トイレの前にいた。

    「……はい」

    奴隷用のボットン便所。仕切りも何もなく、床に開いた穴に向かって放尿・脱糞するだけの最低の便所。七海も773号室に移る前は毎日使っていた。 ……なんでいまさらこんなトコに?

    飯森は、便所の横にある黒色のドアの前に立ち、虹彩認証を行ってドアを開けた。黒は、奴隷は立入禁止であることを示す色だ。七海も当然入ったことはない。中は薄暗い階段になっていて、降りると小さなスペースがあり、重そうな鉄の扉があった。 ……七海は唐突に、この施設に連れて来られた初日のことを思い出した。虹彩認証を繰り返しながら暗い階段を降りていくと、そこには変わり果てた姉の姿が…… なんだろう。胸騒ぎがする。この中にとてつもない光景が広がっているような気がする。でも、行かなきゃ。きっとこの中にいる。おねえちゃんがいる!

    飯森が再度の虹彩認証を終えてドアを開けた。

     

    「うっ!!!!?」

    激烈な悪臭が七海の脳天を直撃した。反射的に胃液が逆流を開始するが、七海はなんとか口を閉じて嘔吐を阻止し、口の中に溢れた胃液と未消化物を全て飲み込んだ。喉が焼け付くように痛い。

    「なんなの…… ここ……!」

    まさにこの世の地獄だった。8畳程度の薄暗い部屋の床も壁も一面糞便で覆い尽くされ、その中に糞山が幾つも聳えている。いったい何人のうんちを集めたらこんなことになるの…… そう思って七海は絶句した。奴隷用のボットン便所から階段を降りてきた自分には構造がわかる。ここ、ボットン便所の真下だ! 広さも一緒だし! これ、奴隷が出したうんちなんだ!!

    「……察したようだな。そう。ここはボットン便所で奴隷たちが排泄した糞尿を受け止める場所、「便槽」だ」

    「…………」

    七海はただただ恐ろしかった。こんな場所があったなんて。そう思いつつ、七海は以前姉がしていた、用済みの奴隷は便器になって便所に繋がれるらしい、という話を思い出していた。ここが「便所」? ありえない…… ありえない!

    それに、隣にいる飯森がこの悪臭の中でも平気で鼻呼吸しているのが信じられなかった。糞便臭に慣れた七海でさえ、口で息をしないと吐いてしまいそうだというのに。飯森の変態っぷりに驚き呆れるなんてレベルじゃない。もはや恐怖しか感じなかった。

    「中に入るぞ」

    「…………」

    飯森は長靴を履いてからズカズカと便槽の中に入っていく。床は一面糞便の海。足の踏み場もないどころか、床の色がわからないほど茶色一色だ。さすがの七海も、素足で歩くことを躊躇った。だが、飯森はどんどん中へ入っていく。ということは、この中に……。七海は意を決して糞便の海の中に足を沈めた。

    猛烈な吐き気と寒気に襲われながら、七海は周囲を見渡した。部屋の中には男たちが数人いた。そして所々に積もった糞便の山。よく見たら等間隔に並んでいる。ボットン便所に空いた穴と同じ位置。上から落ちてきて降り積もったのだろう。そして、恐ろしいことに、男たちは糞山の中にペニスを突っ込んで前後に動いていた。あまりのおぞましさに、七海の胃液は再び逆流した。なんとかそれも飲み下す七海。

    そのうち、糞山のうちの1つが、他と形状が違うことに気づいた。大きな球状の糞塊が2つ。山の上に突き出ている。糞塊の上にはさらに糞棒が直立している。周囲に男はいないけど…… 僅かに…… 動いた!!? え? これってうんちの山じゃないの!? 人!!? ……まさか!!!!

    七海はその糞山の前で膝を付き、糞塊の表面に付いている分厚い糞を手で取り除いていく。これ、おっぱいだ! おねえちゃんだ!! 怪しい薬で大きくなっちゃったおねえちゃんのおっぱいと乳首!!!

    「おねえちゃん!!!!」

    七海は、姉の身体の上に積もった糞便を全て払っていく。胸に続いて腹に積もった糞便を取り除くと、下腹部に「姉犬」の文字を発見した。やっぱり! おねえちゃんだ!! こんなのあんまりだよ! 早く! 早くキレイに……  えっ?

    その時、手が止まった。思考も止まった。心臓も止まりかけた。腕がない!! 脚もない!! 髪の毛もないっ!!! ……その時、背後にいた飯森がゆっくりと口を開いた。

    「これがJSPFの奴隷の末路だ。死期が近づいた奴隷やメス犬は、麻酔なしで四肢を完全に断たれ、全身永久脱毛処理を受けてここに放置される。点滴で無理やり寿命を延ばされながら、後輩奴隷たちの糞尿を浴び、スカトロマニアの男たちにレイプされ続ける。心臓が止まる瞬間まで、な。」

    「なんてことを……!!」

    「そして死体は縦坑に落とされる。ここは昔鉱山だったと前に教えただろ? この便槽の横には恐ろしく深い縦坑があってな。そこに投げ捨てるんだ。墓穴を掘らなくていいから楽だろう?」

    「…………」

    「死体は糞まみれだから、大量の雑菌で死体はあっという間に骨だけになる。縦坑の底は、そうやって死んでいった奴隷たちの骨で埋まっているらしい。誰も見たことはないがな……」

    「……狂ってる」

    「そうだな」

    「もう、わけわかんない……」

    もう完全に理解不能だった。弱々しく呟くと、七海は考えることを放棄した。考えたくなかった。 ……奴隷の未来は陽葵の未来。いやだ。考えたくない! 考えるな!!

    糞便をあらかた取り除いたとは言え、まだまだ糞便まみれの光希に七海は抱きつき、そしてか細い声で泣き出した。

    「ふえぇぇぇん! おねえちゃん…… おねえちゃん…… もうやだよ…… こんなんもうやだ…………」

    その時、糞山が動いた。

    「な、なみ……?」

    「おねえちゃんっ!?」

    「ななみ…… どうして、ここ、に……」

    「おねえちゃん! おねえちゃんっ!!」

    「ななみ…… ないているの……? だいじょうぶ……?」

    「うわあああああああん!! おねえちゃあああああああああん!!!!」

    七海は姉を抱き締めながら大声で泣いた。強くて賢くて優しい七海はもういなかった。陽葵があんなことになって、おねえちゃんがこんなことになって。姉の姿に陽葵が重なる。陽葵も、玲香も今日子も、いつかはここで……。もうどうしたらいいかわからない。ただ姉に縋り付いて泣き喚くことしかできなかった。

    しばらく泣いて、気が済んだのか疲れたのか、七海は泣き止むと、飯森の方を振り返った。昨年に戻ったかのような弱々しい顔だった。

    「ご主人様。おねえちゃんをここから出してあげてください」

    「無理だ」

    「お願いしますっ!」

    「規則だ」

    「そんなぁっ! お願いします! お願いしますっ!!」

    飯森は七海を興味深く観察していた。本当に昨年、木下家で調教していた頃に戻ってしまったようだ。賢さなど微塵も感じられない。ただ姉に取り縋って泣き、「お願いします」を繰り返すだけ。

    結局、あの強くて賢くて優しい理想の七海は、本当の七海ではなかったということだろうか。最も傷つかない方法はあれしかないと思って、無理をして、努力して、全神経を常に研ぎ澄ませて、理想の奴隷を演じ続けてきたのだろうか。だが、それでも傷ついた。それも自分ではなく、最愛の姉と最愛の恋人が。 ……かくして砂上の楼閣は虚しく崩れ去り、元の七海に、弱々しく人見知りで優しいだけの七海に戻ってしまった。そういうことだろうか。

    昨日、陽葵が手足を失うシーンを会議室のモニターで見る前の飯森だったら、この状況を深く嘆いただろう。理想の七海が消えてしまったと。この1年が無駄になってしまったと。だが、飯森は内心ほくそ笑んでいた。そうだ。これはリセットだ。これからまた、理想の七海を新たに作っていけばいいのだ!

    ……さっそく飯森は話し始めた。

    「ならば条件がある」

    「……え?」

    「ここで最期を迎えるというJSPFのルールは、脱走罪ほど厳格なものではない。外に連れ出すことは可能なのだ」

    「!!」

    「ペロはもはや死を免れないが、それまでの間、清潔な部屋と清潔なベッド、糞尿とは無縁の環境を用意することは可能だ。男たちも近寄らせない。点滴も充分投与してやろう」

    「!!!!」

    「ここまですれば、ペロの寿命はもう少しだけ延びるだろうな」

    「ありがとうございます! ありがとうございます、ご主人様っ!」

    「まぁ待て。条件があると言っただろう?」

    「……はい」

    飯森は、ただでさえ醜悪な顔をこれまでにないほど醜く歪ませると、これまでにないほど残忍な笑みを浮かべた。

    「ダルマになれ」

    「……だる、ま?」

    「ペロと同じ、手足の全くない身体になるのだ」

    「!!!!!!!!」

    「そして773号室でオナホールとして生きていく。自分では動けず、3つの穴を俺や客たちに使われるだけのオナニーの道具になるんだ」

    「!!!!!!!!」

    「それを受け入れるなら、姉をここから出してやる。手足を斬る際は麻酔を使うこと、全身の永久脱毛は行わないことも約束しよう」

    「…………………」

    七海は呆然とした。頭も身体も完全に凍り付いた。何も考えられない。あまりに予想外で、あまりに意味不明で、あまりに残酷な話だった。オナニーの道具って…… オナホールって…… そんなのメス犬よりも酷い…… ありえないよ…………!

    「だめ……! ななみ……! そんなの、ぜったい、だめっ……!!」

    同じくダルマ状態の光希は、七海の目を見て必死に訴えた。もう大きな声が出ない。それでもなんとか声を振り絞る。そんなの絶対だめっ!!

    「わたしは、どうせ、しぬの…… だったら、どこにいても、おなじ…… ななみのてあし、むだになっちゃう……! そんなの、だめ! ぜったいに、だめっ!!」

    七海は、光希の必死の説得を、涙を流しながら聞いていた。そう。おねえちゃんならこう言ってくれる。絶対言ってくれる。 ……私はどうしたらいいんだろう。考えなきゃ。考えなきゃ。 ……だめ、考えられない。集中できない。なんで? なんで??

    その時、飯森が七海の耳元で囁いた。

    「ふふふ…… もうマトモに考えることもできないか? どれ、お前に代わって考えてやろう……」

    そう言って、飯森は「理想の七海」ならどのように考えるかをシミュレートし始めた。

    「ご主人様がこんな話をしだしたということは、ご主人様は私の手足を奪う決断をしたということなんじゃないだろうか。だとしたら、今回拒絶したところで、今後もことあるごとに選択肢を提示してくるに違いない。しかも次回の選択肢からは、麻酔ありという項目が抜けてしまうかもしれない……」

    「…………」

    「私はご主人様の個人奴隷だから、死にそうになってもここへ落とされることはないだろうが、ご主人様は私より30以上も年上だ。順番から言えばご主人様が先に死ぬ。そうなったら私は自動的にJSPFの専属奴隷だ。そしてその時点で多分オバサン。需要なんてない。酷使された挙げ句にここに落とされる。結局はダルマになる。しかも麻酔は打ってもらえない」

    「……!!」

    「やめて! ななみは、そんなこと、かんがえないっ!!」

    「ふふふ…… どうかな?」

    「…………」

    「ご主人様に逆らったからお姉ちゃんの片目は潰された。だからご主人様に絶対服従を誓った。それなのに陽葵はメス犬になり、お姉ちゃんはダルマになった。逆らっても従っても結局は同じこと。お姉ちゃんがさっき言ったとおりだ。どこにいても、おなじ。どうあっても最後はダルマ。だったら…… 痛くないほうがいいんじゃないかな?」

    「!!!!」

    「やめろぉっ!!」

    七海は呆然としながら悪魔の囁きを聞いていた。自分はこんなこと、考えるだろうか。わからない。わからないけど、確かに、今ダルマになっておけば麻酔は打ってもらえる。手足を切断される痛みなんて想像できないし、したくもないが、きっとものすごく痛いに違いない。出産よりも遥かに。そんなのイヤだ。絶対イヤだ!

    囁きはまだ終わらない。

    「唯一の懸念は美海だ」

    「美海っ!」

    「30年後ならともかく、美海は未だ生後3ヶ月だ。育児は不可欠だが、ダルマになってしまえば育児はできない」

    「!!!!」

    「でも、現状でも美海の世話は玲香さんに任せっ放しだ。他の3人よりも調教が激しいせいで、育児をする時間や体力はいつも残らない。玲香さんが忙しい時は今日子さんが代わりを務めるし、たまには陽葵が代わる。私はごくたまに哺乳瓶で授乳するくらい。そんなの子育てとは言えない。どうせ子育てできないのならダルマになっても同じことかも?」

    「……!!」

    「いいかげんに、しろ!!」

    「だったらいっそのこと自分もダルマになって、母娘で玲香さんのお世話になるというのはどうだろう? 玲香さんの負担が増えないよう、玲香さんが受けていた分の調教も全部私が引き受ければ、なんとかなるんじゃないかな……?」

    「!!!!」

    「そんなこと、ななみが、かんがえるわけ…… ないでしょ!!」

    「…………それに、ご主人様はダルマが欲しいんだ。私が拒否したら、ご主人様は美海の手足を切り落とすかも……」

    「「!!!!!!!!」」

    トドメの一撃だった。七海だけでなく光希も言葉を失った。七海は絶望し、光希は激怒した。なんてことを。七海の立場で考えるなんて言っておきながら、七海の心を揺さぶって巧みに誘導し、最後は娘を人質にして他の選択肢を潰すだなんて。なんて、なんて……

    「なんて、ひれつなの? どこまで、ひきょうなの!? あなた、アクマよ……!!」

    光希は涙を流しながら飯森を罵った。さっきまでよりもさらに覇気が落ちている。最後の一言、あれを言われてしまったら七海に選択肢はない。ただでさえ絶望に次ぐ絶望で思考力が落ちているというのに。次に七海が言うであろう言葉を、光希はもう否定できない。自分の手足と娘の手足を天秤に掛けられて、自分の手足を失う決断する母親を、責めることなんてできない。できるわけがない。

    「……………………わかりました。私、ダルマになります」

    「ああぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ…………!!」

    長い沈黙の後、七海は小さな声で言った。光希は慟哭した。絶望に塗り潰された真っ黒な声が、便槽の中を弱々しく満たしていった。

    「でも、あの、ひとつだけ確認させてください」

    「なんだ?」

    「ウソ…… ついてませんよね? おねえちゃんをこのままにしたり、しませんよね?」

    「ああ、約束しよう。手足の切断手術をするより先に、光希を他の部屋に移してやる。お前にも見届けさせてやろう」

    「わかりました」

    「じゃあ出るぞ。そこにシャワー室がある。お前と光希の汚れを落とせ」

    「……はい」

    七海は飯森の言葉を信用できなかったが、もう他に何も考えられなかった。七海は、悲しいほどに軽い姉の身体をそっと抱きかかえて、便槽の入口横に設けられたシャワー室に入った。奴隷の成れの果てを陵辱した後、男が汚れを落とすための場所で、七海は自らと姉の身体に付いた糞便をシャワーで落としていった。

    顕(アラワ)になる骨と皮だけの身体。それに対して不釣り合いなほどに膨らんだ巨乳。普通、これだけ痩せてしまえば、いかな巨乳と言えども萎んで垂れ下がってしまうものなのに、違法薬物の過剰摂取によって膨らんだそれは、未だパンパンに膨らんだまま、まるでメロンのようだった。姉の身体から栄養を、体重を、ありとあらゆるものを吸い取って膨らみ続ける呪われた肉塊…… 七海はそんなことを思いながら乳房の汚れを落としていく。

    ここまでは見慣れている七海も、永久脱毛されて髪の毛も眉毛も睫毛も、何もかも失くなってしまった姉の顔は、あまりに無残で、見るに耐えなかった。 ……それでも見ないわけにはいかない。恐らく今生の別れになるのだから。七海が四肢を失って切断箇所の傷が治って麻酔が切れて目覚めるまでに1ヶ月以上かかると飯森は言っていた。さすがにそれまでは保たないだろう。だから最後の最後。今度こそ、本当のお別れ。

    ……飯森が見守る中、七海は糞色の包帯を慎重に外し、抜糸も済んでいない縫合部にもぬるめのシャワーをそっと当てて汚れを落とした。続けて柔らかなスポンジにたっぷり洗剤を付けて、光希の全身をくまなく洗っていく。顔、頭、首、肩、胸、腹、背中、腰。それだけしかない。縫合部は、スポンジではなく素手でそっと洗っていく。ズタボロになった膣や肛門に手を挿れて、こびり付いた汚れを掻き出していく。もう苦痛も快楽も何も感じていないようだった。眼帯も外して目の周辺を優しく洗い、口の中の汚れも手で掻き出して歯茎や長舌を手で磨いていく。最後に全身にシャワーを浴びせて泡を落とし、ようやく全身の洗浄が終わった。

    こんなにも大変だったんだ。これを玲香さんは毎日やってくれてたんだ。そして、ダルマになった私のお世話は……。飯森の言う通り、母娘ともに玲香に世話してもらうことになるのだろう。そこまで玲香に押し付けるのか。彼女だって奴隷なのに。辛い思いをしているのに。だが、美海の手足を人質に取られてしまってはもうどうしようもない。

    光希は、七海が身体を洗ってくれている間、なんとか七海も美海もダルマにならずに済む方法を考えた。脳細胞も死に始めている中、必死に必死に考えた。唯一考えついたのは、人質役を七海でも美海でもない第三者に移すこと。でも、自分はもう既にダルマ状態で、しかも瀕死だ。人質としての価値はない。じゃあ陽葵ちゃん? 玲香さん? 今日子さん? ……そんなことできるわけないじゃない! 一瞬でも考えた自分に腹が立つ! やっぱりいない。人質を代われる人なんていない。七海がダルマになる以外の選択肢がない。1個もない……

    七海は、飯森が呼んだ裏沢からキャリーケースを受け取ると、自ら光希を中に入れてケースを閉じ、大事に大事に抱きかかえた。ケースを引きずって運ぶなど考えられなかった。七海は飯森の後に従いてシャワー室を出、階段を登ってボットン便所の前を通り、しばらく歩いて、小さな部屋に入った。真ん中にベッドが置かれただけの簡素な部屋だった。

     

    七海はケースから光希を出した。これまでならケースを開けた瞬間に辺りに糞便臭が広がったのに、それがない。それが悲しい。 ……七海は、清潔そうな真っ白なシーツが引かれたベッドの真ん中に光希を寝かせた。そして唇にそっと唇を重ねた。

    「じゃあね、おねえちゃん」

    「ななみ……」

    「これまで、ありがとう…… ひっく」

    「こっちこそ、ありがとう…… ぐすっ」

    姉妹は互いに礼を言ったが、それ以上言葉が続かなかった。そしてしばし互いを見つめ合う。痩せ衰え、歯も左目も髪も眉毛も睫毛もない姉の顔。頬が痩け、歯もなく、額に入れ墨を入れられた妹の顔。だが、脳裏にはあの頃の顔が重なっていた。

    昨年の8月4日の朝。光希が両親とスポーツ用品店に出掛ける前。一家4人で食卓を囲んで食べた朝食。姉妹はテニスの話題で盛り上がっていた。姉は太陽のように眩しい笑顔、妹も月のように穏やかな笑顔。互いに笑いながら幸せの時を過ごしていた。

    あれから1年と8日。まさか、こんなことになるなんて。見るも無残に変わり果てた互いの顔を見ながら、無言のまましばしの時間が流れた。 ……先に口を開いたのは姉だった。

    「わらお?」

    「え?」

    「さいごに、ななみの、えがお、みたい」

    「……うん。私も。おねえちゃんの笑顔、最後に見たい」

    姉妹は同時に笑った。目に大粒の涙を溜めながら、口の両端を上げて、歯茎を見せないよう口は閉じたまま、互いを見つめ合って。薄く、優しく、静かに笑った。

    そして同時に言った。

    「「……さよなら」」

    七海はベッドから降りると飯森に睡眠薬を渡され、その場で飲んだ。急速に眠気に襲われ、七海は崩れ落ちながら意識を失った。その寸前、声が聞こえた、気がした。

    「七海っ!」

    声のした方を振り向くと、真っ黒に日焼けして、真っ白な歯を見せて、ポニーテールの髪を風にたなびかせながら、太陽のように眩しい笑顔で妹を呼ぶ姉が、そこにいた、気がした。

    飯森は、床の上で眠りこけている七海を自らストレッチャーに乗せると、部屋から出て行く。その際、光希に一言だけ声を掛けた。

    「じゃあな、ペロ」

    「…………」

    裏沢は、飯森がいなくなると、光希を再びキャリーケースに押し込んだ。戸惑う光希を完全に無視してケースの蓋を閉める裏沢。次にケースの蓋が開いた時、光希は猛烈な糞便臭に襲われた。

    裏沢は光希をもといた場所に乱雑に置くと、何も言わずに出て行った。便槽のドアを閉める直前に光希が弱々しく叫んだが、すぐに分厚いドアに阻まれて聞こえなくなった。

    「うそつきいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

    JSPF専属奴隷の最期の場所はあくまで便槽。死ぬ前に「一時的に」外に連れ出すことはできるが、その鉄則は誰にも変えられないのである。

    尚、この時、光希の4つ隣の糞山の下に佐渡がいた。ダルマにされて身体は動かず、声帯を潰されて声を上げることもできなかった。大量の糞を詰め込まれて口も食道も胃も腸も炎症を起こし、酷い食中毒症状が出ていた。身体中の傷口から雑菌が侵入して全身が化膿し、一部では壊死し始めていた。男たちも気持ち悪がって近づかなかった。身体の中も外も灼熱の激痛に絶えず襲われているのに、身体を動かすことすらできない。姉妹や飯森の声を聞きながら、佐渡はひたすら後悔していた。心の中でごめんなさいを繰り返し唱え続けた。だが3人が佐渡に気づくことはついになかった。

    ……数時間後、飯森はJSPF内の手術室において、自ら七海の手足を切断した。切断された手足は血を抜いて防腐処理が施され、773号室のリビングに飾られた。

     

    V:新たな地獄(1)

     

    それから2週間の間、玲香と今日子は奴隷奉仕免除となり、療養室にベビーベッドその他を持ち込んで、美海の世話をしつつ、付きっきりで陽葵の側にいた。たまにやって来る女医の話では、陽葵の術後経過は良好とのことだった。

    だが、問題はもう1つあった。七海まで行方不明になってしまったのだ。女医に聞いても知らないの一点張り。飯森も堀田も療養室には一切顔を見せない。2人は療養室に監禁状態で、773号室に戻ることもできず、七海と陽葵のことが気になって夜もあまり眠れなかった。特に今日子は不眠の度合いが激しく、ストレスから急速に白髪が増えていった。

    2週間後の朝、キャリーケースを持った裏沢が療養室に入ってきた。陽葵をケースに入れると、今日子に同行を命じ、玲香には美海とベビーベッドを持って773号室へ行くよう命じた。

    調教区画を過ぎて階段を降り、メス犬区画へ。今日子は、娘の入ったケースがゴロゴロと引きずられる様が我慢できず、自分がケースを抱きかかえて運ぶからと裏沢に頼み込んだが、「慣れろ」と短くあしらわれた。

    光希がかつて使っていた9号室の前で裏沢は止まり、虹彩認証をパスしてドアを開けた。脱臭剤のおかげで、部屋中に染み付いていた糞便臭は消え去っていたが、淀んだ空気と薄暗い照明は以前のままだった。

    部屋の真ん中で裏沢がケースを開けると、陽葵は既に目を覚ましていた。

    麻酔が切れていた陽葵は、運搬時の振動で目を覚ました。そして真っ暗なケースの中で、ひとり絶望していた。手足がない。見えないけどわかる。ケースの中で身体を激しく揺すられながら、手足で踏ん張ることができない。ホントにメス犬になったんだ! 手足なくなっちゃったんだ!! 夢じゃ、なかったんだ!!! 陽葵はケースの中で泣き喚こうとし、もう1つの異変に気づいた。そしてさらなる絶望の中に叩き込まれた。

    「うああああっ!! あぅ!! んあああっ!!」

    ケースから出た陽葵は、短くなった四肢をばたつかせながら辺りを見回し、母親の姿を見つけると声を張り上げた。

    「あういあ! んあっ! おあぁあん!!」

    ああ、やっぱりだ。言葉が…… 言葉がしゃべれない! なんで!? 声は出るのに、あいうえおしか言えない! なんで!? 光希お姉さんもポチも普通にしゃべれてたのに!! なんでっ!!?

    「あぅああ!! いあぁ!! おいあうああうあっ!!」

    今日子も異変に気づいた。短い四肢をばたつかせる姿があまりに悲しくて、見ていられなくて、今日子は思わず目を逸らしたのだが、声を上げ始めた陽葵がいつまで経っても母音しか発しないことに気づいた。始めは、麻酔が残っているからだと思った。だが様子がおかしい。今日子は娘の口元を凝視した。普通だ。歯も舌もある。口にも喉にもどこにも外傷はない。なのに、なぜ喋れないの? なぜ!? なぜっ!!?

    ……陽葵は、この施設の秘密を、便槽と竪穴の秘密を知ってしまった。だが、ここには隔離状態だった773号室と違って、ポチを始め多くのメス犬たちがいる。それに今日子も玲香も未だその秘密を知らない。故に、陽葵をそのままにしてはおけないのだ。陽葵はレーザー装置によって四肢を断たれた後、声を失うことなく言葉のみ発することができなくなるよう、追加手術を受けさせられていたのである。

    何らの説明もないまま、絶望の底で陽葵と今日子は抱き合い号泣した。と、その時、9号室に大勢の男たちと、メス犬のポチが入ってきた。さらに堀田が入ってきて、母娘に向かって言った。

    「さあ、今日の調教を始めるぞ。これからは午前の調教はここで行う。用意はいいか? ヒナ、今日子!」

     

    ……その頃、玲香は773号室に移動していた。そして虹彩認証をパスして中に入り、寝室兼育児室に入った途端、絶句した。身体も思考も呼吸も脈も心臓も、何もかも一瞬停止した。

    七海が、いた。手足が、なかった。この2週間ずっと一緒にいた陽葵とも、半年以上世話してきた光希とも違う。手も足も、付け根から全部失くなっていた。丸っこい胴体と、その上に首。たったそれだけ!

    「やあ、玲香」

    後ろで声がした。ようやく玲香の時が動き出した。飯森だった。

    「七海はご覧の通り「ダルマ」になった。玲香には引き続き七海の専属世話係になってもらう。七海と美海の世話。それがお前の仕事だ。いいな?」

    「ダルマ……」

    時は動き出しても、思考が追いつかない。何を言ってるの? この男は……

    「七海が起きるのは約2週間後だ。それまでは美海の世話を中心に、1日1回七海の身体を拭いてやってくれ」

    「…………」

    「それから、仁科母娘は基本的にはもうここには来ない。陽葵、じゃなかった、ヒナはメス犬区画9号室で生活し、今日子は雑用係となってカプセルベッドで寝起きしながらヒナとポチの世話をする。以前のお前のようにな」

    「…………」

    「七海が起きたら、午前中の調教だけは堀田氏と合同でこの773号室で行う。その時だけは仁科母娘もここへ通うことになる」

    「…………」

    「因みに、773号室は、この七海の寝室と隣のリビング、奴隷用のシャワーとトイレ、あとお前の部屋…… それ以外は全面リニューアル中だ。今は入れないからな?」

    「…………」

    「七海が起きるまでは、ここにやってくる客の相手は全てお前がしろ。場所はリビングとトイレのみ。大変だろうが、美海と七海の世話を忘れるなよ?」

    「…………」

    「以上だ」

    玲香は何も言えなかった。無視とかではなく、本当に言葉が出てこなかったのだ。この男は、七海のことを愛しているんじゃないの? なんでこんな酷いこと、平気でやれるの? 信じられない…… 信じられない……!

    言いたいことだけ言ったら、すぐ部屋から出ていこうとする飯森に対し、玲香はようやく一言だけ絞り出すことができた。

    「…………狂ってる」

    「結構。最高の賛辞だ」

    「…………」

    玲香はそれ以上何も言えなかった。飯森と入れ替わるようにして、男たちが入ってきた。奴隷たちの休息は終わったのだ。

     

    ……同じ頃、光希はついに息絶えた。男がペニスを光希の膣に挿入したら、中が冷たくなっていたのだ。男はスマホで光希の死亡を報告すると、死姦を開始した。しばらくして、光希の死を知った男たちが続々と便槽に入ってきて、光希の冷たい穴にペニスを突っ込み、射精していく。記念と称して右目をくり抜いていく者もいる。やがて糞まみれの死体の表面が白濁液で覆われると、男たちは、重さ10kgにも満たない光希の死体を皆で担ぎ上げ、隣の縦坑まで運んで穴の中に勢いよく投げ捨てた。あまりに深く、底の見えないその穴。落下音は聞こえなかった。

    光希は数百人分の人骨の上に落下した。重い頭部が下になって落ちていったため、光希は骨の海に真っ逆さまに墜落し、鋭利な骨の破片が頭蓋骨に突き刺さって脳味噌が周囲に飛び散る。この状態のまま光希は朽ちていく。

    周囲には、真っ黒に腐った挙げ句、細菌に分解されてバラバラになった「何か」の成れの果てが散らばっていた。

     

    VI:新たな地獄(2)

     

    9月12日。七海が四肢を失ってちょうど1ヶ月後、七海は目覚めた。

    「ああい?(七海?)」

    目の前に陽葵がいた。よかった…… 陽葵がいる。なんだ、全部夢だったのか……

    だがすぐに異変に気づく。陽葵の手足がない。自分のもない。身体が動かない。全く動かない。首しか動かない!

    「あぁぁ…………」

    ああ、ホントになってしまったんだ。ダルマに。オナホールに!

    「ああい…… おあっあ…… いいええおあっあおぉ……(七海…… よかった…… 生きててよかったよぉ……)」

    目の前ではメス犬になった陽葵が泣いている。よかった。お互い酷い身体になっちゃったけど、取り敢えず生きててくれた。無事みたいでよかった……んだけど、なんか変。なんだろ。なんで陽葵、あーうーしか言わないの? 猿ぐつわとかされてないのに。 ……え? ちょっと! なんで!? なんで言葉、しゃべれないの!? なんで私の名前、呼んでくれないの!!? 陽葵っ!!!?

    違和感は急速に膨れ上がって不安となり、衝撃、動揺を経て絶望となった。陽葵が…… 陽葵がっ!!

    そしてようやく辺りを見回す。手と足がない。玲香さんもいない。おねえちゃんも、ご主人様も。 ……あれ? なんで今日子さん、あんなに髪の毛白いの? 染めた……わけじゃないよね? 白髪? まだ若いのに…… ちょっと前まで真っ黒だったのに!

    何がどうなっているんだろう。色々陽葵に聞きたいが、言葉にならない。だって陽葵、言葉が……!!

    半ばパニックになりかけているところに、飯森と玲香が入ってきた。玲香は大きな姿見を持っていた。

    「おはよう、七海。気分はどうだ?」

    「……ご、主人さま」

    「今日からお前は俺のオナホールだ。末永く使ってやるからな」

    「…………」

    飯森の横に置かれた鏡。首だけ動かして鏡を見ると、そこにはオナホールとなったダルマの自分が映っていた。よく見たら下腹部にいつの間にか「妹ダルマ」という焼印が捺してある。それだけではない。言葉を失ったメス犬のヒナ、若白髪が増えた今日子、涙を流して俯いている玲香、邪悪な顔で笑う飯森。4人の姿も映っている。 ……そして光希の姿はない。

    あの夏の日。自宅を警察官が訪ねてきたあの時から1年と39日目。新たな地獄が始まったのだ。七海は堪らず絶叫した。

    「もういやああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

     

    VII:永遠

     

    ……あれから29年の月日が流れた。

     

    既に多くの者がこの世の地獄から解放されて天国へと旅立っていった。そして今、78歳になった飯森則夫が真の地獄に落ちようとしていた。末期の癌。癌細胞は既に全身に転移しており、余命1週間と宣告されてから9日目。抗癌剤の影響で白髪は全て抜け落ち、小太りだった身体は見る影もない。七海に絶望と快楽を与え続けた剛棒も、今は萎びた生ゴミのようだ。そんな枯れ枝のような身体で病室のベッドに横たわり、管まみれになって全身の疼痛にひたすら耐えていた。

    傍らに七海がいた。46歳になった七海は、一男四女を産んで骨などはかなり脆くなり、昔と同じ色に染められている髪も、染料の下は既に総白髪となっていたが、世話してくれる者たちの日々の手入れと、飯森が行わせた整形・美肌・老化防止など様々な手術のおかげもあって、表面的には信じられないくらいの若さと美貌を保っていた。手も足もないダルマ姿でベッド横の椅子に座り、飯森の方を静かに見つめていた。

    ……飯森が沈黙を破った。喋ったのは2日ぶりだ。

    「七海…… どうやらこれまでのようだ…… これまでありがとう…… すまなかったな……」

    「…………」(いまさら…………)

    「最期に…… 声を…… 聞かせてくれないか……」

    「ご主人様。最後に1つ、お願いがあります」

    「……なんだ? 癌に殺される前に自分で殺したいか? 儂を……」

    「……違います。逆です。死ぬ前に私を殺してください」

    「…………」

    「癌で死のうが私が殺そうが、ご主人様が死んだら私は自動的にJSPFの所有物になります。ご主人様以外の人に抱かれ続けて、使われ続けて、いつかは便槽に落ちる運命です」

    「…………」

    「こんな身体では自殺もできません。歯がないから舌も噛み切れません。ですから…… お願いです。私を殺してください。一緒に死んでください。 ……もう、これ以上、私に酷いこと、しないでください。お願い、します……」

    「七海……」

    「そこの花、花瓶、ガラスですよね。落として割って、ガラスの破片で私の首を切ってください」

    「ふふっ…… 最後に主人に命令するか…… だが手が届かん」

    「立って取りに行ったらいいじゃないですか」

    「そんな力、残っとらんわ…… それに立ったら管が外れる」

    「だから今まで言わなかったんです。もうすぐ死ぬんですよね? だったら立っても同じことじゃないですか」

    「ふ…… ふはは…… お前は本当に賢いな…… わかった。やってみよう」

    「ありがとうございます、ご主人様」

    飯森はベッドを起こすと最後の力を振り絞って立ち上がった。管が次々に抜けていく。なんとか花瓶の前までやって来ると、花瓶を掴み上げようとしたが、手はもうマトモには動かなかった。仕方がないので手全体を横に動かして花瓶を床の上に落とす。ガシャンと大きな音がして花瓶は砕け、ナイフのように鋭いガラス片が飯森の足元に転がってきた。飯森は、どうにかそれを拾い上げると、足を引きずるようにして七海の方へ歩いていった。管が抜けたからか、血圧が乱高下して激しい目眩に襲われる。だが、それでも歩みは止めず、どうにかこうにか七海の前に辿り着いた。震える両手でガラス片を握ると、七海の首元、頸動脈の辺りに持っていく。その時、七海が小さな声で言った。

    「ありがとうございました、ご主人様。さようなら……」

    そして小さく笑った。飯森を魅了したあの蠱惑的な笑みでも、陽葵に見せた満面の笑みでも、姉と別れた時に見せた優しい笑みでもない。透き通るような微かな笑み。30年、命を燃やしながら主人に奉仕してきた末の、灰のように白く温かく穏やかな表情。少女のような可憐さと年相応の深みが重なって…… ああ、なんて美しいんだ。愛しの七海。最期の最期にとっておきの笑顔を見せてくれてありがとう。最期の力を振り絞った甲斐があった。これでもう思い残すことはない。

    「ありがとう、七海…… ありが…………っ!」

    駄目だ。意識が保たない。手に力が入らない。最期に。あと1秒でいい。最期に、力を…………

    視界が暗転する刹那、飯森は赤い鮮血を見た。見た気がした。次の瞬間、飯森の魂は肉体から離れて地獄へと落ちていった。

    七海の視界も赤一色に染まっていた。燃えるように鋭い痛みがほんの一瞬だけチカッと走り、すぐに視界が黒ずんでいく。完全なる闇に閉ざされる直前、立ったまま絶命した飯森の身体が病室の床の上に崩折れていくのが見えた気がした。

    意識が遠のいていく。痛みはない。何もない。こんな安らかな最期が迎えられるなんて。私の大切な人たちは、みんなあの便槽で苦しみながら非業の死を遂げ、縦坑の底で骨になったというのに。七海は罪悪感を覚えつつも飯森に感謝した。生まれて初めてこの男に感謝した。

    だが、どうもスッキリしない。もうすぐ死んじゃうのに最期の最期でこの男に感謝することになるなんて。憎いままで終わればよかったのに。 ……最低。最期まで最低なやつ。でも、まぁいっか。もうすぐ終わるんだし。ああ…… 終わるんだ…… やっと、終わるんだ…………

    視界は既に真っ黒。何も見えないし何も聞こえない。何も臭わない。苦痛も快楽もない。ああ、いつかの夢の続きだろうか。でもいつかの悪夢はものすごい圧迫感があった。今はそれがない。自分の肉体の存在すら感じない。何もない空間に、ただ1人。

     

    ……ふと、何かが見えた気がした。飯森の死体じゃない。そんな汚物じゃない。あれは…………

    陽葵だ。陽葵がいる! 懐かしい。たった1人の私の恋人。あの頃の姿のまま、満面の笑みを浮かべて手を振ってくれている。手がある。足もちゃんとある。よかった、元気そうで。よかった、また会えて。会いたかったよ…… 何年、何十年経っても大好きだよ。ずっと愛してるよ、陽葵……!

    傍らには今日子さんがいて、さらにその隣に美海がいる。美佳美奈美久がいて、見覚えのない男の子もいる。もしかして、出産直後に別れた子だろうか。その横には玲香さんと見知らぬ子供たち。それに、ポチがいる。手足があって、満面の笑みで…… あんなに可愛らしい子だったんだ。本当の名前、知らないままでごめんね…… そしてその隣には……

    ああ、おねえちゃん。おねえちゃんだ! 会いたかった…… よかった、ちゃんと手足がある。健康そうに日焼けして、真っ白な歯を見せながら、眩しすぎる笑顔で…… 何か言ってる。腕を大きく振って何か言ってる。声は聞こえないけど、こっちにおいでって言ってる気がする……

    その横にいるのは…… あぁぁ…… お父さん…… お母さん…… 会いたかったよ…… ずっと…… ずっと…… おかあさん…… おかあさん…………

    いまいくね…… わたしもそっちいくね…… みんな…… みんな、いっしょ…………――――――――――

     

    +++++++++++++++++++++++

     

    佐渡 彩音(享年33):16歳、清隷女学園高等部1年の時に堀田荘司に調教され、17歳でJSPF専属奴隷。18歳の時にS役専門となり22歳で堀田に身請けされる。25歳の時に私立清隷女学園教師に就任。国語担当。33歳の時に仁科陽葵を唆した罪により全身に重傷を負い、さらに四肢切断。便槽にて細菌性胃腸炎(食中毒)・破傷風に罹り、全身が壊死して敗血症により死亡。

    木下 光希(享年18):木下七海の姉。17歳、清隷女学園高等部3年の時にJSPFの専属奴隷となるが49日後に逃亡。それまでに反抗・奉仕拒否ほか微罪多数。これにより四肢切断・全抜歯・T-ZL3投与の刑となり、メス犬「ペロ」に改名。妹の七海がJSPFのゲスト奴隷となった82日後、姉妹揃って飯森に叛逆するが失敗して左目失明。その後はT-ZL3の過剰摂取により急速に衰弱。18歳にて多臓器不全のため処分。

    北條 千秋(享年19):木下七海・仁科陽葵と同齢。12歳、清隷女学園中等部1年の時に堀田荘司に調教され、13歳でJSPF専属奴隷。14歳の時に逃亡し、メス犬「ポチ」となる。15歳の時ペロと、後に陽葵とペアで調教されるようになる。19歳にて衰弱のため処分。

    仁科 今日子(享年44):仁科陽葵の母。商社勤務。39歳の時に娘の陽葵とともに堀田荘司に調教されて、JSPF専属奴隷となる。陽葵らとともに通称「773号室」にて過ごし、優秀な奴隷に育っていた最中、陽葵がメス犬、木下七海がダルマとなる。この頃から老化が進み、出産ショーでは女児を死産。一時精神を病むものの、この頃鬱状態だった七海を懸命に励まし続ける娘を見て立ち直る。しかし43歳頃からさらに老化が加速。44歳にて衰弱のため処分。

    仁科 陽葵(享年26):仁科今日子の一人娘。木下七海・北條千秋と同齢。七海とは清隷女学園高等部1年A組の同級生。16歳の時に母の今日子とともに堀田荘司に調教され、JSPF専属奴隷となる。直後に七海と再会して友人に、後に恋仲となって773号室で過ごす。しかし佐渡彩音に脅迫されて逃亡。メス犬「ヒナ」になると同時に言葉も失う。ほぼ同時期に七海もダルマとなったが、当初鬱状態だった七海をヒナが筆談とセックスで励まし続け、2ヶ月後に七海は回復した。その後、身体が徐々に壊れていく中においても七海と恋人関係を続け、長女を出産。21歳の時に今日子が処分され、直後に自身も男児を死産すると徐々に衰弱。七海の懸命の励ましもあって、その後さらに5年間メス犬として活躍し、さらに一男一女を設けるものの、26歳にて衰弱のため処分。

    澤田 玲香(享年37):19歳の時に友人のトラブルに巻き込まれて破滅し、20歳の時にJSPF専属奴隷となる。22歳で雑用係となり、23歳の時にペロの担当となる。木下七海が773号室に移ってからは彼女の専属世話係となり、特に七海がダルマとなって以降、七海の世話と七海の子供たちの育児を一手に引き受ける。三男三女を出産。37歳にて衰弱のため処分。七海の世話係は七海の長女の木下美海が引き継いだ。

    堀田 荘司(享年85):JSPF理事、清隷学園理事長。24歳の時にJSPFに入会し、49歳の時にJSPF副理事並びに清隷学園理事長に就任。以降、学園の生徒を調教して定期的にJSPFに提供。54歳にてJSPF理事就任。62歳の時に773号室を新設。70歳で引退。85歳にて老衰のため死亡。

    木下 美海(享年27):木下七海の長女で飯森則夫の個人奴隷。奴隷養育施設ではなく773号室にて育つ。父の遺伝子をほぼ受け継がず、母以上の絶世の美少女となる。13歳の時に長女の美樹を出産し(父は飯森)、以降三男四女を設ける。14歳の時、澤田玲香の処分に伴い母の世話係に就任。27歳にて衰弱のため処分。ほか、次女の美佳は調教中に事故死(享年16)、三女の美奈は長女を設けるも21歳にて衰弱のため処分、四女の美久は出産直後に死亡、長男のは少年奴隷として別施設で人気を博するも、22歳にて衰弱のため処分。七海死亡時の世話係は孫の美樹(16)。美樹には長女の美緒(2)がいる(七海の曾孫)。七海の死後、存命の者は全員JSPFの専属奴隷となり、幼年の者は奴隷養育施設へと送られた。

    飯森 則夫(享年78):投資家。36歳の時にJSPFに入会。47歳の時に木下七海を調教し個人奴隷とする。48歳の時、JSPF内に居を移し、以降七海はJSPFのゲスト奴隷となる。七海の長女出産に伴い773号室を設計。3ヶ月後に七海はダルマとなる。その後も七海や七海の娘・孫たちとの間に多くの子供を設ける。78歳にて七海と心中。

    木下 七海(享年46):木下光希の妹。仁科陽葵・北條千秋と同齢。陽葵とは清隷女学園高等部1年A組の同級生。15歳の時に飯森則夫に調教されて個人奴隷となり、その後JSPFのゲスト奴隷となる。姉妹揃って飯森に叛逆するが失敗し、絶対服従を誓う。その後陽葵と再会。長女出産後は773号室に移り、「理想の奴隷」として人気を博す。陽葵とは恋仲となる。陽葵がメス犬「ヒナ」になった直後にダルマとなり、しばらくは鬱状態になるが、ヒナの懸命な励ましによって徐々に回復し、2ヶ月後には「理想の七海」に戻った。その後も「理想のオナホール」として高い人気を維持し続け、一男四女を設けたが、いずれも母より早世。46歳の時、JSPF内の病室にて飯森と心中。

     

    (死亡順)

     

    ……JSPFは木下七海の死後も変わらず存続し続けている。たとえ日本国が滅びようと、この施設が滅びることはないだろう。今日も施設内の至るところで奴隷たちの嬌声が、七海の子孫たちの悲鳴が上がり、縦坑の底で人知れず骨が増えていく。死んだ奴隷たちの骨の海の上で、生きている奴隷たちの生き血を吸いながら、JSPFは生き続ける。

     

    ……永遠に。

     

  • ハードSM小説『奴隷姉妹』 第9章 – 奴隷200日目

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    I:奴隷200日目 – 朝

     

    5人が語り明かした日から1ヶ月少し経った7月6日。七海はいつものように午前6時ちょうどに飛び起きた。爆音ブザーは鳴らなかった。爆音を鳴らすと美海が泣き出してしまうため、七海に埋め込まれたマイクロチップが午前6時に電流を流して七海を叩き起こすという方式になったのである。

    七海は、チップが埋め込まれている右の手首の辺りをさすりながら、寝室を出た。そしてリビングから世話係用の部屋へと向かう。扉を開けると美海と玲香がいた。玲香は、七海と同じように6時に叩き起こされた後、ベビーベッドの中ですやすやと眠る美海の様子を見に来ていたところだった。2人は美海を起こさないよう小声で挨拶を交わす。

    「おはようございます、玲香さん」

    「おはよう、七海」

    「昨晩もありがとうございました」

    「いえいえ、どういたしまして」

    七海の専属世話係となった玲香は、この小さな部屋を与えられ、夜はここで美海の世話をしていた。七海は毎日朝から晩まで犯されっぱなしの虐待されっぱなしで、それでも僅かな合間を縫って寝室兼育児室で授乳などを行うのだが、夜は毎日気絶したように眠ってしまう。だが、美海の方はそんな事情はお構いなしに深夜でも泣き出してしまうため、夜は玲香の部屋に美海を預けることになったのだ。玲香自身も七海ほどではないにせよ毎日過酷な目に遭っており、深夜に美海の面倒を見るのは大変だったが、それでもなんとか踏ん張っていた。

    踏ん張れるのは、同居人のおかげでもあった。5人で語らったあの日の翌日から、陽葵と今日子もこの部屋で寝起きすることになったのだ。深夜の美海の世話は、その日3人の中で体力に最も余裕がある者が行うことになり、玲香の負担は少しだけ減った。だが、玲香にとっては話し相手ができたことの方が嬉しかったし、それは仁科母娘にとっても同様だった。

    しかし今朝、玲香のベッドの隣にある二段ベッドに母娘の姿はない。玲香は七海とともに暗い顔で奴隷用のトイレへと向かった。773号室には奴隷用トイレと会員客用トイレがあり、両者は壁を隔てて隣り合っていた。会員客用のトイレは施錠されていて奴隷たちは通常入れない。

    「ぁぇ……」

    「かひゅ……」

    母娘はトイレの中にいた。壁から上半身が生えていた。壁の向こうは客用トイレである。客用トイレは、会員客が寝起きする宿泊区画の一角にある男性用トイレと扉1枚で繋がっており、773号室の玄関を通らずに行き来できるようになっていた。母娘は、腰の部分が壁に埋め込まれ、下半身を客用トイレに晒したまま、一晩を過ごしたのだ。

    母娘の目の前には大きなモニターが設置されており、壁の向こう側の惨状がリアルタイムで映し出されていた。 ……まるで小便器のように壁から生えた下半身は、鞭打ちで真っ赤に腫れ上がった上に大量の精液と尿で汚れきっており、肛門の真下の床の上には、それら汚液と糞便が大量に積もっていた。

    これは罰だった。前日の午前中、陽葵は堀田の鞭を受けながら飯森のペニスを口で奉仕していた。しばらくして飯森がイラマチオを始めると同時に堀田の鞭が陽葵の大陰唇を直撃し、陽葵は堪らず飯森のペニスを噛んでしまったのだ。JSPFの奴隷である陽葵は、抜歯に向けてのカウントが1つ進んでしまったわけだが、これを取り消すよう今日子は飯森に懇願した。そして娘と同じ仕打ちに耐えられればカウントを取り消すと言われ、今日子は必死に飯森のイラマチオに耐えたのだが、堀田の鞭がクリトリスを強打した瞬間、今日子もまた歯を当ててしまい、結局母娘はどちらもカウントが進む結果となってしまった(陽葵はあと1回、今日子はあと2回で1本抜歯)。しかも、抜歯はあくまでJSPFの規則であって、ペニスを噛んだことへの罰は別に用意すると飯森はニタニタ笑いながら言い、母娘を壁に埋め込んだまま一晩放置したのである。

    なお、壁の部分には目立たないようにクッションが置いてあり、妊娠7ヶ月目の今日子の腹に負担がないよう、一応の配慮がなされていた。

    深夜だというのに、宿泊客たちはひっきりなしに「小便器」を使った。下半身の感覚は次第になくなり、母娘はいつの間にか気絶。6時になって強制的に起こされたものの、意識は朦朧としたままだった。

    「2人とも大丈夫っ!?」

    七海が駆け寄る。その時、母娘の身体が前後に揺れた。

    「ぅあ…… ひぅっ……」

    「らめぇ…… はひ……」

    宿泊客が朝イチの小便を母娘の肛門=小便器の中に注ぎ始めたのだ。母娘の肛門は一瞬たりとも尿を留めおくことができず、ペニスが抜かれると同時に糞便カスと混じって茶色くなった汚液が噴き出して、床に散らばっている汚物の上に降りかかっていく。

    モニターに映し出される、あまりに不潔極まりない、異常な光景。外の世界の女性が見たら間違いなく嘔吐してしまうだろう。だが七海も玲香も動じない。七海も玲香も既に何度か体験しているからだ。ただただ、母娘が心配でならなかった。

    そのうち、母娘の身体が大きく揺さぶられ始めた。モニターを確認するまでもない。肛門に排尿した男たちが膣を犯し始めたのだ。

    「んんっ…… ひゅっ……」

    「あひぇ…… うあぅ……」

    母娘の反応は微弱だが、それでも先程に比べると色艶が感じられる。こんな状況でも快感を得てしまうほど、母娘の身体は開発が進んでいるのだ。

    「もうやめたげてよ……」

    七海が小さな声で呟く。だがどうしようもない。母娘は壁に固定されていて、助け出すには飯森が持っている鍵が必要だが、飯森は8時にならないと来ない。男たちを止めようにも、客用トイレは施錠されていて入れない。どうしようもないのだ。それどころか、母娘にはさらなる地獄が待っていた。

    ……朝食である。

    七海と玲香、後に合流した仁科母娘の計4人は、773号室で生活するようになってからは他の奴隷たちとは完全に別行動を取るようになったのだが、食事は相変わらず流動食であった。新たな部屋にはキッチンも設けられているものの、置いてあるのは菓子やつまみ、コーヒー・紅茶・酒類などで、これは会員客の軽食用であり、奴隷の4人が飲食することは固く禁じられていた。

    玲香は、トイレの床の上に犬用のエサ入れを2つ置いてそれぞれに1回の流動食を流し入れると、エサ入れの上でしゃがみ込み、今日子の流動食の上で半分だけ糞便を排泄し、次いで陽葵の流動食の上で残りをぶち撒けた。 ……前日にお仕置きを受けた者は、罰として翌日の朝食が糞便入り。その規則は今も変わらないのである。

    玲香は続いて、壁際に置かれた棚の中から薬品の入った小瓶を1つ取り出して蓋を開け、スポイトで少しだけ中の液体を吸い取ると、再びしゃがんでエサの上に数滴ずつ垂らした。そして、母娘の顔の前に可動式の台を持って行くと、出来上がった朝食を母娘の口元に置いて静かに言った。

    「陽葵、今日子、エサよ。いただきなさい」

    「「…………いただきます」」

    朦朧とした意識と微かな快感の中、母娘は躊躇うことなく汚物の中に顔をうずめた。手は壁の中に埋まっており、母娘は口だけを使って汚物を咀嚼し飲み込んでいく。食糞のペースは、以前茶碗6杯分の汚物を僅か9分で平らげた七海とは比ぶべくもなかったが、それでも母娘は拒否したり吐き出したりすることなく、ゆっくりゆっくり朝食を食べていった。

    その間も男たちは休むことなく母娘の膣を犯し続けた。立ちバックの状態で固定され、下半身を好き勝手犯されながら糞便入りの流動食を食べる。カプセルベッドで生活していた頃の夕食と、状況はほぼ同じだ。違うのは疲労の度合いである。カプセルベッドでの夕食は1時間強で、その前に午前4時間・午後4時間の計8時間の調教があった。対して、母娘は昨日の23時から7時間ぶっ通しで犯され続け(その間断続的に失神)。昨日も1日じゅう奉仕していたのだから、母娘ともに昨日の朝8時からほぼ丸1日犯され続けていたことになる。もう体力の限界だった。

    「「んあぃあああっ!!?」」

    だが、汚物と格闘しているうちに母娘の疲労と眠気は急速に消え去っていった。玲香が混ぜた液体は、カフェインその他の成分が合わさったJSPFオリジナルのアッパー系の薬物であり、依存性のない安全な代物ではあるものの、そこらの栄養ドリンクとは比較にならぬほど強力なものであったのだ。意識が晴れ渡るにつれて下半身の快感は急激に増していき、一方で嗅覚と味覚も研ぎ澄まされていく。快と不快の狭間で悶絶しながら、母娘は十数分かけて汚物を平らげたのだった。

    他方、七海と玲香は、母娘がエサを食べ始めると壁尻部屋から離れ、自分たち用の流動食をエサ入れに流し込みつつダイニングへと向かった。会員客用の立食テーブルの脇にある専用のスペースで四つん這いになり、エサ入れを床に置くと、壁に向かって朝の挨拶をする。壁には床から20cmくらいの高さの所に小型カメラが埋め込まれていた。

    「皆様おはようございます。飯森則夫様に飼われている奴隷の七海です」

    「皆様おはようございます。七海の専属世話係の玲香です」

    「これから奴隷の朝ごはんをお見せします。豚畜生よりも浅ましい下品なメス豚が、手も使わずにエサを食い散らかす様をご笑覧ください」

    「「…………いただきます」」

    七海は、わざと口を開けて、歯のない口内をカメラに晒してから、流動食の海に口を突っ込み、グチャグチャ音を立てながらエサを歯茎ですり潰していった。 ……なんて下品で不快で屈辱的な音なんだろう。

    飯森は所謂クチャラーだった。七海は、幼い頃から伯父が食事の際に発するこの音が堪らなく嫌いだった。それ故七海は常に口を閉じて静かに咀嚼してきたし、それはJSPFに連れて来られてからのカプセルベッドでの食事の時も同じだった。不味い流動食や上にかかった糞便に悪戦苦闘しながら、下半身を激しく犯されながら、それでも七海は音を立てないよう食べてきた。調教時に音を立てて糞便を食べるよう命令されることがたまにあり、せめて朝夕の食事の時くらいはあの不快な音を発したくなかったのだ……。

    なのに、新部屋に移って以来、七海はクチャラーになることを強制された。食事の前に屈辱的なことを言わされた挙げ句に、クチャクチャグチャグチャと不快な音を立てながら、豚のようにエサを食い散らかさねばならない。隣の玲香の咀嚼音も不快だ。今日は玲香1人だが、仁科母娘も加わって4人の咀嚼音が奏でる不協和音のおぞましさといったら……!

    しかもその様子を常時撮影されるのだ。映像は宿泊客の部屋のテレビにリアルタイムで流れている。この施設には宿泊用の部屋がいくつあって、何人が泊まっていて、そのうち何人がテレビを見ていて、何人が七海と玲香の朝食風景にチャンネルを合わせているんだろう。全くわからない。みんな寝てたらいいのに。でも見てる。絶対見てる。ご主人様も堀田様もみんな見てる! 口に嘲笑を浮かべながら見てる! さすが豚は食べ方も下品だとか勝手なことを言いながら、瞬きもせずに見てる……!!

    ……無人のダイニングには下品な咀嚼音だけが響き渡っている。その音を、その姿を、大勢に聴かれ、見られている。そう思うと七海の目から悔し涙が溢れた。人前で裸を晒すことも、豚マネ芸や脱糞さえも平気になった筈なのに。なのに、この音を聴かれるのがものすごく恥ずかしい。悔しい。自分がいよいよ卑しい豚に成り果ててしまったような気がして、恥ずかしくて悔しくて、悲しくて堪らない!

    これなら男たちの前でやった方がマシだ。男たちの前でやれば、マゾの血が騒いで、羞恥心や屈辱が興奮や快感へと勝手に変換されるに違いない。だが相手が無機質なカメラだからか、いつまで経っても興奮や快楽はやって来ない。カメラの向こうに男の視線があるとわかっているのに。 ……下品な音を立てている自分が悔しい。下品な音を聴かれていることが恥ずかしい!

    その思いは玲香も全く同じだった。2人は羞恥と屈辱に耐えながら激マズ流動食(糞便なし)を速攻で片付け、床の上に飛び散ったカスを舌で全て舐め取ると、エサを与えてくれたことに対する謝意をカメラに向かって述べ、最低の朝食を終えたのだった。

    壁尻部屋に戻ると、母娘はまだ糞便入り流動食と格闘していたので、七海と玲香は、美海の世話と身体の洗浄を2人交互に行った。その後三度壁尻部屋に行くと、母娘は大声で喘いでいた。

    「ああん♥ おちんぽ! もっと! 陽葵のうんちの穴、もっと突いてぇっ! んひゃああっ♥」

    「いいっ♥ ケツまんこっ! ああっ♥ もっとくださいっ♥ もっと汚してぇ! ああああっ♥」

    空になったエサ入れには未だ糞便のカケラが残っており、母娘の鼻のすぐ下で尚も強烈な悪臭を発していたが、薬物で覚醒した母娘はもはや気にも留めず、狂ったように快楽を貪り続けた。七海はエサ入れを洗いながら、親友とその母親の狂声を、悲しさ半分、羨ましさ半分で聞いていた。彼女の股間は、綺麗に洗った直後にも関わらず、ぐしょぐしょに湿っていた……。

     

    II:奴隷200日目 – 午前

     

    午前8時。玄関が開いて、飯森、堀田とキャリーケースを持った裏沢が入ってきた。リビングでケースを開ける裏沢。途端に強烈な糞便臭が辺りに充満する。

    光希はこの1ヶ月でさらに痩せ細った。肋骨だけでなく骨盤や肩甲骨、背骨までがくっきりと浮き出ており、肌は白を通り越して土気色。抜歯によって痩けていた頬はさらに落ち窪んで、老婆というより瀕死の病人といった様相だ。今や入ってくるより出ていく方が圧倒的に多く、日に2回の点滴でどうにか栄養分を補っている状態であった。

    「おはよう七海、玲香さん」

    「おねえちゃん、おはよう」

    「おはよう、光希」

    それでも光希は七海と玲香を心配させまいと気丈に振る舞い、2人もなんとか涙を堪えて光希に優しく語りかけた。

    一方、飯森と堀田は壁尻部屋に向かった。母娘は相変わらず嬌声を上げていた。

    「反省したか? 2人とも」

    「はいっ♥ 反省しましたっ♥ もう二度とおちんぽ噛みませんっ♥ 許してくらはいっ♥ ああんっ♥」

    「私もっ♥ 粗相をしてしまって申し訳ござ……ひうっ♥ 申し訳ございませんでしたっ♥ ひゃうっ♥」

    「あまり反省しているように見えんが…… まあいい。今からお前たちの口を使ってやるから、反省を態度で示せ」

    「あいっ♥ おちんぽ♥ おちんぽなめましゅ♥ しゃぶりましゅ♥ ひゃあああっ♥」

    「今度は絶対噛みませんので…… 私の喉まんこ、お使いくださいませ♥ あああっ♥」

    そうして、再びイラマチオが始まった。壁の向こうでは男たちが猛烈な勢いで膣を責めている。肛門にもバイブがねじ込まれている。壁のこちらでは飯森と堀田が、陽葵と今日子の頭を両手で掴んで猛烈な勢いで喉穴を突いている。先程食べた糞便入り流動食が全てリバースしてしまいそうな勢いでの激しい抽送。それでも2人は、凄まじい苦痛と吐き気、そして快感に耐えながら、舌と唇と喉を使って猛然とペニスに奉仕していく。 ……歯を当てないよう神経を研ぎ澄ませながら。

    薬物のおかげであろう。先程までの朦朧状態のままだったら、集中力が続かずに再び噛んでしまって、陽葵はカウントが5回に達していたに違いない。苦痛と快楽に翻弄されながら一心不乱にペニスに奉仕する2人の姿はまさにマゾ奴隷そのもの、そこにイジメっ子やキャリアウーマンの面影は、微塵もなかった。

    「「ぶもおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」

    やがて飯森と堀田はほぼ同時に喉奥で射精し、母娘は罪を許されたのだった。

    母娘はようやく壁から解放され、風呂場で身体を洗うことを許可された。その間、七海と玲香は解錠された扉の向こう、客用トイレで這いつくばり、それぞれ陽葵と今日子の下半身があった場所の床の上に積もった汚物を口で処理させられた。冷えた糞便と尿と精液と愛液の混合物は、身の毛もよだつ臭いと味、見た目であったが、2人は無言のまま食べ進めていった。 ……下品な音を立てながら。膣穴を飯森と堀田に犯されながら。

    「「ひうぅうううううっ!!!!」」

    七海と玲香が床の上の汚物を食べ切った直後、飯森と堀田も限界に達した。2人は射精直前に膣穴からペニスを抜くと、汚物があった場所に大量の白濁液を発射した。

    「汚物はほぼ平らげたようだが、まだカスが残ってるぞ。ザーメンと一緒に全部舌で舐めとれ。ちり紙ども」

    「……はい、ご主人様」

    「かしこまりました」

    七海と玲香は、四つん這いのまま再び床に舌を這わせ、飛び散った白と茶色の汚物を処理していく。 ……冷めた糞尿に比べれば温かい精液の方がまだマシだと七海は思った。いや、むしろ美味しい……かも? 七海は一瞬そう思ったが、直後、精液を美味しいと感じるようになってしまったことが無性に悲しくなった。悲しくて泣き叫びたい。こんなことしたくない。私はちり紙じゃない! ……七海はそれらの想いを全て封印して、ただひたすら薄汚い便所の床を舐め清める。トイレットペーパーに、ちり紙になりきる。身体の奥が熱い。感じてる。こんなことで私、感じてる。 ……最低だ、私。

     

    しばらくして身だしなみを整えた仁科母娘が客用トイレに入ってきた。母娘は、自分たちが出した汚物を七海と玲香が「掃除」してくれたことを知って驚愕し、そして謝罪した。自分たちが出した汚物は誰かが掃除しなければならない。当たり前のことなのに。完全に失念していた。昨日の朝から24時間汚され続けた身体を洗うことしか頭になかった。シャワーを浴びて、湯をがぶ飲みして、全身を洗って、膣や肛門の中も綺麗にして、髪を乾かして、整えて、歯を磨いて、爪を切って…… そんなことを悠長にやっている場合ではなかったのだ。

    七海と玲香は気にしてないと言ってくれたが、飯森は、七海と玲香に片付けを押し付けて自分たちだけ綺麗になるとは何事だ、と母娘を責めた。陽葵はさすがにカチンと来て、「あんたが洗ってこいって言ったんじゃない」と言い返しかけた。が、ここで反論してもさらなるお仕置きが待っているだけだ。陽葵は目を固く瞑り、飯森に対する怒りと七海に対する罪悪感で全身を震わせながら、喉まで出かけた反論の言葉をなんとか飲み込んだ。

    陽葵と今日子は、七海と玲香の口にそれぞれ指を突っ込んで強制嘔吐させ、直後に口づけして汚物を口移しで飲むよう命令された。自分たちの汚物なんだから、人に頼らず自分たちで処理しろというわけだ。七海と友達になる前の陽葵だったら全力で拒否していただろう。あれから3ヶ月近くが経ち、陽葵も今日子もこのような異常な行為に慣れつつあった。だがいくら慣れても、そんな気持ち悪いモノを美味しいなどと思えるはずがない。せっかく湯をがぶ飲みしたのに、またすぐこうなるのか。もうイヤ。こんな毎日、ホントもうイヤ……!!

    「七海、ごめんね。汚いモノ食べさせちゃって…… アタシが食べるから出して……」

    「うん…… あぁぁぁぁぁぁ……」

    膝立ちの状態で目を閉じ、口を大きく開ける七海。陽葵は指をそっと3本突っ込んで、喉の方をゆっくり掻き回した。七海がすぐにえずき出したので、陽葵はすぐに指を引き抜いて自分も膝立ちになると、七海にキスをした。友達になって以来何度も七海とレズプレイをしてきた。キスも何度もして、互いに舌をまさぐり合って唾液を飲み合ってきた。でも嘔吐物を口移しで飲むだなんて。最低…… サイッテー! 何考えてんのよ、このキモハゲオヤジ!! ……でも。でもやらなきゃ。命令なんだから。奴隷なんだから。それに、自分で出したモノの後始末を七海にやらせるのは、やっぱり良くないと思う。いやだけどやらなきゃ。いやだけど。いや…… いや…… いやああああっ!!

    「「げぶえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」

    「「うぶうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」」

    七海と玲香はほぼ同時にリバースし、陽葵と今日子はそれを飲んでいく。口から口へ流れていくので臭いをあまり感じないのは幸いだが、味の方は…… 筆舌に尽くしがたいおぞましさだった。それでも飲んだ。飲み続けた。吐き返しそうになるのをひたすら耐えた。ここで吐いたらもっと酷いことされるに決まってる。やだ! そんなんやだっ!!

    胃の中身を半分くらい残した辺りで七海は嘔吐を止めた。飯森の命令は、七海が食べた汚物を陽葵に移すこと。朝食の流動食まで陽葵に食べさせたら命令違反になるかもしれない。もちろん汚物と流動食は胃の中で既に混じり合ってしまっているから、汚物だけを吐き出すのはもはや不可能だ。それでもせめて分量だけでもということで、七海は半分吐いたところで嘔吐を止めたのだった。横で吐いていた玲香も、七海に合わせて嘔吐を止めた。そして4人は最悪の後味を忘れたいかのように、舌を絡めてディープキスをし始め、飯森はニヤニヤしながらその一部始終を眺めていた。

    キスがさらに激しさを増した時、トイレの中に大勢の男たちが入ってきた。8時を大幅に過ぎてしまったが、飯森と堀田による午前の合同調教が始まったのだ。合同調教は、七海が773号室に移ってすぐの頃は2対5で行われていたが、調教は次第に過激化し、ペニスが2本では足りないことからエキストラとして宿泊中の男性客にも参加してもらうことが多くなっていた。今朝もそうで、飯森は32人の男性客に事前に声を掛けていたのだ。

    4人は、壁に並んだ4つの小便器に1人ずつ座るよう命じられた。左から玲香、七海、陽葵、今日子の順である。4人は小便器の奥に尻を押し込み、肩をすぼめて上半身を小便器の中に嵌め込んだ。その状態で手と足が固定され、4人は身動きを封じられて4基の「便器」となる。32人の男たちがさっそく「便器」の前に列を作った。

    男たちは何も言わずに「便器」に向かって小便を放っていく。「便器」は口を大きく開けて待機しているのだが、男たちは構わず身体中のあらゆる場所に小便を引っ掛け、最後に思い出したように未だ放尿中のペニスを口の中に押し込んで最後の1滴まで搾り出していく。放尿が終わったら、「便器」はペニスを舌で舐め清めながら言うのだ。「小便器をご利用いただきありがとうございました」と。4人ともこのような扱いには慣れているが、それでも新参の母娘の顔には嫌悪と絶望が色濃い。

    8人が放尿を終えると、1人目の男に戻ってフェラ奉仕となる。身体を覆う尿素がアンモニアに分解されて、どんどん臭いがキツくなる。だから嫌なのに。全部飲んでしまった方が楽なのに。排出されたての尿はまだそれほど臭くないが、放置するとどんどん臭くなるということを奴隷たちは経験上知っている。だからこそすぐに飲んでしまいたいのに。男たちの方もそれを心得ているから、わざと口を外したのだ。奴隷たちは、ペニスで口を塞がれて鼻で息をせねばならない状況の中、悪臭を我慢しながら狭い小便器内で首を激しく振って、ひたすらペニスに奉仕していく。

    「むぷうううううう!」

    最も早く男を射精に導いたのは七海だった。七海の歯茎奉仕は既に熟練の域に達しており、歯茎と舌、唇や喉まで全て連動させながら、高速ピストンでペニスを責め立てる。百戦錬磨の男たちもこれには敵わず、あっという間に限界に達するのだった。

    続いて玲香、やや遅れて今日子、かなり遅れて陽葵が精液を搾り取った。陽葵が未だ飲尿・浴尿が苦手であると知っている男たちは、昨晩から水分摂取を控えた上で、濃縮されたオレンジ色の小便を身体中に引っ掛けていった。それが時間とともに強烈なアンモニア臭へと変わり、陽葵の集中力を奪ったのだ。 ……今日は朝からこんなんばっかりだ。もうやだよ、こんなん。普通にセックスしてよ。普通にフェラさせてよ!

    小便器の下には、直径10cmを優に超える特大肛門プラグを嵌めた光希が蠢いていた。床の上に飛び散った小便を舐め取るのが役割であり、「7本足」で這い回りながら長い舌で汚れを舐め取っていく。光希は、時間が経ってアンモニア臭のキツくなった小便すら美味しいと感じるまでになっており、心の中で陽葵に頑張ってと呟きながら、陽葵の周りに飛び散るオレンジ色の汚液を美味しそうに啜っていった。

    ……七海が8本のペニスに奉仕を終えた時、玲香は7本目を終えたところ、今日子は7本目をしゃぶり始めたところ、陽葵は6本目に奉仕中だった。飯森は、奉仕が終わった奴隷は休んでいるように言ったが、手足も動かせない中、強烈なアンモニア臭に耐えながら休むくらいなら、フェラ奉仕を続けて気を紛らせた方がマシだ。もっとゆっくり奉仕すればよかった。そんな想いで七海は主人の方を見たが、飯森は七海の視線の意味を正確に読み取りつつも、敢えて無視してニヤニヤしながら七海の顔を観察し続けたのだった。

    やがて陽葵が8本目の性欲処理を終え、4人はようやく拘束を解かれて小便器から抜け出した。陽葵以外の3人は褒美としてセックスが許され、ビリだった陽葵は罰として3人の身体に付着した小便を全て舐め取るよう言われた。

    3人は腕を掴まれて立ちバックの体位で膣や肛門を突かれ、陽葵はまず近くにいる母と玲香の身体に舌を這わせていく。小便に汗が加わってにがしょっぱい。まずい。くさい。気持ち悪い! 母と玲香は長髪なので、身体の汚れを舐め取っても、たっぷり小便を吸い取った髪から常に汚液が滲み出てくる。仕方なく、両手で髪を雑巾のように絞り、出てきた汚液を口に含んでいく。たまらなくまずい。ありえないほどくさい。もういや。こんなのいや! でもやらなかったらもっとヒドいことさせられる…! やだ! それもイヤ! もうイヤっ! いやああぁっ!!

    「もうやだあぁぁっ! うわああああん!! ぺろっ… ひくっ!」

    陽葵はついに大声で泣き出してしまったが、嗚咽しながらも舌は動かし続けた。小便が染み込んだ自分の髪のように、陽葵には奴隷根性が既に心の奥底まで染み付いていた。歯向かったら酷いことをされるという恐怖だけでなく、命令どおりにしなくてはという奴隷的思考が陽葵を無意識のうちに突き動かしていた。

    「陽葵…… ひまりぃ…… ああんっ」

    娘に身体を舐められながら、今日子はそれを察していた。そして自分もまた、同じように命令に従って腰を振りながら肛門を犯されていた。自分も娘も、もうすっかり奴隷に成り果ててしまったことが悲しくて、自分の身体が臭くて、ケツまんこが気持ち良くて、あまりに気持ち良くて、今日子は大粒の涙を流しながら嬌声を上げた。

    光希も小便を舐め続けた。床を這いずり回りながら長い舌で器用に床を舐め磨いていく。3人の身体は陽葵が舐め清めなければならない。それを勝手に手伝ったら陽葵が罰せられる。だから手伝わない。そのかわり、髪から絞り取った時などに床に落ちた小便を舐め取っていく。どうせ後で床を綺麗にするよう誰かに命令が行くのだ。その前に舐め取ってしまおう。 ……どれだけ痩せ衰えようと、光希は光希だった。愛する妹と、もう1人の姉と、妹のたった1人の親友と、そのお母さん。この4人を守るためなら何でもする。調教の邪魔をして、かえって4人に害が及ぶことがないよう気を配りながら。光希は残り少ない体力と思考力の全てをそこに注ぎ込んでいた。

    七海は陽葵のことを心配していた。今日子と玲香の次は自分の番。でも、できれば陽葵の負担を減らしたい。だって陽葵は飲尿が苦手なんだから。それ以上に、陽葵は七海にとって、とても大切な存在なんだから。そのためにはどうしたらいいか、七海は下半身から来る猛烈な快楽に耐えながら必死に考えた。そして陽葵が今日子と玲香の身体を舐め清め終わるのを待ってから飯森に話しかけた。既に膣と肛門に1発ずつ中出しされる程度の時間が過ぎていた。

    「ご主人様、陽葵の身体は私が綺麗にしてもいいでしょうか。その…… 臭いですし。自分では背中は舐められないですし。次の調教までに誰かがやんなきゃならないなら、私にやらせていただきたいんです。 ……ダメ……ですか?」

    飯森は感心した。

    七海は、泣きながら汚液を舐め続ける友人を心配し、自分の身体を綺麗にしてくれる礼も兼ねて、自分で陽葵の身体を舐め清めたいのだ。だが直接それを言っても許可は下りない。放っておくと臭いから、自分では背中は舐められないから、次の調教に支障が出るから。男たちや陽葵の身になって物事を考え、もっともな理由を見つけてくる。

    しかも、七海は陽葵の隣の小便器に固定されていたのに、小便器から解放されるといつの間にか陽葵から離れた位置に移動して、陽葵が最後に七海を舐めるように仕組んだ。七海は陽葵とレズプレイをしながら互いの汚れを舐め取り合いたいようだ。そうして自分の身体に付いている汚れもちゃっかり自分で舐め取って、陽葵の負担を減らそうという魂胆だろう。実に賢い。

    だが七海には裏がない。楽をしようとか、貸しを作ろうとか、そういう汚い思惑が微塵もない。今回の発言の底にあるのは友情、ただそれだけだ。だが、奴隷が主人の命令以外のことをやるというのは、お仕置きのリスクがあり、勇気が要る行為だ。七海は奴隷である自分でも許されることを必死に考え抜いた上で、勇気を振り絞って主人の許可を求めているのだ。期待と憂いが混ざった、あの独特な表情でこちらを見つめながら、控えめに、だが誠実に。ああ、これはもう、許可せざるをえないではないか……!

    「ああ、いいぞ」

    「ありがとうございます、ご主人様」

    七海は深々と頭を下げると、陽葵のところへ向かい、彼女を抱き締めた。そして消え入るような小さな声で言った。

    「次は私の身体、キレイにしてくれるんだよね? ごめんね? でも、ありがとう、陽葵。あなたの身体は私がキレイにするね?」

    「ななみぃ…… ぐすっ」

    「じゅぞぞぞぞぞっ! ずずずーっ! ごくんっ!」

    「七海…… ななみ…… れろっ…… じゅずずずっ!」

    「ひまりぃ…… じゅるっ! ちゅぱっ! ずぞぞぞっ!」

    七海と陽葵はシックスナインの体勢になって小便を吸い取っていく。七海は何も言わずに自分が上になると、腰をひねりながら自分の身体に付いた小便を陽葵の身体の上に振り落とし、元々陽葵の身体に付着していた分と合わせて猛然と舐め取り始めた。ショートカットの自分の髪から小便を絞り取り、次いで長髪の陽葵の髪も絞っていく。陽葵の臍の中に溜まった小便も口を付けて吸い上げ、顔、首、胸、脇、腹、股間、肩、背中、腰、尻、その他ありとあらゆる部位を、下品な水音を立てながら素早く、だが入念に掃除していく。

    陽葵は呆気に取られていた。自分が母や玲香に対して行った掃除とは全く違った。下品な音を立てて男たちを喜ばせながら、陽葵の身体に付いたぶんだけでなく、七海自身の身体に付いたぶんまで器用に掃除していく。そのあまりの手際の良さ! 飲尿に対する躊躇の無さ!

    そして、2人の足元では光希が床を舐めていた。七海が激しく動くことで、七海の身体に付いていた小便が、陽葵の身体にだけでなく周囲の床に飛び散っていたのだが、光希は床に飛散したもののみを舌で掃除していく。姉妹は事前に相談することなく自然に役割分担しながら、陽葵がこれ以上つらい思いをしなくて済むようにしてくれているのだ。

    陽葵は、目頭が熱くなるのを感じていた。友情と感謝と罪悪感と、それ以上の何かと。様々な感情がごちゃごちゃになって、そして溢れた。もう止まらなかった。

    「七海っ! 光希お姉さんっ!」

    陽葵は堪らず2人に抱きついた。名前以外の言葉が出てこず、ただ強く抱き締めた。3人の身体にはまだ小便が残っており、光希の身体には糞便すら付着していたが、そんなことは全く気にならなかった。陽葵は七海にキスし、次いで光希にキスをした。口内は小便の味と臭いしかしない。だがそれでもいい。無二の親友に、友情以上のよくわからない感情を伝えるために。余命幾許もない病身に鞭打って陰ながら助けてくれた親友の姉に心からの感謝を伝えるために。陽葵は泣きながら2人の口に舌を入れ、夢中で掻き回した。そしてそのまま感極まってしまい、陽葵はキスだけで軽く絶頂を迎えた。姉妹は細かく震える陽葵をそっと抱き締め、震えが止まるまでそのままでいた。

    玲香と今日子も、3人の抱擁に胸が熱くなっていたが、飯森と堀田と32人の男たちも別の意味で高ぶりを感じていた。この3人を、いや5人を、15個の穴を、滅茶苦茶に嬲り回したい。犯し抜きたい。小便ではなく精液で身体を白く染め上げたい!

     

    34人の男たちは、ホースの水を5人にぶち撒けて小便を流し去ると、それからの2時間、トイレの中でひたすら5人を輪姦し続けた。トイレの床で、小便器の中で、大便器の上で、洗面器の鏡の前で。絶えることなく3つの穴を犯され続け、光希を除く4人は頻繁に絶頂し、特に敏感な七海は途中から絶頂しっ放しになった。

    光希の肛門からは栓が抜かれ、役立たずの膣と肛門にシリコン製の大きなオナホールが突っ込まれた。そして男たちはオナホールの中にペニスを挿入していく。あまりに屈辱的で非人間的な行為。だが、これを屈辱と感じるような人間的な心を光希は既に失っていた。ペニスのピストンに合わせてオナホールがモゾモゾと動くのが気持ち良く、絶頂に達するほどではなかったものの、光希は歯茎でペニスをしごきながら、久々の快楽を味わった。

    2時間後、ようやく午前の調教が終わった頃には、凄まじい量の精液で5人とも全身真っ白になっていた。仁科母娘は互いに強く抱き合ってキスをしながら精液と唾液を交換中。光希は倒立のような体勢になって洋式大便器に頭を突っ込んだまま気絶している。途中何度か美海の世話のために抜け出した玲香は一番精液量が少なかったが、それでもトイレの床にうつ伏せに倒れてゼェゼェと荒い息を吐いていた。

    最も多くの白濁液を受けたのはやはり七海で、トイレの床の上で尻だけを突き出して四つん這いのまま失神しかけていたが、飯森が近づいてきたのを見ると、気合でなんとか立ち上がり、フラフラになりながら頭を下げて言うのだった。

    「調教ありがとうございました、ご主人様」

    七海は気を失っている光希を起こすと、玲香や仁科母娘とともに奴隷用トイレへと戻り、その横にある風呂でシャワーを浴びて汚れを落とした。そして5人一緒にダイニングで昼食を摂る。もちろん流動食である。朝と違ってダイニングには男たちが何人もいて、人間用の軽食を食べながら談笑している。その脇で、奴隷たちは四つん這いになってクチャクチャ下品な音を立てながら流動食を貪り食うのだ。

    男たちは気まぐれで奴隷たちの膣や肛門を犯しては、流動食の上に精液や小便をぶっかけていく。なんて最低の食事だろう。特に仁科母娘は屈辱と羞恥のあまり涙を流している。七海も、こういう扱いは木下家で調教されていた頃から受けていたとは言え、やはり悲しかった。しかし、ペニスのもたらす快楽が、奴隷たちの中にあるマゾのスイッチを強制的に点灯させていく。身体の奥底が熱くなっていく。男たちに犯されながら、四つん這いで手も使わず、精液や小便のかかった激マズの流動食をクチャクチャと食い散らかす。なんて哀れで惨めで下品な生き物なんだろう。そうやって自己を嫌悪することにすら快感を覚えてしまう。やがて七海、陽葵、玲香、今日子の順で絶頂に達し、彼女たちは無様なイき顔をカメラに晒すのだった。

    光希は食欲が一切なかった。が、4人に心配させないよう無理やり流動食を食べた。

     

    III:奴隷200日目 – 午後(1)

     

    午後は集団調教である。以前は中央ホールで行われていたのだが、七海の出産以降は773号室で行われることになった。もっとも、午前の合同調教では今朝のようにエキストラが呼ばれることが多くなったし、光希は午後も9号室には戻らずに引き続き一緒に調教を受けることになったため、午前と午後の差は殆ど無くなりつつあった。

    今日の集団調教の場所は、教室だった。

    773号室は、元は200畳以上の広大な空き部屋をパーティションで細かく区切ってできており、寝室やリビング、風呂にトイレといった居住空間を除くと、あとは全て調教部屋であった。当初、調教部屋は6つしかなかったのだが、会員客の要望に応える形で順次追加されていき、今やその数は20を超えていた。今も新規増設工事中の部屋が3つ、リフォーム中の部屋が5つある。中身も、JSPFの標準的な調教用個室と同じものから、教室、和室、病室、酒場、拷問部屋など実に多彩だ。

    中でも昨日完成したばかりの教室は、堀田理事長による設計・監修のもと、七海が在籍していた1年A組の教室が忠実に再現されていた。窓の部分には全面に大型モニターが嵌め込まれて、実際と同じ風景を映すなど、細部に至るまで凝りに凝っていて、椅子と机は、なんと七海と陽葵が使っていたものをそのまま運んできていた。

    七海と陽葵は呆気に取られた。午後1時になったので、一昨日までは存在していなかった引き戸を言われるままに開けてみたら、いきなり教室に出たのだ。懐かしい場所。懐かしい空気。そう、匂いまで一緒だ。もう二度と戻ることはないと思っていたあの教室に、七海は戻ってきたのだ。

    もちろん異なる部分もある。七海と陽葵以外の席には学生服を着た男たちが座っている。中年男や老人までもが学生服に身を包んでいる状況は異様で、ある種滑稽にも思えたが、七海も陽葵も笑うどころではなく、あまりに想定外の状況に言葉を失い、呆然と立ち尽くしていた。

    すると、スーツ姿の飯森が現れた。

    「驚いたか? お前たち、これを着て自分の席に座れ。場所は覚えてるな?」

    「「…………」」

    覚えているも何も、空いている席は2席しかないのだが、2人は何と言って良いかわからず、無言のまま制服一式を受け取った。それは2人が昨年着ていた本物の制服だった。制服だけではない。一緒に渡されたブラジャーやショーツ、靴下に上履きまで、全部。陽葵の上履きは踵の部分が潰れており、似たデザインのものを新調したのではなく、全て当時のままの本物であるのは、2人の目にも一目瞭然だった。

    七海も陽葵も(今日子も玲香も光希も)、全財産は全て処分されて私物は一切残っていないと聞かされていた。奴隷は基本裸で生活し、身に着けることを許されているのは首輪とピアスだけである。これまでにも、特に夜の少人数調教の際に、様々なコスチュームを着て奉仕することはあったし、制服を着たことも何度かあったが、それらの衣装は全てJSPFのものであり、デザインも七海の母校のものとは違っていた。まさか自分たちの制服が残っていたなんて。

    だが、2人に喜びの感情は一切なかった。これから何をさせられるのかと思うと七海には不安しかなかった。陽葵は…… 見覚えのあるショーツを見ながらガタガタと震え出した。 ……クロッチにシミが少し残ってる。本物なんだ…… これ、あのショーツ、あの日履いてたショーツだ……!!

    昨年の11月下旬のあの雨の日、悪臭を撒き散らす七海にブチギレた日に陽葵が履いていたショーツ。その前の週末に買ったばかりの、可愛らしいデザインのお気に入りのショーツ。あの日の午後、急に生理が始まってショーツを汚してしまい、1時間目の七海早退事件と酷い生理痛が相まって、ものすごく腹が立った。何度洗濯してもシミは完全には消えず、それを見るたびに退学した七海への憎悪が掻き立てられた。逆恨みだとわかっていても止められなかった。そうこうしているうちに陽葵は母ともども堀田理事長の魔の手にかかり、以降ショーツのことはすっかり忘れてしまっていたのだ……。

    あの日履いていたショーツ、あの日着ていた制服、あの日と同じ教室。いったい何をさせられるんだろう。いやだ。七海にしてきたことは心から反省しているし、七海はたった1人の大事な友達、もはや無二の親友だ。過去をほじくり返されたくない。七海が怒って絶交だって言ったらどうしよう。そんなのやだ…… 絶対やだっ!!

    「どうした2人とも。とっとと着替えろ。ここで…… 皆が見てる前でな」

    「「…………」」

    ……最低。七海は心の中で毒づきながら、横で震えている陽葵のことを気にしつつ、服を着始めた。何故か恥ずかしい。これだけの男たちが見ていたら、普通は服を脱ぐ方が恥ずかしくなるのだろうが、裸でいることに慣れてしまった七海にとっては、服を着ることの方がなんだか恥ずかしかった。衆人環視の中で奴隷から女子高生に戻ることで、羞恥心が蘇ってしまったのだろうか。

    だが、それだけではない。肥大化した乳首とクリトリスが邪魔をして、ブラもショーツも上手く着けられない。自室の鏡の前で泣きながら着替えた昨年の10月よりも、クラスメイトに責められて学校を早退した昨年の11月よりも、格段に大きく膨れてしまった乳首とクリトリス。もはや肥大化前の下着では隠しようがない。七海は涙をうっすら溜めながら試行錯誤を重ねたが、結局クリトリスは無理やりショーツで押さえつけることにし、ブラは諦めてノーブラのまま制服の上着を被った。ピアスの穿たれた敏感なクリトリスがショーツの中で圧迫されて鋭い痛みと鈍い快感を放ってくる。上着の布が巨大乳首に引っ張られて、腹と臍が露出してしまっている。飯森や周囲の男たちは、そんな無様な七海を見てニヤニヤと笑い、股間を固くしている。七海は久々に強い羞恥を感じながら再び心の中で毒づいた。 ……最低。

    その横では顔を真っ青にしながら、陽葵が制服を着ていた。何を…… 今から何をするんだろう。何をさせられるんだろう。恐怖と不安で手が震えて、ブラのホックがなかなかかけられない。片足を上げて靴下を履くことすら難儀してしまう。男たちの視線を感じる。でもそれ以上に七海の視線が怖い。怖い……!!

    2人がどうにか制服を着終わると、飯森は七海にあるものを手渡した。その瞬間、七海は主人の意図を理解した。そして、あまりの悪趣味ぶりに心の底から呆れ果てた。今更こんなことをして何になるというのだろう。自分は、この施設に来てからというもの、こんなのとは比較にならないくらい酷い目に遭い続けてきた。今朝の調教だって、木下家時代には考えも付かなかったほど過激で過酷だ。なのに今更、何故? ……と思ってふと横にいる友達の方を見た。

    今にも倒れそうなほど顔面を蒼白にして、涙を流しながら震えていた。飯森様が七海に手渡したもの。肛門栓だ。あれを七海が着けるってことは、あの日の…… あの日の再現をこれからやるってこと? そんなの…… そんなの絶対いやああああああああああああっ!!!!

    そうか、と七海は思った。これは自分ではなく、陽葵を貶めるための調教なのだ。あの日と同じ状況を再現して、陽葵の黒歴史を白日の下に晒そうというのだ。なんて…… なんておぞましいことを考えるのよ!! 私はとっくに陽葵を許してるし、私のうんちの臭いで陽葵に迷惑を掛けちゃったことも陽葵はとっくに許してくれてる! そのことはご主人様も堀田様も知ってるはずなのに! なんでいまさら蒸し返すの!? なんで私の大切な友達を傷つけるの!!?

    七海は、腹が立って仕方がなかった。できることなら伯父を張り倒してやりたかった。でもダメ。ご主人様に絶対服従を誓ったんだから。どれだけ憎くても憤ろしくても、逆らっちゃ絶対にダメ。それに陽葵だってとばっちりを受けるかもしれない。あの日を、叛逆が失敗に終わったあの日を思い出せ。激昂するな。冷静になれ。陽葵がこれ以上傷つかないようにするにはどうすればいいか、考えるんだ……!

    2人が自分の席に着いたところで教室の扉が開いた。前から服を着た玲香、後ろから堀田をはじめ十数人の男たちと数名のサディスティン、服を着た今日子、檻に入れられた光希を持った裏沢が入ってきた。同時に、飯森も教室の後ろに移動した。

     

    「では、授業参観を始めます」

    玲香が無機質な声で言う。玲香と今日子は、午後の集団調教が始まる直前、堀田に呼び出された。玲香には女教師、今日子には授業参観に訪れた母親役が与えられ、それぞれ服を着終わったところで調教の内容が告げられた。あまりに悪辣な内容に2人は愕然とし、特に今日子は、娘が受けるであろう精神的ショックを考えるといても立ってもいられず、堀田に調教の中止を懇願したが、受け入れられるはずもなかった。そして、堀田の合図とともに2人は前後の扉から教室内に入ってきたのである。

    七海は小刻みに震えていた。あまりに外道極まる展開に怒り心頭、飯森の所に駆け出しそうになるのを必死に抑えていた。 ……何が授業参観よ! あの日は参観日じゃなかったじゃない! 佐渡先生って確か30歳くらいだし! おねえちゃんの入った檻なんてなかったし! こんなん再現でも何でもない! 寄ってたかって陽葵をイジメたいだけじゃない!! 最っ低!!!

    ……七海の肛門には、あの日と全く同じ円筒状の肛門栓が刺さっていた。5人のうち七海と玲香は今朝から脱糞しておらず、直腸の中には糞便が溜まっている。午前中から昼休みにかけて肛門内に出された大量の精液は、糞便と混じって液状化し、七海はずっと便意を感じていたが、もはや精液浣腸にも慣れっこになっているため、なんとか我慢してきたのだ。拡張の進んだ七海の肛門と栓の間には昨秋以上に隙間が開いており、程なくして下痢便は栓を伝って漏れ出てきた。

    ……臭い。もうとっくに嗅ぎ慣れているのに。今朝もイヤというほど嗅いで、食べて、酷い目に遭ったのに。あの日と同じ教室で、同じ制服で、同じ状況。あの日の悪臭が蘇る。記憶が蘇る。周囲に自分の糞便の臭いを嗅がれる羞恥と、不快な思いをさせることへの罪悪感。隣の仁科さんにまたイジメられるという不安。様々な想いが交錯して、消え入りたくなるほど辛かった、あの日の記憶。

    あれから半年以上、地獄のような毎日を過ごしてきた七海にとって、あの程度の羞恥プレイはもはやたいしたことではない。だがそれは今だから言えることであって、当時はトラウマになるほど辛かった。あの時の絶望が、羞恥が、悪臭が、再び七海を襲う。七海は机の上に突っ伏し、目を固く瞑ってフラッシュバックに耐えた。と同時に、あの日とは違った意味で隣の様子が気になって仕方がなかった。

    臭いは陽葵にも達した。この臭いだ。何も知らなかった当時の自分。臭くて臭くて、息もマトモにできないくらい臭くて。もう我慢の限界だった。1回や2回じゃない。数日おきに何度も何度も。なのに、隣のこのコミュ障ウンコ女はなんで学校休まないわけ? なに恥ずかしそうに顔真っ赤にしてんのよ! ウンチしたいんならトイレ行けば!? 具合が悪いんなら保健室か病院行けよ! なんで教室でするわけ!? それも何度も!! アタシたちがいるのに!! わけわかんない!! ああ、もう限界っ!!!

    あの時の自分の怒りは正当なものだったと、陽葵は今でも思っている。七海がどんな酷い目に遭わされていたとしても、陽葵が悪臭に悩まされていた事実は変わりないのだから。七海はそのことについては謝ってくれたし、自分ももう怒っていない。

    一方で、その正当な怒りを発散させるために陽葵がやった行動には、正当さの欠片もなかった。机の中に悪口雑言を連ねたメモを毎日のように入れ、七海の教科書に油性ペンで「ウンコ女」と落書きした。グループL○NEでは思い付く限りの罵声を書き殴り、起きたことは誇張して、起きていないことも捏造して、ひたすら七海を陥れた。陽葵の属していた不良グループの主要メンバーは、隣のクラスの女子に対してかなり陰湿なイジメを行っていて、陽葵は正直ドン引きしていたのだが、そのやり方をできる限り真似た。災害事故で家族を失った可哀想な生徒ということで、表立ったイジメはこれまでしてこなかったが、このまま悪臭騒ぎが続けば、いつか不良グループにチクって七海を集団リンチにしてやろうと半ば本気で考えていた。そして11月のあの日、あまりの悪臭に陽葵は我慢ができなくなり、リンチのことも忘れてブチギレてしまったのであった。

    悪いことをしてしまった。教室の中で繰り返しウンチを漏らすなんて、普通に考えたらあり得ないことだ。何か理由があるはず。本人に、どうしたの?って聞けばよかった。ママや担任の佐渡先生に相談すればよかった。なのにそんなことは一切しなかった。まさか七海が実の伯父に奴隷調教されて肛門拡張中だったなんて、そんなこと思いもしなかったし、七海は聞いても本当のことは絶対言わなかっただろうけど、それにしても、なんでアタシ周りに相談しなかったんだろう……。

    その後は陽葵も七海と同じ境遇になり、同じように肛門拡張されてウンチの臭いをイヤというほど嗅がされてきた。そしてJSPFで七海と再会し、真実を知った時の衝撃を、陽葵は今でも忘れることができない。

    でも七海は許してくれた。のみならず、こんなアタシと友達になってくれた。この狂った施設の中で数少ない味方。心置きなく話せる同学年の友人。命令されればレズプレイもやってしまう奴隷仲間。お姉さんに代わっていつまでもずっと一緒にいると誓い合った無二の親友。それ以上の……何か。陽葵の中で七海の存在はどんどん大きなものになっていた。

    今朝もそうだ。命令されてのこととは言え、七海は陽葵が床の上にぶち撒けた汚物を口で片付けてくれた。 ……命令されなくても、オシッコまみれの身体を舐め清めるのをそっと手伝ってくれた。自分も辛くて仕方ないはずなのに、そんな顔など微塵も見せず、七海は淡々と助けてくれる。いつぞや檻に入れられた陽葵を糞便電流地獄から救い出してくれた時もそうだった。学校で酷いことをし続けた陽葵を助けて、助け続けて、それで恩着せがましくするわけでもなく、微かな、月のように淡い笑顔を向けてくれる七海。学校でのことを謝ると、気にしてないよといつも言ってくれる七海。ペニスバンドを着けて膣を突くと、甲高い喘ぎ声を弱々しく発しながら、切なすぎる表情でこっちを見上げてくる七海。地獄のような日々の中で、いつも一緒にいてくれる七海……!

    ……そっか、アタシ、七海のこと……

     

    その時、外の風景を映していた窓が一斉に他の映像に切り替わった。場所は教室。冬服を着た生徒。1時間目の授業中。顔を真っ赤にして身を縮めている七海と、その隣でイラついている陽葵。あの日の1年A組だった。しかも前後左右や真上など、様々なアングルから撮られている。飯森が依頼し、堀田が隠し撮りしていた映像である。

    それだけではない。モニタの一部には陽葵がグループL○NEに書いた文章が全て映し出されていた。見るに堪えない罵声の嵐。誤字や誤用も目立ち、書いた者の知性が窺い知れる。七海は当時グループLINEを敢えて見ないようにしていたので、見るのは初めてだった。

    「やめてええええええええええっ!! 映しちゃだめえええええええええええっ!!!!」

    陽葵が突如金切り声を上げた。そして窓に向かって突進し、ガラス面を拳で何度も叩く。だが、強化ガラスはびくともしない。直後、映像の中の陽葵が立ち上がって叫んだ。

    『ああっ! もう耐えらんないっ! クサいのよウンコ女! いい加減にしてよっ!!』

    「いやああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

    陽葵はその場に崩折れ、両耳を手で塞ぎ、両目を固く閉ざして号泣した。映像の音声が聞こえなくなるよう、ひたすら大声で絶叫した。

    玲香は動けなかった。なんて残酷なことをするんだろう。学校にいた頃の陽葵は確かに不良だったかもしれない。七海のことをイジメていたのかもしれない。でもとっくに改心したじゃないか。奴隷として頑張ってるじゃないか。無二の親友の前で、過去をほじくり返すようなことをして、何が楽しいんだろう。何が面白いんだろう。女教師役の玲香は教壇の上におり、男たちの顔が見えている。皆一様にニヤニヤとし、中にはペニスを扱いている者までいる始末。最低だ。玲香は男たちを心底軽蔑した。そして同時に陽葵のことを思い、彼女の所に駆け出そうとして、できなかった。勝手な行動を取ってしまったら、後が怖い。お仕置きが怖い。何をされるかわからない。だから動けない。 ……自分はなんて薄情な人間なんだろう。玲香は男たち以上に自分自身を軽蔑し、涙を流しながらその場に留まった。

    今日子も動けなかった。今日子はシングルマザーだった。5年前に交通事故で夫を亡くし、以来女手一つで陽葵を育ててきた。だが、昇進して管理職になってからは、仕事が忙しくて家庭を顧みる余裕が無くなってしまった。高校に入った娘が不良グループに入ったことも、同級生をイジメていたことも全く知らなかった。罵詈雑言だらけのL○NEの文章。これを全て娘が書いたというのか。最愛の一人娘は、知らぬ間に人を平気で傷つける人間になっていたのだ。そのこと以上に、母親の自分がその事実を当時全く知らなかったことが何よりショックだった。なんて最悪な母親なんだろう。あまりにショックすぎて、今日子はその場にへたり込んでしまった。今すぐ娘と七海の所に駆け付けたい。七海に謝って、それ以上に娘に謝りたかった。なのに足が動かない。立てない。こんな時まで動けなくなるなんて、なんて不甲斐ない母親なんだろう、私は。今日子は自分自身に絶望し、涙を流しながらその場に留まった。

    光希も動けなかった。檻に入れられている上に、ただでさえ少ない体力を午前中の輪姦で使い果たしてしまっていたからだ。だが光希は怒りに震えていた。陽葵は大切な妹の、たった1人の大切な大切な友達だ。自分のもう1人の妹とさえ思っている。そんな彼女に何故こんな惨いことをするのか。陽葵は過去を反省しているんだし、今更こんなことをしていったい何になるというのか。人には誰だって知られたくない過去がある。自分にもある。人犬ペロの浅ましい交尾映像を七海に見られた時は死ぬほど恥ずかしかった。過去を後悔し、自分を嫌悪した。でも、それで七海との関係が壊れることはなかった。七海はそんなことで姉を嫌いになるような人間ではないし、陽葵に対しても同じだろう。そのことを伝えたい。絶望の中でもがく陽葵の所に駆け付けて助言したい。大丈夫だよと。それができない自分自身に光希は怒り、涙を流しながらその場に留まった。

    七海は動いた。ただ1人、動いた。迷いは一切なかった。その場を動くなとの命令は受けていない。そのことを冷静に、瞬時に判断した上で七海は、窓の下で座り込んで号泣する陽葵の元に駆け寄ると、自らもしゃがみ込んで正面から力いっぱい陽葵を抱き締めた。

    「陽葵っ!」

    「うああああああああんっ!! 七海ぃっ!! ごめんっ!! アタシのこと、嫌いにならないで!! うわああああああんっ!!!!」

    「大丈夫だよ。私、全然気にしてないから」

    「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさいっ!!」

    「私こそごめんね? こんなに怒って、こんなに苦しんでたんだね。知らなかった。私の臭いのせいで苦しめちゃってごめんなさい」

    「そっ そんなん七海のせいじゃないじゃん!!」

    「うん。でも私が退学したのも陽葵のせいじゃないよ」

    「アタシのせいじゃん!! アタシが不良グループとツルんでるの、クラスのみんな、知ってたし! そのアタシがL○NEで七海のことボロッカスに書いてたのも、みんな知ってたし! だからみんな巻き込まれたくなくて黙ってたんだよ! アタシがバカなマネしなかったら、クラスの誰かが佐渡先生に相談して、そしたら七海が伯父さんにヒドいことされてるってこともバレて、七海は解放されて、そしたらきっと私もママも奴隷になることはなくって…… 全部、全部、アタシのせいじゃんか!!!」

    「なるほどー。そんなこと考えたことなかったよ、私。陽葵、頭いいね」

    「ふざけないで!!」

    「ふざけてないよ。でも、こんなに沢山のカメラで隠し撮りされてたんだよ? 堀田理事長1人じゃ多分無理だよ…… きっとあの学園には他にもこの施設の関係者がいたんだと思う。 ……佐渡先生とか」

    「なっ!!?」

    「ありえない話じゃないよ。私は高1の夏休みにご主人様の奴隷になったの。多分準備はそれよりうんと前からしてたんだろうし、理事長とも相談してたんだと思う。だとしたら理事長はきっと「そういう人」を1-Aのクラス担任にするんじゃないないかな。私のことを見張るために……」

    「…………」

    「推測だけどね。でも、だとしたら、クラスメイトの誰かが佐渡先生に相談しても、ウヤムヤにされちゃってたと思う。それどころか、そのクラスメイトだってどうなってたか……」

    「…………」

    「だからね? 全然陽葵のせいじゃないよ。ね?」

    「七海ぃ……」

    「大丈夫。陽葵はたった1人のお友達だもん。こんなことで嫌いになんかなったりしないよ。だから泣かないで?」

    「七海ぃっ!!」

    「ええっ!!? ちょっ!! うぷっ!!」

    「ちゅっ!! ちゅぷ!! 七海!! 七海!!」

    「く、苦しいよぉ! 陽葵ぃ!」

    「七海、好き! 大好き! 愛してるっ!!」

    「えええっ!!?」

     

    IV:奴隷200日目 – 午後(2)

     

    ……飯森はほくそ笑んでいた。またしても計画通りに行った。光希に代わる七海の人質役は娘の美海としていたのだが、人質役は多いに越したことはない。美海は片言も喋れぬ乳飲み子だし、姉を失って傷心の七海を言葉で慰める存在がいた方が良い。玲香でも良いが、同年代の方が尚良いだろう。そこで七海と陽葵の仲をより強固なものにするために、堀田と相談の上で一計を案じたのだが、どうやら上手くいったようだ。

    それにしても、七海はどこまで賢いのだろう。佐渡は確かにJSPFの関係者だ。彼女は清隷女学園の教師を務めながら、堀田の下で様々な雑務を行っていた。七海の推測通り、飯森の相談を受けた堀田は、佐渡を1-Aの担任に任じて、特に2学期以降、七海を常に監視させていたのである。

    七海はどこまで見抜いているのだろう。実は佐渡は、アイマスクとウィッグで変装した上で、保護者役に扮して自分と堀田の間に立っている。それは七海もよく知っている顔のはずだ。なにせ、奴隷9日目に初めて七海を指名して以降、度々指名してはボロボロになるまで七海を痛めつけ、公開出産ショーの際には助産婦として七海の妊婦腹に鞭を打ち込んだ、あのサディスティンなのだから。

    あのサディスティンが担任の佐渡先生であると、七海は気づいているのだろうか。見た目と口調は別人、同じなのは声と体格だけであるが……。それはわからないが、憶測だけでここまでの真実に迫る七海には飯森も脱帽だ。 ……飯森が佐渡の方を見やると、佐渡も飯森の方を見、堀田もそれに気づいて皆でニヤリと笑った。

     

    「ちょ…… 陽葵! 待ってっ!」

    「七海…… ちゅ…… 七海ぃ…… 大好きぃ♥」

    陽葵は感極まってしまって周りが見えていないのか、七海とのキスを続けながら臍出し状態の制服の中に手を入れ、七海の乳房を揉み始めた。

    「待ってってばっ! 大勢に見られてるんだよ? それに許可を…… ご主人様の許可を取らないと」

    「いいぞ、好きにしろ。ただし衆人環視の中で、だ。撮影もするからな?」

    飯森がそういうと、窓の映像が再び一斉に切り替わった。七海と陽葵のドアップだ。複数のモニターを繋ぎ合わせて実物の10倍の拡大映像をリアルタイムで映し出しているらしい。

    「うわっ! 何これっ!?」

    「最新の16K超高精細カメラと大型モニターだ。 ……これだけで数千万だぞ」

    「いや、そういうことじゃなくって!」

    「ふふっ…… 愛のあるセックスは初めてだろう? たっぷり楽しめ、七海」

    「ううっ…… ご主人様ぁ……」

    「場所は、そうだなぁ。教壇の辺りがいいだろう。玲香、頼む」

    「……はい」

    玲香は教壇を教室の隅に引きずっていくと、教室中央前寄りに座っていた男たちに立ってもらって、空いた机を3×3の長方形に隙間なく並べ、簡易ステージを作っていった。飯森の指示に従って作業を進めながら、玲香の心境は複雑だった。

    玲香がお仕置きを恐れて動けない中、七海は躊躇なく陽葵の元に駆け寄った。今にも壊れてしまいそうだった陽葵を抱き締め、説き伏せ、立ち直らせて、最後には愛の告白までさせてしまった。近頃の2人の関係は友達以上なような気がしていたから、告白については正直驚かなかったが、主人の命令に逆らわない範囲で自由に動き、あっという間に友人を窮地から救ってしまった七海の勇気と機転と行動力にはただただ驚嘆するばかりだ。なんて…… なんてすごい娘なんだろう。そして思った。全力で守らなくちゃ、この若いカップルを。

    光希は自分を恥じていた。先程は動けない自分に腹を立てたが、それは心の底では妹を信じていなかったということの表れではないか。妹はひ弱で人見知りで頼りないから自分が陽葵を説得したいのに、それができない自分が情けなくて腹が立った…… そんな想いが心の片隅にあったのではないか。妹は、もう以前の妹じゃない。ただ優しいだけの弱々しい少女じゃない。それでいて姉みたいに無鉄砲でもない。まるで亡き父のような強さと亡き母のような賢さを持っている。でもその根底には以前のままの優しい七海がいる。いつの間にこんな素敵な女性になっていたんだろう。光希は涙を流した。嬉しさ半分、そんな七海ともうすぐ永遠に別れなければならない悲しさ半分……。

    今日子はひたすら七海に感謝していた。今日子が動けない中、猛然と駆け出して娘を絶望の渦から救い上げてくれた。本当に、感謝してもしきれない。七海の説得を今日子も聞いていた。もし自分の足が動いて娘の元に駆け付け、抱き締めることができていたとしても、あんなことはとても言えなかっただろう。最愛の娘の強く賢く優しい友達、否、恋人。今日子は元々LGBTQには全く興味がなく、それどころか嫌悪さえしていたのだが、娘にこんなにも素敵な恋人ができたことが嬉しくて仕方なかった。そして思った。2人が過去を克服したのだから、自分もいつまでも過去を引きずっていては駄目だ。それではいつまで経っても母親失格のままだ。今からでも理想の母親を目指さなくては。奴隷の娘に相応しい母親を。

    ステージの用意が整うと、2人はほぼ同時にステージに上り、そして制服を着たまま再びキスを始めた。

    「七海…… 好きだよ…… んちゅ♥」

    「陽葵…… ちゅぷ」

    陽葵と再会した日の夜に友達になった時は、単なる「友達」だった。だが、過酷な調教を一緒に受けたり、レズプレイを命じられたりするうちに、肉体だけでなく心の親密度はどんどん増していった。そしてあの日。姉の寿命を聞かされてパニックになった七海を慰め、ずっと一緒にいるよと言ってくれた時、その感情は初めて明確に七海の中に宿った。恋愛経験のない七海にはそれがどういうものかよくわからなかったが、その感情は日に日に大きくなっていった。今日の午前中も、今さっきも、陽葵を助けたのは正義感からじゃない。そんなんじゃない。そんなんじゃなくって…… 好きだから。大好きだから! 愛してるから!!

    「うん…… 私も好きだよ…… 陽葵……」

    目を潤ませながら顔を真っ赤に赤らめ、微かな笑みを浮かべて小さな声で愛を囁いた。その瞬間、感情が膨らみ、弾け、溢れた。愛する人を力いっぱい抱き締め、今度は大きな声で言った。

    「陽葵っ! 大好きっ!!」

    「七海ぃっ!!」

    陽葵は天にも昇る思いだった。感激のあまり涙が溢れて視界がぼやけ、七海の顔が歪んでしまう。でも止まらない。今朝から苦しみと絶望の涙を流し続けてきたというのに、歓喜の涙は涸れることなく溢れ続ける。嬉しすぎて、奴隷とか、衆人環視とか、そんなことどうでもよくなる。七海! 七海!! 七海っ!!!

    熱烈なキスが始まった。唇を合わせて舌を重ね、唾液を交換する。奴隷になってから何百回も何千回もやらされてきた行為。なのに相手が愛する人だとこんなにも幸せな気持ちになれるのか。2人は夢中になってキスを貪り、幸福のあまり軽く絶頂してしまった。

    そのまま両手で互いの身体を弄り合っていく。最初は制服の上から。次に手を制服の中に入れて。でも服は脱がない。脱ぎたくない。裸は奴隷の正装だ。だから、せめて服を着せてもらっている今だけでも自分から裸になりたくない。裸になってしまえば奴隷同士の単なるレズセックス、服を着ていれば人間的な愛の営み。そんな気がする。

    2人は制服の上着をたくし上げて互いの胸を愛撫し、次いで口で舐め始めた。陽葵は、肥大化した七海の乳首を口に含んで思いっきり母乳を吸いたかったが、七海の母乳を飲んでいいのは美海と男たちだけと決まっているのでさすがに自重し、乳房、肋骨、腹、臍と徐々に下半身へと舐め進めた。

    そしてスカートをたくし上げた瞬間、陽葵はあの臭いを嗅いだ。否、これまでも常に臭っていたのだが、感激と興奮のあまり気づかなかったのだ。そしてスカートの中の濃厚な臭気を嗅いで、ようやく気づいたというわけである。スカートの中、ショーツは既に大量の下痢便で茶色く染まっていた。

    「いやぁ…… 恥ずかしいからめくらないで…… 陽葵ぃ……」

    「…………だぁめ♥」

    「うぅぅ……」

    「大丈夫。アタシが綺麗にしてあげるね?」

    そう言うと、陽葵は一気にショーツをずり下ろした。肛門周辺から下半身全体に広がる汚らしい光景。圧倒的な悪臭。あの日も、七海のスカートの中はこんなことになってたんだと思うと、堪らなかった。そりゃ臭かったわけだ。でも不思議と嫌悪を感じない。微塵も感じない。 ……綺麗にしてあげたい。あの日の贖罪というわけじゃない。ただ綺麗にしてあげたいだけ。愛しい人の汚れた股間を舐めて綺麗にしてあげたいだけ。それが愛ゆえの欲求なのか、奴隷的奉仕精神の表れなのかは陽葵にもわからない。 ……陽葵は大きく深呼吸すると、七海の下半身に顔を埋めた。

    「ちゅっ…… じゅるる…… れろっ…… ごくんっ」

    陽葵はいきなり汚れの中心、肛門に唇を重ねてキスをすると、舌を動かして周辺の糞便を舐め取り、飲み込んでいく。

    「げほっ! げほっ! げほっ!」

    激しく咳き込む陽葵。

    「陽葵っ! 大丈夫っ!?」

    「けほっ! ずちゅううっ! うげっ! ぢゅるるっ! うぷ!」

    陽葵はまだまだ食糞が苦手だ。味も臭いも食感も喉越しも何もかも苦手。愛する人の汚物なら美味しく感じるんじゃないかと淡い期待を抱いていたのだが、そんなわけもない。堀田や飯森と全く同じ、不快極まる最低最悪の味。1口ごとに激しく噎せ返り、吐き戻しそうになるが、それでも陽葵は汚物を食べ続けた。意識せずとも口を開け、クチャクチャと汚らしい咀嚼音をわざと発しながら、夢中で貪り続けた。

    やがて七海の身体に付着した汚物を全て舐め尽くすと、陽葵は七海の肛門に刺さっている円筒形の栓を抜いた。元の色も形状もわからないほど大量の糞便がこびりついていたが、陽葵は意を決して肛門栓を口に含むと、歯で汚物をこそげ落として飲み込んでいった。肛門周辺にこびりついていたモノよりも新鮮な分、味も臭いもさらに強烈だったが、陽葵は泣きながら栓を掃除していった。

    「もういいよ、陽葵。あとは私がやるから……」

    「ううん。アタシにやらせて? ね? お願い…… 七海のウンチ、全部アタシにちょーだい……」

    「えっ…… 全部って……」

    「うん。お腹ん中に溜め込んでるのも全部」

    「いいよ、そんなの。だってすごい量だよ?」

    「うん、わかってる。アタシの口に全部出して? 口便器に、して?」

    「うぅぅ…… そんなぁ……」

    「七海のウンチ、食べたいの。不味くてもいいから」

    「だって…… ザーメン混じりの下痢便だよ? めちゃくちゃマズいよ?」

    「いいの、なんでも。お願い、七海!」

    「ああ、もう…… わかったから……」

    「ありがと。あぁぁぁぁぁっ…………」

    陽葵は仰向けのまま目を閉じ、口を大きく開けて待機している。ここに出して欲しいということだろう。

    一本糞のような硬い便であれば口の中に狙いを定めることもできるが、下痢便の場合は広範囲に撒き散らしてしまう。七海は陽葵の口の真上でしゃがみ込むと、制服をなるべく汚さないよう、陽葵の唇に自身の肛門を密着させて括約筋を緩めた。

    「いくよっ!」

    「うんっ!」

    ブビビビビビビビビビビビ!!!!

    下痢便が勢いよく陽葵の口の中に入っていく。その量は、陽葵の口内の容積よりも遥かに多く、溢れた下痢便が陽葵の口元から顔全体へと広がり、鼻の穴を覆っていく。

    「うぶうううううううううっ!!!!!!!!」

    ちょ…… くっさ! まっず! なにこの量! こんな多いの!? 口ん中パンパン…… こんなんどうやって飲み込んだらいいの? ダメ! 口ふさがってるから鼻でしか息できない! 鼻ん中にもウンチ入ってきてる! くさい! くさすぎ! こんなん無理! 無理ぃっ!!

    「陽葵っ! ごめんっ!」

    こんなに沢山出るとは思っていなかった。七海は急いで体勢を変えると、下痢便で覆われた陽葵の鼻に迷うことなく口を付けた。鼻の穴周辺の下痢便を舌で全て掬い取ると、鼻の穴に舌を入れて、鼻クソごと汚物を掻き出して全部飲み込む。次に首の方に流れた分を全て舌で掃除していく。なんとか制服は汚れずに済んだようだ。さらに顔に広がった分を全て処理する。

    続いて、唇を尖らせて陽葵の口の中に入れ、並々と溜まった下痢便を、下品な音を立ててバキュームしていく。しばらくして、ようやく口を閉じることができる程度に下痢便が減ってくると、陽葵は口を閉じた。全部七海にやらせるわけにはいかない。アタシが食べるって言ったんだから。めっちゃニガくてマズいけど。やらなきゃ! ……陽葵は目を固く瞑り、強烈な吐き気と戦いながら、なんとか少しずつ下痢便を飲み下していった。

    数分かけて全ての下痢便を胃袋に送り終えると、陽葵はゆっくりと目を開け、咳込みながら七海に向かって言った。

    「げほっ! うげぇ…… こほっ! ……きっつ」

    「ごめん。思ったよりたくさん溜まってたみたい……」

    「うん。ビックリした」

    「あぅぅぅ…… ごめん……」

    「謝んなくていいよ。それより、手伝ってくれてありがと」

    「うん」

    「でも、アタシ頑張るよ。そのうち全部飲み込んであげる」

    「陽葵……」

    「そのかわりさ…… 今度アタシのも、飲んでね?」

    「いいよ」

    「即答!? さっすが!」

    「……バカ」

    「ははっ♬ それよりさ。身体もキレイになったし、今度は気持ちよくならない?」

    「うん」

    2人はシックスナインで互いの膣を愛撫し合うと、続いて双頭ディルドーを互いの膣に挿入し合って貝合わせの体勢で優しく腰を振り合った。

    「ああん♥ 七海っ♥ んあっ♥ 気持ちい? 七海ぃ♥」

    「ああっ♥ 気持ちいぃよ♥ 陽葵っ♥ あひぃっ♥」

    なんて優しい快感なんだろう。暴力的なレイプも確かに気持ちいいけど、なんだろう、この満たされた感じ。愛のあるセックスってこんなにも素敵なものだったんだ。おねえちゃんや玲香さんと交わった時にも、陽葵とこれまでに交わった時も、こんな気持ちになったことはなかった。ディルドーの先端が膣壁とこすれあって気持ちがいいとか、そんな次元ではなく、2人の身体が溶け合ってしまったような、ふわふわとした優しい幸福感。なんて…… なんて気持ちいいんだろう。なんてしあわせなんだろう。

    陽葵は涙が出るほど嬉しかった。先程から七海が、これまでに見たこともないほど幸せそうな表情を浮かべていた。あの儚げで切なげで蠱惑的な表情ではなく、恋人と溶け合って幸せの絶頂にいるといった感じの、なんとも満ち足りた表情。七海がこんな素敵な表情を見せてくれたことが、陽葵のことを奴隷仲間でなく恋人だと思ってくれていることの証のような気がして、陽葵もまた幸せの表情になり、2人はそのまま優しく穏やかな絶頂に包まれた。

    モニターに10倍ズームで映された七海と陽葵の幸せに満ちた表情を見て、光希も玲香も今日子も涙を流していた。この地獄の中で、2人がこんなにも素敵な顔を見せてくれたことが、心の底から嬉しかった。

    一方、飯森は虫酸が走っていた。七海が飯森に対してこんな顔を見せたら、飯森は七海を即刻JSPFに売り飛ばすだろう。主人と奴隷の関係とは、あくまで主従であって恋愛ではない。七海が光希の死を乗り越えるために、陽葵との絆をより強固なものにする。そのためには当人同士が恋人になるのがてっとり早いので、例によって堀田と協議の上で、陽葵イジメを兼ねたこのようなショーを企画したわけだが、それにしても反吐が出る。2人の仲が深まりすぎて奴隷であることを忘れてしまっては本末転倒であるし、ここはしっかりと釘を刺しておくべきだろう。飯森は全裸になると、堀田とともにステージに上がって幸せの絶頂にいる奴隷どもに話しかけた。

     

    「七海」

    「…………」

    夢のように幸せな時間を過ごしていた七海は、薄汚い声で現実に引き戻された。そうだよね。今は調教中なんだし、こんな幸せなこと、いつまでも続くわけないよね。わかってはいるけど…… 何も今、このタイミングで出てくることないじゃない。 ……最低。

    「はい」

    「随分とご満悦のようだが、今がどういう時間か忘れてはいないだろうな?」

    「はい」

    「他の奴隷とどういう関係になろうと構わんが、お前はどういう存在なんだ? 改めて言ってみろ」

    「…………」(はぁぁぁぁ…………)

    そんなのわかってる。心の中で深い溜息をつくと、七海は速やかに奴隷に戻った。奴隷の正装は裸に首輪のみ。七海は衆人環視の下、命令されずとも制服を脱いでいく。全く恥ずかしくない。服を着るのが恥ずかしくて、脱ぐのが恥ずかしくないなんて、自分が最低の存在に、心の底から奴隷になってしまった気がして悲しかった。制服を脱いでしまえば、ブラは着けていないし、糞便まみれのショーツは床に転がっているから、いつもどおりの全裸だ。ただただ残念だった。もう少しだけ人間でいたかった。恋する少女でいたかった。はぁぁ…… 最低。

    七海は心の中で短く毒づくと、飯森の足元に土下座した。陽葵も、後ろ髪を引かれる思いで制服を脱ぎ、堀田の前にひれ伏す。そう、私たちは恋人である前に奴隷。ご主人様に、お客様に奉仕するのが最優先。ご主人様を怒らせちゃダメ。陽葵と別れさせられちゃうかもしれない。そんなのイヤ。絶対にイヤ!

    「私はご主人様の、飯森則夫様の奴隷です。所有物です。ご主人様にご奉仕し、皆様にご奉仕するためだけの存在です」

    「うむ。忘れるなよ? 忘れずにいる限り、陽葵との関係は許してやろう」

    「あ…… ありがとうございます、ご主人様っ!」

    「七海。陽葵も。ちょっと来い。向かい合って鼻と鼻を密着させろ」

    「……はい」

    「??」

    七海と陽葵は、これから何をさせられるのかと不安になりつつ、言われるままに向かい合った。顔と顔を近づけ、鼻同士を触れ合わせる。 ……もう一度キスしたいな。七海はぼんやりと思った。

    飯森は2人の鼻に穿たれた鼻輪同士を小さな金属のリングで繋いだ。鼻と鼻の距離は3cm程度。ちょっとでも動くと鼻輪が引っ張られて痛い。

    「さあ準備できたぞ? 今日はお前たち2人で我々に奉仕しろ。その状態でな」

    「……わかりました」

    「マ、マジ……?」

    七海と陽葵は、互いの鼻が繋がったまま、身をかがめて尻を突き出すと、互いの手をしっかりと握り締めた。互いの顔が間近にある。2人とも頬が紅潮し、目が潤んでいる。これから行われる調教に対する不安と期待で、マゾの血が騒いでいるのだ。七海は例の妖艶な顔、陽葵も興奮しきって歪んだ顔を、それぞれ愛する者に晒しながら、飯森と堀田に向かって口上を行った。

    「どうぞ犯してください、ご主人様。私たちで事前に濡らしておきましたので…… もう準備万端です。グチョグチョのおまんこにご主人様のおちんぽを突っ込んで、メチャクチャに掻き回して、ザーメン、たっぷり出してください。2人目の赤ちゃん、孕ませてください……」

    「アタシにも堀田様のおちんぽください。おまんこで精いっぱいご奉仕しますので。お願いします……」

    そこにいるのはもはや恋する乙女でなく、2匹の卑しいメス奴隷だった。

    「ああっ! いつっ! ああんっ! 痛いっ!」

    「うぐっ! あんっ! いたっ! んああっ!」

    奉仕が始まった。鼻を繋がれながら猛烈なピストンで膣を犯される2人。窓にはあらゆる角度からのライブ映像が映され、教室内のボルテージは急速に上がっていく。ピストンのたびに鼻が引っ張られて痛い。すごく痛い。飯森と堀田は、鼻同士が不規則に引っ張られるように、わざとピストンのタイミングをずらして責めていく。

    強い刺激故か、2人の鼻粘膜からは大量の鼻水が分泌され、鼻周辺はドロドロ。口にまで大量の鼻水が流れ込んでいく。鼻の痛みと、鼻中隔(=2つの鼻の穴の間にある仕切り壁)が千切れてしまうのではないかという不安にゾクゾクし、鼻水と涙を撒き散らして快楽を貪るマゾの2人。

    興奮した男の1人がステージに上がって、鼻の下のドロドロにペニスをこすり付けると、2人に舐め取るよう命じた。2人は不規則な動きに翻弄されながらも、ペニスに付いた鼻水を下品な音を立てながら舐め啜っていく。しょっぱい。涙と同じ液体だとわかっていても、鼻水には汚いというイメージがどうしてもある。だが、愛する者の汚物を舐めるという行為が、先程の食糞を思い起こさせ、レズプレイの興奮が蘇ってくる。

    「陽葵…… じゅぞぞ! べちゃべちゃっ! 陽葵っ!」

    「ぶちゃっ! 七海っ! ずずずずずずっ! 七海っ!」

    熱の籠もった声で互いの名を呼び、鼻水を啜りながら膣穴の快楽に酔いしれる七海と陽葵。気持ちいい。メチャクチャ気持ちいい! 2人はあっという間に快楽の階段を登り詰めていく。

    「イくっ! もうダメ! イっちゃううううっ!!」

    「ひぐううううううううううううううっ!!!!」

    2人はほぼ同時に達したが、その間も飯森と堀田はピストンを止めないし、2人も口奉仕を止めない。奉仕を休んで絶頂の快楽に浸るなんてことがあれば奴隷失格、厳しいお仕置きが待っている。その辺りは七海も陽葵も心得ていて、絶頂の激しい快楽に包まれながらも膣を強く締め、ペニスをさらに激しく舐め回すのだった。

    やがて飯森たちも限界に達し、5人は同時に絶頂した。足がガクガクと震える。飯森たちが離れた後、2人は膝を折ってその場に倒れ込みそうになったが、倒れた際に鼻が強く引っ張られて千切れてしまうのが怖くて、なんとか堪えた。そして、逆に鼻と鼻を0cmまで近づけ、鼻水と涎と精液でグチャグチャになっている互いの口を合わせると、下品な音を立てて熱いディープキスを開始。すぐに次の男たちがステージに上って、2人の肛門に剛棒をねじ込んだ。

     

    40分後、鼻輪同士を結ぶリングがようやく外された。既に膣にも肛門にも無数の精子が放たれ、2人も10回以上絶頂を迎えていたが、奉仕はまだ始まったばかりである。

    自由度が増した2人を男たちが取り囲んでいく。膣、肛門、口、胸、手、腋、足、その他身体のありとあらゆる部位を弄ばれる2人。もうわけのわからない状況で、レズプレイの時の優しく穏やかな幸福感とは真逆の、嵐のように暴力的な快楽が2人を襲っていたが、2人は快楽に身を任せることなく舌を動かし、手を動かし、膣と肛門を締め、疲れた身体に鞭打って男たちに奉仕していった。そう。何でもやらなきゃ。私たちは奴隷なんだから。愛する人とずっと一緒にいるために、何だってやらなきゃ!

    あまりにも大人数がステージという名の机の上に殺到したため、玲香は安全のためにステージを解体し、今日子とともに教室内の机を全て後ろに移動させた。床の上で引き続きもみくちゃにされる七海と陽葵。だが2人で相手にできる人数には限りがあるため、順番待ちしている男たちは、手近な9個のオナホールで性欲処理をし始めた。特に光希は既に体力の限界だったが、七海と陽葵の負担を少しでも軽くするために、最後の力を振り絞って己に開いた3つの穴でペニスに奉仕するのだった。

    男たち全員が七海と陽葵の穴を使い終えると、2人はレズプレイを強制された。男たちは、2人をシックスナインの体勢にして、互いのドロドロの膣穴やクリトリス(クリペニス)を舌で舐めさせながら、2人の肛門にペニスをぶち込んで激しく犯しまくった。ある者はそのまま肛門内で射精し、奴隷たちに互いの肛門に舌を突っ込ませて茶色く濁った精液を掻き出すよう命令し、ある者は射精直前にペニスをもう片方の口に中にぶち込んで喉奥で射精し、糞カスにまみれたちんぽを舌で清めるよう命令した。掃除の終わった膣穴には再びペニスが挿入されて、すぐに白濁液で満たされた。やがて性器の締まりがなくなってくると、男たちは2人の首を絞めたり、身体じゅうに鞭を打ったりして締めさせた。それでも締まらなくなってくると、拳を膣と肛門にぶち込んでWフィストが始まり、2人は狂ったように泣き叫びながら、それでも絶頂して潮を撒き散らした。

    調教終了の午後5時を迎えた時には、2人は午前中以上に真っ白に染まり、折り重なるように倒れて失神していた。光希もまた失神し、今日子も失神寸前。美海をあやしたり、ダイニングや奴隷用トイレなどを清掃したりするため、度々教室を抜け出していた玲香だけが正常な意識を保っていたが、やはり身体じゅう精液まみれだった。

    飯森は、今日はこのままここで夕食を摂るよう玲香に言い、食べ方を伝えると、玲香に流動食のパックを4つ渡した。玲香はもはや呆れ返る気力もなく、光希を除く失神中、または失神寸前の3人の所に行き、精液まみれの身体の上に流動食をぶち撒けて身体じゅうに塗りたくっていった。そして最後に自分の身体にも流動食を塗ると、3人を起こした。七海と陽葵。玲香と今日子。互いの身体に付着した流動食と精液を舌で舐め取って飲み込んでいく。もう味なんてしない。途中で舐める相手を変えながら、4人は黙々と舌を動かし続けたのだった。

    一方、光希は裏沢によって失神したままキャリーケースに放り込まれ、メス犬区画の9号室へ戻る前に医務室へと運ばれた。本来なら、夕食はこの後、9号室で雑用係が用意した流動食を食べることになるのだが、恐らくもう飲み込む体力も残っていないだろう。失神したまま栄養剤の点滴を受けた後、失神したまま9号室へと運ばれると、光希は明日の朝まで白濁まみれのまま死んだように眠り続けた。体重は朝より0.5kg減っていた。 ……光希の最期の時は、刻一刻と近づいていた。

     

    V:奴隷200日目 – 夜

     

    4人の奴隷はどうにか夕食を終えると、重い身体を引きずって教室を出、シャワーを浴びて汚れを落とした。19時からは1回50分の少人数調教である。

     

    1人目は白髪交じりの男で、七海単独でのご指名だった。場所は和室。七海は紅白の巫女服を着せられた上で、胸だけをはだけた状態で雁字搦めに縛られ、エビ反りの体勢で天井から吊るされた。さらに紅白の蝋が胸に垂らされ、鞭で全身メッタ打ちにされる。元々身体の硬い七海にとっては地獄の苦しみで、今朝から輪姦されっ放しだった七海は、一転して苦痛に泣き叫んだ。マゾの身体が苦痛の一部を快楽に変換していくが、朝からイき続けて疲労の極みにある七海にとって快楽はもはや苦行でしかなく、七海は2種類の苦しみにひたすら耐え続けた。

    その頃、玲香は教室の後始末に追われ、ペアで指名された仁科母娘は20代の巨漢の男の相手をしていた。男は母娘でのレズプレイを要求し、陽葵は七海との絡みで味わった興奮とは別種の興奮を感じながら、実の母と唇を重ね、互いの性器を舐め合った。男はさらにフィストレズをするよう命令する。娘は自分が産まれてきた穴に自らの拳を突っ込んで激しく掻き回し、母は娘の前で絶叫しながら痴態を晒し続けた末に盛大に潮を吹き、娘の腕をビショビショに濡らした。続いて、緩んだ膣を男の巨根に貫かれながら、母が娘の肛門に拳をねじ込み、娘は狂ったように喘ぎまくった末、母と同じように潮を吹いて果てた。さらに男は緩んだ娘の肛門にも巨根を突っ込み、最後は母娘の顔に精液をぶっかけると、娘の糞カスの付いた巨根を母に舐め清めさせて帰っていった。

     

    2人目は中年の男で、七海と玲香を指名した。場所は拷問室。男は2人それぞれに鞭を持たせ、立ったまま互いを打ち合えと命じた。2人とも、S役を命じられたことはこれまでに何度もあったが、互いに打ち合うなどというのは初めての経験だった。七海が鞭を振るうと玲香が硬直し、玲香が鞭を振るうと七海が硬直する。最初はそんなふうに交互に鞭を打っていたのだが、そうではない、同時にやれと男に言われ、七海は玲香をメッタ打ちにしながら玲香にメッタ打ちにされた。痛い。痛くて立っていられない。でも鞭を振るうためには足に力を入れて踏ん張らねばならない。するとその足に鞭が飛んでくる。見れば男も鞭を持っており、主に2人の足に鞭を浴びせていたのだ。2人は1箇所に留まることすらできず、無様なダンスを踊りながら互いの鞭を浴び、互いに鞭を浴びせた。ただでさえ疲労の極みにあるというのに、2人は数十分間も被虐のダンスを踊り続け、後半は足腰が立たなくなって倒れ込んだところにさらに男の鞭を受けた。男は真っ赤に腫れ上がった2人の身体の上に精液をぶっかけ、ついでに小便をひっかけて帰っていった。

    陽葵と今日子はまたもペアで指名された。今度は男たちも2名である。773号室では七海がダントツの人気を誇るが、親子丼もかなりの人気らしい。陽葵はノーブラノーパンの上に例の制服、今日子まで何故か同じ清隷女学園の制服を着るよう命じられた。そして、後ろ手に縛られた状態で1つの三角木馬に互いに向かい合うような格好で跨がされ、足にはそれぞれ重さ10kgの鉄球の付いた足枷が嵌められた。さらに、制服をたくし上げて胸を露出させ、互いの乳首ピアス同士を小さなリングで結ぶと、男たちはその状態で蝋燭と鞭を母娘の身体に浴びせた。母娘は泣き叫びながら身体を激しく動かし、そのたびに股間と胸を激痛が襲った。マゾの母娘はこんな状態でも苦痛を快楽に変換し、互いに身を乗り出して母娘でキスしながら絶頂した。面白がった男たちは、母娘をM字開脚の状態で抱き合わせて、互いにキスした状態で上半身を縛り上げて天井から吊るし、再び乳首をリングで連結した。そして膣穴同士を双頭ティルドーで繋ぐと、母娘の肛門を猛然と犯し始めた。痛くて気持ち良くてもうわけがわからなかった。母娘は涎と涙と鼻水で顔じゅうドロドロになりながら、互いの口内を夢中になって貪り、互いに「ママ」「陽葵」と呼び合いながら何度も何度も果てた。最後は、母の糞カスの付いたペニスを娘が、娘の糞カスの付いたペニスを母が、それぞれフェラ掃除して終わった。

     

    3人目も中年の男で、七海を単独指名した。場所は客用トイレの中にある和式個室だった。七海は鍵の開いた状態のドアを通って客用トイレに入り、指定された個室のドアを開けた。飯森よりもさらに薄汚い中年太りの冴えない小男がしゃがみ込んでいて、七海に背を向けたまま和式便器に向かって脱糞しているところだった。七海は咄嗟に場所を間違えたと思い、男に謝りながら慌ててドアを閉めようとしたが、男に「入れ、七海」と言われて、悪臭漂う狭い個室内に入った。男は半立ちの体勢になると、肛門を綺麗にするよう七海に言って尻を突き出し、七海は跪いて、黒ずんだ毛むくじゃらの肛門を舐め、舌で肛門をほじくって糞便の残りカスを掻き出した。次いで大便器の中も綺麗にするよう男が命じる。七海は「はい」と感情のない声で短く答えると、床に這いつくばって和式便器の中に顔を埋め、30cm近い巨大な一本糞を食べていった。もういいや。輪姦や鞭打ちに比べればラクだし。次はどうせ便器の底に溜まってるオレンジ色のオシッコを全部飲めって言うんでしょ? ……最低。七海は男に言われるままに小便を飲み干し、和式便器をピカピカになるまで舌で磨いた。男は汚れた七海の顔をベロベロに舐め、鼻の穴にまで舌を突っ込んで悪臭漂う唾液まみれにすると、これまた悪臭漂う包茎ペニスを七海の口に突っ込んでイラマチオを始めた。巨根ではないので息苦しさはないが、皮の中に溜まっていた大量のチンカスが、皮がめくれるとともに口の中いっぱいに溢れ、得も言われぬ不快な味と臭いを撒き散らしていく。七海は全身鳥肌になりながらもチンカスを飲み込み、激しいピストンに合わせて唇から喉までを全て使ってペニスに奉仕していく。やがて射精に至ると、男は再び七海を四つん這いにさせて頭を便器の中にぶち込み、便器の水を流しながら肛門を犯しまくった。中出しした後、男は七海にペニスを掃除させようとしたが、便器の中でもがく七海の口に入れても掃除どころか逆効果であると気付き、ペニスに付いた汚れをトイレットペーパーで拭き取ると、七海の口に押し込んで帰っていった。

    玲香は、ぐずりだした美海をあやしつつ、和室と拷問室の清掃を行ったが、清掃中に男2人にレイプされた。男たちは射精直前にペニスを引き抜くと、玲香が持っていた掃除用の雑巾…… 拷問室の床の上に飛び散っていた精液や尿をたっぷりと吸ったそれの上に精液を撒き散らし、雑巾を綺麗にするよう命令した。玲香は雑巾を床の上で絞ると、床の上にこぼれた汚液を這いつくばって舐め取っていった。

    陽葵と今日子はそれぞれ複数人に単独指名され、内容は陽葵が針責め+3P、今日子が水責め+4Pであった。母娘ともに朝に摂取した薬物の効果が切れかけており、前日からほぼ不眠不休であるため、疲労と眠気でもうフラフラの状態だったのだが、それでもなんとかお仕置きされることなく50分を耐え切った。

     

    そして、4人目。相手は七海と陽葵をご指名だった。2人は22時少し前に指定された扉を開いた。中はJSPFの一般的な調教室と同じ間取りで、赤いボンデージに身を包んでアイマスクを着けた例のサディスティンが足を組んでベッドの端に座っていた。

    「ひっ……!」

    陽葵は小さく悲鳴を上げた。陽葵はこのサディスティンに指名されたことは未だなかったが、他のサディスティンの指名は何度か受けていたため、サディスティンの多くが男たち以上に苛烈な虐待を加えてくることを知っている。もう身体は限界なのに、これからさらに酷い目に遭うのかと思うと、陽葵は軽い目眩に襲われ、その場に倒れそうになった。

    「…………」

    七海は全く別のことを考えていた。やっぱり……そうだったんだ。

    「佐渡先生…… ですよね?」

    「…………へぇ。よくわかったわね」

    サディスティン、否、佐渡はアイマスクとウィッグを外した。見慣れた顔がそこにあった。

    「…………え? えええっ!? マジぃっ!!?」

    陽葵は一瞬ポカンとし、それから驚愕の声を上げた。眠気が一気に消し飛んだ。

    「いつ気づいたの?」

    「さっき、教室で、です。教室の後ろにいましたよね」

    「そうね」

    「私、さっき陽葵と、佐渡先生はグルなんじゃないかって話をしてた時に、あなたがご主人様と堀田様の間にいることに気づいたんです。そして、よく考えたら佐渡先生に声も体格もそっくりだった……!」

    「…………」

    「そしたら、あなたがご主人様と堀田様と目を交わして、ニヤッと笑って…… それで私、確信したんです」

    「ふふっ…… あなた本当に賢いのね。テストの成績は可もなく不可もなくって感じだったのに」

    「グルだったんですね」

    「ええ、そうよ? 因みにペロの調教映像を飯森様に渡していたのも私。1-Aの教室にカメラを仕掛けて盗撮した映像を理事長に渡したのも、あなたが変な行動を取らないか見張っていたのも、理事長の指示に従ってあなたの退学手続きを処理したのも、拉致に向けて陽葵と今日子の身辺を調査したのも、みんな私」

    「…………」

    ……最低。ほんと最っ低! 優しくて美人で……素敵な先生だと思ってた。先生の教える国語の授業はとても面白くて大好きだった。助けて欲しいと、実の伯父に酷い目に遭わされていると、何度先生に相談しようと思ったことだろう。 ……まさかこんな最低の人間だったなんて!

    七海は沈黙したまま目に涙を浮かべて佐渡を睨みつけた。本当なら口汚く罵って、頬を思いっきり引っ叩いてやりたかった。でも、できない。奴隷がお客様にそんなことしちゃ、ダメ。でも…… でもっ!

    陽葵も驚愕していた。授業なんてテキトーに聞き流していたし、1学期末の国語のテストも確か14点だったけれど、担任の佐渡先生のことは嫌いじゃなかった。まさかアタシとママのことを調べてただなんて! 教室を盗撮したり七海を監視したり、そんな酷いことをする人だったなんて!!

    「なんで……こんなことするんですか?」

    「そりゃ、仕事だからでしょ」

    「学園の生徒を監禁して堀田理事長の調教を手伝ったり、ここに連れてきて奴隷にしたり…… 私たち以外にもそういう酷いこと、してきたんですか」

    「その通りよ」

    「なんで……」

    「それを聞いてどうするわけ?」

    「…………あ」

    「……ん?」

    「そうか。あなたも堀田理事長の奴隷……なんじゃないですか?」

    「…………」

    「だから理事長の命令通りに動いてるんだ……。違いますか?」

    「いや〜、まいったなぁ。ほんとに賢いね、七海……」

    「そうなんですね。だったらなんで…… なんで私たちに酷いことするんですか! おんなじ奴隷じゃないですか! 私たちの気持ち、わかりますよね!? なんで………… ひっ!」

    七海は言葉を詰まらせた。獲物を見つけた肉食獣のような恐ろしい形相でこちらを睨んでいる……!

    「ふふっ…… いいわ。特別に教えてあげる。私もね、高1の時にご主人様の…… 堀田理事長の調教を受けたの。陽葵と同じってわけ。ご主人様に目を付けられて学園内に監禁されて調教されて、ここに売り飛ばされた。もう15年も前の話よ。それからの1年間は地獄だったわ…… 私の前歯、半分くらい入れ歯だしね」

    「…………」

    「でもね、ある日気づいちゃったのよ。とあるお客様に鞭を渡されて、他の奴隷を打つよう命令された。あの時の快感は今でも覚えてるわ。柔肌を鞭で打ちのめす感覚、赤く腫れ上がった肌、乾いた鞭音と奴隷の甲高い悲鳴……! その時に私、サドに目覚めたの」

    「…………」

    「それから色々あってご主人様に、堀田様に身請けされて個人奴隷となり、学園の教師となって理事長の影の補佐役になった。以来学園の生徒を何人もここに送り込んできたわ…… 初等部、中等部、高等部、大学…… 何人も何人も。陽葵、沙弥香さやか、梢、真弓まゆみ一夏いちか妙子たえこ、 ……ポチ」

    「ポチ!!?」

    「そ。確か中等部の入学式の日にご主人様が見初めたのよ。で、私が色々調べて、ご主人様があの子を監禁して調教してここに売り飛ばしたの。しばらくは大人しく奴隷やってたんだけど、ある時逃げ出しちゃってね……。まあ、ペロみたいにずっと反抗的な態度を取り続けて、ちんぽ噛みまくってたわけじゃないから、危険な薬物は打たれなかったけど。でもあの娘、イラマが苦手だったから歯はもう1本も残ってないし、乳首もクリも舌も伸ばされまくって、ケツの穴もぶっ壊れてて…… ふふっ、見た目はペロとあんまり変わらないわね」

    「…………」(何が可笑しいのよ……! なんで笑えるの!? 同じ奴隷なのに!!)

    「…………」(ポチ…… あの子もアタシとおんなじだったんだ…… アタシも逃げたらあの子みたいになるんだ……)

    「さて…… 昔話はおしまい。そろそろ調教に入ろうかしら」

    「「…………」」

    「ふふっ、最初の命令よ。調教が終わるまで私のことは「先生」と呼びなさい」

    (……最低)

    「ほら、とっとと土下座なさい。そして靴を舐めて挨拶するのよ、木下さん、仁科さん」

    「くっ!」

    七海は腹立たしかった。この女に最初に指名された時も、同性に調教される屈辱に涙したが、あの時とは比較にならないほどの激しい怒りが七海を支配していた。顔が真っ赤に紅潮し、身体が細かく震え出す。好きだった先生に裏切られたことへの憤怒。ポチを含め何人もの生徒を長年陥れてきたことに対する義憤。サディスティンならともかく、同じ奴隷の女に跪かねばならい屈辱。様々な怒りの感情が七海の中で燃え盛り、今にも爆発してしまいそうだった。

    でもダメ。怒っちゃダメ! それじゃああの日と同じだ。主人である飯森に直接叛逆するのに比べれば、罪は軽いかもしれないけど、お客様に逆らったらご主人様の顔に泥を塗ることになっちゃう。そしたらこの女だけでなくご主人様にもお仕置きされる。この最低な女のせいでご主人様にお仕置きされるなんて、そんなの絶対…… 絶っ対イヤっ!! でも! でもっ!! なんでこんな最低なヤツに土下座しなきゃなんないの!? 靴を舐めて、調教してくれって、酷いことしてくださいって…… ふ…… ふ……

    「ざけんなぁっ!!!!」

    キレたのは七海ではなく、隣にいた陽葵だった。七海以上に顔を真っ赤にし、全身をワナワナと震わせながら、疲労も眠気も全て忘れて絶叫した。

    「あんた、奴隷なんでしょ!? アタシやママとおんなじ! 学校でもここでも、アタシが毎日どんな気持ちで過ごしてるか、わかるでしょっ!? なのになんでっ!? なんでっ!!? なんでアタシを…… ママを…… こんな……っ!!」

    涙が溢れ、それと同時にあらゆる負の感情が溢れ出る。過呼吸になって言葉がうまく出てこない。 ……奴隷にとってご主人様の命令は絶対。それはわかる。堀田理事長の命令に従って自分と母を陥れた。教師の立場を利用して。百歩譲って、ご主人様に逆らえないから嫌々やったっていうのなら、まだ許せる。でもなに!? コイツの顔! 笑ってる! 楽しんでやってる! 奴隷のくせに!! アタシとおんなじ奴隷のくせに……!!!

    「…………」

    七海もまた言葉が出てこなかった。佐渡に逆らったら陽葵は酷いお仕置きを受ける。堀田からも罰を受けるだろう。恋人がそんな目に遭うのを黙って見てるなんてできない。止めなきゃ! 今すぐ止めなきゃ!! ……でも。陽葵の怒りは七海の怒りだ。七海が言えなかったことを陽葵は代弁してくれている。なら、陽葵と一緒に佐渡に立ち向かうのが、人間として正しい在り方なんじゃないだろうか。陽葵を止めるっていうことは、私も佐渡の側に立つっていうことなんじゃあ……。愛する人を裏切って最低な女の味方をするの? そんな最低な人間なの!? 私っ!!!

    (…………そうか)

    七海はあの日を思い出していた。眠っている間に全ての歯を抜き取られて、飯森への怒りが爆発したあの日。陽葵はあの日の自分なんだ。そして、私はあの日のおねえちゃん……。きっとおねえちゃんも今の私と同じことを考えてたに違いない。ご主人様に逆らっちゃダメって。でも言えなくて。私に同調してくれて。一緒に闘ってくれて。結果、おねえちゃんは左目を失い、私はおねえちゃんに焼き鏝を捺してご主人様に絶対服従を誓った。

    このままじゃダメ。同じことになる。陽葵のためなら正直片目を失ったって構わないけれど、そんなことになったら陽葵が悲しむ。陽葵が傷つく。それだけは絶対ダメ。人間としての正しい在り方なんてここでは意味ない。だって私はもう人間じゃないんだから。奴隷なんだから。でも奴隷にだってできることはある。守る。陽葵を、愛する人を守るんだ! 今度こそ間違えるな、私っ!!

    「陽葵っ!!」

    「えっ!? なな……うぷっ!!?」

    七海はいきなり陽葵を抱き締めた。そして唇に唇を重ねて有無を言わさず言葉を奪う。

    「ううん! ぶぷっ! むぅん!!」

    陽葵はしばらくもがいていたが、七海の突然の行動に、怒りの感情が驚きで上書きされたのか、次第に大人しくなっていった。七海はさらに数十秒間口付けを続けた後、そっと陽葵から離れた。そして彼女の両手を握りしめ、目を見ながら話し始めた。

    「ダメ。怒っちゃダメ、陽葵」

    「七海……」

    不服そうな顔の陽葵。

    「ごめんね。こんなの裏切りだよね。先生と変わらないよね。私も一緒に怒りたい。できるなら今すぐこの女の首を絞めて、殺してやりたいよ……」

    「ふふっ……」(どうなるか、見ものね……)

    「でもね? そんなことしたら大変なことになる。陽葵も私も……」

    七海は叛逆事件の顛末をかいつまんで話した。 ……陽葵は絶句した。陽葵も光希の左目のことは気になっていたが、本人や七海には聞きづらかった。光希が逃亡した時に目にも重傷を負ったのだと思っていた。まさか七海と再会する少し前に、そんな恐ろしいことが起きていたなんて……!!

    「そんなことが……」

    「うん。だからね? 絶対逆らっちゃダメ」

    「…………」

    「土下座してお客様の足を舐めながら挨拶するなんて、いつもやってることでしょ?」

    「だって……」

    「相手が先生だろうと変わらないよ」

    「…………」

    「陽葵、昨日から寝てないんでしょ? このままだと今夜も壁の中に埋められちゃうよ…… そんなんヤでしょ?」

    「……うん」

    「大丈夫。私も一緒だから。一緒に佐渡先生にイジメられよ? ね?」

    「……………………わかった」

    「ありがと、陽葵 ……ちゅっ」

    七海は陽葵の頬に軽く口を付けた。そして小さく笑った。 ……その笑顔に、陽葵は思わず見とれてしまった。あの蠱惑的な表情でも、幸せの絶頂にある表情でもない。誠実で真摯で優しげで…… なんて素敵な笑顔なんだろう。

    陽葵は、学校での木下七海を根暗なコミュ障だと思っていた。実際には友人も数人いて、七海は根暗でもコミュ障でもなかったのだが、人見知りする性格だったのは事実であるし、不良グループに属していた隣席の陽葵とどう接していいのかわからず、言葉少なになっていたのを陽葵が勝手にコミュ障だと決め付けていたのである。

    それがどうだ。先程の教室でも、今も。七海は飯森や佐渡の不興を買うのを承知で、恐怖や憎悪の袋小路に迷い込んでいた陽葵を正しい方向に導いてくれた。相手の目を見て、誠実な言葉で、最高の笑顔で。これじゃ、先生の前で何も言えなくなっちゃったアタシの方がよっぽどコミュ障じゃん。

    そう。佐渡先生が何者だろうと、そんなこと関係ないんだ。アタシは奴隷で、お客様に奉仕するのが全て。大好きな恋人の七海と一緒にお客様に奉仕する。先生に奉仕する。それだけ。怒るようなことじゃなかったんだ。 ……ありがと、七海。なんか吹っ切れたよ。いつも助けてもらってばかりだね。いつかお返ししなきゃね。愛してるよ。

    「ありがと、七海。ちゅっ」

    陽葵もまた七海の頬に軽く口付けすると、七海に笑顔を見せた。そして、七海よりも先に自ら床に土下座し、佐渡の足元の床に額をこすり付けた。

    「先生、ごめんなさい。アタシ、気が動転しちゃって…… 奴隷のくせに先生に酷いこと言っちゃいました。すみませんでした。何でも言うこと聞くから許してください、先生」

    七海が先に謝るんじゃダメ。七海の真似してちゃダメ。七海は悪くないんだから。悪いのはアタシなんだから。謝らなきゃ。そして……

    「ぺろっ れろっ 先生…… アタシのこと…… しつけてください…… ちゅぷ 学校で悪いことばっかしてたアタシのこと、お仕置きしてください…… ぺろっ」

    「…………」(陽葵……)

    七海は複雑な心境だった。取り敢えず陽葵が怒りを鎮めて先生に謝ってくれた。あの日の自分たちのようなことにならずに済んで心底ホッとしていた。でも……。あの時、勝手に抜歯されて怒り狂っていた時、姉が今日の七海のようなことを言い出していたら、果たして自分は素直に受け入れていただろうか。

    わかっている。あの時と今回とでは状況が違う。陽葵が説得に応じたのは、あの叛逆事件の結末を知ったからだ。あの時は叛逆したらどうなるか、自分も姉もわかっていなかった。そんな状況で姉が説得してきたら……。多分受け入れていなかった。姉の説得を裏切り行為だと罵り、姉のことを軽蔑し憎悪したかもしれない。そうしたらどうなっていたのだろう。七海1人怒り狂ったまま、主人に片目を潰されていただろうか。それとも、最後にはやはり姉が味方になってくれて、姉の方が片目を失っていただろうか。わからない。今更考えたところで姉の左目はもう二度と元には戻らない。私がすべきことは過去の選択をくよくよ思い悩むことじゃない。陽葵や自分が片目を潰されることのないよう、過去の教訓を今に活かす。それだけ……

    姉が今後も健在ならば、それで全て良しなのかもしれない。だが、姉の命の灯(トモシビ)は消えかけている。片目どころか命そのものが失われようとしているのだ。そう思うと、切なくて堪らなかった。七海は、最愛の姉が自らの左目を犠牲にして最愛の恋人を守ってくれたような気がした。命そのものを犠牲にして妹の自分を守ってくれているような気がした。泣きたくて仕方がなかった。今すぐメス犬区画9号室へ行って、瀕死の姉を抱き締めて大泣きしたかった。でも今はそんなことをしてる場合じゃない。おねえちゃんの想いを無駄にしちゃダメ。奴隷としての務めを果たさなきゃ。

    七海は陽葵の隣に額ずくと、陽葵と一緒に佐渡の足を舐めながら言うのだった。

    「先生。佐渡先生。れろっ 私…… 私たち、先生のおかげで奴隷になれました。でもまだまだ未熟です。国語よりもっと大切なこと…… たくさん教えてください。私たちの身体に刻み込んでください。先生……!」

     

    ……佐渡は感服していた。まただ。先程の教室に続いて、七海はいともたやすく陽葵を憎悪の沼から引っ張り上げてしまった。なんて子だろう。昨年の1学期は全然こんな感じじゃなかったのに。

    そして思った。15年前。サドに目覚める前。奴隷として地獄の調教を受けていたあの頃。あの頃の自分にも七海のような強く優しい親友が…… 恋人が一緒にいてくれていたら、その後の人生は変わっていたんだろうか……?

    高1の1学期のある日、佐渡はクラスのとある女子に恋愛感情を持っている自分に気づいた。ショックだった。自分がレズビアンだったなんて。同性の女の子を好きになるなんて! 中学では全然そんなことなかったのに! その気持ちは日に日に高まり、佐渡はいつしかその女子に告白したいと思うようになった。恋仲になりたかった。 ……でもできなかった。勇気が持てなかった。拒絶されたら、気持ち悪がられたらどうしよう。噂好きな子だし、クラス中に私がレズだって触れ回ったらどうしよう。悶々としたまま1学期が終わり、2学期も半ばに差し掛かったある日、目が覚めたら佐渡は堀田の調教室にいた。

    それから地獄の1年を過ごし、男と肌を合わせ、男に奉仕することにもすっかり慣れたが、他の奴隷を痛め付けるよう命令された時に全てが変わった。サドに目覚めた。というより、サドになれば奴隷の女の子たちとレズプレイできることに気づいたのだ。JSPFでもトップレベルに残忍なサディスティンの誕生であった。

    だが、自分と似た境遇の陽葵が、同じく奴隷の七海に愛の告白をし、相思相愛の強い絆で結ばれたのを先刻目の当たりにして、佐渡は複雑な思いだった。自分もあの子に告白していたら、どうなっていただろう。キスからセックスに発展して、ディルドーで処女膜を破ってしまうような関係にまでなっていたら、処女でなくなった自分に堀田は目を付けていただろうか。或いはJSPFに連れて来られて以降に、七海のような素敵な恋人ができていたら、レズセックスし放題の毎日を送っていたら、果たして自分はサディスティンになっていただろうか。

    今となってはわからない。佐渡は今の生活に満足している。奴隷の女の子をいたぶるためなら喜んで男にも奉仕するし、堀田の指示にも従う。問題は、ないはずだ。なのに、どこかモヤモヤしてしまうのは何故だろう。喉の奥に魚の小骨が刺さったような違和感が、午後からずっと続いているのは何故?

    ……そんなのわかりきってる。これは嫉妬だ。自分と同じ境遇にありながら、七海という最高のパートナーを得ることができた陽葵に嫉妬しているのだ。

    自分も何度絶望の渦に飲まれただろう。だが自分には相談できる奴隷仲間がおらず、暗闇から笑顔で救い出してくれる親友も恋人もいなかった。ただひたすらに孤独と暴虐に耐え続けた。毎日毎日心が壊れる寸前まで追い込まれ、それでもなんとか耐えて耐えて、歯も10本近く失って、1年後にはようやく一人前の奴隷になることができた。それまでのあの地獄の日々……!!

    なのに陽葵は、この小娘は、ここに来てまだ3ヶ月にも満たないというのに、1本も歯を失っていないのに、最愛の恋人ができて、母親もいて、姉みたいに慕うペロや玲香がいて…… 同じ境遇なのに、なんでこんなに違うわけ? なんでこんな幸せそうな顔ができるわけ? 自分はあんなに大変だったのに。1人で悩み抜いて耐え抜いて苦しみ抜いてきたのに。なんで? なんでっ!? 羨ましい! 妬ましい! むかつくっ!! ……教師にあるまじき黒い感情が体内にどんどん蓄積されていく。

     

    七海は佐渡の靴を舐めながら、室内の空気が変わったのを肌で感じていた。さっきまで饒舌に語っていたのに、急に黙ってしまった佐渡。足が細かく震えている。 ……どうしたんだろう? そう思って七海は佐渡の顔を見上げ、そして思わず身震いした。恐ろしい形相で陽葵を凝視していた。先程のような肉食獣のそれではない。黒い感情に支配された悪鬼のようだ。な、なんでこんな顔してるの? 陽葵、何か怒らすようなこと言った……?

    佐渡は、七海が怯えた表情でこちらを窺っているのに気づき、我に返った。取り敢えず黒い感情を胸の中にしまい込む。が、一度その存在に気づいてしまった以上、もはや忘れることはできない。佐渡は2人から顔を逸らすように顔を上げ、そして時計を見た。もう30分が経過していた。あと20分。たった20分でこの黒い感情を陽葵にぶつけ切るなど到底不可能だ。それにここには七海がいる。できれば七海はいない方がいい。どれだけ陽葵を追い詰めても、七海ならやすやすと彼女を救ってしまうだろうから。今日は適当に切り上げて、後日改めて陽葵を単独指名しよう。そして…………

    佐渡はペニスバンドを装着し、机の上に七海を寝かせて彼女の膣を正常位で犯した。と同時に、陽葵に足の下で仰向けになって待機するよう命じ、この時間のために3日間溜め込んできた糞便を思いっきりぶち撒けた。奴隷調教時代に拡張された彼女の肛門からは極太の一本糞がひり出され、陽葵の顔の上にトグロを巻いていく。陽葵は嫌々ながらも糞便を少しずつ噛み砕き、嘔吐することなく胃袋へと送っていった。が、あまりにも量が多いため20分で食べきることはできなかった。

    「うぶぇっ!!?」

    佐渡は七海をイかせ、自分も絶頂した上で机に座り、ハイヒールで糞まみれの陽葵の顔をグイグイと踏んでいく。さらに、糞便がたっぷり付いたヒール(踵)を陽葵の鼻の穴に突っ込んでグリグリと掻き回していった。

    「いっ! いたっ! くしゃいっ! 痛っ!!」

    「これっぽっちのウンコ食べるのに20分以上もかかるなんてありえないでしょ。お仕置きよお仕置き」

    「ご、ごべんなざい…… 先生…… ぐぷっ ごくんっ」

    「50分経っちゃったけど、全部食べ切るまで延長よ。そうね…… あと3分で食べ切れなかったら壁尻部屋でもう一晩過ごしてもらおうかしら」

    「しょ……しょんな…… あむっ んぐっ」

    「陽葵っ……!」

    「木下さんは手伝っちゃダメよ? これくらいの量でもたつくなんて奴隷失格。あなただって奴隷生活長いんだから、それくらいわかるでしょう?」

    「……はい」

    「靴が汚れちゃったわ。木下さん、頼める?」

    「はい、先生」

    「良い返事よ、木下さん」

    「ぴちゅ れろっ にゅぷ ずちゅ」

    佐渡は、陽葵の顔の上10cmくらいのところで、七海にハイヒールの汚れを掃除させた。七海は陽葵のすぐ横に這いつくばって、手を使わずに舌だけでハイヒールに付いた糞便を舐め取っていく。七海は1分もかからないうちに掃除を終え、陽葵は残り16秒のところで佐渡の糞便を食べ切った。

    「先生、ごちそうさまでした。げぅっ! 口便器、使ってくれてありがとうございました…… うっぷ!」

    「ふん。じゃあ、またね。仁科さん」

    そう言うと佐渡は帰っていった。

    「陽葵っ! 大丈夫っ!?」

    「うん、大丈夫。ちょっと食べるのに時間かかっちゃっただけ…… げぷっ!」

    「そっか……」

    「これくらいで済んでよかったよね……」

    「……だね」

    「んあ〜! もうダメ! 鼻ん中ウンチまみれ〜! くっさ〜!! シャワーシャワーっ!!!」

    七海は、先生の態度がどこか腑に落ちなかった。あの鬼の形相はいったい何だったんだろう。その後の責めも、いつもに比べれば大したことなかったし、先生は七海を犯している間も心ここに在らずといった感じだった。そして去り際、「またね、仁科さん」と言った。なんで私の名前は呼ばれなかったんだろ? 陽葵だけ、また指名するってことだよね? ……大丈夫かな。あんな怖い顔してたけど…………

    七海はもっと考えようとしたが、限界だった。ヨロヨロとシャワー室に向かい、陽葵と一緒に汚れをザッと落とす。陽葵は、鼻の穴を洗い湯をがぶ飲みし、糞便臭が消えたところで力尽きた。2人とも髪も乾かさずにベッドに直行する。陽葵のベッドは世話係用の部屋にあるのだが、陽葵はなんとなく七海に従いていき、七海のベッドに2人同時に倒れ込んだ。恋人同士のピロートークなどする間もなく、倒れ込んだ瞬間に意識を手放した。

     

    …………崩壊が始まろうとしていた。

     

  • ハードSM小説『奴隷姉妹』 第7章 – 公開出産ショー

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    I:出産の日

     

    そして5月18日。七海が飯森の子を妊娠して280日目、JSPFに来てから152日目、飯森に絶対服従を誓ってから69日目。七海の公開出産ショーの日を迎えた。

    朝、七海はいつものように糞便なしの流動食を片付けると、仁科母娘と一緒に奴隷用便所で放尿し、身だしなみを整えてからメス犬区画9号室へと向かった。今日が七海の出産の日と知っている2人は、何と声を掛けて良いかわからず、七海も緊張して気もそぞろだったため、会話は殆どなかった。今日子は、難産だった陽葵のお産を思い出し、あれと同じ苦痛を僅か16歳の少女が今日これから経験するのだと思うと、いても立ってもいられず、七海の手を両手で握り締めて「頑張ってね」と言うので精一杯だった。自らも先日妊娠したことを知らない陽葵は、自分もいつかは七海みたいになるのかと思うと不安で堪らず、目に涙を浮かべながら、太鼓腹を刺激しないよう背後から七海を強く抱き締めることしかできなかった。

    9号室でペロ、玲香と合流し、5人の会話が始まる。何も知らない5人の会話が。

    「七海……」

    「ペロ……」

    姉妹も互いに見つめ合うのみで、名前を呼ぶ以外言葉が出てこない。

    「いよいよね、七海ちゃん。調子はどう?」

    重い沈黙を破って七海に静かに語りかけたのは、5人の中で唯一公開出産ショーを経験している玲香だった。そのことを知っている七海も、やがて静かに口を開いた。

    「…………はい。昨日の夜は痛かったですけど…… 今はそんなに」

    「そう、よかった…… 出産ショーってホントに辛くて苦しいけど、大丈夫だからね? 私は今もこうして元気だし。私の息子も元気で育ってるみたいだし。七海ちゃんも、お腹の子も、必ず乗り切れるから」

    「……はい」

    「だから、頑張ってね?」

    「あの…… やっぱり私の赤ちゃんも…… すぐに施設に送られちゃうんですか?」

    「飯森様はなんて?」

    「その…… 教えてくれなくて……」

    「そっか。この中であなただけはJSPFの奴隷じゃないからねぇ。赤ちゃんをどうするか決められるのは飯森様だけ…… 私にもわからないの……」

    「ですよね…… 私、ご主人様の赤ちゃんができたって聞いた時はほんとにショックで…… しばらくしたらつわりが酷くなって…… お腹が大きくなったらどうやって学校に行こうって毎日泣いて……」

    「七海……」(そんな辛い思いしてた七海をアタシ…… ホントに…… あの時はホントにごめん……!)

    「でもだんだん産みたいって思うようになって…… ご主人様に忠誠を誓ってからは、この子を愛おしいと思えるようになって…… 時々お腹を蹴ってくるのが嬉しくて…… できたら、この子、私が育てたいって、思うようになって…… ぐすっ」

    「うん」(そうだよね…… 私もそうだったもん。ごめんね? 名前も知らない私の息子…… ごめんね……?)

    「バカですよね、私…… 無理やりだったのに…… レイプだったのに…… こんなの…… ひっく」

    「そ、そんなことないよ! 七海っ!」

    感極まった玲香が七海をそっと抱き締めた。

    「そうです。キッカケはどうであろうと、十月十日かけて貴女が育ててきた世界にたった1人の大事な大事な赤ちゃんであることに変わりはありません。その赤ちゃんのことを想う母親がバカだなんて、そんなこと絶対にありませんっ!」

    自分をバカ呼ばわりする七海に我慢できなくなったのか、この中で一番人生経験豊富な今日子が強い口調で話し始め、そして玲香同様、七海をそっと抱き締めた。

    「私は世界で一番陽葵のことを愛しているし、それと同じくらいの愛情を、お腹の中にいるこの子にも注いであげるつもりです。産まれたらすぐに離されるのかもしれませんが、それでも産まれるまではずっと一緒なんだから、最大限の愛情を注いであげなくちゃ。それが母親ってもんです」

    「ママぁ……」

    まだ膨らんでいない腹部をさすりながら、言い聞かせるように語る今日子の手を、涙声の陽葵がギュッと掴んだ。

    「七海。七海なら大丈夫だよ。なんとかなる。大丈夫だよ。だから頑張って……!」

    そうして陽葵もまた七海を抱き締めた。望まぬ妊娠を強制され、勝手に漏れ出てくる糞便に苦悩し続けてきた七海。知らなかったとは言え、その彼女に酷い言葉を吐き続けた自分。今では後悔しかない。何度でも謝りたい。今すぐもう一度謝りたい。でも今はそんなことを言ってる場合じゃない。きっと出産ってものすごく大変なんだろう。ママや玲香さんの顔を見ればわかる。今は七海に余計なことを言うべきじゃない。友達としてひたすら励まして励まして励ますしかない。七海! 頑張って!!

    円陣を囲むようにして七海を抱き締める3人を前に、ペロは独り臍を噛んでいた。この中で唯一七海の家族である自分。七海のことを最も愛している自分が、この輪に加われないだなんて……! 手足が…… 手足があれば!! ……でも! それでも! 私も言わなくちゃ! 出産を前にして不安に押し潰されそうになっている七海に! 愛する妹に! 大丈夫だよって! 頑張ってって! 言わなきゃ!!

    「なな…………」

    その時、9号室の扉が開いて飯森が現れた。

    「じゃあ行くぞ、七海」

    「…………はい」

    「ま、待っ……!」

    あっという間に扉が閉まり、七海は行ってしまった。なんてことだ! 姉として激励の言葉を掛けてあげられなかった! なんで! なんでっ!! なんでもっと早く言わなかったんだ!!! 頑張ってって!!!!

    ……録画されている5人の会話を部屋の外で聞きながら、玲香・今日子・陽葵のナイスアシストに飯森はほくそ笑んでいた。3人とも七海の母性を高め、産まれてくる赤子への執着を強めるような発言をしてくれた。そう、これもいつぞやと同じ。飯森の思惑と奴隷たちの願望が一致しているからこそ生まれたアシストだ。こういう状況を今後も作っていけば、七海は姉の死を乗り越えることができるに違いない。

    おっと、ペロが話しかけようとしているな。ペロへの依存度は下げねばならんからな。そうはさせんぞっ! ……こうして七海は、ペロとマトモな会話を交わすことなく別れた。

     

    II:公開出産ショー (1)

     

    公開出産ショー専用の大部屋は、中央ホールからほど近い場所にあった。飯森と七海は、観客用でなく出演者用の専用入口から入り、まだ照明の付いていない薄暗いステージに上がった。

    ステージの中央には分娩台が1つだけ置かれている。毎週のように奴隷たちが悲鳴と号泣のうちに出産させられる場所。だが、様々な体液や汚物が飛び散るであろう分娩台やその周辺は、今はシミ1つなくピカピカに洗浄されている。ステージ前に扇型に広がる無人の観客席(定員70名)にも灯りは付いておらず、辺りは静寂に包まれていた。

    突然照明が付いた。それとともにステージ裏から女性が数名現れる。全員20〜30代くらいで、うち1人は白衣を纏い、それ以外は全員アイマスクを付けていた。

    「今日はよろしく頼む」

    「かしこまりました、飯森様」

    「…………」

    七海は飯森の斜め後ろで不安そうに立っていた。白衣を着ている人が産婦人科のお医者さんで、横にいる人が看護師さん?……助産師さんかな? なんで目を隠してるの? ……って、この人、助産師さん、いつも私に酷いことしてくる女王様だ! 助産師さんだったの!!? 怖い…… 何、されるの? 他の助産師さんもみんなサドの女王様なの? お産を助けてくれるんじゃないの!? 顔……笑ってる……! 怖い……っ!!

    七海は怖くなってサディスティンたちから目を背け、分娩台を改めて見直した。この椅子って…… 前にビデオで見た気がする。保健体育の時間に見たビデオ。ちょっと形が違う気もするけど。ここに妊婦さんが座って、股をガバっと開いて、「ひっひっふーっ」って言いながら血まみれの赤ちゃんを産むんだよね。今からあれをやるんだ…… 大勢の男の人や女王様たちに見られながら…… 赤ちゃんを産んでママになるんだ……! ……あまりに絶望的な状況に、そのまましゃがみ込んで大泣きしたいのをなんとか堪えていると、飯森が振り返って言った。

    「ここに座れ」

    「…………はい」

    小さな声で返事をすると、七海は自分から分娩台に乗った。すぐに助産師たちが手足を台に固定し、無人の観客席に向かって股を開いていく。恥ずかしい。もっと恥ずかしい格好を散々やってきたのに。羞恥心なんてとっくになくなっているはずなのに。奴隷奉仕という、この施設の外での非常識な行為にもすっかり慣れてしまった七海だったが、出産という外の世界での常識的行為を非常識な形でやらされることで、忘れていた羞恥心が戻ってきたようだ。そして、羞恥心とともに、出産という神聖な行為を下劣なショーにしてしまう男たちへの嫌悪感や、そのショーの主役が自分であることへの絶望感など、外の世界の「マトモな」感覚が次々と七海を襲ってくる。なんで…… なんでこんなトコでこんなカッコをしているんだろう。なんでこんなことになっちゃったんだろう……。助けて…… 助けて、お母さん…… 助けて…………

    七海の目から次々に涙が溢れてくる。手が拘束されていて涙を拭うことができないので、溢れた涙は痩けた頬を伝って顎から垂れ落ち、分娩台や床を濡らしていく。ピカピカに磨かれたそれらが早速体液で汚れていく。 ……七海は気づいていなかったが、大きく開かれた股の中央からも別の体液がどんどん溢れ出て、周辺を汚していた。マゾに調教され尽くした七海の身体は、久々に感じる羞恥心に瞬時に反応し、何の刺激もない状態でも愛液を撒き散らしていたのである。

    七海の正面に立ち、しとどに濡れた股間を見て内心ニヤけていた飯森は、七海の顔を見ながらゆっくりと口を開いた。

    「七海。これからショーの内容を伝える。一度しか言わんからちゃんと聞いとけよ?」

    「……はい」

    「この後ここに客が入ってくる。予約は満席だし、当日参加も可能だから立ち見がでるかもな」

    「…………」(そんな多いの!?)

    「まずは出産直前のお迎えショーだ。その姿勢のままお前の3つの穴で観客全員の相手をしろ」

    「……は?」

    「席数は70だが、恐らく100人くらいだろうな。 ……4時間はかかるぞ」

    「なっ……!?」

    「いいか? 陣痛に襲われようが破水しようが全員の相手をするまで終わらんからな? 途中で産んでしまったらお仕置きだ。お前だけではないぞ? 赤ん坊は産まれてきた直後に手足をちょん切ってペロのようなメス犬にしてやる」

    「!!!!!!!!」

    「お迎えのショーが終わったら俺が背後からお前のケツを犯す。その状態で産むんだ」

    「!!!!!!!!」

    「産み終わったら、まず最初に俺がお前のまんこに挿入する。それが終わったら産後ショーだ。再び観客全員の相手をしてもらう。2人目もとっとと孕めよ? ……以上だ」

    「………………………………」

    あまりの内容に顔が真っ青になる七海。目を大きく見開いて主人の顔を見上げ、何か言おうとするものの、言葉が出てこない。身体中の震えが止まらない。 ……このまま産むのだと思っていた。大勢の男たちの前で公開出産するのだと。それだけでも耐え難いのに、まさか出産直前と直後に輪姦されるだなんて! アナルセックスしながら出産するだなんて!! そんなの絶対イヤ!!! 赤ちゃんが死んじゃうっ!!!!

    その時、観客席の照明が点灯し、座席後方の扉が開いて男たちが入ってきた。顔見知りの常連客が何人もいる。堀田理事長の顔もある。座席はあっという間に埋まり、立ち見の客も鈴なりだ。100人を軽く超えている。150人くらいだろうか。公開出産ショーで立ち見が出ることは滅多にないので、七海の人気がいかに高いかがわかる。男たちの目は一様にギラつき、ステージ中央、分娩台に拘束された16歳の妊婦へと向かう。数多の視線を浴びて、七海は強い羞恥を感じたものの顔を赤らめるどころではなく、これから起こることへの不安で青ざめ、歯のない歯茎はガタガタと震え、目からは大粒の涙が溢れていた。 ……股間はまるで洪水のように愛液で溢れかえっていた。

     

    「皆様、七海の主人の飯森則夫です。本日は七海の公開出産ショーにお集まりいただきありがとうございます。七海は今回が初産(ウイザン)となりますが、遠慮などは一切不要です。七海の3つの穴を心ゆくまで犯し抜いてやってください」

    歓声が上がり、早速予約客3名がステージへと上がる。うち1人は堀田であった。

    分娩台に拘束されていた七海の手足が少しだけ緩み、分娩台と七海の間に人が1人入れるくらいのスペースが生まれる。3人のうちの1人がそのスペースに入り込むと、七海を後ろから抱き締めつつ自らのペニスを七海の肛門に突き刺した。

    「んんんっ! やっ…… やめてっ! やめてくださいっ! 赤ちゃんが死んじゃうっ!! いやああっ!!!」

    七海の抗議は完全に無視され、七海の正面に立った堀田が、ぐしょぐしょの膣にペニスを挿入した。ほぼ同時に、3人目が七海の首を90°曲げ、尚も叫んでいる七海の歯茎穴にペニスをぶち込んだ。

    「んぶむぐぅーーーーーーっ!!!!」

    開発され尽くした七海の身体は、突如始まった4Pにも即座に反応したが、快感に浸る余裕など七海には全くなかった。死んじゃう! 赤ちゃんが死んじゃうっ!! ……七海の頭の中にはそれしかなかった。七海は昨日も一昨日も何度か4Pをしていたが、数が違いすぎる。それに、出産ショーの中に組み込まれているのが恐ろしい。途中で赤ちゃんが出てきたらどうしよう。流産しちゃったらどうしよう。手足を切られるだなんて、そんなのダメ!! 絶対にダメ!!!!

    昨秋に妊娠が発覚した時は絶望しかなかった。酷いつわりに悩まされながら学校に通った。腹の中にいるのであろう豆粒ほどの胎児は、七海にとって恐怖と憎悪と呪詛の対象でしかなかった。

    認識が変わったのはJSPFに来てからだ。日に日に大きくなっていく腹。過酷過ぎる奴隷生活。その中で七海は姉に対する依存を深めていったが、ペロとは午前中にしか会えない。それ以外の時間の孤独を埋めようと、七海はいつしか腹の中にいる娘に心の中で語りかけるようになり、娘の存在は七海の中で物理的にも精神的にも大きくなっていった。特に飯森に絶対服従を誓ってからは、軽い陣痛が始まったこともあって娘への愛情は格段に深まり、母性が芽生え始めた。

    そしてそれと同時に不安も増大していった。毎日限界まで奉仕してたら流産しちゃわないかな。出産はどれくらい苦しいんだろう。産まれた赤ちゃんは養育施設とかいう所に連れて行かれてしまうんだろうか。イヤだ。一緒にいたい。ちゃんと育てたい。おっぱいをあげて、オシメの交換をして、離乳食を食べさせて…… 奴隷奉仕の合間でいいから私が育てたい。だって…… だって私、お母さんになるんだから!

    筋力が少ない七海でも奉仕できるよう工夫を重ねたのも、奴隷的義務感だけが原因ではなかった。無理やり犯されるばかりでは、いつか流産してしまうかもしれないという恐怖や危機感が生み出したものだったのだ。そうして独特な身体の動きを体得してはみたものの、無理やり犯されるよりも快感が大幅に減ってしまったことに対して残念に思う、救いようのないもう1人の淫らな自分。 ……あの妖艶な表情は、奴隷奉仕と快楽の間の葛藤から生まれたものであるだけでなく、母性と快楽の間の葛藤が表出したものでもあったのである。

    その表情によって男たちが魅了され、奉仕よりもレイプの割合が増えてしまったことは、七海にとって皮肉な状況であった。自発的奉仕よりも遥かに強い快楽に翻弄されながら、常に我が子を心配し続ける哀れな母親。奉仕からレイプに変わると七海の表情がより切ないものになっていったのは、そういう事情からであった。

    飯森と堀田が話し合うまでもなく、七海の中で娘の存在は既に姉に匹敵するほどに大きく膨らんでいたのである。その愛しの娘がいよいよ産まれてくるというのに……!!

     

    調教されきった七海の下半身からは強烈な快楽が絶えず送られてくる。それに加えて痛みも感じる。陣痛だ。陣痛が始まったのだ。もう快楽どころじゃない。七海の頭の中は恐怖一色に塗り潰された。膣内で暴れている堀田の巨根が子宮口をこじ開け、赤ちゃんのいる所に到達してしまうのではないか。流産したら手足を切るってホントだろうか。ホントにそんな恐ろしいことをするのだろうか。いや、流産以前に、子宮口から出てきた赤ちゃんの頭を堀田のペニスで突かれたら……。そんなことされたら赤ちゃんが死んじゃう。死ななくても障害が出ちゃうかも。そんなのイヤ! 絶対絶対イヤ!! 痛い! お腹痛い! やめて! 抜いて! せめてもっとゆっくり! お願い! お願いします! 堀田様っ!! いやああああああああああっ!!!!

    堀田は、恐怖に歪む七海の表情を見て、いつになく興奮していた。サキュバスのように男を誘惑しているかに見える最近の七海の表情も確かに魅力的だったが、やはり恐怖と絶望に支配されたこの顔には敵わない。サディストの血が騒ぐ。もっと歪ませたい。もっともっと絶望の淵に追い込みたい! 可能ならこのまま赤ん坊を突き殺してやりたい!!

    だが飯森の希望は、母子ともに五体満足な状態での出産である。そのためにはどれくらいの強さで突くべきか、何をしても良くて何をしてはいけないか、これまで何百回も出産前輪姦を経験してきた堀田は、例のマニュアルを読まずとも熟知している。サディストとしての加虐心をどうにか抑えながら、堀田は限界ギリギリの力加減で七海の膣を犯しつつ、激しいイラマチオに耐えている七海の耳元で囁いた。

    「ほら、もっと締めろ。締めないと赤ん坊が出てきてしまうぞ。そうしたら俺のペニスでグチャグチャに突き殺して、お前の娘をミンチ肉にしてやるからな」

    「ぶもぉおおおおぉおおおおおぉおおおっ!!!!!!!!」

    あまりの一言にパニック寸前になってしまう七海。まだ破水もしていないのに胎児が出てくるわけがないのだが、初産の上に輪姦中で余裕のない七海はそのことに気づけない。気づけるわけもない。陣痛はどんどん強くなっている。絶叫とともに膣と肛門と歯茎が締まり、3人の男は同時に七海の体内に射精した。それと同時に七海の身体は反射的に絶頂を迎えたが、心はそれどころではなかった。口からペニスが出ていった瞬間、七海は大声で叫んだ。

    「だめえええっ! 殺さないで!! 赤ちゃん殺しちゃだめえええぇえぇぶぇぁおっっ!!?」

    すぐに次の男たちが七海の3つの穴にペニスを突き入れたため、七海の叫びは途中でかき消されてしまう。

    「くくく…… 良かったぞ、七海。せいぜい頑張るんだな」

    堀田は七海に目もくれずに小声で言うと、ステージの脇へと移動した。 ……そこでは後ろ手に縛られた玲香が正座の状態で待機していた。

    射精して汚れたペニスを口で掃除するのは奴隷の務めだ。だが出産前輪姦の際は掃除するいとますら与えられない。そのために掃除役が別途必要になるわけだが、掃除役は出産ショー経験者の中から選ばれることになっており、飯森は敢えて玲香を掃除役に選んだのである。

    「堀田様、失礼いたします」

    そう言うと、玲香は精液と七海の愛液でベタベタになったペニスを咥え、音をたてながら舐めしゃぶって汚れを落とし、汚れを全て飲み干した。続いて七海の口と肛門に入っていたペニスも掃除しながら、玲香は心の中で七海を励ましつつも、1年半前に自分があの台の上で受けた仕打ちを思い出していた。

    玲香の時は、立ち見客はいなかった。確か60人くらいだった。それでもいつもの4Pとは比較にならないくらい恐ろしかった。玲香は当時22歳で60人。七海は16歳で150人。七海が感じている恐怖と絶望は、恐らく玲香の比ではないだろう。何か手伝いたい。可能なら代わってあげたい。でもそれはできない。何か余計なことを言ったら、自分だけでなく七海にも懲罰が及ぶかもしれない。それだけは絶対に避けなければ。だが、妹のような可愛い七海が目の前で苦しんでいるのに、何もしないだなんて。ただ、七海を犯し、苦しめたちんぽの掃除をするしかないだなんて。 ……なんて不甲斐ないんだ、私は!

    玲香が激しい自己嫌悪に襲われている間も、男たちはひたすら七海を陵辱し、玲香はひたすら後始末に追われた。尿意を催した男たちは、当然のように玲香の口内に小便を流し込んでいく。七海の身体は、膣や肛門に中出しされるたびに絶頂を繰り返したが、頭の中は快楽を圧倒的に上回る恐怖に常に支配されていた。自主的にペニスに奉仕しようなどという余裕は一切なかったが、奴隷として完成された七海の身体は、無意識のうちに膣や肛門を締め付け、舌と歯茎を的確に動かすのだった。

    ……3時間半が経過し、射精人数が95となった時、七海がついに破水した。陣痛もさらに激しくなった。七海の恐怖は頂点に達したが、それでも輪姦が止むことはなかった。

    ……立ち見客も含めた153人が全員射精した時には、開始から5時間半が過ぎていた。七海は全身白濁液にまみれて失神寸前だったが、男たちは全員マニュアルを読んでいるため、破水後の膣穴の責め方を心得ており、七海はなんとか流産せずに輪姦を乗り切ったのだった。

    「玲香。七海の身体を綺麗にしろ」

    飯森が玲香に命令する。玲香は5時間半に及ぶ正座で足の感覚が失くなっていたが、よろめきながらもなんとか立ち上がると、七海の全身に付着した精液を舐め清めた。153回もの掃除によって味覚の方も麻痺してしまったのか、精液の味はまるで感じられなかった。

     

    「皆様、七海を可愛がっていただきありがとうございました。それではいよいよ出産となります……!」

    飯森は興奮しきった声で客に向かって言うと、七海と分娩台の隙間に入り込んで後ろから七海を抱き締め、耳元で囁いた。

    「ではいくぞ、七海。可愛い娘を産めよ?」

    「ま、まって…………」

    「それっ!!!!」

    「ひぁああああああっ!!」

    飯森の剛棒が七海の肛門を貫いていく。長時間に及ぶ輪姦で七海の意識は朦朧とし、肛門の感覚は麻痺しつつあったが、飯森の声を聞いて急速に覚醒した。いよいよだ。覚醒とともに忘れていた陣痛が蘇る。痛い。ものすごく痛い。破瓜の痛みよりも、ペニスで喉を突かれる痛みよりも、刺青を施された時の痛みよりも、鞭や蝋燭や針の痛みよりも、これまで受けてきたどんな痛みよりも、圧倒的に痛い!!

    「あぎゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

    七海の絶叫が部屋全体に響き渡る。こんなに…… こんなに痛いの!? 度重なる輪姦で膣の中が切れてしまったのだろうか。肛門に巨根が入ってるから産道が塞がれてるんだろうか。それとも赤ちゃんが変な体勢になって引っかかってるんだろうか。それって、大丈夫!? 死んじゃうってこと……ないよね!!?

    ……七海の後ろで絶叫を聞きながら、飯森は言いようのない充足感を味わっていた。幼い頃から愛し続けてきた七海を犯し、孕ませ、奴隷にし、調教し、屈服させ…… ついに今、娘が産まれようとしている。これまでの十月十日を思うと、それだけで射精してしまいそうだった。なんとか堪えると、飯森は七海の耳元で囁いた。

    「ひっひっふー、だ。高校の性教育の時間を思い出せ。呼吸に合わせていきむんだ」

    「ぃひっ、ひぎっ……ぅぎゃああああああああっ!!!!」

    ラマーズ法どころではない。痛い! 痛すぎる! 早く! 早く産まれて! 私の赤ちゃん! はやくっ! いたいっ! いたいよぅっ!! たすけて!! おかあさん!!! おねえちゃんっ!!!!

    10分、20分、なかなか産まれてこない。どうやら刺激が必要なようだ。飯森は助産師たちに目で合図を送った。

    「とっとと産むんだよ! この豚ぁっ!!」

    助産師の1人、調教12日目に初指名して以来何度も七海を虐待してきたサディスティンが、七海の太鼓腹に鞭を浴びせた。直後、助産師たちが一斉に鞭を振るい始める。

    「やっ! やめてえええええええええええええっ!!!!」

    臨月以降過激なプレイが減ったために、七海の身体に無数にあった鞭痕は殆どが消え、七海の肌は元の白さを取り戻していたのだが、腹を中心に全身くまなくピンク色に腫れ上がっていく。冷静に考えれば、鞭の痛みなど出産の激痛に比べれば取るに足らないのだが、そんな冷静な思考が今の七海にできるはずもない。痛い。お腹が痛くて、全身が痛くて痛くて、死んじゃいそうだ。出産という女性にとって最も過酷で、だけど最も神聖な行為の最中に、この人たちはなんでこんな酷いことをするんだろう。あなたたちも女なんだよ? 出産の時に鞭で打たれたらどんな気持ちになるか、考えないの!? もういい加減にしてよ!!! やめてええええええっ!!!!

    玲香は分娩台の後方で震えていた。1年半前、玲香が出産ショーに出た際も、初産だったために凄まじい痛みを経験したが、肛門にペニスを挿入されてすぐに出産した。それから2回、出産ショー時の掃除役を仰せつかったが、いずれも難産ではなく、鞭打ちは行われなかった。出産を促すために腹に鞭打ちをするなんて信じられない。なんて酷いことをするんだろう。胎児や母体に影響はないんだろうか。

    「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

    普段は物静かな七海が恐ろしい悲鳴を、獣のような咆哮を上げている。恐ろしい。自分も難産だったらこうなっていたかと思うと恐ろしくて堪らない。妹のような可愛い七海が、未だかつて聞いたことがないような声を張り上げているのが怖くて堪らない。 ……七海の間近にいながら助けに入ることもできず、ただ震えていることしかできない自分が情けなくて堪らない!

     

    その時、辺りが異臭に包まれた。絶叫を繰り返しながら、それでもなんとか産もうと必死にいきむあまり、飯森のペニスとの隙間から糞便が漏れ出てきてしまったのだ。この程度の糞便臭を気にするような人間はステージ上にはいなかったが、飯森は待ってましたと言わんばかりに玲香に命令した。

    「玲香、そこにバケツが置いてあるだろ。俺の小便が入ってる。全部浣腸して七海の顔の上に跨がれ。俺のちんぽを汚した罰を与える」

    「!!!!」

    玲香は真っ青になった。そこまで…… そこまでするの? ……七海の顔の上でぶち撒けろって言うの? 苦しんで苦しんで、激痛に泣き喚いて、裂けんばかりに口を開けて絶叫している七海に…… 私のうんちを放り込むの? 食べさすの? 出産中にうんちが出ちゃうなんて、よくある話なんじゃないの? なんでそこまで酷いことするの? あなた、七海を愛してるんじゃないのっ!!?

    「早くしろ、玲香。やらなければ施設にいるお前の息子の目玉をくり抜いてお前に食わせるぞ」

    「ひぃぃっ! い、い、今すぐっ!!」

    そう言われては逆らえない。玲香は飯森の小便を浣腸器で吸い上げると、観客席に向かって尻を突き出して肛門に浣腸器を押し当て、冷えた小便を一気に直腸に流し込んだ。そして、分娩台の首の辺りにある足乗せ台の上に足を乗せてしゃがみ込んだ。七海の顔の真上20cmくらいの位置に玲香の肛門が来る。玲香の正面には観客席、下を見れば真っ赤に腫れ上がった七海の妊婦腹を助産師たちが寄ってたかってメッタ打ちにしていた。

    助産師…… これが助産師のやること? お産を助けるためにやることっ!? お産をサポートして、妊婦さんを優しく励まして、うんちが出ちゃったらそっと取り除いてあげて…… それが助産師の仕事でしょっ!!? なんなのよ、アンタら! アンタらだって女なのに!! 七海や私と同じ、女なのに!!!

    「よし! ぶち撒けろ!!」

    「はい……!」(七海! ごめんっ!!)

    ぶぼぼぼぼぼぼぼっ!! びちびちびちびちっ!! ぶしゃあああああっ!!!

    「ぶぃっ! ごぼっ! うぶぇべぅおぇえううううっ!!!!」

    七海の顔の上に大量の軟便が降りかかり、口の中を満たしていく。激痛の中でなんとかラマーズ法を試みているのに、口が軟便で塞がれてしまって鼻でしか息ができない。鼻呼吸とともに強烈な糞便臭が脳天を直撃する。七海は反射的に嘔吐してしまった。5時間半に及ぶ輪姦の間に消化が進んだ朝食の流動食と、玲香の大便と飯森の小便の混合物が勢いよく飛び出して、七海の胸や妊婦腹、膣穴までをも汚していく。

    「もういやあああああああああああああああっ!!!!!!!!」

    喉が潰れるくらいの大声で七海が叫んだ時、これまでで一番の激痛が七海を襲い、同時に子宮口が開いて胎児が産道を下りてきた。赤茶色に染まった膣が限界まで開かれ、胎児の頭が見えてくる。観客席に緊張が走り、153人306個の目がただ1点に注がれる。

    産道を通過する胎児と、直腸内に満たされた七海の糞便に圧迫されて、飯森のペニスはこれまでにないほど強く締め付けられた。七海と自分の愛の結晶がいよいよ産まれてくる。産まれてくる時すら父のペニスを締め付けてくるとは! 産まれる前から父の奴隷になることを自覚しているのだろうか。母と一緒に父のペニスを締め付けて奉仕しようとしているのだろうか。なんて…… なんて健気な母娘なんだ! これはもう、産まれてきたその日から毎日調教してやらねば! そして母娘共々死ぬまで奴隷として飼い続けるのだ!!

    飯森は猛烈な勢いでピストンし、胎児が産道を抜けきると同時に射精した。

    「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」

    鼓膜が破れそうなほどの七海の絶叫、鼻がもげそうなほどの悪臭、そして意識が飛びそうなほどの圧倒的快感! ……凄まじい量の精液が七海の直腸内に溢れ、彼女の糞便と混じり合っていく。飯森がペニスを抜くと、弛緩した肛門から液便がドロドロと流れ出して、産まれたばかりの女児の身体を汚していった。

    女児はなかなか泣かない。飯森は糞まみれの女児を掴むと、七海の眼前に持っていった。

    「お前の糞で息ができないみたいだぞ。取り除いてやれ」

    嫌悪感はなかった。窒息しちゃう。赤ちゃんが死んじゃう! 七海の頭にはそれしかなかった。手足を拘束されて動けない中、汚物まみれの赤ちゃんの口に口付けし、邪魔な汚物は全て飲み込んでから人工呼吸を施していく。しばらくして、女児が甲高い産声を上げた。臍帯循環から肺呼吸に切り替わって、産声とともに初めての呼吸で女児が吸ったのは、父の精液と母の糞便の臭いだった。母とともに父の奴隷となることが運命づけられた女児は、これから生涯嗅いでいくことになるであろう臭いを、産まれた直後に知ったのだった。

     

    III:公開出産ショー (2)

     

    観客席から歓声が上がる中、赤ちゃんの産声を聞いた七海は、汚物の中で独り泣いていた。

    ……産まれた。産まれてくれた。痛くて痛くて、気が狂いそうになるくらい痛くて、叫びすぎて声が枯れるくらい痛くて、汚物の味や臭いも鞭の乱打も全部忘れるくらい痛くて、最後の力を振り絞って。 ……やっと産まれてきてくれた。うんちまみれでザーメンまみれで。わかってる。この娘は産まれてきた時から奴隷。実の父親の奴隷。酷い目に遭うためだけにこの世に生を享けた。冷静に考えたら、産まなかった方が、流れてしまった方が良かったのかもしれない。でも、そんなことない! 絶対ない! だってほら、こんなにかわいい。うんちやザーメンにまみれて顔もよく見えないけど、たとえどんなにご主人様の顔に似てたとしても、世界で一番かわいい私の娘。 ……ごめんなさい。産んでしまってごめんなさい。でもありがとう。産まれてきてくれて、ホントに、本当にありがとう。 …………ありがとう。

    後ろに控えていた玲香もまた静かに泣いていた。良かった。本当に良かった。こんなにおぞましい出産ショーは初めてだった。七海も赤ちゃんも死んでしまうのではと気が気でなかった。産声が聞こえた瞬間、玲香は張り詰めていた緊張が解け、その場にへたり込んでしまいそうになった。産まれてきた女児の運命を考えると手放しに祝福できる状況ではなかったが、今すぐ七海を抱き締めて、よくやったねと声を掛けたかった。無論そんなことは許されない。それどころか、今から七海に待っているのは……。

    女医は、汚物まみれの女児を洗い、臍の緒を切って淡々と処置を施していく。助産師たちは、分娩台に付属しているシャワーで七海の身体に付いた汚れを落とすと、手の拘束のみを解いた。互いに綺麗になったところで、母子が改めて対面する。

    七海は全身の力を使い果たして分娩台に横になったまま、両手でそっと女児を抱きかかえた。体温が温かい。鼓動が優しい。しわくちゃの真っ赤な顔がただひたすらに愛おしい。七海は深く、深く息をついた。同時に、急速に胸が張っていくのを感じた。

    一方、女児の方は、女医が処置している間ずっと泣き喚いていたが、母に抱かれると急に大人しくなった。そしておっぱいを吸おうとして…… できなかった。七海の肥大化した乳首を咥えることができなかったのだ。

    七海は、幸せの絶頂から奈落の底へ叩き落された思いだった。この改造された無様な乳首では、赤ちゃんにおっぱいを飲ませることができないんだ。そんな。そんな……っ! 悲しみの涙がこみ上げてくる。そんな中でも女児はなんとか乳首に吸い付こうと小さな口を動かして試行錯誤し始め、その刺激によって七海の乳首から初めての母乳が染み出してきた。女児はその僅かな母乳を吸い取ると、安心したのかそのまま眠ってしまった。七海は震える手で女児を強く抱き締めながら、大声で泣き喚きたいところを我慢して、女児を起こさないよう静かに涙を流した。

    飯森は一部始終をニヤニヤと眺めていた。JSPFの奴隷が出産した場合、赤子は産まれたらすぐに母から離されて二度と会うことはない。だが、個人所有の奴隷はその限りではないし、七海の場合は姉の死を乗り越えさせるために、娘への依存度を高めさせる必要がある。だから出産直後に娘を抱かせたのだ。母性を高めさせるために。改造乳首のために授乳できず悲しんでいるようだが、哺乳瓶に移して飲ませれば何の問題もない。 ……全ては順調に進んでいた。

     

    「ではこれより産後ショーを開催いたします!」

    飯森はそう告げると、まだ胎盤の娩出すら終わっておらず、臍の緒の切れ端が覗いたままの膣口にいきなりペニスを挿入した。と同時に、女医が女児を七海から取り上げてそのまま退室していく。

    「おお、こういう感触かぁ……!」

    「いぎゃあああああ……ぇえっ!? だめっ! 連れてかないでっ!! だめええええええええっ!!!!」

    七海は突如激痛に見舞われた。血だらけの膣内に飯森の巨根が侵入してきたのだ。だが直後、女児がどこかへ連れて行かれるのを見て、痛いどころではなくなってしまった。掠れた声で絶叫する七海。イヤ! 別れたくない!! 養育施設に連れてっちゃダメ!!! お願いぃっ!!!!

    「安心しろ。新生児室に連れて行くだけだ。ここはお前の出したクソを始め、雑菌だらけからな。綺麗に洗い直してから新生児室で数日過ごさせる」

    「…………」

    「それより、娘の名前は『みう』だ。美しい海で美海みう。いいな?」

    「みう…… 美海……」

    その名はストンと七海の胸の中に収まった。驚くほど違和感がなかった。私の一字が入ってるのが嬉しい。紛れもなく私の娘。醜いご主人様のDNAをどれだけ濃く受け継いだとしても、世界で一番可愛く美しい私の娘、美海!! ……そして嬉しいと同時にホッとした。ペロやポチみたいなふざけた名前じゃなくてホントによかった。七海は、自分で娘に名前を付けることなどとっくに諦めていただけに、素敵な名前を与えてくれたご主人様に心から感謝した。

    ……でも、あれ? 確か玲香さんは自分の子供の名前を知らないんじゃなかったっけ? どういうこと? 私がこの施設の奴隷じゃなくてご主人様の奴隷だから? じゃあお願いっ! 玲香さんみたいなことしないで! 美海を連れて行かないで! 美海と別れるなんて考えられない! それだけはどうしてもイヤ! ご主人様ぁっ!!

    「さ、今は美海のことは忘れろ。お前は奴隷なんだ。いついかなる時も、たとえ出産直後だろうと主人に奉仕するのがお前の役割。 ……そうだな?」

    「いぎぃっ! そんな…… いたっ! 少しだけ休ませて…… ぐぎぃっ!」

    「いいのか? 俺に逆らって…… 今すぐ美海を養育施設に送ってもいいんだぞ?」

    「!!!!」

    …………ん? 待って? 逆らわなければ……施設には送られない……ってこと!?

    「ご主人様っ! 美海は! 美海は施設には送らないんですか!?」

    「なんだ? 送ってほしいのか?」

    猛烈な勢いで首を横に振る七海。

    「とっとと奉仕しろ。お前はマゾなんだ。マゾなら全ての痛みを快感に変えてみせろ。しっかり奉仕して、その後の輪姦もこなせば美海は施設には送らずにおいてやる。お前に育てさせてやろう」

    「!!!!!!!!」

    「わかったら奉仕しろ」

    「は はいっ! ありがとうございます!! ご主人様っ!!!」

    膣内の生傷を引っ掻き回されて、そんなの気持ちいいなんて思えるわけない。痛い。めちゃくちゃ痛い。陣痛は、産みの苦しみは、美海のためならどれだけでも我慢ができたけど…… 出産の後にまでこんな理不尽な痛みに苦しまなきゃいけないだなんて! でも、良かった! 育てていいんだ! 美海を! 私が! よかった! よかったぁっ!! ……そのためにもしっかりご奉仕しなきゃ! 痛いけど、我慢しなきゃっ!! 美海のために!!! 美海のためにっ!!!!

    激痛に必死に耐える七海を見ながら、飯森は内心ほくそ笑んでいた。どうやら上手くいったようだ。

    飯森は、娘の名前も処遇も、出産が終わるまで決して七海に教えなかった。出産が終わったらまず七海に娘を抱かせ、母性がこれまでにないほど高まったところで娘のみを新生児室へ連れて行く。これによって七海は強い分離不安に襲われる。そこで娘の名前と処遇を明かすことで、不安は感謝へと昇華するだろう。そして一度不安を味わったことで、娘への愛と執着はより強固なものになるに違いない。 ……姉に対するものより遥かに。

    「そのまま胎盤を出してみろ」

    「た、たいばん……?」

    「美海と臍の緒でくっついてた器官だ。後産(アトザン)と言ってな。出産後しばらくして排出されるんだ」

    「で、でも、ご主人様のおちんぽが……」

    「邪魔してるから無理だと言うのか? いいからいきんで出してみろ」

    「…………くぅぅぅっぅぅぅぅっ!!」

    七海は、出してみるからおちんぽを抜いてくださいと言おうとして先を越され、何と返せばいいかわからず、仕方なくいきんでみた。しかし既に体力を使い果たしている七海は、下腹部に力を込めることができず、胎盤が剥がれる気配はない。それに仮に剥がれたとしても、七海が思ったとおり、ペニスが邪魔しているから出ていきようがない。

    胎児が通った直後のため膣道は開ききっており、セックスの快楽はあまりなかったが、無駄にいきむ七海の可愛らしい醜態を見ながら、飯森はゆっくりと射精した。先程のような強烈な快感はなく、眠ってしまいそうなほどに優しく気持ちの良い射精だった。

    七海の方はといえば快感など皆無で、ようやく終わった激痛にホッとしていた。直後、飯森が七海の膣穴に指を突っ込み、臍の緒を掴むと、乱暴に引っ張った。特に痛みもなく、腹の奥が一瞬変な感じがして、あっさりと胎盤は排出された。驚くほど大きくて、青みがかった灰色の不気味な物体が出てきたため、知識のない七海は思わずギョッとしたが、その次の飯森の行動にさらに仰天した。なんと胎盤に齧り付いたのだ。

    「え、ちょっ!?」

    「うん、うまいぞ、七海」

    「うそ…… 食べちゃった……」

    胎盤を食べる人も稀にいるということを知らない七海は、あまりのことに呆気に取られ、次に強烈な嫌悪感を抱いた。ありえない。人間の一部を食べるなんて! 生のまま食べちゃうだなんて! 信じらんない!!

    「…………」

    横で見ていた玲香もまた驚愕した。日本では胎盤食は一般的ではないが、海外ではやっている所もあるという知識は持っていたが、まさか排出直後のものを生のまま食べるだなんて。血液や羊水や精液でベタベタなのに。玲香は、飯森の異常性を再認識するとともに、改めて七海に同情した。

    「ごちそうさま。じゃあ引き続き頑張れよ? 俺以外の子を孕んだらお仕置きだからな?」

    「え?」

    「産後の輪姦ショーの開幕だ!」

     

    七海は足の拘束も解かれて分娩台から降ろされ、ステージの床の上で男たちに犯された。飯森にも犯された。お迎えショーの時は1人1発だったが、産後ショーは無制限だ。153人の精巣が枯れ果てるまで、輪姦は果てしなく続く。出産直後の七海が妊娠するはずもないのだが、それを知らない七海は、男たちが膣内に中出しするたびにお仕置きの恐怖に怯えた。だがそれでも美海のためにひたすら奉仕を続けた。とは言え体力の限界はとうに超えていたので、1時間後には早くも失神してしまったが、失神中も3つの穴を犯され続け、たまにスタンガンで叩き起こされてはまた失神しを繰り返し、それでも覚醒中はなんとか自発的に奉仕しようと重たい身体を動かし、最後には完全に気絶してしまったがそれでも輪姦は終わらなかった。結局13時間に亘って七海は犯され続けたのだった。

    その横では、全身に縄打たれてうつ伏せ状態で天井から吊るされた玲香が男たちと助産師に折檻されていた。七海の顔の上で糞尿を撒き散らした際に、飛沫が飯森や助産師に飛び散ったことに対する罰であった。そんなことを気にするような飯森や助産師ではないのだが、「ごめんなさい」と泣き叫ぶ玲香に対して、助産師たちは男女十数人分の糞便を塗りたくっては鞭の雨を浴びせ、男たちは上の口と下の口を前後からひたすら犯し抜いた。13時間後にはこちらも完全に気絶し、全身汚物まみれのボロ雑巾のようになって床の上に打ち捨てられた。

    こうして、全19時間にも及んだ七海の公開出産ショーはようやく終わりを迎えたのだった。

     

  • ハードSM小説『奴隷姉妹』 第3章 – 奴隷9・14日目

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    I:奴隷9日目 – 午前

     

    奴隷用寝室、12月27日、朝6時。耳をつんざくブザーの爆音によって、150名近い奴隷たちが一斉に飛び起きる。と同時に各ベッドの室内灯も点く。JSPFに連れてこられて12日目、89番ベッドの七海も、前夜の激しい調教の後、気絶するように眠りこけていたのだが、心臓が飛び出るほどの爆音で飛び起きた。直後、扉の真ん中に設けられた直径30cmくらいの丸い窓が自動で開く。奴隷たちが一斉に窓から頭を出す。朝食の時間だ。

    既に各窓の下には、1食分の流動食と小便が盛られた犬用のエサ入れが置かれており、奴隷たちは手を使わずにそれを飲み食いしていく。流動食は、男たちが食べ残した残飯に、動物の精液や栄養素サプリ、糞尿を無毒化する薬等を混ぜて撹拌したものだ。それが小便と混ざって味も臭いも最悪なのだが、奴隷たちは慣れているのか黙々と食べていく。

    中には、流動食に糞便や吐瀉物が混ざったものを泣きながら食べている奴隷もいるが、これは前日夜の調教で失敗した者たちへの罰である(なお、罰の内容は失敗のレベルに応じて変化する)。

    89番の七海も、排泄物がグチャグチャに混ざった流動食を泣きながら食べていた。

    生首だけが150近く並んでモグモグやっている光景は、まるで集団ギロチン場のようだ。朝食の時間は20分。時間が経つと再び爆音ブザーが鳴る。いつまでも食べていると給仕係の男の蹴りが顔面に飛んでくるので、奴隷たちは食べかけであっても急いで首を引っ込める(食べ残した奴隷は後で罰が待っている)。

    次は排泄の時間だが、奴隷はスカトロプレイが必須であるため、朝のこの時間に排泄する者は少ない。七海もこの後スカトロ調教の予約が入っている。この時間に排泄するのは、小便が溜まって我慢できない者や、朝イチでスカトロNGの客に指名されている者に限られる。その者たちは、8畳程度の部屋の床に等間隔で穴が開いているだけの、仕切りも何もない奴隷用ボットン便所で用を済ます。トイレットペーパーは無いので指で拭くしかない。

    ……排泄物はそのまま最下層の「便槽」へと落ちていく。そこには、四肢を断たれた用済みの奴隷たちが蠢いており、落ちてくる排泄物を飲み食いしながら余生を過ごしていた。……奴隷用のトイレと、奴隷の成れの果ての食事スペースが一体となったこの空間は、奴隷の一生を象徴する場所である。が、上層の奴隷たちは、下層に自分たちの未来が広がっていることを知らない。

    朝食後・排泄後はシャワールームで前日の汚れを落とす。奴隷は毎日ありとあらゆる体液・汚物にまみれるため、洗身洗髪が欠かせない。汚れが残っているとこれまた罰が待っているので、膣内も含め各人念入りに身体をこする。排泄を済ませた奴隷が汚れた指を念入りに洗っている。排泄物混じりの朝食を食べた奴隷は、七海を含めシャワーの湯をがぶ飲みしている。七海は、ボディソープもがぶ飲みして食道や胃の中まで洗いたい気分だった。

    シャワーが終わったら髪を乾かし、爪を切り、ムダ毛を処理し、歯を磨く。奴隷と言えど女として最低限の身だしなみは整える必要がある。ただし、髪や歯のない奴隷・拷問で爪を剥がされた奴隷などもいるが。さらには健康チェック。鞭痕や火傷痕に皮膚薬を塗ったり、体温や体重を測ったり。怪我・妊娠している奴隷のケアも行う。妊娠4ヶ月目の七海も女医に腹部を触診してもらった。

    こうしてあっという間に2時間が経過し、朝8時から午前の調教が始まる。

     

    JSPFでは1回4時間の調教が、午前・午後・夜の計3回行われる。内容は、中央ホールでの集団調教・個室での少人数調教・奴隷ごとに定められたメニューによる個別の特殊調教の3つで、奴隷は1日の中でこれらを1回ずつ行わねばならない。奴隷は全部で150名弱いるので、50名弱ずつ3つのグループに分かれる。七海の場合は、午前が特殊調教(姉妹同時調教)、午後が集団調教、夜が少人数調教である。

    姉妹同時調教はペロのいるメス犬区画9号室で行われる。奴隷は普段メス犬区画に入ることはできないが、調教の時のみ特別に出入りが許されており、虹彩認証によってその出入りが厳しく管理されている。奴隷がおかしな行動を取れば、体内マイクロチップと施設各所のセンサーが異常を検知して即座に警報が鳴るという仕組みだ。七海は、移動時に怪しい行動を取るな、脱走のことは絶対考えるな、と光希に何度も念を押されているため、脇目も振らずに9号室へと向かった。

    8時20分前に9号室に入ると、姉の他に雑用係の玲香がいた。12日前、七海がここに連れて来られた日に、七海をキャリーケースから出して全身を洗ってくれた奴隷だ。

    雑用係は計30名いるが、4時間×3の調教を全て免除されているわけではない。特殊調教と集団調教の8時間の間に雑務を行い、少人数調教は他の奴隷と同様に受けるのである。よって雑用係も3つのグループに分かれている。玲香は七海と同じグループに所属しているため、午前と午後が雑務、夜が少人数調教だ。

    雑用係の仕事は様々であるが、メス犬の世話もその1つである。メス犬は基本的に部屋から出ることはないので、雑用係が各部屋を回ってメス犬の給餌・洗身・洗髪を行わねばならない。メス犬の世話は朝8時の調教開始より前に終わらせる必要があるので、朝の時間を1時間削って朝7時からメス犬の世話をせねばならないのだ(そのぶん昼休みが長い)。玲香の担当は8号室と9号室。ポチとペロであった。

    「おねえちゃん、おはよう。おはようございます、玲香さん」

    「おはよう、七海」

    「おはよう、七海ちゃん」

    朝の清々しい空気などとは無縁の、糞尿臭の染み付いた薄暗い地下室ではあったが、3人は努めて明るい声で朝の挨拶を交わした。初めて会った時は、七海は混乱の極みにあったため、玲香とギクシャクした会話しかできなかったが、翌朝から毎日ここで会うようになったため、人見知り気味の七海もすっかり慣れて親しく会話するようになった。

    玲香は23歳。背中まで伸びたやや黄みがかった暗めの銀髪が印象的で、身長は170cmを超え、スラッと引き締まった体つきをしている。大学2年の時に女友達のトラブルに巻き込まれて、気づいたら男たちにレイプされて処女を失い、弱みを握られて売春やAV出演を強要され、ついには男たちの奴隷になり、最終的にはJSPFに連れて来られて専属奴隷となった。以降、なんとか会員客にも気に入られ、半年前からは雑用係を務めている。

    玲香は部屋付属のシャワールームで光希の身体を洗った後、部屋に戻ってドライヤーで髪を乾かしているところだった。しばし3人での会話が続く。玲香も、七海がここに来る前は光希のことをペロと呼んでいたが、七海が来て、ペロの本名を知ってからは、男たちがいない時だけ光希と呼んでくれるようになった。光希はそれがとても嬉しかった。何しろ七海と玲香以外、本名で呼んでくれる者など誰一人いないのだから。秘密の名を共有する仲間、家族。光希は、自分にも姉ができたような気さえしていた。

    七海もまた、もう1人姉ができたような気がしていた。体育会系の光希と異なり文化系の雰囲気が漂う、理知的で優しいもう1人の姉。光希は一人では身体も髪も洗えない。食事も満足に摂れない。玲香は、仕事とはいえ、そんな光希の世話を嫌な顔一つせずにやってくれるのだ。特にこの部屋は、光希の壊れた肛門から絶えず垂れ落ちる糞便の臭いが染み付いてしまっている。女性にとってそういう状況がどれだけ恥ずかしいことか。七海も教室での体験があるからよくわかる。教室中から浴びせられた侮蔑と嫌悪の冷たい眼差し。だが玲香はそんな表情は一切見せない。今朝は、昨夜の最後の客が極太肛門栓を挿していったからか、床の上に糞便は溜まっていなかったが、昨日の朝は酷い有様だった。だが、玲香は何も言わずに平然と床の上の糞便を片付け、肌にこびりついた汚物を優しく丁寧に洗い流してくれたのだった。

    玲「さ、これで終わりよ、光希」

    光「いつもありがとうございます、玲香さん」

    玲「いえいえ、仕事だからね」

    七「ほんと、毎日感謝してます。おねえちゃんをキレイにしてくれて」

    玲「は~い。それじゃあ2人とも…… 今日も頑張ってね」

    姉妹「「はい」」

    昨日とほぼ同じ会話。けれど、この狂った施設の中では数少ない人間的な会話。玲香に頑張ってと言われると、不思議と力が湧く。頑張らなきゃと思う。さあ、今日も過酷な12時間の調教の始まりだ……!

     

    「やあ、七海。おはよう」

    朝8時少し前に飯森が部屋に入ってきた。気持ち悪い声。気持ち悪い響き。数分前に交わした玲香との挨拶とは雲泥の差だ。早速七海のテンションが下がる。

    飯森はペロに肛門栓を外すように言い、シックスナインの体勢になって互いの肛門に口を付け、糞便を食べ合えと命じた。当然ペロが上、七海が下である。姉妹は無言のまま命令に従う。

    七海がペロの下に潜り込むと、無残に脱肛し括約筋もズタズタの肛門から、軟便がボタボタと落ちてくる。肛門に口を付けるまでもない。七海は口を開けて糞便を次々に飲み込んでいった。既に朝、前日の罰として糞尿入りの流動食を食べてきた七海だったが、できたてホヤホヤの糞便の臭いと味は流動食より遥かに強烈だ。食糞という行為にはだいぶ慣れてきたが、糞便の臭いや味に慣れたわけではないし、好きになったわけでも無論ない。七海はむせ返りながら最愛の姉の糞便を頬張り、涙を流しながら少しずつ飲み下すのだった。

    ペロは七海以上に食糞に慣れていた。短い腕で七海の尻を抱き寄せ、首を思いっきり曲げて肛門の前に口を持ってきたら、長い舌を肛門に挿入して糞便を掻き出し、ひょっとこのように唇を尖らせて下品な音を立てながら吸い取る。ペロはメス犬になってから、毎日こうやって他のメス犬たちと糞便を食べ合ってきた。慣れたものだ。糞便の味など美女も醜男も同じだということをペロは身を以て知っていたが、とは言え愛する妹の糞便だ。なんとなく甘い香りがするのは錯覚だろうか。

    互いの糞便を貪った後、褒美としてキスが許される。

    姉妹は糞便まみれの口をつけ、茶色い舌を絡ませながら、激しくキスし合った。

    元々仲の良い姉妹ではあったものの、共にレズビアンの気は無かったのだが、再会してからは絡むことが多くなった。最初は命令されてのことだったが、互いへの愛情(依存)は日を追って深まっており、最近では飯森が休憩している間に、命令されずともレズプレイを始めることすらあった。

    次はアームアナルファックを命令された。これまで、ペロの肥大化したクリペニスや乳首を七海の中に挿入したことは何度もあったが、腕を挿れるというのは初めてだ。七海は両穴ともにフィストファック経験済みだし、自分の腕は飯森の拳よりは細いから多分入るだろうが……。ペロは恐る恐る七海の肛門に自らの短い腕を挿入する。予想通り七海が痛みを訴えることはなかった。ホッとしたペロは、肢(アシ)だけで立つと、上半身全体をヤジロベエのように器用に揺すりながら腕をゆっくり出し入れする。残っていた糞便が腕を黄土色に染めていく。七海の気持ちよさそうな声が聞こえてきた。

    突如飯森が七海の口を犯し始めた。フェラチオとか口淫とかそんな生易しいものではない。頭を手で掴み、ちぎれんばかりに髪を引っ張り、喉の奥を激しく突き上げる。オナホールだってこんな使い方をしたら壊れてしまうだろう。七海はあまりの苦しさに「やめて」と言おうとしたが、口も喉も塞がれていて言葉にならない。なんとか抵抗しようと必死に手を動かして暴虐から逃れようと試みる七海。

    小さく舌打ちした飯森は一旦ペニスを引き抜くと、無言のまま七海の両手を素早く後ろ手に縛り、再び口に巨根を突き入れた。七海にできることは、苦痛に耐えることしか残されていなかった。

    しばらくすると、もっと激しく腕を動かせと飯森がペロに命じてきた。そんなこと言われても、短い肢で不安定に座りながら上半身のバネだけで腕を出し入れするだけでも大変なのだ。これ以上スピードを上げるのは不可能だ。そう言おうとして、ペロは言葉を飲み込んだ。飯森が冷たい目でこちらを見ている。命令に背いたら七海に何をするかわからない、そんな目だった。

    仕方なく5cmほど七海の方に近づくと(その分腕が奥にめりこむ)、ペロは肩をバイブのように震わせながら抽送を開始した。途端にペニスの隙間から漏れる七海の声が大きくなる。苦しいのだろうか。気持ちいいのだろうか。わからない。相変わらず飯森は七海の喉を激しく犯している。七海は白目をむきながら暴行に耐えている。あんなの気持ちいいわけない。苦しいに決まってる。もうやめて。七海が窒息しちゃう。早く終わって……!

    数分後、飯森は七海の喉の最奥で射精した。一部は食道から胃へ、一部は気管支へ、一部は逆流して口や鼻へ。ペニスが抜かれると、七海は激しく咳き込み、次の瞬間嘔吐した。朝に食べた排泄物入りの流動食も、先程食べたペロの糞便も、たった今出された飯森の精液も、全てを。

    虫の息の七海に対して飯森が、リバースしたものを全て食えと命令する。

    「いい加減にしてください!」

    さすがにペロが激昂する。

    「私が全部食べますから! 七海を休ませてあげて! お願いします!」

    「その吐瀉物の中には、七海が生きていく上で必要な栄養素が含まれている。残すことは許さん」

    「はあ!? あなたが無茶したから吐いちゃったんでしょっ!?」

    「知らんな。俺は吐けと命令してないし、吐いていいと許可も出してない。勝手に吐いたんだから自分で胃に戻すのが道理だろう」

    「む、無茶苦茶よ!!」

    「ほう…… お前、いつからそんなに偉くなったんだ?」

    「いや…… その……」

    「ふん。いいだろう。ならお前が口移しでこいつに全部飲ませろ」

    「なっ!?」

    「あれだけ仲良くキスしてたんだ。本望だろう?」

    「くっ!!」

    「次逆らったら七海の歯を麻酔無しで全部抜く。イラマチオのためには歯は邪魔だし、流動食と糞尿だけなら飲み食いにも不要だからな。そう思うだろう?……なぁ、ペロ」

    「……はい。わかりました。口移しします。」

    ダメだ。この外道に逆らっちゃダメ。歯を抜かれる痛み…… 七海に味わって欲しくない。絶対に!!

    ペロは短い手足で吐瀉物に這い寄ると、悪臭に耐えながらズルズルと音を立てて吸い上げ、口の中いっぱいに溜め込んだ。ペロには手がないので吐瀉物を掬うことができない。面倒だが、口に含んでは七海の所に移動して口移しで飲ませてまた移動、という動作を何度も繰り返さねばならない。なんだか、昔テレビ番組で見た何かの動物の親子みたいだとペロは思った。私、もう人間じゃないんだ……

    「ケホッ! ケホッ! おねえちゃん…… ごめんね……?」

    「いいお…… おえおいおあ、ういあええ……?(いいの…… それよりほら、口開けて……?)」

    「あぁぁ…… じゅるるるるるる……」

    姉妹の惨めなキスを見ているうちに飯森が回復した。

    この後、飯森は七海の膣に2発、肛門に3発、口に1発出し、オマケでペロの歯のない口にも1発出した。そうして午前の調教の時間が終わって退室する間際、飯森は思い出したように言った。

    「勝手に吐いた罰として昼メシは俺の糞尿とゲロ入りだ。せいぜい味わって食うんだな」

    昼食は各調教室に置いてある流動食を奴隷が各自摂ることになっており、この部屋にも幾つか置いてある。飯森は、床の上に流動食1食分をぶち撒け、その上にしゃがみ込んで小便をかけ、大量の大便を放出した。さらに指を自らの口奥に突っ込んで嘔吐する。

    「朝食はベーコンエッグトーストだったからな。人間の食い物が食えて良かったな。じゃあまた明日な、七海」

    そう言うと飯森はドアを開け、退室していった。七海は過酷な調教によって息も絶え絶えの状態だったが、あまりの仕打ちに泣き出してしまった。子供のように泣きじゃくる妹を見つめながら、姉もまた何もできない自分が悔しくて悔しくて、震えながら泣いていた。

    だが、次の調教までは1時間しかない。ペロは七海を説得した。できれば七海の代わりに自分が糞尿を食べてやりたかったが、部屋は常時監視されているから余計なことをしたら七海が罰せられてしまう。汚物を食べるよう必死に説得しながら、なんて情けない姉なんだと光希は自分自身に絶望していた。しばらくして泣き止んだ七海は、疲労の極みにある身体をなんとか立ち上がらせると、汚物の前で再びしゃがみ込み、四つん這いになって泣きながら昼食を摂るのだった……。

    13時からは中央ホールでの集団調教である。大量の汚物に手こずった七海は、大急ぎで部屋の片隅にあるシャワールームに駆け込み、湯をがぶ飲みしつつ全身の汚れを落とすと、姉に別れを告げて虹彩認証を行い、部屋の扉を開けて廊下を勢いよく走り出した。

     

    II:奴隷9日目 – 午後

     

    調教開始3分前。七海が中央ホールの扉を開けると、既に殆どの奴隷が集まっていた。奴隷は所定の位置に立ってまんぐり返しのポーズで待機することになっており、七海は急いで自分の場所へと向かった。すぐに時間となり、男たちが続々と入ってくる。万一遅刻したら男たち全員に折檻されるため、遅刻する奴隷は滅多にいない。七海も未だ遅刻したことはないが、他の奴隷が遅刻し折檻を受けているところは見たことがある。あんなの見せられたら…… そりゃ必死になるよ……!!

    男たちが奴隷を見定めていく。集団調教中の累積待機時間が規定時間より長かった奴隷には、罰として糞尿入りの夕食が与えられるため、奴隷たちはマンぐり返しの身体をくねらせて必死に自分をアピールしている。

    七海も、羞恥で顔を真っ赤にしながら手で膣穴を拡げ、ぎこちなく腰を振った。恥ずかしいけど糞尿はもうコリゴリだ。

    白髪混じりの初老の男が七海を選んだ。

    男は堀田ほったと名乗った。まだ一度も相手をしたことのない人だったが、七海は男の顔に見覚えがあるような気がした。取り敢えずは無事選ばれたことにホッとしつつも、何をされるんだろうとビクビクしながら七海は堀田に従いていった。酷いことしない人だといいな……。

    10分後、七海は絶叫していた。縄で縛られ天井から逆さに吊るされて、鞭でメッタ打ちにされていた。七海は木下家でも毎日のように鞭を受けてきた。だが使われるのはいつもSM用の鞭で、痛みは相当なものだったが、打たれた場所から血が出るようなことはなかった。

    それは乗馬用の本物の鞭だった。全力で打ったら皮膚が裂け、肉が飛び散るほどの威力があり、痛みもSM用の比ではない。七海の所有者である飯森の要望で、一生残るような傷を負わせることはNGとなっているため、堀田は軽く打つ程度にとどめているものの、それでも皮膚から血が滲み出て3~4日はミミズ腫れが残るし、SM用の数倍は痛かった。

    七海はJSPFに連れてこられて以来、数日に1回は乗馬鞭を打たれてそのたびに悶絶していたが、逆さ吊りで打たれるのは今回が初めてだった。いや、逆さ吊り自体初めてだ。頭に血が上る。きつく縛られた手足の末端が紫色に変色し、頭がボーッとしてくる。そこに激痛の嵐だ。七海は堪らず泣き叫ぶ。

    「いぎゃあああああああっ! やめっ! やめてえええええええっ!!」

    だが、鞭は一向に止まらない。それどころか、痛みがさらに増えていく。近くにいた男たちが面白がって鞭打ちに参加しだしたのだ。2人、3人、4人。様々な鞭を手にして七海をメッタ打ちにしていく。まるでサンドバッグか何かのようだ。さすがに妊娠中の腹だけは避けているが、それ以外の箇所が全身ピンク色に腫れ上がっていく。

    頭に血が上って意識が朦朧とする中、七海は思い出していた。ここに連れて来られた日、初めてこの部屋に入った時。20代くらいの奴隷を逆さ吊りにして鞭で叩いている男を見た。そうだあの男だ。あの男の顔と一緒だ。そういえば…… あの時は…… 逆さまで鞭だけじゃくて…… 口で…… フェラ……

    「ぐむうううううううううううっ!!!!」

    その瞬間、堀田がいきなり七海の口にペニスをぶちこんだ。午前中に続いてまたしてもイラマチオが始まったのだ。七海の記憶通りの展開だったが、その苦しさ・辛さは想像を遥かに超えていた。血が上る。息ができない。酸素が足りない。顔を真っ赤にしながら七海は必死にペニスに食らいつく。周りの男たちは5人に増え、相変わらず鞭の雨を降らせている。身体の中も外も凄まじい苦痛の連続なのに、喉を塞がれて悲鳴すら上げられずに悶絶するしかない七海。

    「うぶぇぐぷむううううううううっ!!!!」

    何分経ったのか、ようやく堀田が喉奥で果てた。七海は酸素不足でほとんど窒息寸前だったが、猛烈な吐き気をどうにか堪える。と、間髪を入れずに次のペニスが口の中に侵入してきた。……結局、堀田+5人全員の精液を飲み干すまでイラマチオと鞭打ちは続いた。全てが終わった時、七海は殆ど失神寸前、腹以外は全身くまなく鞭痕で埋め尽くされ、濃いピンク色に腫れ上がっていた。膨らんだ妊婦腹だけが白く残った状態は、ピンク色の動物の着ぐるみを想像させ、痛々しいと同時に滑稽だった。

    ……堀田は、私立清隷女学園の理事長であった。七海は8ヶ月前の入学式の際に壇上で挨拶する彼を見ており、見覚えがあったのは或いはそのせいかもしれない。だが、一度しか見ていないので記憶は曖昧であり、堀田が自分の通っていた高校の理事長であることに七海は気づかなかった。

    堀田はJSPFの幹部の1人であり、校内に設けた秘密の調教室で自ら女子生徒を調教して、何人もの奴隷をJSPFに提供してきた。今回の件でも、授業中に糞便を漏らして赤面している七海を隠し撮りした動画データを飯森に渡していた他、災害事故後の学園側の対応や七海の退学手続きなどにも関与していたのである。

    因みにメス犬のポチは、現在七海と同じ15歳であるが、同学園中等部の入学式の際に堀田に目を付けられて調教され、JSPFの奴隷となり、その後メス犬に改造された。もし堀田に目を付けられなかったら、七海の同級生になっていたかもしれない……

    堀田は七海を下ろして縄を解くと、七海に部屋の中央まで来るよう命じた。部屋の中央は一段高くなっており、照明に明るく照らされてステージのようになっている。周りは360°観客が囲っていて死角はない。

    ステージの上には、腹も含めて全身鞭打たれてピンク色に染まった奴隷が2人いた。

    1人は七海より若く10歳前後、もう1人は30歳くらいに見える。顔がそっくりだしもしかしたら母娘だろうか。2人の額に彫られた豚の顔の刺青が痛々しい。豚の顔のすぐ下には「母豚」「子豚」と掘られている。彼女たちの鼻にはフックが掛けられ、肛門には豚のしっぽが付いた栓が刺さっていた。

    その母娘らしき奴隷2人、否2匹は、ステージの上で四つん這いになって豚になりきっている。「ぶーぶー」なんて可愛げのある鳴き声ではない。鼻をフガフガと鳴らし、鼻水を垂れ、涎を飛ばしながら半狂乱でステージを無様に駆け回っていた。ステージの周りには男たちと奴隷たちが集まっており、男たちの喝采と嘲笑、奴隷たちの悲痛な溜息が混じって異様な雰囲気だ。七海はあまりに酷い有様に呆然とし、立っていられなくなってステージの前でへたり込んだ。

    「お前もステージに上がれ。奴らみたいに豚になれ」

    堀田は、七海の隣に胡座をかいて座ると、冷たく低い声で七海に命じた。全身を真っ赤に腫らした七海は、顔をさらに赤く染めて震え上がった。いや…… いやっ! 豚って…… あんなの絶対やりたくない! みんな見てるのに!! 恥ずかしすぎて死んじゃうよ!!!

    拒絶の意志を示そうと首を横に振ろうとした時、堀田の手に握られているものを七海は見た。バラ鞭。だが、ただのバラ鞭じゃない。金属のトゲが沢山付いている。トゲは単純な三角ではなくネジのようにギザギザした形状をしていた。あんなんで叩かれたら全身血まみれになって死んじゃうっ! ……真っ赤だった七海の顔が真っ青に凍りつく。やらなきゃ…… 恥ずかしいけどやらなきゃ!!

    逡巡の末に七海は立ち上がった。堀田の反対側に座っている男から鼻フックと豚のしっぽの付いた肛門栓を受け取ると、胸と股間を隠しながらおずおずとステージに上がった。方々から忍び笑いが漏れる。着ぐるみのような七海の姿を見て嘲笑っているのだ。ただでさえ上がり症気味の七海は、顔を身体以上に真っ赤にしてその場に蹲った。すぐに「立て」「隠すな」「とっとと歩け」「豚女」とヤジが飛んでくる。七海は羞恥に身を焦がしながらなんとか立ち上がると、恥部を隠すことなくステージ中央に向かった。

    ……木下家でも散々恥ずかしいことをさせられてきた。だが、同じ男たちと4ヶ月も裸で一緒にいれば羞恥心は薄れる。七海にとっては家での調教よりも、学校での羞恥調教(糞便漏れ)の方が遥かに恥ずかしかった。だが、ここは木下家とも学校とも違う。中央ホールには奴隷が約40人、男がその倍、計120人近くの人間がいる。殆どが知らない人たちだ。彼らを前に、ステージで無様なショーをしろというのだ。ここへ来て9日目だが、こんなのは初めてだった。恥ずかしい。顔の赤みがさらに強まる。みんなこっちを見ている。男たちは調教の手を止めてギラついた顔で凝視している。奴隷たちの多くもチラチラとこちらを見ている。ダメ! 恥ずかしすぎる! 豚の真似だなんてそんな恥ずかしいこと絶対にできない!!

    猛烈な羞恥に襲われた七海は、それでも肛門栓を装着しようとしゃがんだが、そこで止まってしまった。「何してる」「早くしろ」……すかさずヤジが飛んでくる。でも動けない。全身震えているので手に力が入らない。恥ずかしすぎて、鞭打たれた体の表面だけでなく身体の奥が燃えるように熱くて、もうどうにかなっちゃいそう!! ……その時、後ろから静かな声が聞こえた。ヤジが飛び交う中で、それは不思議なほどクリアに七海の耳に届いた。

    「……早くやれ、七海」

    堀田の声。七海は恐る恐る後ろを振り返った。サングラスをしているので顔の表情はわからないが、手にはあの鞭を持っている。 ……やらなきゃ ……恥ずかしいけど、やらなきゃ!!!!

    七海は震える手で鼻フックと肛門栓を装着すると、小声で「ぶーぶー」と鳴き始めた。だがすぐに周囲から罵声を浴びせられ、意を決して鼻を鳴らし始める。

    「フガフガ! ブヒブヒ! プギーッ!」

    恥ずかしい。こんなの恥ずかしすぎる。私、人間なのに。15歳の女の子なのに! 七海は大粒の涙を流しながら鼻を鳴らし、さらに他の2匹の真似をしながらステージ上を駆け回って惨めな豚芸を披露し続けた。

    「もっと豚らしく鳴けよ!」

    客からさらに野次が飛ぶ。すると堀田が空の浣腸器を3本持ってやってきた。自分で空気浣腸して、客に尻を向けて放屁しろというのだ。顔から火が出る。浣腸器を持つ手が震える。涙が止まらない。なんでこんなことしなくちゃならないの? 人前でオナラなんて…… 恥ずかしい! 恥ずかしすぎる! 3匹の豚はステージ中央で野次った客の方に尻を向けて大中小1列に並び、豚のしっぽの付いた栓を外すと、一斉に空気浣腸して同時に放屁した。

    「もっとやれ!」

    客のテンションが上がってくる。3匹は空気浣腸と放屁を何度も繰り返した。6回目の時、七海はオナラだけでなく糞便のカスを飛ばしてしまう。あまりの恥ずかしさにその場にうずくまってしまう七海。だが客は容赦がない。

    「食え! 自分で掃除しろ、豚便所ども!!」

    飛び散らかった糞便を3匹で手を使わずに食べ、また浣腸、放屁。母娘豚が散らかした糞便も3匹で処理…… そんなことが何度も何度も続いた。

    興奮した客の一部がステージに上がってきて3匹をレイプし始めた。七海も膣と肛門を同時に犯される。七海の開発されきった身体が即座に反応していく。

    ステージの中央、衆人環視の下で2穴セックスをする。それだって十分すぎるほど恥ずかしい行為だ。でも乗馬鞭や豚真似よりはマシだ。よく見れば、ステージ下の客たちはショーに飽きたのか自分が選んだ奴隷の調教に戻っていて誰もこっちを見ていない。七海はようやくホッと一息をつき、身体の力を抜いた。とたんに2本の巨根が身体の奥まで侵入してくる。

    「あひゃああっ♥」

    七海は身体がゾクッと震えて思わず声を上げた。信じられないくらい気持ちがよかった。身体の外側は腹以外全身腫れ上がって痛いままだし、口の中は糞便が残って最悪の後味だ。だが、そんなことどうでもよくなるくらい身体の中が熱くて気持ちいい。もっと! もっと強く! もっと激しくして! もっと気持ちよくして!!

    「ああっ♥ んあっ♥ ひゃあっ♥ んあああああっ♥」

    七海は羞恥心を忘れて喘ぎまくった。ほんとに気持ちいい。ずっとセックスしていたい。酷いことされずにこうやってセックスするだけなら、奴隷も悪くない、かも……? 4ヶ月前には2穴セックスが嫌で嫌で堪らなかった七海だが、調教は確実に進んでいるようであった。結局その後はステージの上で14人の男に輪姦されて17時を迎えた。

    夕食は再びカプセルベッドで一斉に食べるのであるが、朝とは逆に、ベッドの外に全員立ちバックの体勢になって首だけ丸穴に入れ、ベッドの中に用意された流動食を食べることになる。外側に並んだ100人以上、200以上の穴は、客や調教師が自由に使うことが可能で、奴隷たちは壁の向こうで膣や肛門を好き勝手犯されながら、1時間以上かけて流動食を啜るのである。

    七海とっては久々の排泄物なしの流動食であった。と言っても残飯と動物の精液とサプリの混合物。味は最低である。

    夕食の最中、壁の向こうでは男たちがやりたい放題だった。七海は膣と肛門に2回ずつ出された他、肛門をフィストファックされながらクリトリスに電マを当てられて何度も潮吹きさせられた。落ち着いて食べる暇もないのだが、流動食の味が最低なので、壁の向こうで色々された方が、気が紛れていいな、と七海は犯されながら思った。

    時間をかけてゆっくり完食し、食後に再度シャワーを浴びると、七海は少人数調教用の個室へと向かった。

     

    III:奴隷9日目 – 夜

     

    19時からは個室での少人数調教である。完全予約制で、調教50分+休憩10分の1時間サイクルを計4回。相手は1人のこともあれば複数のこともあり、奴隷が複数ということもあった。

    相手は千差万別だ。単にセックスして終わりという者もいれば、ひたすら口奉仕ばかり要求する者、虐められることを望む者、中にはディルドーで肛門を突いてくれと言ってくる者もいる。サディスティン(女)が相手のこともある。だが多くの場合、相手はサディスト(男)であり、奴隷はひたすら虐待されることとなる。七海は、今日はもうセックスだけして終わりたいなあと思いながら、個室の扉を開けた。

    1人目の男は蝋燭プレイを望んだ。七海は再び縛られて仰向けに吊るされた。直上には格子状の木組みがあり、そこに赤い蝋燭が括り付けられていた。その数10×10で100本。七海は恐怖で震えが止まらなかった。やがて安全のために目隠しが付けられ、蝋燭に火が付けられる。熱い! 身体中に降り注ぐ蝋の雨! 熱い! ただでさえ集団調教時の鞭打ちで全身腫れ上がって痛いのに。七海は見をくねらせがら絶叫した。だが口を開けると口の中にも容赦なく熱蝋が落ちてくる。絶叫すら満足にできない。七海の身体が白く残ったボテ腹も含めて真っ赤に染まっていく。

    しばらくすると男は七海をうつ伏せにひっくり返し、腹側だけでなく背中側にも蝋を垂らし始めた。熱い。熱くて堪らない。股間や脇の下など、敏感な場所を蝋が直撃するたび、七海は絶叫を上げる。

    男は宙吊り状態の七海を回転させつつ全身蝋まみれにすると、今度は鞭を振るって身体にこびり付いた蝋を剥がしていった。

    もう鞭はやめて!痛い!痛いっ!!赤い蝋化粧の下からピンク色の肌が見えてくる。だが、そうこうしている間も新たな蝋が次々に落ちてくる。蝋・鞭・蝋・鞭…… 時々身体をひっくり返してまた蝋・鞭・蝋・鞭……

    苦痛の連鎖は延々と続き、最後に男が吊られたままの七海の膣に射精して調教は終了した。

     

    20時。2人目の男と一緒に玲香が入ってくる。奴隷2人をご指名のようだ。他の奴隷と一緒に調教を受けるのはこれまでも何度かあったが、玲香とは初めてだ。

    男はスカトロプレイを望んだ。七海と玲香をM字開脚の状態で互いに向かい合うように緊縛拘束し、強炭酸水を直腸内に注入すると肛門同士をチューブで繋いだ。七海の直腸は先程の集団調教で空になっているが、玲香は溜め込んでいたようで、程なくして糞便がチューブを通って七海の体内に侵入してきた。

    そのおぞましい感触。だが、いつも光希の糞便を処理してくれている、もう1人の姉のような存在である玲香の糞便なのだ。おぞましいなどと言ってはバチが当たる。我慢しなくちゃ……! 心はそう思うのだが身体はそうはいかない。七海はすぐに我慢ができなくなり、チューブの中に脱糞した。2人の奴隷の直腸内を汚物が行ったり来たりする。その間に糞便は炭酸と溶け合い、ドロドロの軟便となっていった。

    男はチューブの真ん中あたりをハサミで切り、それぞれを新しいチューブと接続して、反対側の末端を奴隷たちの口に突っ込んだ。七海の口と玲香の肛門が、七海の肛門と玲香の口がチューブで繋がる。七海は途中からこうなるんだろうなと諦めていた。もういいよ、うんちは……。

    やがて、軟便が2人の口に到達した。まずい。苦い。臭い。吐きそう。しかも炭酸が入っていてシュワシュワする。最悪だ。それでもなんとか飲み込もうと四苦八苦する七海。だが、強炭酸の刺激は思った以上に強く、半分ほど飲み込んだところでリバースしてしまった。軟便と、先程食べた流動食の夕食と。それらがチューブを通って玲香の肛門へと殺到する。と同時に、玲香が吐いた汚物が七海の口に流れ込んできた。気持ち悪い。なにこの感じ……! 胃液混じりの吐瀉物は炭酸以上に刺激が強く、直腸は吐瀉物を保持できない。すぐさま吐瀉物が口へと逆流してきた。せっかく久々に糞便なしの夕食だったのに、結局こうなるのか……。七海と玲香は汚物を食べ、吐き戻しのループをひたすら続けた。

    しばらくすると男は2人の口からチューブを外し、今度は七海の口と肛門、玲香の口と肛門を繋いだ。セルフ便器の完成である。汚物はひっきりなしに口と肛門を往復する。チューブの内側は茶色一色に染まり、汚物がどっちへ流れているかすらわからない。

    男は口と肛門が繋がった状態のまま、七海を抱きかかえて膣を犯し、次いで玲香の膣も犯して、2人の中に精液をたっぷりと中出しすると、満足して部屋から出ていった。七海は辛くて悲しくて臭くて不味くて涙が止まらなかった……。

     

    21時。3人目は30代くらいの、アイマスクを着けたボンデージ姿の女だった。JSPFには少数ではあるが女性の会員もいる。ほぼ全員がサディスティンであり、男以上に苛烈に奴隷をいたぶるのだった。

    七海は何だか腹立たしかった。ここでは奴隷は全員女であり、みな酷い扱いを受けている。なのにこの人は、同じ女なのに平気で奴隷に酷いことをするのだ。上級国民だかなんだか知らないが、奴隷の気持ちがわからないのだろうか。自分が奴隷にさせられたらどんな気持ちになるか、想像できないのだろうか。女の前で土下座し、ハイヒールを舐めながら、「奴隷の七海を調教してください、女王様」と言わねばならない屈辱。女から見えないよう顔を背けながら靴を舐めていた七海の両目には、悔し涙が溢れていた。

    だが、そんな思いもすぐに立ち消えた。鞭は…… 痛いのはもうイヤなんだってば!!

    女は七海を後ろ手に縛って三角木馬に乗せた。痛い。股間が裂けそうだ。七海は木下家にいた頃から度々三角木馬に乗せられてきたが、JSPFの木馬は角度がもっと急で、金属製の先端部も鋭く尖っている。猛烈に痛い。七海が震えながら痛みを堪えていると、女はさらに鉄球の付いた足枷を足首に付けてくる。股間がさらにめり込む。震えがさらに大きくなる。肥大化したクリトリスが潰れ、穿たれたピアスが木馬に当たって、震動に合わせて金属音を発する。女は無言のまま七海の腰を両手で掴むと、勢いよく前後に揺さぶり始めた。

    「痛いぃ…… やめてぇ…… いたいよぉっ……!」

    七海が絞り出すように小声でそう言った時、女が乗馬鞭を振るい始めた。しかも女の身体を知り尽くしているのか、脇腹や膝の裏側など、痛い場所、辛い箇所を狙い打ちしてくる。七海は激痛に泣き叫び、鞭から逃げようと身体をくねらせるが、すると今度は股間が木馬に食い込んでしまう。痛くて辛くて、もう発狂してしまいそうだった。

    「ごめんなさい! 許してください、女王様! ごめんなさいぃっ!!」

    なんとか止めてもらおうと、何も悪いことをしていないのに泣きながら謝罪する。だが女はますます興奮し、今度は肥大化して敏感になっている乳首とクリトリスに針を刺し始めた。

    七海は白目を剥き、涙と汗と鼻水と涎と尿と愛液を撒き散らしながら、悲鳴混じりの謝罪の言葉をひたすら叫び続けた。

     

    22時。最後は若い男が3人だった。男3人との4P。七海は安堵した。身体はクタクタなので、3人を相手するのは正直キツいが、痛いのや苦しいのよりはいい。七海は男3人に身を任せつつ、今日最後の快楽を味わおうと思っていた。

    全身をリラックスさせて膣と肛門を貫くペニスの感触を楽しみ、口に入ってきたペニスも激しくしゃぶることなく舌で転がした。フワフワと気持ちよくて、なんだかこのまま眠ってしまいそうだった。

    急に男たちが動きを止めた。

    「お前、ナめてるだろ」

    怒気を含んだ低い声だ。

    「奴隷の分際で奉仕を忘れて快楽に耽るとは良いご身分だな、ええ?」

    「風俗嬢でももっとちゃんと奉仕するぞ。人間以下の奴隷のくせに」

    「お仕置きが必要だな」

    七海の顔が青ざめる。しまった!と思った時には既に手遅れだった。

    手は後ろ手に縛られ、猛烈な勢いでまたもイラマチオが始まった。膣と肛門にはトゲ付きのペニスサックを付けたペニスが突っ込まれ、こちらも凄まじい勢いで暴れ出す。喉と膣壁と直腸壁がゴリゴリと削られる。膣と直腸の間の粘膜がメチャクチャに引っ張られる。これまでに鞭を打たれ蝋を垂らされ針を刺されて既に真っ赤に腫れ上がっている肥大化乳首がメチャクチャに握り潰される。痛い。ものすごく痛い。

    七海は苦痛に堪えながらも後悔していた。もっとちゃんと奉仕していれば…… ごめんなさい。3人目の女の時と違って、今度は本当に謝りたかった。だがしゃべることなど到底不可能だった。若い男は体力がある。ペニスも飯森より長く太く硬い。そんな剛棒で喉を激しく突かれたら、しゃべるどころか呼吸すらできない。七海は顔を紫色に染めながらひたすら暴虐に耐えた。それでもなんとか奉仕しようと、必死に舌を動かし腰を振ったが、激昂した男たちは気づいていないようだった。

    しばらくして、七海が男のペニスに歯を当ててしまった。意識が朦朧とする中で、舌を無理に動かしていたのが却って仇になったようだ。男は怒り狂い、さらに激しく喉を突き回す。反射的に胃の中の汚物が逆流してくるが、剛棒に遮られて嘔吐すらできない。極限の苦痛。もはや舌を動かすことも忘れ、白目を剥き、殆ど気絶状態の七海。男たちは、そんな瀕死の七海をこの後20分に亘って責め続けたのだった。

    やがて終了の時刻が来ると、男たちはボロ雑巾のように七海を床の上に投げ捨て、最後に捨て台詞を吐いて部屋から出ていった。

    「奉仕の手を抜いた罰とちんぽを噛んだ罰として、明日の朝メシと晩メシはウンコ入りだ!」

    七海は床の上に蹲りながら、呆然とその言葉を聞いていた。泣きたかったが涙はもう涸れていた。

     

    23時。全ての調教が終わった。七海は疲労の極みにあった。可能ならこのまま意識を手放して眠ってしまいたい。だが、このままここで寝たらさらなる罰が待っている。七海はなんとか立ち上がると、ふらつきながらヨロヨロと部屋を出た。

    途中、同じようにフラフラな状態の奴隷たちと合流しながら、どうにかベッドまで辿り着くと、横になった瞬間意識を失った。夢は……見なかった。

     

    IV:奴隷14日目 〜肉便器の日〜

     

    1月1日、元旦。新たな年を祝うめでたい日であるが、奴隷たちにとっては1年のうちで最も過酷な1日である。

    JSPFでは、毎月1日は「肉便器の日」となっている。通常の4時間×3回の調教は全て中止となり、JSPF内にいる全奴隷(メス犬を除く)が終日「肉便器」となるのだ。奴隷たちは施設のあちこちに「設置」され、朝8時から夜23時まで15時間ぶっ通しで会員客に使われ続けるのだ。特に1月1日は、世間では正月休みとなるためJSPFを訪れる会員客の数も他の月とは比べ物にならないほど多く、奴隷たちにとっては1年で最悪の日なのであった。

    七海にとっては、ここに来て最初の肉便器の日が元旦となってしまった。元旦だろうがいつもと変わらない糞便入りの流動食をカプセルベッドで食べながら、七海は不安で押し潰されそうだった。玲香から、この日はヤバい、死ぬほどヤバい、ヘトヘトで指1本動かせなくなるなどと散々言われてきたのだ。何をするんだろう。何をさせられるんだろう……

    その頃、玲香もメス犬区画9号室でペロの身体を洗いながら、いつになく深刻な顔をしていた。肉便器の日は雑用係の仕事も特殊だ。朝8時までに担当のメス犬の洗浄を終え、3回分の流動食を用意したら、すぐに上階に戻らねばならない。 ……やがてペロとポチの世話を終えると、玲香は深い溜息をつきながらメス犬区画を後にし、暗い顔で暗い階段を上っていった。

     

    8時になると、七海は肉便器になった。集団調教が行われる中央ホールから男性用トイレに向かう廊下の壁際に、洋式便器が2mおきに10基ほど設置され、右から3番目が七海の持ち場だった。

    七海以外の奴隷たちは、便器に腰掛けて大股開きで股間を見せつけたり、便器に手をついて尻を高く突き出したりしながら、必死にアピールし始めた。七海も便器に腰掛けて股を開き、顔を真っ赤にしながら両手で膣を開いて、通りがかった男たちに向かって腰をくねらせていく。恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。だが、使用回数が一定数に満たなかった者には厳しいお仕置きが待っており、使用回数が最も少なかった者には恐ろしい罰が与えられるのだ(その内容を奴隷たちは知らない)。恥ずかしいなどと言っていられなかった。

    七海の隣の幼女奴隷の肛門を男が突き始め、反対側の熟女奴隷の口を別の男が責め始めた。ダメ! このままじゃお仕置きになっちゃうっ! ……七海は右手で膣を掻き回しながら左手で肥大化乳首を刺激し、さらに激しく腰を振りつつ、通りがかった男たちに声をかけて誘惑し始めた。

    「どうか…… どうか私にもおちんぽをお恵みください…… ここに来てまだ半月ですが、精いっぱい肉便器奉仕させていただきます…… あぁぁ…… お願いします…… 誰か私のこと、使ってぇ……!」

    恥ずかしすぎて気絶してしまいそうだ。男たちにレイプされるのは慣れてしまったが、こちらからレイプしてくれ、使ってくれと懇願するだなんて。しかも周りには大勢の人がいるのに……!

    3分くらい必死にアピールをしていたら、ようやく男が寄ってきた。30代くらいの見知らぬ男だ。

    「あの…… お客様…… 私、七海っていいます。お願いです。私の穴、もうぐちょぐちょです。どの穴でもいいですから使ってください。ご奉仕させてください。お願いします……!」

    七海は顔を真っ赤にさせながら、人見知りの自分をかなぐり捨てて、男の目を見ながら猛アピールした。男の顔には侮蔑と嘲笑が浮かんでおり、七海はさらなる羞恥に身を焦がしたが、それでも泣きながら自分をレイプしてくれと懇願した。男は七海の無様すぎるアピールを堪能してから、無言のまま七海の膣にペニスを突き入れた。

    「んああああっ! ありがとうございます! あり……んがああああああっ!!?」

    選んでくれた礼を言おうとした七海に対し、男はいきなり高速でピストンを開始する。便器に言葉は不要とばかりに右手で七海の顔を乱暴に掴み、左手で七海の肥大化乳首を握りながら、猛烈な勢いでペニスを抽送し、数分後には膣の最奥に大量の精液を放った。

    「はぁ…… はぁ…… ありがとうございます、お客様…… おちんぽを掃除させて……んぼおおっ!!?」

    男は、中出し後に奴隷が言うことを義務付けられている挨拶を七海が言い終わる前に、七海の口内に乱暴にペニスを突っ込むと、数回ピストンして汚れを舌や上顎になすり付け、何も言わずに去っていった。

    「ううううううっ!!」

    七海は、あまりの屈辱に思わず嗚咽を漏らした。何も言われなかった。一言もなかった。完全にモノ扱い。便器扱い。これが肉便器。これを夜まで繰り返す。1日じゅう繰り返す! こんなの…… こんなのあんまりだよ……!!

    だが、悲嘆に暮れてばかりもいられない。こんなペースではノルマの半分にも届かない。隣の幼女も熟女も、3つの穴で3本のペニスに奉仕している。 ……このままじゃダメっ!!

    七海は小さな便器の上に仰向けに寝そべると、背を反らしてブリッジのような体勢になった。身体の硬い七海には辛い格好だが、七海は口を大きく開けて舌を出し、両手の人差し指と中指を精液まみれの膣に突っ込んで激しく掻き回しながら、ひたすら通りがかった男たちに媚を売っていった。

    すぐに中年男3人組が七海を使い始めた。七海は、背中の一部を便器に預けた状態で、腰を曲げて下半身を天に向かって突き出し、両手を床に付けて身体を支える。そんな無理な体勢の七海の膣と肛門と口を、男たちは激しく犯していく。体重を無理やり支えている背中や腕が激しく軋んで悲鳴を上げる。痛い。辛い。息苦しい。だが膣と肛門からはそれ以上の快感が押し寄せてくる。七海はもうわけがわからなくなって、数分後には3人と同時に絶頂した。

    2時間後、廊下に並んだ10体の肉便器は、いずれも白濁液にまみれていた。と、そこへ玲香ともう1人、雑用係がやって来た。

    ここは今から清掃するから男性用トイレに行ってくれと言う。七海は荒い息を吐きながら、他の9人とともに近くのトイレへと向かった。

    トイレの中は肉便器と男たちでごった返していた。10個ある小便器には10体の肉便器の尻が嵌まり込み、6個ある大便器にも6体の肉便器が嵌まっていた。これじゃ使ってもらえないよ。時間が無駄になっちゃう……

    トイレの入口から最も遠い大便器では、近頃増長が目に余るようになってきたとある奴隷が懲罰を受けていた。大便器に頭を埋め込まれて顔面で男たちの糞便を受けながら、腹部に刺青を入れられていた。

    その奴隷の顔面に思いっきり糞便を放出した飯森は、大便器から出たところで所在なげに辺りを見渡している七海を発見し、後ろから手を掴んで有無を言わさず押し倒した。

    「ご、ご主人様っ!」

    「よう肉便器。楽しんでるようだな」

    「…………」(楽しいわけ……ない)

    「1発、ヌいてくか」

    飯森は床に仰向けになった七海の足を開き、正常位の体位で、白濁まみれのペニスを白濁まみれの膣に挿入した。

    「んんっ…… んあっ ひぅっ! ああん!」

    「おっ! だいぶいい感じじゃないか、肉便器」

    「…………」(せめて名前で呼んでよ……)

    「にしても、お前とこの体位で繋がると、いつもあの日を思い出すなぁ!」

    「んっ! くっ!」

    「お前も覚えてるだろ? あの夏の日を」

    「……はい」(忘れられるわけない……)

    飯森が突然そんなことを言い出すものだから、処女を失ったあの日のことを、七海も思い出してしまった。痛くて苦しくて不快で、ただひたすらに怖かったあの時の記憶。記憶の中の体位と同じ。同じ位置に飯森がいて、同じように汗や唾液を撒き散らし、同じように七海を犯している。

    ……なのに。痛くない。苦しくない。怖くない。気持ちいい。もうすっかり慣れてしまった。肉便器としてトイレの中で犯されるのは流石に抵抗があるが、正常位で飯森に犯されることに全く抵抗がない。驚くほどなかった。気持ち良くて気持ち良くて、気を抜いたら大声で喘いでしまいそうだ。

    「あれから4ヶ月半か…… だいぶ奴隷が板に付いてきたじゃないか。なあ、肉便器」

    「……んぐっ!」

    「だが、まだまだだな。お前は俺に嫌々従っている…… そうだろ?」

    「……んひっ!」

    「ふん! いつか必ずお前の心を手に入れてやる! 心の底から服従させてやるからな!!」

    そう言いながら、飯森は七海を犯していく。トイレの床には様々な人間の様々な体液が飛び散っており、七海の背中にそれらがどんどん付着していく。泡立った汚液がネチャネチャと不快な音を発する。周りを見渡せば、小便器にも大便器にも奴隷が埋め込まれて男たちに陵辱されている。あまりにおぞましい光景。その中に自分もいて、伯父に陵辱されているという絶望的な状況。

    嫌悪、恐怖、絶望。だが七海の心の奥底には、それらとは異なるものが生まれていた。「それ」は、七海が木下家で調教されていた頃から無意識的に芽生え始めていたのだが、JSPFに連れて来られてからは日に日に膨張していった。それ…… マゾヒストの血。被虐願望。もっと犯して、もっと汚して、もっと辱めて痛めつけて苦しめて、もっと酷いことして。そう思う自分がいる。 ……確かにいる。

    今もそうだ。背中が汚液まみれになっていく状況に嫌悪する自分と、興奮する自分。トイレの中で大勢の奴隷たちと一緒に陵辱されることに絶望する自分と、興奮する自分。あの日と同じように飯森を憎む自分と、そうでない自分……!

    七海は、心の中にいるもう1人の自分が、かつてないほど大きく膨らんでいることに内心困惑していた。こんな状況、楽しくない。飯森は、楽しんでいるようだな、なんて勝手なこと言ってたけど…… 全然楽しくない。楽しいなんてことあるはずない! ……でも、熱い。身体の芯が熱い。身体の奥底から何か熱いものがこみ上げてくる。興奮し、発汗し、なんとも言いようのない高揚感に支配される。膣穴から来る肉体的快楽とは異なる何かが、七海の身体を満たし、精神を支配し、脳を痺れさせる。熱い! ダメ! 我慢できない! 気持ちいいっ!!

    「ああっ! んあああ♥ ひゃああっ♥ ふあああああっ♥」

    七海は、未だかつてない快楽と興奮に包まれ、恥も外聞もなく大声で喘ぎだした。

    「いいぞ七海! もっと乱れろ! もっと大きな声を出せ! もっとだ!」

    飯森はさらにピストンを速め、言葉で七海を煽っていく。どうやら七海の中で、膣穴快楽以外の何かが暴れているようだ。これは好機だ! もっともっと暴れさせねば……!!

    奴隷を服従させようとする場合、セックスによる肉体的快楽と同等、或いはそれ以上に重要となるのが被虐による精神的快楽だ。被虐的行為に快感を覚え、さらには依存していくことで、奴隷は自分を卑下し主人に服従することに、倒錯的な快感を覚えるようになっていく。これが絶対服従への第一歩だ。もっとも、絶対服従のためには他にも必要なものがあり、それなしにただ快楽に依存させても、出来上がるのは単なる淫乱女ということになりかねないのだが。

    「なんだ? 気持ち良いのか? 汚れたトイレの床の上で肉便器として犯されて、こんなのが良いのか? 最低だな、肉便器! 最低のマゾ女だ!!」

    「ちがううっ♥ わらひ、そんなんじゃ…… ひゃうっ♥」

    「違うもんか! お前はマゾだ! 汚されて、酷いことされて、それで感じる最低のマゾ肉便器だ!!」

    「いやあっ♥ ちがう♥ ちがうっ♥ そんなんちがううっ♥ あああああっ♥♥」

    「そら、イけ! 無様にイけ! 肉便器に相応しく便所の床の上で汚らしくイき晒せ!!」

    「やああっ♥ イくっ♥ イっちゃううううっ♥ いやああああああああっ♥♥」

    「俺も出すぞ! 七海ぃっ!!」

    「あああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

    2人は同時に達した。混雑するトイレの中、七海はかつてないほど大きな声で深く長い絶頂を迎えた。

    七海はこれまでに何度も何度もセックスの快楽を味わってきた。飯森やペロとのセックス、調教師や客たちとの乱交。七海は幾度も絶頂し、時に気絶するほど深い快感を味わってきた。だが今日、七海は初めて、セックスの肉体的快楽とともにマゾの精神的快楽によって絶頂した。七海の中にマゾの血が明確に宿ったのだ。

    飯森は七海にペニスの汚れを掃除させると、ニヤついた邪悪な顔でトイレから出ていった。ついに、ついに七海がマゾ快楽に目覚め始めたのだ。これを喜ばずにいられようか! ……飯森は早速明日からの調教スケジュールを練り始めた。

     

    狭いトイレの中で大きな声を出していた七海は男たちの注目の的で、七海はさっそく男たちに3つの穴をもみくちゃにされた。七海は輪姦の快感に翻弄されながらも、トイレの中でこんな目に遭っている肉便器の自分に対して別種の快感を覚え、身体がどんどん熱くなって何度も何度も絶頂に達した。

    しばらくして小便器が空くと、小便器に尻を嵌め込まされて、男たちの小便と精液を口で処理させられた。

    大便器が空くと、大便器の中に浮かぶ堀田理事長の糞便を食べながら、彼に後ろから肛門を犯された。

    飲尿も食糞もだんだん慣れてきたものの、それでも苦手な七海だったが、今日はそれだけではなかった。本物の「便器」になってしまった自分に興奮していた。そして、そんな自分を明確に認識し、しかしそんな自分に激しく幻滅し嫌悪しながら、それでも身体と精神が高揚して気が付くと絶頂に達してしまうのだった。

    最低…… 私、最低! うんち食べて気持ち良くなるなんて! 最っ低!! でもイく! 苦くてマズくて最低で…… なのに気持ちいい! ケツまんこもいい! 便器になっちゃった自分に興奮する! なんで? なんで!? 気持ちいい! 最低! ああイく! イくっ!! イっくううううううううっ!!!!

    ……その後七海は、トイレの中で4時間を過ごした。途中昼食の時間となり、七海は男に命令されるまま流動食を浣腸器に流し入れ、梢(隣のカプセルベッドの奴隷)の直腸に自ら流動食を流し込むと、肛門に直接口を付けて糞便ごと食べていった。

    続いて七海の糞便入り流動食を梢の口に放出。普段昼食休憩は1時間あるのだが、今日は食べ終わったら即座に2穴責めが始まり、梢と並んで犯されるのだった。

    ……一番奥の大便器では懲罰が未だ続いていた。身体のあちこちに刺青を掘られ、髪を刈られ、脳細胞の破壊を伴うほど激烈な媚薬を注射されたその奴隷は、身体と心をメチャクチャに破壊されながら、これまでとは比較にならないほど激しい絶頂をひたすら繰り返していた。

     

    午後からは、いつも集団調教が行われている中央ホールに移動させられた。大部屋の壁一面に洋式便器が等間隔に20基以上置かれていて、右端から6番目が七海の場所だった。

    男が便器に座って七海を使ったり、七海が便器に座って男に使われたり。果ては洋式便器の中に頭を突っ込んだ状態でバックから犯されたり。夜になるまで、ありとあらゆる体位でひたすらセックスし続けた。

    午後5時になると、50代の紳士風の男が便器の中に糞便を出し、その上に夕食の流動食をぶち撒けた。七海は後ろ手に縛られたまま便器の中に顔を突っ込んで、その男に膣穴を犯されながら夕食を摂った。

    七海は夕食中も夕食後も絶え間なく犯され続け、膣も肛門も開きっぱなし。身体はありとあらゆる体液で汚れ、異臭を放っていた。

    夜は奴隷用のボットン便所に設置された。もはや洋式便器もなく、8畳程度の部屋に20人の奴隷が押し込まれ、その倍以上の数の男たちにひたすら陵辱された。その中には雑用係の玲香もいた。七海は朝からの連続輪姦・連続絶頂でもうフラフラの状態だったが、それでも男たちは容赦なく3穴を犯し、締まりが悪いと言って尻を平手打ちしたり首を絞めたりするのだった。

    男も女も直腸の中は空の者が大半だったが、中には玲香のように午後まで清掃を続けて夜から肉便器になった雑用係が4名おり、男たちは彼女たちの肛門にペニスを挿入して温泉浣腸を施した。

    奴隷4名がボットン便所の穴の部分に後頭部を嵌め込みつつ仰向けに寝かせられ、雑用係たちは彼女たちの顔の真上で下痢便をぶち撒けていく。

    玲香の下痢便を受けたのは、七海だった。

    23時。ようやく肉便器の日が終わった。七海は349本のペニスを処理して、ノルマを達成した。だが、もう立ち上がる体力すら残っていなかった。肉便器の日だけは、奴隷たちはカプセルベッドに戻らずその場で眠っていいことになっている。七海はボットン便所の穴に後頭部が嵌まった状態で顔じゅう糞尿まみれのまま気を失い、そのまま朝まで一度も起きなかった。七海の顔や髪に付着した下痢便は、ぽたりぽたりと少しずつ穴の中へ落ちていった。

    ……初夢は見なかった。

     

    V:奴隷15日目 〜マゾの覚醒〜

     

    翌1月2日。午前の姉妹同時調教の時間が始まると、飯森は早速七海を鞭打ちにした。鉄は熱いうちに打て。七海がマゾに目覚めつつある今が、畳み掛ける好機なのだ。

    飯森は七海の両手を縄で縛って天井から垂れる鎖に引っ掛け、爪先立ちで辛うじて地面に足が付く程度に七海を吊るし上げた。昨日の疲労が抜けきっていない七海は、鞭打ちを始める前から鎖に体重を預けてダラリとしている。その尻に、飯森は鞭を一閃浴びせた。

    パァァァン!!

    「ひぐうううううううっ!!」

    9号室に乾いた鞭音が鳴り、直後に七海の苦悶の声が響き渡る。ダラリとしていた身体が急に跳ね上がる。10秒くらい余韻を味わわせたところで、2発目は撫でる程度。3発目も4発目も。そして5発目は全力で。緩急を付けながら、飯森はゆっくりと七海に鞭の味を覚えさせていく。

    七海はこれまでにも鞭を浴び続けてきた。木下家でもJSPFでも毎日、山のように。

    だが今日のように1発1発ゆっくりじっくり味わわせるような打ち方ではなく、全身の肌が腫れ上がるまでひたすら乱打・メッタ打ちにするというものが多かった。痛みのあまり絶頂しながら失禁・失神することは何度かあったが、それは鞭打ちに快感を覚えたわけでもなんでもなく、あまりに強い刺激に七海の脳がエラーを起こして、全身痙攣を起こしながら頭が真っ白になり、失神とともに尿道括約筋を始め全身の筋肉が弛緩してしまっただけである。

    だが、この方法を続けても痛みを快感に変える術を身に付けさせることは難しい。順序が逆だからだ。まずは奴隷が鞭の痛みに精神的快感を覚えるよう調教し、それを繰り返すことで脳は精神的快感を肉体的快感と誤認・錯覚するようになり、やがては痛みを快感に直接変換できるまでになる。さらに進めば、全身メッタ打ちにされて絶頂を繰り返すようになるだろう。

    その最初の段階、精神的快感、即ちマゾの被虐快楽を得るためには、通常のSMプレイであれば、主人役と奴隷役の間の信頼関係が不可欠となるのだが、飯森と七海の関係は断じて「役」などではない。プレイ=お遊びでもない。飯森は絶対的master、七海は絶対的slave。そこにあるのは絶対的主従関係であって、信頼関係など一切存在しないのだ。七海は未だ飯森に絶対服従を誓ってはいないし、信頼などカケラもしていない。

    中には、服従心も信頼関係も無くとも、虐待行為を続けるだけで勝手にマゾに目覚めていく自虐癖を持った女もいることを、飯森は長年の経験から知っているのだが、少なくとも七海はそういう女ではなかったし、木下家で調教してきた間も、セックスの快楽には比較的早く順応したものの、マゾの精神的快感の方はなかなか体得しなかった。

    そういう女に対して必要になるのが恐怖による支配だ。ここに来る前も、来た後も、飯森はひたすら暴力的に七海を支配してきた。そして鞭の乱打を毎日のように浴びせて強い恐怖を与え続けるとともに、鞭打ちという行為に慣れさせ、さらには奴隷にとって鞭打ちは基本という「常識」を七海の中に植え付けさせてきたのだ。

    だが恐怖だけでは上手くいかない。過度のストレスから精神崩壊に追い込まれるリスクも高い。そこで飯森は、七海に「アメ」をほぼ与えることなく、「ムチ」の加減をコントロールしながら、七海が鞭打ち以外でマゾに目覚める日を辛抱強く待っていたのである。

    そして昨日、トイレの汚い床の上で飯森に犯されながら、七海はついにマゾに目覚めた。

    ……打撃の瞬間、七海は鋭い痛みに全身を硬直させる。普段なら間髪を入れずに次が来るのだが、今日は来ない。いつ来るかと身構えているのだが、ペチペチと何度か軽く叩かれるだけ。その間に痛みがだんだんと引いてくる。身体も心も弛緩してくる。そこにようやく次の打撃がやってくるのだ。

    痛みの蓄積がないぶん、痛みは普段より格段に少なく、七海の中に色々なことを考える余裕が生じる。これまではただひたすら激痛に耐えるのみで何かを考える余裕などなかったのに。 ……昨日の疲労が抜けきらず頭もボーッとしてはいたが、七海はひとつひとつの痛みを味わいながら、色々と考え始めた。

    痛い。痛いけど、いつもほどじゃない。いつもは全身に力を入れて、ひたすら暴虐が過ぎ去るのを待つだけだけど、今日は全身クタクタでそもそも身体に力が入らない。

    弛緩した身体に鞭が当たると、その瞬間鋭い痛みが走って全身がパッと緊張し、徐々に弛緩して鈍い痛みに戻る。その繰り返し。そして、次の強打までの間にペチペチと軽く叩かれる。激痛が来るかと思ったら肩透かしを食らう。そして次の強打はいつだろうと身構えるように、待つように、待ち焦がれるようになる。次なる痛みへの不安と、……期待。

    なんかセックスに似てる気がすると、七海はぼんやり思った。ご主人様のおちんぽで子宮口をグイッと突かれるとゾクッてなって、抜かれるとふんわり余韻が残る、あの感じ。もうこれ以上凌辱されるのは嫌だという気持ちと、もっと突いて欲しい、気持ちよくしてほしいとつい期待してしまう気持ち、自分の中で相反する2つの感情がせめぎ合うあの感じ。 ……似てる、かも?

    いつも鞭打ちの時は、ひたすら力みまくってるだけだったから全然気づかなかった……

    唐突に、七海は子供の頃に家族と行った遊園地で、姉と乗ったジェットコースターを思い出した。七海はあれが大の苦手だった。姉に付き合って一緒に乗ったものの、終始目を瞑り、安全バーを全力で握り締めて、内臓がふわりと持ち上がる不快な感覚に耐えながら、ただただコースターが止まるのを待ち続けた。隣の姉は全身の力を抜き、バンザイしながらキャーキャー叫びまくってスリルを満喫していたようだが、七海には何が楽しいのかさっぱりわからなかった。

    ……同じことなのかもしれない。力んで縮こまって我慢ばっかりしているから、いつまで経っても怖いままなのかも。だってほら、怖くない。痛いけど怖くない。痛いけどなんか違う。力んでる時の痛みと、どこか違う。いつもの痛みなのにいつもと違う。熱い。打たれたところが痛くて熱くて…… でもなんか、身体の奥も熱い。すごく熱い。なんだろうこの感じ。熱くて、ゾクゾクして、気持ち…………

    そんなわけない! 痛いのが気持ちいいなんてそんなこと! でもなんか変。身体が変。鞭を打たれたところじゃなくて、身体の奥が変……! 昨日と一緒だ。汚いトイレで犯されて、うんちを山ほど食べさせられて…… あの時と同じ。身体が熱い。モヤモヤする。フワフワしてゾクゾクする。興奮……してるの? ホントに……気持ちいいの? イヤなのに! 鞭で打たれるの、大っ嫌いなのに! なんで? なんで気持ちいいの? 私、こんなことされて気持ちよくなっちゃうの? そんな最低な人間なの!? 身体が熱い!! 熱いっ!!! 気持ち、いいっ!!!!

    「ふあああああああああっ!!!!」

    声色が変わった。明らかに変わった。飯森はニヤリと笑った。ついに! ついに!! ……飯森は鞭打ちのペースを徐々に上げていきながら、昨日のトイレの時と同じように七海を煽っていく。

    「なんだ? 気持ち良さそうな声を上げて…… こんなのが良いのか? 七海っ!」

    「ちがっ! ちがうっ!! んああああっ!!」

    「そうだよなぁ。鞭打ちで感じるなんて最低の変態マゾくらいだ。お前はそんなんじゃないもんなぁ」

    「そうっ! わたしっ…… ヘンタイなんかじゃ…… ひゃあああっ!!」

    「だが、お前の大好きなお姉ちゃんは鞭打ちだけで無様に潮を噴くぞ?」

    「あううう…… ひゃんっ!!」

    「あいつは最低の変態マゾ犬だからな!」

    「ああああっ!! んぐあああっ!!」

    「なあ、ペロ。そうだろ?」

    「…………」

    ペロは床の上に座りながら七海が鞭打たれるところを見ていた。疲労の極みにある七海をペロは心配し、そんな七海を容赦なく鞭打つ飯森にペロは激しい怒りを感じていた。だが、何か言えば鞭打ちのペースが上がるかもしれないと思うと、ペロは何も言えなかった。ただ妹の悲鳴を聞くことしかできなかった。

    そして、七海の声色が変わった。表情も明らかに変わった。それが意味することを、ペロは正確に理解した。

    七海と再会して以降、午前中は毎日七海と一緒に飯森の調教を受けてきたが、七海は自分と違って鞭打ちに快感を覚えてはいないみたいだった。ペロは、鞭でイきまくる変態マゾなのは自分だけなのかと自己嫌悪に陥る一方、七海も感じるようになればラクになれるのにと内心ずっと思ってきた。

    そして今、七海がついにマゾに目覚めつつある。ペロには痛いほどわかった。

    ペロが未だ光希だった頃、自分もどれだけ鞭打ちされても痛いだけだったし、ひたすら我慢し続けていた。だがメス犬ペロとなり、全てを諦めて全身の力が抜けた瞬間、光希はマゾに目覚めたのだ。

    あの瞬間を愛する妹が今まさに経験している。人間木下七海から、マゾ奴隷七海に落ちようとしている。そう思うと悲しくて仕方がなかった。だが同時に、身体の奥が熱くなるのを感じていた。 ……最低だ、私。

    「あああ…… おねえちゃぁん…… ひあぁあああ……♥」

    七海もまた姉の方を見つめていた。姉は七海と違って鞭でイき、蝋燭でイき、果ては頬をビンタされただけでイっていた。なぜ痛みだけであんなにも激しくイきまくるのか、七海には理解できなかった。が、今ではわかる。こんなに…… こんなに気持ちよかったんだっ!

    「あああっ♥ ひああっ♥ あがああっ♥」

    「おいおい! それじゃあセックスの時と変わらんじゃないか! そんなに良いのか? この変態! 変態マゾ!!」

    「ちがうぅ♥ わたし…… ちがうよぉっ♥ ぅあああっ♥」

    「違わんさ! 昨日と同じだ! お前はトイレで便器扱いされて、クソ食わされて、全身真っ赤になるまで鞭打たれて、酷いことされて気持ち良くなる最低の変態だ! 変態マゾ奴隷だ!!」

    「いやあああっ!! そんなんじゃないのぉっ!! んああああああっ♥」

    「ふん! 説得力皆無だぞ! そら! もっと速めてやる! もっと狂え! 感じろ! マゾ豚っ!!」

    「ああああああっ!! 痛い! 痛い! 痛いいいいいっ♥」

    いつの間にか鞭打ちのスピードは普段と同じくらいになっていた。ペチペチ叩きを挟むこともなく、ひたすら強打の乱舞が続いた。だが七海は力むことなく弛緩したまま、爪先立ちの状態で鎖に全体重を預けながら、鞭の痛みを堪能していた。痛いのに。痛くて堪らないのに。身体の表面の鞭跡よりも、むしろ身体の奥底から熱と快楽がまるで間欠泉のように噴き出してくる。気持ちいい! 痛くて気持ちいい!! 最低!! もっとぶって!! 叩いて!! 最低の私の身体、もっとメチャクチャにしてぇっ!!!

    「うあぁああぁあああぁああああああぁああああああああああっ!!!!」

    嵐のような快感がついに爆発する。潮を撒き散らし、涙と涎と鼻水を飛ばしながら、七海は激烈な絶頂を味わった。膣や肛門、クリトリスや乳首がもたらす快感とは全く別種の快感が、七海の身体を嵐のように駆け抜けていく。痛くて辛くて苦しくて…… そして最高に気持ちいい!!!!

    「ひぁ…… うぅ…… はひゅ…………」

    七海は生まれて初めて鞭打ちのみで絶頂し、同時に体力の限界を迎えてストンと意識を失った。

    ついに、ついに七海がマゾに目覚めた! 目覚めさせた! 飯森は射精にも似た充足感を存分に味わった。 ……否、まだだ。まだ足りない。今すぐ七海の穴にぶち込みたい! 七海の悲鳴を聞いてギンギンに勃ち上がっている己の欲棒を、七海の穴という穴に……!!

    だが、さすがに体力の限界だろう。午後からは集団調教もあるし、これ以上の負担は七海にも腹の中の胎児にも悪影響を与えるに違いない。飯森は気絶している七海を犯し抜きたい欲望をどうにか抑え込むと、七海を放置したまま、その辺に転がっているメス犬の穴で性欲処理を始めるのだった。