ハードSM小説『奴隷姉妹』 第10章 – 別れ

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I:別れ

 

8月3日。5月31日に女医に余命2ヶ月と宣告されてから2ヶ月と4日目。朝8時になると服を着た飯森と裏沢が玄関から入ってきた。キャリーケースは持っていなかった。玄関先で出迎えた4人は息を呑んだ。 ……まさか。

「……ペロが死んだ」

飯森は七海に向かって短く言った。

「…………」

七海は、裏沢がキャリーケースを持っていない時点で嫌な予感がしていたが、いざその事実を告げられると頭が真っ白になった。他の3人も同じで、4人は玄関先で呆然と立ち尽くした。

「…………」

「今朝雑用係が9号室に入ったら、もう冷たかったらしい。その後市川医師が死亡を確認した。今から1時間ほど前だ」

「うそ…… おね…………」

七海は膝がガクガクの震え出し、立っていられなくなってその場に崩折れた。陽葵がすぐにしゃがみ込んで七海に寄り添う。

……予感はあった。予告された日は過ぎていたし、光希はもはや生きているのが不思議な状態だった。身体は骨と皮だけになり、流動食も受け付けず、点滴だけで生き永らえていた。記憶も大半が消え去り、顔と名前を覚えているのは奴隷4人と美海と飯森だけ。もう両親の顔すら思い出せなかった。七海も、他の3人も、覚悟はしていた。特に昨日、別れを予感させる出来事もあった。でも。でもっ!

「おねえちゃん…… ひくっ…… おねえちゃん……! ひっく! おねえちゃんっ!!」

うわ言のように姉を呼ぶ七海の目からは涙が滝のように溢れている。顔は真っ青だ。

覚悟はしていたけれど、今日じゃないと思っていた。昨日も、一昨日もそうだった。今日じゃないと毎日思ってきた。特に昨日はあんなことがあったけれど、それでも今日じゃないと思っていた。8時になったら裏沢がキャリーケースを持ってきて、姉に会える。一昨日も、昨日も。今日もそうなると七海は思っていた。何の根拠もなかったけれど、七海はそう信じていた。今日を生き延びて、明日も生きて、明後日も生きて、そのうち1週間経って1ヶ月経って。点滴だけで生きていけるのなら、寿命なんて関係ないのかも。その間に下痢が止まって、体重も徐々に元に戻って。また前みたいに一緒に笑い合える日がもしかしたら来るんじゃないか。だってほら、余命2ヶ月を既に4日も超えてるんだし。もしかして……。七海は姉の死を覚悟しつつも、奇跡をひたすら願い続けた。

……奇跡は起きなかった。

「やだ…… やだ…… っ!」

七海は床に座り込んだまま両手で頭を抱えてうずくまった。七海の中で悲しみの感情がまるで風船のように膨らんでいく。身体の中を満たし、身体を突き抜け、身体をすっぽり包み込むまでに大きく膨らんで。ゴムの耐性限界を超えてまだ膨らんで。玄関の空間を全て埋め尽くすほどになってもまだ膨らんで。 ……そして弾けた。

「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

そこにいる全員の耳が1つ残らず潰れてしまいそうなほどの、凄まじい絶叫だった。陽葵は堪らなくなって七海に抱きついた。

「七海! 七海! しっかりっ!!」

「おねえちゃあああああああんっ!!!! 死んじゃやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

もう恋人の声も届かない。あらん限りの声を張り上げて泣き叫ぶ七海。

「七海ぃ! 七海ぃっ! ……ひっく!」

陽葵も今にも泣き出しそうだった。でもダメ。これまで何度も七海に助けてもらったんだから。今度は私が七海を助ける番。七海の支えにならなきゃ! お姉さんにも誓ったんだから! ……陽葵は七海を強く抱き締めつつ、飯森に話しかけた。

「あの、七海を光希さんに会わせてあげてください。お別れを言わせてあげてください」

「無理だ」

「えっ?」

「今、火葬中だ」

「!!!!」(えええっ!!?)

「!!!!」(そんな…… もうっ!?)

「!!!!」(なんてことを……!)

これには陽葵も玲香も今日子も呆然とした。信じらんない。亡くなったの、ついさっきなんでしょ? まだお通夜もお葬式もしてないのに。もう火葬しちゃったの? 奴隷だからお葬式はさせてもらえないのかもしんないけど、いくら何でも早すぎ! お別れも言えないじゃない!!

七海は未だ大声で泣き叫んでいるので、飯森の言葉は聞いていなかったようだ。と、玲香がいつになく険しい顔で飯森に話しかけた。

「今日1日、七海ちゃんの調教はお休みにさせてあげてください。お願いします」

「ああ、そのつもりだ。お前たちも休め。七海のことは任せた」

「…………はい」

玲香は目の前の男を張り倒してやりたい衝動をどうにか抑えた。この男、どこまで身勝手なの!? 私たちに任せるって…… 七海の主人だと言うのなら、傷心の彼女を慰めるくらい自分でやりなさいよ! 面倒なことは奴隷に全部任せて、自分はいたぶるだけいたぶって、それで愛!? ふざけんじゃないわよ!! ……でも、こんな最低のクズに任せてなんておけない。七海は大切な妹なんだから! 光希から託されたんだから! 私たちでなんとかするわよ! だから今すぐ出て行って!! 顔も見たくない!! 消え失せろ、この外道!! 犯罪者っ!!!

玲香は心の中で飯森に罵声を浴びせると、飯森と目を合わせないようにしながら感情のない声で言った。

「私たちだけにしてもらえませんか? ……いつかみたいに」

「わかった。ただし監視しているからな。余計なことはするなよ?」

「わかってます」(わかってるわよ、そんなこと! とっとと出てけ!! クズ野郎!!!)

……こうして4人だけとなった。その直後、七海以外の風船が一斉に割れた。

3人とももう限界だった。風船はパンパンに膨らんでいた。それでも飯森がいる間はなんとかこれ以上空気を送り込まないよう我慢していたのだが、ドアが閉まった瞬間に急激に膨張し、一瞬で弾けた。4人は玄関に座り込み、一斉に号泣した。凄まじい泣き声に、寝室兼育児室のベビーベッドで寝ていた美海も飛び起き、すぐに5人での大合唱となった。そう。話し合うのは後だ。まずは泣こう。泣いて弔おう。大声を出せば天国に旅立った光希にも聞こえるかもしれない。泣いて泣いて、声が枯れるまで泣いて、涙が涸れるまで泣いて、盛大にお別れをしよう。

何分そうしていただろう。さすがに泣き疲れてきた4人は、美海の泣き声を聞いて我に返り、寝室へと移った。4人で美海をあやして寝かしつけてから、4人は七海のベッドの上に円陣を組むように座った。

「あのね? 落ち着いて聞いてね?」

「陽葵……」

「さっき七海が泣いてる時に飯森様が言ったんだけどさ。お姉さんの遺体…… もう火葬しちゃったんだって」

「……!!」

「ヒドいよね…… お別れもさせてくれないなんて……!」

「そんな…… おねえちゃん…… おねえちゃん……! ぐずっ!」

七海は再び泣き出し始めた。話し掛けたのは、玲香だった。さっき飯森に対して発した声とはまるで別人のように優しい声で、七海の目を優しく見つめながら。

「お別れ。昨日したでしょ? ……忘れちゃった?」

「…………」

 

前日の昼休み。午前の調教の汚れをシャワーで落とした後、光希はシャワー室で4人に話し掛けていた。死を悟ったのか、その内容は別れを強く意識したものだった。彼女の脳からは記憶だけでなく言語も失われつつあり、時々止まりながら、ゆっくりゆっくり言葉を紡いでいった。

光「七海、これまでありがとね」

七「おねえちゃん…… どうしたの?」

光「私、もう限界、みたい……」

七「そんなっ! そんなこと言わないで! おねえちゃんっ!」

光「大丈夫。七海はもう、私がいなくてもやっていけるよ。こんなに素敵な恋人と、お姉さんと、おばさんと…… なにより美海がいるんだから」

七「でもっ!」

光「それに七海…… ほんとに素敵な、女性になったね。強くて賢くて、誰よりも優しくて。私、それが一番嬉しいよ」

七「そんなぁっ! おねえちゃんの方がずっと強くて賢くて優しいよ! 私の憧れだもん! 昔も今も、大好きだもんっ!」

光「ありがと…… ありがとね、七海…… 私の、自慢の妹だよ……」

七「ぐすっ! おねえちゃん……」

光「陽葵ちゃん……」

陽「……はいっ」

光「七海のこと、好きになってくれてありがとね。世界一お似合いの、カップルだよ」

陽「……ひっく」

光「七海のこと、よろしくね?」

陽「はいっ! 任せてくださいっ! ずっと一緒にいます! ずっとずっと! 一生愛しますっ!」

七「陽葵ぃ…… ぐずっ」

陽「それにアタシ、七海に助けられてばっかで…… でもこれからは七海のことも助けられるようになんなきゃ! 誓います、アタシ! 助けて、助けられて、2人で支え合って生きていきます!!」

光「ありがとう…… とっても嬉しい。 ……玲香さん」

玲「うん」

光「あとはお願いしますね」

玲「うんっ」

光「ずっとお願いしっぱなしで…… 頼りっぱなしで…… ごめんなさい」

玲「そんなっ! 謝らなくていいから……!」

光「玲香さんのこと、ずっと、お姉さんみたいだって思ってました。できたら…… 七海のお姉ちゃんに、なって、もらえませんか?」

玲「うん。任せて? もうずっと前からそう思ってるから!」

七「玲香さぁん…… ひっく」

光「ありがとうございます。 ……今日子さん」

今「はい」

光「美海ちゃんのこと、よろしくお願いします」

今「ええ」

光「陽葵ちゃんを、こんな素敵な子に、育てたんだもの…… 七海に色々アドバイス、してあげてくださいね」

今「……わかりました」(……私も変わらなきゃ!)

光「みんな、ありがとう…… 言えてよかった…… いつ死んじゃうか、わからないしね…… よかった……」

七「そんなっ! そんなこと言わないで、おねえちゃん! 明日もこの時間にみんなで話そ? 明後日も、その次の日も、毎日話そ? ねっ?」

光「そうだね…… そう、しようね…………」

途中から5人とも涙で前が見えなかった。皆七海と同じ思いだった。この5人でずっと一緒にいたい。明日も明後日も、ずっと。寿命なんて来なければいい。一緒に、いつまでも一緒に。 ……でも、そうはならないだろうことは皆心のどこかで感じていた。たとえそうだとしても、お別れも済ませずにいきなりいなくなるよりは余程よい。そうだ。これから毎日、この時間はお別れを言う時間にしよう。泣いて笑って、最後の思い出を1日でも多く紡いでいこう。そうしよう……

 

だが、その時間は二度と訪れることはなかった。たった1回で終わったしまった。わかってる。一度も別れの挨拶を交わさないよりはいい。そんなことはわかってる! でも! でもっ! たった1回だなんて!!

……最初に口を開いたのは今日子だった。

今「たった1回でもお別れの言葉を交わせて良かった。そう思いましょ? ね?」

七「…………」(おねえちゃん……)

玲「……そうですね」

陽「……うん、ママの言うとおりだよ」

今「七海さんも、ね? お姉さんの想い、しっかり受け取ったでしょう?」

七「…………はい」

今「私も、美海ちゃんのこと、任されましたからね。これまでも色々アドバイスしてきたけれど、これまで以上にしっかりしなくちゃ!」

七「……ありがとう、ございます」

今「その前に…… もう1回だけ言わせてもらうわね? まずは陽葵から…… 今まで本当にごめんなさい」

陽「えっ?」

今「あなたのことずっと放ったらかしで…… いくら仕事が忙しいからって、あなたが学校で何をやってるか、私全然知らなかった。あなたが苦しんでいるのに気づけなかった。ごめんなさい。」

陽「ママ……」

今「それから、七海さんも。陽葵が酷いことをしてしまったこと、改めてごめんなさい」

七「そのことは…… ホントにもう気にしてないので……」

今「ありがとう。だからね? 謝るのは今回で最後にするわ? ……七海さんと光希さんと、陽葵を見ていて思ったの。過去の過ちをいつまでも引きずってくよくよしていても意味がないって。今からでもちゃんとしなくちゃって。美海ちゃんのお世話だけじゃない。陽葵、あなたもね」

陽「え? アタシぃ?」

今「未成年の教育は親の義務ですから。親子で奴隷になったんですもの。この場所に相応しい教育っていうのをしっかり考えて、あなたを一人前の奴隷に育て上げなきゃ」

陽「はぁぁ? なんでそうなるわけぇ!?」

今「なんででも!」

陽「アタシ、今日から反抗期……」

今「あら…… 奴隷が反抗して良いと思ってるの?」

陽「ママだって奴隷じゃんっ!」

七「……ぷっ」

陽「あー! 七海、いま笑ったでしょ! 笑うトコじゃないんだからね!?」

七「うん、ごめん」

陽「謝んなくっていいよ。それよりさ。昨日お姉さんと話したこと。アタシ、守るからね!」

七「……うん」

玲「……昨日はうるうるモードだったけどさ。陽葵のアレ、なんか結婚式の宣誓みたいだったよね」

七「そ、そうですか?」

今「言われてみれば確かに」

玲「一生愛しますとか、一生支え合いますとか。ほんとラブラブだねぇ、キミたち」

陽「いやぁ、それほどでもぉ♥」

七「でも私、嬉しかったよ、あの言葉。私も一生愛するからね。一生支えるからね」

陽「うんっ! ありがとっ! 七海、大好きっ♥ 愛してる〜っ♥♥」

玲「あー、はいはい。そういうの、今はいいから…… 私もね? 昨日あの後色々考えたんだけどさ……」

七「……はい」

玲「七海を頼むって光希に言われたわけだけど、なんか最近の七海、カッコ良すぎてさぁ…… 私より全然しっかりしてるっていうか…… 姉と妹のポジ、逆転してないっ!?」

七「そ、そんなことないですよっ!」

陽「ぷぷっ! 確かにー!」

玲「それにさぁ。七海のお姉さんになるってことは、七海よりたくさん奉仕して、たくさんうんち食べなきゃなんないってことじゃね!? それって超ヤバくね!!?」

陽「ヤベぇ…… ご愁傷さまでっす♬」

玲「うっわ、かわいくね〜! このガキ、いっぺんシめたるかぁ!」

陽「おいおい! なんかキャラ変わってませんかぁ? 玲香パイセン!」

玲「変わってないわよ! 私は外では元々こんな感じだったの!」

陽「へぇえ? 光希お姉さんが知ったら、七海を頼むって言ったこと、後悔するかもぉ?」

玲「んだとぉ!?」

七「ぷっ! あははははっ!」

玲「ちょっ! 七海まで笑うわけぇ?」

七「ごめんなさい。なんだか可笑しくって」

玲「……いいんだよ、それで。いつか話し合ったでしょ? その日が来たらみんなで泣いて悲しんで、最後は陽気に送り出そうって」

七「……そうでした」

玲「光希もさ、いつまでもうちらが泣いてたら成仏できないと思う。笑ってた方が安心して旅立てるんじゃないかな」

七「そう……ですね」

陽「うんうん。アタシもさ、なんか吹っ切れちゃった。これからも大変だろうけど、頑張っていこっ!」

七「そうだね」

今「大丈夫です。この4人なら、どんな困難も克服していけるわ。絶対!」

七「はいっ!」

陽「あ、じゃあさ。ひとつ提案があるんだけど……」

七「ん?」

陽「今日って1日お休みなんでしょ? この4人でレズプレイしまくらない?」

玲「はぁっ?」

今「さすがに今日は喪に服すべきでは……」

陽「えーっ! アタシたち奴隷なんだよ? モとか意味なくない? モフク持ってないし」

七「……いいかも」

今「えぇぇ……」

玲「マジっすか」

七「奴隷に相応しい陽気な送り方って、セックス……かも?」

陽「さっすが七海! アタシの言いたいこと、わかってる〜♬」

玲「ま、七海がそういうなら」

今「いいですよ」

陽「よっしゃ! 今日は盛り上がっていこうぜ!!」

七「うんっ!!」

 

……モニターを見ながら、飯森は心の底から安堵した。姉の死という最大の試練を七海に乗り越えさせることに成功したのだ。まさか皆でレズプレイを始めるとは予想外だったが、陽葵・玲香・今日子、この3人がいなければ七海は恐らく壊れてしまっていただろう。もちろん美海もいるが、重要なのは言葉のやり取りなのだ。

モニターの中で七海と陽葵がキスし合っている。七海は、例の蕩けそうな表情をしている。だがまぁ、陽葵が相手だし大目に見るとしよう。七海は飯森に対しては決してあの表情を見せない。七海にとって飯森は恋愛の対象ではなく、あくまで服従の対象。七海はそこをきっちりと区別している。ならば良い。七海はさらに今日子や玲香ともキスをしていく。この3人と美海がいれば、七海は今後も理想の奴隷でい続けるだろう。

飯森は長い溜息を1つつくと、8日後の計画を練り始めた。七海が光希の死を乗り越えられるかどうかが不安で、準備どころではなかったのだが、8日後は8月11日。七海の処女を散らしてちょうど1年の記念日だ。七海だけでなく3人も使って、どんなイベントを企画するか、飯森はニヤつきながら思考を巡らせ始めた。

モニターの向こうでは4人が肌を合わせていた。七海と陽葵、玲香と今日子がそれぞれペアになって、キスやクンニ、貝合わせなどを繰り広げる。やがて絶頂に至ると、七海は玲香と、陽葵は母親と絡み、さらに七海と今日子、陽葵と玲香が絡む。奴隷は1日じゅう犯され、虐待されるのが仕事だ。体力は常人よりも遥かに高い。しかも女同士だから賢者タイムがない。ベッドのシーツをグショグショに濡らしながら、レズプレイはエンドレスで続いていく。

やがて物足りなくなってきたのか、ペニスバンドや双頭ディルドーを使い出す4人。プレイ内容はどんどん過激になっていき、今日子は食糞に慣れるための教育と称して、娘に自らの糞便を食べさせ、自分も娘の糞便を食べた。陽葵はさらに、愛する七海の糞便を身体じゅうに塗り、同じく玲香の糞便を身体じゅうに塗った今日子と抱き合って、吐き気と闘いながら糞まみれの母娘ディープキスを繰り広げた。やがて陽葵は七海と、今日子は玲香とレズプレイを再開し、4人は茶色一色に染まっていく。

昼休みになると、4人は流動食を浣腸器に入れて自らの肛門に流し入れ、糞まみれのまま四つん這いで円環状に並ぶと、隣の人の肛門に口を直接付けて糞便混じりの流動食を啜り合った。午後からはSMプレイも加わった。玲香は、散々軽口を叩いた陽葵を天井から吊るして鞭打ちし、その横では七海が今日子を吊るして妊娠8ヶ月目の腹を慎重に避けながら鞭でメッタ打ちにしていった。

皆わかっていた。陽気に振る舞おうと頑張っても限度がある。ふとした瞬間に喪失感に襲われる。悲しみと絶望の渦に飲まれそうになる。だから肉欲に溺れるのだ。快楽を貪り、苦痛や悪臭に悶え、愛する者と無理やりにでも肌を合わせるのだ。 ……昼が過ぎ、夕方になっても4人はレズプレイを続けた。

それでもさすがに疲れたのか、夜は4人でたっぷり美海をかわいがった後、グチャグチャになった寝室の掃除を行い、ゆっくりシャワーを浴びてからベッドに入った。陽葵は七海のベッドに入り、2人きりで色々なことを話した。途中からちょっと気分が盛り上がってきたので、互いの身体を優しく愛撫し合い、軽く絶頂してから2人抱き合って眠った。

……同日深夜、JSPFの施設内。人があまり立ち入らない区画を1人の女が歩いていた。崩壊に向けてのカウントダウンは着々と進んでいた……

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