『ブレーク・パーティー』…第6話〈 海は広いな大きすぎるぞ!。・・・の巻・後編 〉

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〈 海は広いな大きすぎるぞ!。・・・の巻・後編 〉
「・・・・・・・・・・・・・」 一瞬の沈黙の後。
「ぎゃぁぁぁぁぁーーー!!。」
 ライラック、チャーム、グリーンの3人はほぼ同時に悲鳴を上げた。それはまさに『ムンクの叫び』のように。
 あまりの恐怖に、ライラック、チャーム、グリーンの髪の毛は、どれも同じように逆立っていた。
 なぜならボートの直ぐ後ろで、大きな口を開けて今にもライラック達をボートごと飲み込もうとしている、巨大な海獣が海面から姿を見せていたからだった。
 海面から見えているだけでも、海獣の大きさはゆうに5メートルはありそうに見えていた。
 それが見えていない海面の下の部分を合わせると、いったいどのくらいの大きさの海獣の化け物なのか、ライラック達にはまったく予測がつかなかった。
 海獣が開けている口の中にある鋭く太い刃物のような歯が、びっしりと並んでいるのが、ライラック達の目にはっきりと見えていた。
 あまりの光景に、呆然としているライラック達のボートを飲み込もうと、海獣の大きな口が迫って来た。
 バシャーーーン!。 海獣の口が巨大な水しぶきを上げて閉じられた。と同時に海獣の巨体も水しぶきを上げて海中に没した。
 空中に飛び散った水しぶきが、雨のようになって海面に落ちて来た。
 パラパラパラ・・・と、水煙が収まった後には、何とライラック達が乗っているボートが、木の葉のように波間に漂っているではないか。 まさに奇跡的に、海獣の口が閉まる寸前に、ライラック達はボートを懸命に漕いで、海獣の口の先の方に乗っているボートを進める事が出来たのであった。
「はうー。 命が縮む思いがしました。」 チャームが全身の力が抜けるような思いで、やっと言葉を発した。
「なにのんきな事を言っているのよ。 あたし達を飲み込み仕損なったあの海獣は、また来るわよ。 早く、あの船に追い着くのよ。なにが何でも救助してもらうんだからね!。」
 ライラックの言葉に、緊張の抜け掛かったチャームとグリーンは、必死の表情で櫓を漕ぐのであった。
 またあの海獣に会いたくないからだ。 命が縮むような思いは2度も経験したく無いと思うのは、ごく自然の摂理であったろう。
「まって!!。」 突然のライラックの大声に、チャームとグリーンの2人は櫓を持つ手をピタリと止めた。
「下から来るわっ」 海面を見ていたライラックはそう言うと、腰の剣をゆっくりと鞘から抜いた。
 耳をすませどのような小さな音さえも聞き逃すまいと、身構えているライラック。
 汗がにじんだ手で櫓を握って、不安そうに海面を見ているチャームとグリーン。
 緊張の時が静寂と共に過ぎていく。 ライラックの顔にも、チャーム、グリーンの顔にも、玉のような水玉が流れているが、それは海水を頭から被ってばかりいた為だけではなかった。
『コポッ。』 ライラックの耳に海の下から小さな音が聞こえてきた。
 ライラックは『はっ。』と音がしてきた方の海面に目を向けると、チャームとグリーンに声を掛けた
「チャーム、グリーン。 身体を伏せてっ!。」
 3人はボートの床に身を屈めたその時、海面が大きく盛り上がり、その中から海獣が空中に跳び上がりその姿を現した。
 ド バ ァァァァァー ー ー ッ。
 バ シ ャァァァァー ー ー ン。
 海獣は考えられないほどの力で空中に飛び跳ね、クルリと一回転すると大きな水しぶきを上げ頭から海中にその姿を消した。
 ライラック達はその時海獣の全身の姿を、その目に見ることが出来た。
 海獣の全身は鯨に似ていて黒い色をしていた。しかし普通の鯨では無い証拠に、海獣の下顎から尾ビレに掛けて灰色に染まった場所からは、数百ものムカデのような足が生えていたのだった。 頭部には3本もの角が生えていた。
 左右の前ビレには、数本の爪が生えているのが見えていた。
 ライラックの乗っているボートは、大きな波に翻弄されるように漂い、ライラック達は海の中に投げ出されないようにボートにしがみついていた。
 
「あっ!!。」 ライラック達は、ボートの下を悠然と泳いで行く巨大な海獣の影を目にした。
 でかい!。 大きすぎる!。 その大きさはどう見ても、40~50メートルはあるのではないかと思われた。
 ライラック達はそんな影を見て息を飲んだ。
 巨大な影の海獣は、船の方に狙いを付けて向かっているようであった。
「いけないっ。 海獣の前ではあの船はひとたまりも無いわ!。」
 船の方に向かって行く海獣の影を見ながら、ライラックは悔しさで歯ぎしりをした。
 船の方も懸命に逃げようとしていたが、海獣の速度には到底かなわないようで、その距離がジワジワと縮まって行くのが見えた。その為、船の上では慌てふためく水夫達の姿があった。
「くそっ。周りが海だから、どうする事も出来ないわ。」 ライラックが呟く。
 チャームはライラックの言葉を聞くと、呪文を唱えて光の中から魔法書を出現させた。
「チャ・・・チャーム・・・。」 グリーンは目を丸くしながら見つめていた。
 魔法書を開いたチャームは、ページをペラペラとめくりだしている。
 この魔法書の文字はチャームしか見る事が出来ない魔法が掛けられている為、側から魔法書の中を覗き見たところで、真っ白いページだけしか見えないのである。
「チャーム!。」 ライラックがチャームの方に顔を向けた。何か使える魔法が無いかと聞いていたのだ。
 チャームはその真っ白いページを数枚めくった後、「あ。これあたりがいいですね。」と頷くと、ページを破り「冷波(れいは)。」と素早く叫び、高くうねっている海面に投げ入れた。
 するとどうだ!。 波打つ海面がピシピシピシ・・・と凍りつき船に近づいていた海獣の身体にまで、氷の道が一本出来上がったのだ。
「ライラックさん、さあ早く行って下さい。 氷の道はあまり長くは持ちませんから。」
 ライラックはチャームの言葉を背中に聞くと、「わかったわ!。」と一言いって、氷の道を走りだした。海獣の背中に向かって。
『確かあの海獣の弱点は、頭の上にある3本の角の内の真ん中の角が脳味噌に繋がっているから、それを攻めれば勝機があるはずだわ。』
 ライラックは走りながら戦いの戦略を考えていた。
 海獣の背中が近づいて来る。海獣の身体が氷の道にシバレ付いて、何とか離れようとして、巨体を動かしてもがいていた。
 タタタ・・・。 氷の道を走るライラック。 ピシピシ・・・バリンバリン。 海水を被って氷の道が溶け砕けていっている。 バリバリバリ・・・。海獣の巨体と怪力に耐えられずに氷が砕け始めた。
「たぁぁぁぁ!。」 ライラックの足の下にあった氷が砕けて海水に溶けていった時、ライラックは海獣の背中に向かってジャンプをした。
 ガッ!。 ライラックは海獣の背中に飛びついた。
 ズッ!。 濡れてヌルヌルの背中に思わず滑り落ちそうになったライラックは、ズバァ!、と剣先を深々と海獣の背中に突き刺して、滑り落ちるのを防いだ。
 海獣の身体は厚い脂肪に包まれているのか、深く突き刺した背中の傷口からは、一滴も海獣の血液は出てこなかった。 ましてやこれだけの巨体だ。 ライラックが突き刺したことさえも、この海獣は気が付いていないのかもしれない。
「ブファー。」 海獣が叫び声を上げて身体を大きく震わせた。
 バリバリバリ。 海獣の動きを押さえていた氷が音を立てて割れだした。
「わあー。 このままじゃ、ライラックさんが海の底に引きずり込まれてアウトだよ。 チャーム、何とかならないの?。」
 握り拳を作って見ているグリーンがチャームに叫んだ。
「わかっていますよー。 冷波!。」
 再び氷の道が海獣の身体まで繋がって海獣の動きを止める。
 その間に、背中にいるライラックは3本の角が生えている海獣の頭のところに、剣を支えに何とかにじり寄って行った。
 ブ ル ン !。
 海獣は氷の狭間から抜け出そうと、また背中に取り付いているライラックを振り落とそうとして、巨体を振るわせた。
「うわっ!。」 ライラックの身体が一瞬海獣の背中から落ちそうになった。
 ズサッ!。 ライラックは海獣の背中に持っている剣先を深々と突き刺し、何とか落ちそうになった身体を防いだ。
「わぁぁぁ。 このままじゃライラックさんが海の中に落ちちゃうよ。 チャーム何かライラックさんを援護する魔法はないの?。」
 ハラハラしながら見ていたグリーンは、思わずチャームに訴えた。
「はいはい・・・。 ちょっと待って下さいよ。・・・これあたりいいかしら?。」
 魔法書のページをめくっていたチャームは呟くと、ページを剥ぎ取り海獣に向かって投げた。 「氷刃(ひょうは)!。」
 サァァァァァーッ!。 ズバッ!。ズバッ!。ズバッ!。ズバッ!。
「ヴァッフォ!。」
 チャームの魔法の氷刃は、空気を切り裂く音を立てて暴れている海獣の身体に、次から次へと命中した。
 しかし、海獣の暴れる動きは一向に収まる気配がなかった。
「チャーム!。 あんな大きな身体の海獣に、氷の刃物が通用すると思っているの?。 しかも普通のナイフと同じ大きさだろう?。・・・相手の大きさを考えて魔法を使ってよ。 それでも魔法使いなの?。」
 グリーンは『チャーム、なにを考えてるの?。 信じられなーい。』と言った表情で、批判的な顔をチャームに向けた。
「あらら。 グリーンさん、わたしは魔法使いでは無く『エルフの魔道士』なんですよ。 魔法を使う人間とは一緒にしないで下さいね。」
 人形のような整った顔立ちで、ニコニコと微笑みながらグリーンに反論したチャームの言葉には、丁寧な言葉の中にもどこか語尾が強くトゲのある物になっていた。 めずらしくチャームは怒っているようだった。 それはまるで、魔法を使う人間と一緒にされた事に、エルフのプライドを傷つけられたと言っているようだった。
「はいはい。 エルフの魔道士ですか・・・。 半分人間の血が混じったハーフエルフのくせに・・・。」
 人間の事を下等に見ているようなチャームに対して、グリーンは腹を立てて思わず呟いた。
 その呟きをチャームの耳は見逃さなかった。 チャームはグリーンの顔にグイッと近づくと、「ん・・・?。 ハーフエルフがどうかしましたか?。 グリーンさんは男と女の半分ずつの身体で一生を送りたいようですね?。 あたしは構わないんですけども。」とニコニコしながらハッキリと言うのであった。完全にトゲのある言葉を・・・。
「あーん!。 チャームぅー。 ごめーん!。 僕が悪かったよう。 見捨てないでぇー。チャームは立派なエルフの魔道士だよう!。」
 チャームの言葉にビックリしたグリーンは、泣きながら謝った。
「グリーンさん、わかればいいんですよ。」
 チャームは勝ち誇ったように胸を張って静かに言い放った。 相も変わらずニコニコとした表情で・・・。
 チャームとグリーンの漫才にも似た会話が終わった頃、2人の耳にバリーン、バリバリバリーン、と言った氷が割れる音が飛び込んで来た。
 2人は向かい合っていた顔を、ほぼ同時に音のした方向に向けた。
「いっ!。」「えっ!。」 2人はやはりほぼ同時に息を飲む声を上げた。
 2人がライラックと海獣の事を忘れて、つまらない喧嘩をしている間に、ライラックは海獣の頭部の真ん中の角にしがみついていた。 そしてライラックを載せている海獣は身体を固めていた氷を砕いて、海中に没する為に空中へと飛び跳ねる瞬間であった。
 このまま海中にでも潜られたら、頭部にしがみ付いているライラックの命は、まちがいなく無くなってしまうだろう。
「ゴワッ!」 海獣は大きく叫び声を上げた。
「くっ!。 くらえっ!。」 ライラックは真ん中の角の根元向かって、手にしている剣の先を突き刺そうと振り上げた。
「危なーい!。」 グリーンは出る限りの叫び声を上げた。
「雷破(らいは)!!」 チャームは一気に魔法書のページを破り取ると、海獣の方に投げた。
 ドバァァァーッ!。 ライラックの剣が角の根元に深く深く突き立てられた。
 バシャァァァー。 海獣の角の根元から鯨の潮吹きのように大量の血液が噴き出した。
 ピカッ。バリバリバリバリー!。 突然空中が光って雷光が海獣の左目に直撃をした。
「ボワァァッ!」 ドバシャーーン。 海獣は雷撃で受けた左目から煙を出しながら、空中に跳び上がると頭から氷を突き破って、海中の中へと消えていった。
「わぁぁぁぁー。」 ライラックはその衝撃で、海獣の頭部から海面へと振り落とされた。
 海獣とライラックは、大きな水柱の中に消えた。
 バシャァァァァーーーーッ!。
 空中に舞い上がった海水の水しぶきが、豪雨のようにボートの中にいるチャームとグリーンの頭上に降り注ぎ、2人の身体をずぶ濡れにした。
 チャームとグリーンはそんな事には気にも止める事もなく、ライラックと海獣が海中に没した辺りの海面を懸命に眺めていた。
 霧のような水しぶきが晴れると、目の前の海面は静かな波の動きをしていた。
 今起こっていた戦いがまるで嘘のように静かな海を現していた。
 ザァァァー。ザァァァー。
「ね、ね、・・・ラ、ライラックさんがどこにも居ないよ。」
 グリーンがボートから身を乗り出すようにして海面を見ながら、不安そうに言った。
 チャームはグリーンの言葉を聞きながら、ボートの周りの海面を見渡している。
「どうしょう。どうしょう。・・・ライラックさん、海の底に沈んじゃったのかな?。」
 グリーンは泣きそうな顔になっていく。
 その時チャームのブルーの瞳が、波間に浮き沈みしながら浮かんでいる人影を見つけた。
 それはキラキラと太陽の光を反射している。
 ライラックは銀色の鎧とすね当てを着けているので、それが反射しているようだ。
「見つけた。」 チャームはそう言うとグリーンに知らせる為、その光り輝く人影を指差した。
 2人はその浮いている人影の所に向かって、懸命にボートを漕いで行った。
 近づいてみると、それはやはり探しているライラックの姿であった。
 ライラックは仰向けになって、波間に漂っていた。
 2人はライラックの名前を呼び掛けてみるが、ライラックの身体はピクリとも動かない。
「ライラックさん!。ライラックさん!。 今ボートに引き上げるから、死なないでね!」
 グリーンは涙目になりながら、浮いているライラックをボートの上に引き上げようとしていた。
 しばらくして、チャームとグリーンは何とかライラックの身体をボートの上に引き上げる事が出来た。
 2人は心配そうな顔でライラックを見下ろした。
 ボートに引き上げられたライラックの身体は、波間に浮かんでいた時同様に、まるっきり動く気配が見えず、まるで死んでいるように見えていた。
 それでもライラックは剣士らしく、右の手には自分の剣がしっかりと握られていた。
「チャーム。・・・ライラックさんは死んじゃったのかな・・・?。」
 グリーンの問いに、チャームは自分の右手でライラックの鎧の上から胸に手を添えると、「・・・いいえ。 ライラックさんは死んではいません。 気を失っているだけですね。」と答えた。
「ええ?。 ほんとう。 ライラックさんは・・・死んではいないんだね。」
 グリーンはホッとしたように言うと、ライラックの名前を呼びながらライラックの身体を揺り動かし続けた。
 チャームはその光景を黙って見ていると、その内ライラックの顔の表面に生気が現れ出し、ライラックの唇が僅かに動いて、「う~ん・・・。」と言う声が漏れた。
「わっ。ライラックさんが気が付いた。」
 グリーンの嬉しそうな声を聞きながら、ライラックの目がゆっくりと開けていった。
 グリーンは嬉しさのあまりライラックの身体に飛びついた。
「あれ・・・?。 あたし・・・どうしてここに・・・?。」
 ライラックの頭脳がやっと活動を始めたらしく、まだボーッとした頭のままで呟くのがやっとだった。
 ライラックに抱き付いているグリーンの姿を、ニコニコ微笑みながら見ていたチャームは、
 突然自分たちの回りがスゥゥゥっと、薄暗い影に覆われていくのに気が付いた。
『何です?。』 チャームは急いで背後に目を向けた。
 見るとチャームの背後の海には、先程海獣に追われ逃げていた大きな船が音も無く近づいて来ていた。
 チャームは顔を上げて、船の上からチャーム達を見下ろしている水夫達を見た。
 船上からはライラック達3人の事を、興味があるような、敵意を持つような、はたまた恐れを持つような・・・様々な視線が3人達に注がれているのを、チャームは全身で感じていた。
 しかも水夫達の真ん中からは、ひときわ強い視線を感じていた。 どうもこの船の船長の視線なのかもしれない。
 船上を見上げていたチャームは、ある事に気が付いた。
『・・・え?。 どう言うこと?。・・・この船の水夫さん達は・・・、女の子ばかりだわ・・・。』
 チャームの目は船の水夫達が女性ばかりである事を見抜き、奇異な気持ちになるのであった。
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 ニュチャ、ニュチャ、ニュチャ、ニュチャ、ニュチャ。
 薄暗い地下牢の奥から、湿った汁音が響いてきていた。
 それに続いて、若い女性の許しを請う哀願の声が微かに聞こえたかと思うと、パシーン!と言う鞭の乾いた音がこだまし、女性の悲鳴が響き渡った。
 ここは北方にある、ある国の王宮だ。
 しかしこの王宮の主は、今は悪魔のような魔女が玉座に座っていた。
 そして、その魔女は地下牢の中できらびやかな椅子に座って、拷問を受けて苦しみの姿を晒している女性を笑いながら見ていた。
 万歳の姿で両手両足を鎖で繋がれ、宙に浮いたようにされている裸姿の若い女性は、この国の元王妃である。
 元王妃の周りには同じく全裸姿の男達がいた。 しかしこの男達は、魔女が造り上げた人外の生き物であった。 その証拠に元王妃の裸体を舐めまわしているその男達の舌が、数十センチもの長さを持ち、蛇のような舌で舐める者もいれば、猫のようなザラザラの舌で舐め回す者もいる。 その為、元王妃は強制的な快感を何度も何度も経験され続けていた。この快楽責めは、すでに休み無く数日間続けられているのである。
 快感の波状攻撃の責めをその身体中で受け、もう何度も気を失ったが、そのつど強制的に覚醒され責めを受け続けていた。
「くくく・・・。 さすがはあの種族出身の王妃ね。 良く持つわ。・・・普通の人間ならば、もうとっくに発狂死しているところよ。・・・くくく。  そろそろいいかもしれないわね。」
 魔女はそう言うと、人外の男の1人に目で合図をした。
「ガルッ。」 男達はテーブルに置いてある刃物を手にすると、快楽責めを受けてビチョビチョに淫液で汚しているヴァギナに近寄り、刃物の刃をヴァギナのラビアとクリトリスにあてがった。
「よく見ておくがいいよ。 お前達の母様が、女としてもう使い物にならなくなるようすをね。 男達が持っているあの刃物で、クリトリスやラビアや乳房を切り取られるんだからね。 お前達の母様はさぞやいい声で悲鳴を上げてくれるだろうね。」
 魔女は椅子の側で後ろ手に手枷を付けられ、全裸姿で座らさせられている、元王妃の2人の子供の王子と王女に向かって、冷たく言い放つのであった。
 王子と王女は鎖の付いた首輪を填められ口枷を噛まされて、この残酷な光景を無理矢理見せられているのであった。
 この2人にただ出来る事は、涙を流しながらこの光景を見続ける事だけであった。
 魔女はこの2人を見て地下牢中に響く笑い声を上げるのであった。 それと同時に、ヴァギナと乳房に刃物を突き入れられた元王妃の悲鳴が響き渡るのであった。


< あとがき >
 こんにちは。九尾きつねです。
 久しぶりに、ほんとうに久しぶりに「ブレーク・パーティー」をお届けいたしました。
 前回の第5話から今回の第6話を書くまで、いったい何ヶ月のブランクがあったんだろうかな?。(笑)。
 さて今回のライラック達は、フォレックス公爵のいる国を離れて、ブラッド・オパールを追って南方への船の旅編です。
 はたして未知の南方の国では、何がライラック達を待っているのでしょうか?。 今後もどうぞこのシリーズをお楽しみ下さい。
 では次回作でまたお会いいたしましょう。

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